岸田首相は1日午前、フランス、ブラジル、パラグアイ訪問のため政府専用機で羽田空港を出発した。
今回の外遊は、日本の経済対策や中ロ対策のために重要なものだという。<仏では日本が議長国を務めるOECDで基調演説を行なう。ブラジルでリチウムイオン電池の主要原料などの供給を確保するなど。>
ただ、欧州の端まで行って、南米にわたってとトンデモない行程。何と空路で計54時間以上、機中2泊で地球を1周する3泊6日の強行軍だという。(@@)
まあ、でも、首相は国内では叩かれまくっている日々なので、海外や飛行機内にいる方が、心が休まりそうな感じもするし。衆院補選の敗戦を受けて、今後の戦略も練らなければならないので、ゆっくり考える時間を持ついい機会を得たかも知れない。^^;
岸田首相の支持率は、4月初旬の訪米後、ようやく下げ止まることに。これで島根1区の補選に勝っていたら、通常国会末の6月に解散総選挙を行なう気持ちを強めたかも知れない。
5月に日中韓の首脳会談を行ない、6月に政治資金規正法改正案を成立させ、同月、所得減税などを実行し、少し支持率を上げたところで解散総選挙を行なうという作戦だ。
もし自民党がこの衆院選で勝てば(多少議席が減っても、自民で単独過半数あれば?)、「岸田おろし」の動きも出ないだろうし。9月の総裁選でも優勢に戦いを進められる可能性がある。(++)
<立民党や維新は、まだ150ぐらいの選挙区でしか候補者が決まっておらず、十分に選挙準備も進んでいないことから、早めに解散総選挙を行なった方が自公に有利だという見方もある。(・・)>
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ただ、この衆院補選で3敗(島根1区1敗+不戦敗2敗)したことで、6月に解散総選挙を行なうことは、かなり困難になったと見る人が多い。_(。。)_
補選で劣勢が伝えていたのを受けて、岸田首相の最側近と言われる木原自民党幹事長代理が25日の会合で、「政権交代が起こってもおかしくない」と語り、早期の解散総選挙に警戒を示していたとか。(~_~;)
さらに、与党ベテラン議員が「補選全敗でも、岸田総理が解散を仕掛けるようものなら、自民党内も全員が羽交い絞めにかかるだろう」と言っていたという。(発言部分・ANN24年4月29日)
党内では、とりあえず、6月の解散総選挙を阻止する動きが出ることだろう。
同時に、ここからジワジワと「岸田おろし(岸田外し?)」の動きが広がるにことになる。(・・)
特に、21年に岸田陣営+αの圧力で、首相退陣を迫られた菅義偉の陣営(+二階派?)は、「岸田おろし」に強い意欲を持っているようだ。_(。。)_
先週も菅義偉前首相が、森山裕総務会長や二階派幹部と会食をしていたという記事が出ていた。<森山は二階と懇意。>
『自民党の菅義偉前首相は21日夜、森山裕総務会長と東京都内の天ぷら料理店で会食した。派閥裏金事件を受けた党内情勢や、28日投開票の衆院3補欠選挙を巡り意見交換したとみられる。
解散方針を決めた二階派の林幹雄元幹事長代理、武田良太元総務相が同席した。3人は菅政権を支えたメンバーで、二階俊博元幹事長を含め菅氏と定期的に会合を重ねている。二階氏は今回、欠席した。(共同通信24年4月21日)』
<先週もちらっと書いたけど。やっぱ、二階氏は体調不良なのかな?(・・)>
菅前首相は3月には、安倍政権の時から関わりが強い萩生田光一前政調会長(安倍派)や、加藤勝信前厚労相(茂木派)、武田良太元総務相(二階派)、小泉進次郎元環境相(無派閥)と会食するなど、党内の有力議員と意見交換する機会が増えている。
党内では、菅前首相に再登板して欲しいという声もあるのだが。本人は体調に自信がないということで、自らは総裁選への出馬は考えていないという。(もともと参謀役とかキングメーカーの方が向いていそうだしね。>
