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安倍晋三氏が、昨年7月8日、奈良で参院選の街頭演説中に凶弾に倒れてから、1年が過ぎた。改めて哀悼の意を表したい。
昨日は午前中に東京・芝の増上寺で一周忌に法要が行われ、歴代の首相や各党の党首その他与野党の議員や財界人などが参列。<午後には一般国民用の献花台も設けられた。>
近くのホテルで直会(なおらえ・法要後の食事会)が行われた後、明治記念館で安倍氏の支持者が呼びかけ人となり「世界に咲き誇れ日本―安倍晋三元総理の志を継承する集い」なるものが開かれた。<呼びかけ人は櫻井よしこ氏、阿比留瑠比氏(産経)ら。you tubeで配信中継されたという。>
安倍氏を支持していた人々、安倍氏と共に超保守思想に基づく政治活動をしていた人々にとって、安倍氏が亡くなったことは、本当に哀しく、つらいことだっただろうし。政治活動を進める上で、大きな痛手になっていることだろう。(-_-;)
一周忌の会合でも、何とか安倍氏の存在、遺志を際立たせて、今後も引き継いで行こうとする姿勢を強く示そうとする感じがあった。
安倍昭恵夫人までが「以前、森総理は『日本は神の国』と言って問題になりましたけれども、私は間違いなく、日本は神の国だなというふうに思っています。脈々と続いた、歴史ある日本。本当に主人はこの日本を誇りある国にするために頑張ってまいりましたので、私もこれから主人の魂とともにこの国のために尽くしていきたいというふうに思っているところですので、皆さんどうぞ、よろしくお願いいたします」と挨拶したのにはびっくり。(・o・)
高市早苗氏は「最近、安倍総理の後継者は誰かなどという軽い報道を見ると、私は腹が立ちます。安倍総理の代わりになる人なんていやしませんよ」と、安倍氏の存在感の大きさをアピールしていた。(>_<)
<岸田首相は「『岸田さん、総理大臣になったんだから、あなたが信じる道をまっすぐに進めばいいんだよ』。私は一人悩む時に、この安倍元総理の言葉を思い出します」と挨拶。安倍路線を気にせず、岸田路線で行って欲しい。>
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誤解なきように、敢えて書いておくが、私は安倍晋三氏を忌み嫌ってはいない。
ひとりの人間として、実に優しく、友達思いで、弱い立場の人たちにも配慮していたし、品のない言動もほとんどなかったように思うし。仕事先の上司だったりしたら、むしろ、好印象を抱いて、一緒に飲食を楽しんでいたかも知れない。(・・)
でも、残念ながら、政治家としては、政治理念、思想が8~9割がた合わないため、全く支持できなかったし。考えが180度近く異なる人が首相を続けていた日々は、ひとりの国民としてかなりしんどい、フラストレーションのたまるものだった。_(。。)_
mewは、平和と個人の人権を享受する戦後の自由民主主義っ子であって、それを自分たちの次の世代にも残して行きたいと考えている。(++)
でも、安倍氏は、戦後の日本の憲法、教育、個人の人権、不戦による平和重視する社会などを認めず。「戦後レジームからの脱却」をスローガンに掲げて、戦前志向の憲法、教育、社会、人権ルールなどを作ることを目標に国政を運営。実際に、戦後60~70年にわたって築いて来たものを、次々と壊そうとしていたからだ。
安倍氏と若い時から懇意の仲で、二次政権では首相と官房長官としてタッグを組んでいた菅義偉氏が、安倍氏について、このように語っていたという。
『菅義偉前首相「戦後日本の骨格、造り替えた」
安倍晋三元首相が亡くなってから「もう1年がたつのか」という気持ちがすごく強いですね。国会内にある私の事務所の応接室に、第2次安倍政権時の衆院本会議で安倍さんと私が笑顔で話している写真を飾っていますが、事務所に来られるお客さんとよくその写真が話題になります。今もいろいろなときに安倍さんを思い浮かべます。外交、安全保障、少子化対策など安倍さんがいたらどうしただろうとよく考えます。
安倍さんは教育基本法を改正し、安保関連法や特定秘密保護法を成立させ、国家安全保障会議(NSC)を作った。ある意味、戦後日本の骨格を造り替えた人です。安倍さんに肯定的な人も否定的な人も含めて、安倍さんによってさまざまな政策論議が進んだ。令和元年10月に消費税率を8%から10%に引き上げた際に約2兆円を確保し、幼児教育・保育の無償化や高等教育の負担軽減を実施しました。高齢者中心だった社会保障を転換して、待機児童解消を中心に子供や若者の施策を大きく充実させました。
