陸上自衛隊で男性隊員から性暴力を受けたと訴えた元自衛官の五ノ井里奈さん(24)が、米タイム誌による「次世代の100人」に選出された。
タイムズ誌は、選出理由として、「真実と説明責任を求める勇敢な行動が政府を動かした」ことを挙げている。
24日夜には、ニューヨークで「次世代の100人」授賞式と祝賀パーティーが行われ、五ノ井さんは自分らしい姿を見せたいと柔道着姿で出席した。(・・)
『五ノ井さんは出席前に記者団に対し、「間違っているものは間違っている、悪いものは悪いと声を上げ続けたい」と語った。五ノ井さんは柔道着姿で、「心が折れそうになっても、何度でも立ち上がる強さを柔道で学んだ。自分らしい姿で行こうと思った」と説明した。(読売新聞23年10月25日)』
実は五ノ井さんは、今でも裁判所で五ノ井さんに性暴力行為を行なった元自衛官や上司と戦っているのである。
防衛省は五ノ井さんが複数の自衛官に性暴力を受けていたことを認め、懲戒処分に。自衛官の中には五ノ井さんに謝罪(一部は土下座)し、示談を申し出た人もいたのだが、その後、何の音沙汰もなく反省が見られなかったことから、五代さんが提訴したところ、突然、態度を変え、裁判所で性暴力行為を認めない発言を繰り返しているからだ。(-"-)
おまけに五ノ井さんを中傷する投稿をしていたひとりが現役自衛官であることも判明。10月に侮辱罪で略式起訴された。(>_<)
<以下、wikipediaを引用(『』内)、自系列、事実関係を参考にした部分が多い。ただし、関連記事も色々とチェックしている。>
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五ノ井さんは、東日本大震災で被災者の救助に当たる自衛官の姿に心を打たれ、20年4月に陸上自衛隊に入隊。福島県の郡山駐屯地に配属されたが、部隊では女性は1割に満たず、男性自衛官によるセクハラ行為が続いたという。
『廊下で男性隊員に抱きつかれる・宴会で胸を触られる等のセクハラが頻繁に行われた。勤務中に男性隊員が「柔道しようぜ」と言いながら五ノ井の腰をつかまえ、バックのような体勢で腰を振ってくることもあったという』
『山での訓練において、五ノ井は狭いテントに押し込まれ、胸を揉まれる、キスをされる、男性隊員の陰部を触らせられるなどの被害を受けた』
『夜の宴会で五ノ井が食事の準備をしていると、「食事はいいから接待して」と宴会の輪の中に座らされた。すると男性隊員Bが五ノ井に柔道の技をかけて倒し、脚を無理やりこじ開け、馬乗りになって下半身を押し付け、腰を振るなどした』(wikipediaより)
五ノ井さんは、当初は躊躇していたものの、やがて本部に報告したり、警務部隊にも被害届を出したが、なかなか対応してもらえなかったという。
精神的に異常を覚えたため、21年7月、自衛隊を休職。適応障害と診断された。
このままでは泣き寝入りになると考えた五ノ井さんは、五ノ井さんは、22年6月に自衛隊を退職。2度と同じような被害者が出て欲しくないと考え、youtubeなどでこの経緯を告発した。<激しい誹謗中傷や五ノ井の容姿に対する侮辱が殺到したため、五ノ井さんは告訴の準備を進めている。>
8月には、公正な調査と再発防止を求める要望書と署名簿を防衛省に提出。五ノ井さんの呼びかけにより、自衛隊でのハラスメント事例が100件以上寄せられ、署名は約10万6千件も集まったという。
この頃から、防衛省&周辺が動き出した。(@@)
『防衛省は五ノ井の所属部隊内で「性的な発言や人体へ接触が日常的に公然とされていたこと」、五ノ井に対しては、2020年秋に「警衛所で勤務中に複数の隊員から体を触られたこと」、2021年6月に「訓練で設営したテントの中で隊員から性的な身体接触や発言をされた」こと、そして2021年8月の「訓練中に宿舎で押し倒されて身体接触をされ、加害隊員が五ノ井に口止めを行っていたこと」を、性被害として認定した』