これまでの報道によれば、菅は、地元・神奈川県連で共に活動する新自由主義派の河野太郎、小泉進次郎、また安倍派の萩生田光一に将来の総理候補として期待しているようだ。<前回の総裁選の時は、河野太郎(麻生派)を支持していた。(麻生会長は岸田を支持。)(~_~;)>
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菅と岸田はこの何年か、ずっと戦い続けて来た。(@@)
安倍元首相は、菅を官房長官に起用して2人でタッグを組んで、官邸を運営して来た。
ただ、安倍は麻生太郎、岸田文雄とも親しく、麻生を副総理に、岸田を5年弱もの間、超要職の外務大臣に起用し続けていた。<菅は、麻生、岸田とは基本的に考えが合わず。お互いに好んでいないかも。^^;>
岸田は将来、首相の座を目指しており、そのステップとして党TOPの幹事長を経験したいと望んでいた。安倍も、岸田を首相の後継候補のひとりとして考えていたと言われている。(・・)
自民党では16年から二階俊博が幹事長を務めていた。幹事長は権限が強いことから、党内では長くとも3年で交代するのが慣例だったこともあり、安倍は菅に、岸田の幹事長起用を相談してみたことがあったようだ。
しかし、菅は自分と同じく地方議員からのたたき上げかつ老獪な二階を好み、頼りにしていたため、岸田起用を拒み、21年まで二階に幹事長を続投させた。<岸田はやむを得ず、政調会長を3年務めることに。その間、菅や二階と対立し、提案を潰されたこともあった。>
ちなみに、岸田は総裁選で党要職の任期を3期(3年)とすることを公約に掲げ、総裁就任後、党規約を改正した。(~_~;)<結構、負けず嫌い&根に持つタイプ?>
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20年8月、安倍晋三が持病の悪化を理由に首相を退任すると発表。9月に(安倍任期の残り1年分の)総裁選が行われることになった。
岸田は安倍に総裁選で自分を支持するように要請したのだが、安倍は菅を後継にする意向を示したこともあり、菅が総裁選に当選し、次の首相に就任した。岸田は、完全に無役にされた。^^;
ところが、菅はメディアや国民とのコミュニケーションがうまく行かず。また、コロナ対策や延期開催となった東京五輪の対応もイマイチだったことから、支持率がどんどん低下。しかも、8月に行なわれた菅の地元・神奈川の横浜市長選で、菅が推した元衆院議員の自民党系候補が負けたことから、党内で「菅では次の衆院選が戦えない」と「菅おろし」の動きが活発化することになってしまった。
菅は結局、9月の総裁選への出馬を断念。安倍は高市早苗、菅は河野太郎を推したものの、麻生派、茂木派などの支持を得て岸田が当選し、ついに首相の座を得たのである。(@@)<21年10月の衆院選は15議席減ったものの、想定の範囲内だったので、責任は問われず。>
そして、菅と二階は無役、非主流派となり、この3年は、いわゆる冷や飯食いをさせられていたのである。_(。。)_
本当は、もっと小さな戦いや対立もあるのだけど。いずれにせよ、菅と二階、またその派閥・グループの議員などが岸田のことを快く思っておらず。<党内でも後ろから批判しまくってたりして。^^;>
岸田内閣の支持率が低いこともあって、9月の総裁選では再選させまいと。そして、3年前のリベンジで、「岸田では次の衆院選が戦えない」として、できるだけ菅と同様に、総裁選への出馬を辞退させようと考えている・・・のではないかと察する。(~_~;)
他にも何とか首相になりたい高市早苗氏、茂木幹事長なんかもいるし。5月の連休明けから、「岸田おろし」&総裁候補アピールの動きに注目したいと思うmewなのだった。(@_@。
THANKS