ある意味では、大きなニュースを。
安倍派(清和会)は今春、所属議員が100人に達していたのだが。昨日20日、既に届け出を出していた土井亨衆院議員の退会が認められ、99人になった。(@@)
土井氏は宮城県議(93-03年)を経て、05年に衆院選(宮城1区)に初当選し、現在、衆院5期め。
土井氏は、かねてから、安倍派は会長を決めるべきだと主張していたのだが。森喜朗元首相が主導する形で、集団指導体制をとることにに決めたのを快く思っていなかったという。<後述するように、森喜朗氏に嫌われていたという話もある。^^;>
何故、ある意味で、大きなニュースかと言えば、安倍派は強力なリーダーを失ってまとまりがなくなっており、分裂の危機にあると言われているからだ。
党内では、今の指導体制や森元首相主導に不満を抱いている議員も少なからずいることから、この土井氏の退会が、アリの一穴(安倍派に一穴)になる可能性が否定できないのである。(@@)
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『安倍派から1人退会 100人割れ 森元首相への不満 アリの一穴か
自民党安倍派が100人の大台を割り込み、99人になった。同派が20日、土井亨衆院議員(宮城1区)の退会届を受理したと発表。新会長を選出できないまま、新たに敷いた集団指導体制への不満は派内にくすぶり、今後も退会者が出る可能性もささやかれる。
「何人かで説得したが、固い意思があった」。安倍派の塩谷立座長は同日、土井氏の退会届を受理した経緯を朝日新聞などの取材に語った。土井氏は13日に退会の意向を示したが、塩谷氏が慰留していた。
土井氏はこれに応じず、取材に「新会長を決められなければ退会すると言ってきた」と説明した。無派閥の閣僚経験者は、土井氏が森喜朗元首相の名を挙げ、「森さんの言いなりになる派閥は嫌だ」と相談してきたと語る。』
『関係者によりますと、土井議員は安倍元総理が亡くなって以降、会長が不在となっている派閥の運営体制や、松野官房長官や萩生田政調会長ら有力議員5人のいわゆる「5人衆」が政府や党の要職を独占している現状への不満を周囲に語っていたということです。(TBS23年9月20日)』
安倍派は、会長だった安倍晋三氏が昨年7月に急逝した後、なかなか次の会長を決めることができずにいた。
塩谷立氏と下村博文氏が会長代理を務めていたので、一時は2人のうちで年長の塩谷立氏を会長にしようという話が出ていたのだが。塩谷氏が政治力、知名度が強くないこともあって、若手・中堅が反対したため実現せず。
また、次期首相を狙っている五人衆(萩生田、西村、世耕、松野、高木)の集団指導体制を模索したものの、これもうまく話が進まず。結局、森元首相の提案に従い、五人衆を含む15人の議員から成る「常任幹事会」(座長は塩谷立氏)で集団指導体制をとることが決まった。(・・)
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この時に、会長代理だった(&安倍氏の後継者とみなされていた?)下村氏も集団指導体制に反対していたのだが、主張が聞き入られず。森喜朗氏に嫌われていたこともあって、常任幹事会のメンバーから外されてしまった。<今週、いわば名誉職となる「顧問」になることが発表された。^^;>
下村氏は9月11日にインターネットの番組で、森喜朗氏を批判している。
『自民党の下村博文元文部科学相は11日のインターネット番組で、所属する安倍派に強い影響力を持つ森喜朗元首相を批判した。同派の新体制を巡り「ここまで邪魔されるとは思わなかった。政界引退した森氏に影響力が残っているのは残念だ」と述べた。下村氏は森氏の意向で、派閥の新たな意思決定機関・常任幹事会から外れたとされる。
下村氏は、文科相時代に東京五輪のメインスタジアムとなる国立競技場の総工費が膨張し、旧整備計画が白紙撤回になった経緯に言及。森氏が招致に尽力した2019年ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会に整備が間に合わず「それ以来、森氏に恨まれている」と語った。(毎日新聞23年9月12日)』
『関係者によると、土井氏は過去に森氏と確執があり、森氏がにらみを利かせた新体制について「許せない様子だった」(派関係者)という。
現状、土井氏に続く退会希望は表面化していない。ただ「気持ちは分かる。この退会がアリの一穴になり得るかも」(中堅)といった声もある。下村氏は11日のインターネット番組で「(自身の処遇で)ここまで邪魔されるとは思わなかった。政界引退した森氏に影響力が残っているのは残念だ」と恨み節を口にした。
若手は「派閥運営は正念場。早く会長を決めるべきだ」と求める。だが派内は「次の衆院選までは今の体制のままでいく」(重鎮)との方針に傾きつつある。(西日本新聞23年9月19日)』
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土井氏と森氏の間の確執とは・・・?
『土井氏と森氏との間には「因縁」があるからだ。土井氏は宮城県連幹事長時代の2001年1月、主婦が県連に「これなら私が総理大臣をやった方がマシよ」と抗議電話をかけてくるCMを企画した。当時の森内閣が不人気だったことから、森首相批判につながるとして、当時の党幹事長・古賀誠氏が待ったをかけた。土井氏は「内部から立ち直るというメッセージを込めただけだ」と反論したが、森氏は不快に思ったという。
さらに「5人組」ばかりが閣僚や党の要職を独占していることにも、不満があった。土井氏は当選5回の入閣適齢期だが、「5人組」がことさら厚遇されていると映る。これは土井氏のような当選5回前後の議員に共通しているという。「5人組」ではなく塩谷氏が座長になったことにも、当選4回や5回の議員の後押しがあった。
土井氏の退会が「アリの一穴」となって、最大派閥が大きく揺れるのか、あるいは土井氏だけにとどまるのか。先行きが注目される。(喜多長夫/政治ジャーナリスト)(アサ芸プラス23年9月20日)』
<ちなみに、上の記事にある01年のCMは、総理大臣のところが「ピー」という自主規制音をかぶされて、放映されていたという。^^;*1>
以前から書いているように、mewは、旧森派だった清和会が党内最大派閥として自民党内で勢力を持ってから、自民党がまた国会で「数の力」でゴリ押ししたり、党内も派閥の力で強引に運営したりするようになって(政官財癒着もまたひどくなったかも)、日本の民主主義、国政を悪化させているのではないかと考えている。
それゆえ、是非、今回の土井氏の退会がアリの一穴(安倍派に一穴)、になるといいな~と思うmewなのだった。(@_@。
THANKS