昨日14日、参院の政倫審が開かれ、安倍派の世耕弘成氏(元参院幹事長)、西田昌司氏、橋本聖子氏(元五輪担当相)の3人が出席した。
案の定(?)、新たな証言は一つも出ず。自民党内からも「これじゃあ、やらない方がマシ」「却ってマイナスの印象を与えた」との批判が出たほどだったという。(~_~;)
3人の中では、世耕弘成氏が最も立場が上。16年には安倍派の参院議員の会(清風会)の会長に。19年からは参院幹事長も務め、安倍晋三会長の下では塩谷立、下村博文会長代理、西村康稔事務総長と共にメインの幹部のひとりとして重要な会合に出席していた。<その後、いわゆる安倍派5人衆と呼ばれる存在に。(・・)
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安倍シンパで安倍氏にかわいがられていた世耕氏は、安倍氏が06年に初めて首相になった時には首相補佐官(広報担当)として官邸内で共に過ごしていたし。首相に復活した12年から16年まで官房副長官を務めて、外遊にもほぼ常に同行。16~19年には経産大臣(+ロシア担当も)、19年からはついに参院幹事長に任命され、安倍派40人の参院議員だけでなく、100人以上いる自民党の参院議員のリーダーとして活動していたわけで。(青木幹雄氏には程遠いとはいえ、^^;)現役としては参院のドン的な存在になっていたのである。(@@)
昨日、自民党ではもはやベテラン議員となる野田聖子氏がTVで「参院幹事長は相当な権力があり、肝心要のお金について、(自身が)蚊帳の外だったというのは想像がつかない」と言っていたほどだ。(読売3.15)
その世耕氏が、22年5月の会合で「安倍会長が、ノルマ超過分を現金で還付することはやめると言った」「自分もそれに賛同した」ということは強調していたのだが。何故、還流が復活したのかなどなどの重要な点については全て、「知らない」「記憶にない」で押し通したため、与野党から(メディア、国民からも?)大ヒンシュクを買うことになった。(@@)
『立憲民主党・蓮舫議員「誰が(キックバック復活の)方向を決めたんですか。事務方の責任ですか?」
自民党安倍派・世耕前参院幹事長「これは私もはっきり言ってわかりません。残念ながらわからない」
立憲民主党・蓮舫議員「記憶にもない、記録にもない、あなたが知らないところで誰が決められるんですか」
自民党安倍派・世耕前参院幹事長「誰がこんなことを決めたのかというのは、本当に私自身はっきり言って知りたいという思いであります」(FNN24年3月14日)』
18日に衆院の政倫審に安倍派の元会長代理だった下村博文氏が出席するので、この辺りのことをしっかりと確かめて欲しいのだが・・・。
安倍会長は22年4月に、ノルマ超過分の現金による還付の廃止を決定。しかし、7月に安倍氏が他界し、8月に行われた会合で、議員から還付がないのは困るという苦情が出ていたことが話題になり、下村氏いわく「ある人からパーティーに上乗せする合法的な案があった」という。<ここで、合法的という言葉が出たのは、現金による還流は違法性(orその可能性)があるという認識を持つ人がいたのかも。^^;>
これに関して、『世耕氏は協議が8月5日に行われたことを明らかにし、「意見交換の場であった」と語った。パーティー券の販売ノルマを超過した議員らに対し「(現金還付以外の方法で)手当てしなければならないという方向性は決まった」と説明する一方、還流に対する「違法性の認識は全くなかった」と強調した。(読売新聞24年3月14日)』
『「私はその話し合いの場では、安倍さんがもうノルマ通りの販売だ、現金による還付はやめるということをおっしゃっていたので、私はそれを守るべきだという意見を冒頭に申し上げた。しかし、一方で4月にノルマ通りという指示が出ているから、売ってしまった人もいる。そういう人はやっぱり政治活動の資金としてあてにしている面もあるので、何らかの形で返すべきではないかという意見も出た」と説明した。