10月17日、『五ノ井は自分への性暴力に関与した男性隊員のうち4人と、非公開の場で直接の謝罪を受けた。五ノ井は午後に記者会見を行い、以下の内容を明らかにした。五ノ井は男性隊員4人から、1人ずつ、1時間程度の謝罪を受け、4人中3人は土下座し、涙ながらに謝る隊員もいた』という。
また『12月19日、五ノ井は日本外国特派員協会で記者会見して、自身への性暴力加害に関与した元隊員3人から示談の申し出があったのを発表した。』
12月22日『防衛省は五ノ井からの性暴力被害申告をほぼ全面に認定し、直接的に性加害に関与した5人の隊員(1等陸曹から3等陸曹)を懲戒免職に』なった。うち一人は、他の女性自衛官へのセクハラ行為も判明した。他の自衛官も定職、訓戒などの処分になった。
また22年にはいって、男性隊員男性隊員3名は強制わいせつ罪の容疑で書類送検されたが、福島地検は不起訴処分に。そこで、五ノ井さんは追加の証拠を集め、6月に検察審査会に不服申し立てを行ったところ、9月に「不起訴不当」の判断が出たため、捜査が再開されることに。
今年、3人の自衛官が強制わいせつ罪で起訴され、福島地裁で刑事裁判を受けている。(・・)
五ノ井さんの主張の大部分が認められ、いい方向に進んでいると思われたのだが。
23年1月、五ノ井さんは、国と5人の自衛官を相手どって、計750万円の損害賠償を求める民事裁判を、横浜地裁に提訴した。
『五ノ井は「できることなら訴訟はしたくなかったが、12月の示談交渉以降は加害者側から回答がなく、このままでは反省のないままハラスメントが続いていくのではないか」と考えて訴訟を決意し、性被害の再発を止めることが提訴の目的だと説明した。記者会見中、五ノ井は「私は自衛隊が今でも好きで、自衛隊員は素晴らしい職業である。女性が安心して勤務できる環境になってほしい」と、何度も強調した。』
実際、民事裁判では、国は自衛官の性暴力行為を認めたものの、5人の自衛官のうち4人がわいせつ行為を行なったことを否定し、争っている。<1人は行為を認め、和解を申し出た。>
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さらに6月から始まった刑事裁判でも、自衛官はわいせつ行為を行なったことを否定。「上官の命令で技をかけた」「笑いをとるために覆いかぶさったが、体は密着していない」「陰部の接触はしていない」などとわいせつ性に当たる行為を全て否認し、無罪を訴えている。(~_~;)
自衛官の中には、「五ノ井さんの記憶が曖昧なのでは」「五ノ井さんがうそをついているのではないか」と発言した者もいたという。(-"-)
また、性暴力の行為をしていないのに、謝罪や土下座をしたのは「上官に言われたから」「不快な思いをさせたから謝罪した」だけだと主張しているという。
この刑事裁判の判決は12月に出る見込みだ。_(。。)_
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先述したように、五ノ井さんには、自衛隊の関係者や愛好者、保守系支持者(ネトウヨ?)だと思われる人から、多数の誹謗中傷の投稿が寄せられているのだが。
そのうちのひとりが、10月に横浜区検に略式起訴されたことがわかった。現職の陸上自衛官(幹部)だったという。(@@)
『木原稔防衛相は20日の会見で、元陸上自衛官で同僚から性暴力を受けたとして実名で告発した五ノ井里奈さんを、ネット上で中傷したとして侮辱罪で略式起訴された現職自衛官の男(41)が、茨城県の陸自勝田駐屯地にある施設学校所属の幹部だったと明らかにした。
男をめぐっては、神奈川県警が7月、侮辱容疑で横浜地検に書類送検。横浜区検が今月13日、横浜簡裁に略式起訴していた。(朝日新聞23年10月20日)』
勇気と覚悟をもって、性暴力行為を行なった自衛官だけでなく、誹謗中傷をする人々とも戦い続けている五ノ井さんには、本当に大変だと思うけど、負けずに頑張って欲しいと激励の声を送りたい。
また、そんな中、戦う彼女の背中を押すべく、米タイムズ誌が五ノ井さんの頑張りを評価して「次世代の100人」に選んでことを嬉しく思っているmewなのだった。(@_@。
THANKS