連立を組む公明党との関係について、安倍さんは「政権の安定は政策の推進につながる」と強く思っていました。野党時代も自公でいっしょに行動してきたし、それが政治の安定につながってきた。
時に自公間で考えに隔たりがある政策もありました。消費税率10%への引き上げに伴う軽減税率の導入では、最後に安倍さんに判断してもらったのですが、私が「このままでは軽減税率で自公関係は壊れる可能性がありますよ」と伝えたら、安倍さんは「それは絶対に駄目だ。まとめよう」と言い、公明の意向を反映した形で決着した。これだけ物価が上がると、軽減税率を導入して対象品目を広くしてよかった。
逆に、自民の強い意向で成立させたのが安保関連法です。公明の理念を考えると難しい面もあると思いましたが、しっかりと必要性を説き、「戦争法案」「徴兵制復活」などと批判される中で理解してもらい、法案を国会で通すことができた。ロシアのウクライナ侵略を見ても成立させてよかった。自民単独では完遂できなかったでしょう。
安倍さんの遺志を継ぎ、国の骨格となる政策をしっかりと前に進めていくことが大事です。方向性は安倍さんがすでに示してくれたわけですから。
私は安倍さんの後に首相になり、「安倍政治」を継承しながら飛躍・発展させる責任があると考え、安倍政権で打ち出しながら先送りされていた政策に決着をつけてきた。新型コロナウイルスと闘いながら、東京電力福島第1原子力発電所にたまり続けている処理水の海洋放出や憲法改正の手続きに関する改正国民投票法成立、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」もそうです。今後もこうした政策を前に進めるのが私の役割だと思っています。(聞き手 大島悠亮、野村憲正)(産経新聞23年7月1日)』
菅氏が例に挙げている教育基本法改正、特定秘密保護法、安保関連法(集団的自衛権の行使容認の憲法解釈変更を含む)、NSC創設などなど、個人的に大反対だったものばかり。(-"-)
よくもまあ、好き勝手に、戦後日本の骨格を造り替えて、壊してくれちゃってと、正直なところ、やや恨みがましく思っているほどだ。_(ノ_-。)
ここには何故か経済政策の話が出て来ないのだが(アベノミクスは失敗だったから?)、新自由主義的な経済、社会政策は、菅氏が主導していたのではないかと察する。<安倍氏はもともとは社会政策も重視してたはずなのだが。経済界の支持を得る必要には、新自由主義の方がいいのだろう。(-_-)>
ちなみに、菅政権が決めた福島第1原発にたまり続けている処理水の海洋放出や憲法改正の手続きに関する改正国民投票法にも大反対だし。
「2050年カーボンニュートラル宣言」自体は評価するけど、半分ぐらいは原発政策を推進するための大義名分にしようと考えたのかな、と邪推している。(-_-;)
安倍&菅氏が、官邸主導のトップダウンの国政運営を行ない、自公議員や官僚たちを支配を強めたことで、日本の議会制民主主義も大きく後退してしまったのは残念なことだ。<モリカケ桜などの疑惑が生じても、証拠になりそうな書類はどんどん処分され、官僚は次々とウソの証言をし、問題を隠蔽してしまったし。(-"-)>
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今、超保守勢力には、安倍晋三氏ほど存在感のあるリーダーがいない。それゆえ、ここで安倍晋三氏を、ある種、神格化して「安倍さまのご遺志の実現を」という動きが出るおそれがあるのだが・・・。
もし安倍氏の遺志を継ぐ者たちが、またウクライナ侵攻や台湾有事を持ち出して、憲法9条改正や軍事強化、防衛装備規制の変更(殺傷能力ある武器の提供、輸出可に)を煽ったり、核共有の話などを始めることは、耐え難いことだし。何とか阻止したいところ。(・・)
それゆえ、安倍氏の一周忌を機に改めて、mewは「脱・安倍」「脱・アベスガ」の国政が行われるように、一国民として自分にできることをして行くつもりだと、宣言しておきたい。このブログを毎日アップして来たのも、今後もできるだけ続けようと考えているのも、その活動の一つだ。(++)
そして、何とか祖父母や父母の代が、戦後70年以上もの間、懸命に守って来てくれた日本の平和、民主主義、基本的人権を尊重する精神をしっかり守って、次の世代に渡したいと。「愛する日本の戦後体制を守るぞ!」(本当は、これこそが保守本流のはず?)と大きな声で言いたいmewなのだった。(@_@。
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