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17日に『自民議連が派閥廃止、政策活動費の使途公開などを要求・・・』という記事をアップした。
自民党の青山繁晴参院議員が率いる有志の議員連盟「政治(まつりごと)変革会議」が党本部で渡海紀三朗政調会長と会い、派閥全廃や政策活動費の使途公開などを要請したという話だ。<注・mewは青山繁晴の超保守思想には全く共感していない。(・・)>
《同会議は趣意書で、派閥の弊害について「ボスが存在し、カネを作り所属議員に配分し、政府、自民党の人事も隅々まで支配し、私的集団でありながら、公的な存在かのように振舞ってきた」と指摘し、「主権者のみによって立つはずの国会議員が、この私的集団に依存し、政治資金についても派閥の指示を絶対視し、『裏金作り』と指摘された未曾有のスキャンダルを生んだ」と言明した。》(産経新聞24年1月22日より)
昨日、自民党が裏金不記載議員85人に行なった「聴き取り調査」の結果を読んでいて、この趣意書の指摘を思い出したのだ。
https://static.tokyo-np.co.jp/pdf/article/c9695eeb197a9ad86dab58b41dab7a3.pdf
特に「主権者のみによって立つはずの国会議員が、この私的集団に依存し、政治資金についても派閥の指示を絶対視し」の部分である。(・・)
<何か昔の運動系のクラブやチームに近い部分もあるかも。(~_~;)>
* * * * *
上のPDFは議員の話したことなどがコピペできないので、メディアの記事から引用すると・・・。
安倍派・二階派の議員たちは、このように語っていたからだ。
『還流資金を政治資金収支報告書に記載していないことを自ら認識していた議員らは11人に上り、いずれも安倍派(清和政策研究会)の所属だった。
聴取では、「派閥事務局から『収支報告する必要はない』と言われたのを信じていた」「派閥事務局からの説明を受け、記載しなくても合法だと認識した」との説明があった。一部の議員は収支報告書に別の費目で記載していた。
ある議員は「疑義がないように『清和研』の文字が入った口座で保管していた」と振り返り、派閥会長を務めた細田博之・前衆院議長に返却を申し出たり、安倍晋三・元首相に「おかしい」と懸念を伝えたりしたと明かした。
一方で、「派閥の会員は、派閥から指示されると、外れたことはできない」といった声もあり、結果として、資金の還流と不記載という仕組みは派閥ぐるみで長年にわたって続けられていた。(読売新聞24年2月16日)』
『「秘書によれば(中略)派閥の事務局から、領収書はいらないと言われた」
「もともと記載したいという思いはあったが、派閥事務局からの記載不要との説明を受けて、記載しなくても合法なのだと認識した」(略)
「派閥の事務所から秘書に対し(中略)派閥からは記載しないでほしい、記載すると他の議員に迷惑がかかると言われた」などの回答があったが、なかには次ページのように生々しい現場のやり取りを答えた者もいる。(集英社オンライン24年2月17日)』
これらの議員の多くは、それなりの学歴があり、最難関と言われる国家公務員の試験に受かった人、大手企業に務めていた人など、それ相当の社会常識、法律の知識、判断能力などがあるはずなのだが・・・。
派閥にはいると、彼らはその知識や能力をなくしてしまうらしい。
ひとり、派閥会長を務めた細田博之・前衆院議長に返却を申し出たり、安倍晋三・元首相に「おかしい」と懸念を伝えたと言った議員がいたようだが。
ほとんどの議員は、派閥の(事務局)の言いなり。派閥が「領収書はいらない」「記載不要」と言えば、合法だと思ってしまう。
もし「おかしい」と思うことがあっても、派閥の指示には逆らえず・・・。(・・)
彼らは派閥の中で議員生活を送るうちに、自分で考え、判断する力を失ってしまうのだ。(-"-)<敢えてどこかに葬り去ってしまうのかも。^^;>
* * *
派閥は、本来は政策集団であって。党内で同じような思想、政治理念の議員が集まって、勉強や研究をしたり、政策や法案を考えたりするために存在する。<今も多少はそのような役割を果たしている。>
派閥の議員数が多ければ、党内で政策案や法案を決める時に、自分たちの意見が通りやすい。(・・) <自民党の場合、考えの差がある派閥が党内で与野党のような役割を果たしている部分もある。^^;>
また、安倍派などの大きな派閥の場合、選挙に出馬する候補者の頃から同派の議員や関係者に世話になっているケースが多い。
都道府県連も含め、選挙準備の段階からスタッフが手助けしてくれるし。派閥から資金援助を得たり、それこそ安倍首相をはじめ、同派の閣僚クラスの有名な議員が応援に来てくれる可能性も大きい。(・・)
で、このような支援を得て当選した議員の多くは、安倍派に所属することに。今度は新人議員の国会その他の政治活動を指南する役割を果たす。<派閥が経験のある公設秘書や事務職員を紹介してくれるケースもある。>
こんな風に派閥のメンバーになってしまうと、政治的な主張や活動の面でも、先輩議員や派閥に反するのは困難だ。若手・中堅ぐらいまでは、本来の自分の考えとは異なっても、派閥で決まったことに従って言動するのが常道だ。(-"-)
でも、こうして派閥の考えに沿って積極的、誠実に言動を続けると、衆院議員で言えば、1~2期生は政務官、3~4期生は副大臣、5期以上からは閣僚の候補として派閥に推薦してもらえるようになる。安倍派のように議員数の多い&力のある派閥であれば、実際に登用される人数も多い。(++)
ただ、そのためには、自分の考えや判断は横に置き、派閥の先輩や事務局に従い続ける必要があるのだ。(~_~;)
<それこそ昨年まで会長代理だった塩谷立氏、下村博文氏は衆院で9~10期も議員生活を送っているのに、この派閥の裏ボスと言われる森喜朗元首相が反対したため、安倍晋三氏が亡くなった後、会長の座を継ぐことができなかったりして。^^; 今も政倫審出席や党の処分などを含め、安倍派幹部の言動や処遇に影響力を及ぼしているという話があるほどだ。(-"-)>
こうして自民党の大派閥は、議員たちの思考力や判断力を失わせ、国民よりも派閥を優先するダメ議員に変えてしまうのである。(-"-)
* * *
でも、たとえば冒頭で紹介した青山繁晴氏(参院2期)は安倍シンパではあるものの、無派閥ゆえ、新人の頃から党内外で活発に発言や活動を行なっている。今回、新たな議連を作って、自ら党幹部に要望書を提出するし。
50人以上からなる超保守系「日本を護る会」を率いており、次の総裁選への出馬を明言した。(@@)
mewは青山氏とは政治思想は9割がた合わないのだが(議員になる前から敵視してたりして^^;)。でも、同氏が自分で考え、自分で判断し、活動する姿勢は政治家として重要なことだろう。(・・)
そして、議員の自立(+自律)を促す意味でも、岸田首相が真っ先に自派閥の解散を宣言し、派閥解消を促進したことには大きな意義があると思う。(++)
安倍派や二階派の議員は、どうせまた集団を作って活動するようになるのではないかと見ている人も少なくないが。しばらくの間は、これまでの派閥のように拘束力がある形で活動するのは難しいだろう。^^;
<果たして、今まで派閥に頼り切りだった議員は、自分の考えや判断で政治活動や選挙準備ができるのかな~?^^;>
自民党のみならず、全ての議員が政党や派閥、グループに依存することなく、誰よりも主権者たる国民と向き合って、きちんと自分の考えや判断で、政治活動を行なうようになって欲しいと願っているmewなのだった。(@_@。
THANKS