(略)「私の記憶では有力なアイデアとして各政治家個人が開くパーティーのパーティー券を何らかの形で清和会(安倍派)が買うのか、例えば買ってくれた企業団体にお願いして返金をして各議員のパーティーに振り替えてもらうのか、具体的にはその時議論していないが、しっかり収支報告にも出る形で返そうというアイディアが出て、私はそれだったら反対をしないという意見を述べた」と語り、この案に賛同したことを明らかにした。(FNN24年3月14日)』
『自民党・世耕弘成前参院幹事長:「私は、この案は良いと言いましたが、私が提案したわけではありません」
立憲民主党・蓮舫参院議員:「私が言ってるのは、誰の意見に賛同したんですか」
自民党・世耕弘成前参院幹事長:「ですから、その意見を誰が言ったかは記憶がないと」
立憲民主党・蓮舫参院議員:「都合のいい記憶ですね。賛同したことだけは明確に覚えている。でも誰が言ったかはわからない」(ANN24年3月14日)』
もう一つ、問題になっているのが、19年。参院選が行われた年に、参院議員にはノルマがなくなり、パー券を売った分全額が現金で還流(or中抜き)されたことだ。
『世耕氏は、参院安倍派を中心とした「清風会」(約40人)の会長も務める。同派では参院選の年に改選を迎える同派議員にパーティー券の販売額全額を還流する仕組みもあったが、世耕氏はこの日、清風会の解散を口にしつつ、全額還流は「何の相談も報告もないまま決まっていた」と述べるにとどめた。(産経新聞24年3月15日)』
<何の相談もないどころか、19年、参院選の年に全額還流を行なうことにしたのは、世耕氏が要望or提案したからではないかという見方がある。^^;尚、世耕氏は19年の参院選で全国TOPの得票率(73.77%)で当選し、これも世耕氏の力を強める要素になった。>
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2番目に政倫審に登場した西田昌司氏は、この世耕氏の説明にはかなり不満そうな様子を見せていた。^^;
『自民党安倍派・西田議員「先ほどの世耕さんの答弁といいますか、聞いてましたけれども、私も全く納得できなくて」(FNN3.14)』
西田氏も大の安倍シンパで知られるだけに、「安倍さんが亡くなった後も安倍派を名乗っていたが、遺言を聞かなかったことに憤りを感じる」と幹部を批判。
「(離党や除名)も含め、まずは関わった方が正しく事実関係を報告し、その上で自らの責任の重さを考え、出処進退を考えるべきだ」と指摘した。(発言部分・日刊スポーツ3.14)
西田氏が「私たちのように何も知らない受動的な立場である人間と、主導的に還付金をやってくれと言った人、また還付金の継続をさせた人との間では全く立場が違う」(NNN3.14)、自分たちは巻き込まれたとして、やたら幹部の責任を追及していたことには、チョット潔くないな~と感じる部分もあったのだが。<で、しっかり受け取っていた不正還流の裏金「秘書がやったので知らなかった」って言っちゃうし。^^;>
ただ、幹部の責任について「刑事責任があるかないかでなくなぜ裏金が常態化し続けたのかが1番でこの説明がない限り政治不信は免れない」「当然のことながらどうだったのかを調べて、報告する義務があるのは当然そこがないのが1番残念だ」(NNN3.14)という意見には、大賛成だ。(・・)
以前にも書いたが、安倍派の幹部たちの最も大きな問題は、自分たちで少しでも調べたり記憶を掘り起こしたりする努力をして、国民に事実を伝えようとする気持ちや考えが全くない&「知らない」「記憶にない」でコトを済ませようとしていること。<そのうち国民が忘れることを期待しつつ?>
ここは自民党内外からしっかりプレッシャーをかけて行く必要があると思うmewなのだった。(@@)
p.s. 橋本聖子氏の政倫審については特筆すべきことはないけど。機会があれば、後日に。
THANKS