今日、5月3日は憲法記念日だ。(**)
この記事では、憲法改正に向けての各政党の動きと、各政党が出した憲法記念日の談話をご紹介したい。
今、衆参の憲法審査会では、自民党、維新の会、国民党の改憲推進派の議員が、9月までに憲法改正を実現することを目指して、改憲への具体的な動きをかなり強引に進めようとしている。(-"-)
<憲法審査会の中では、公明党は衆院の方は、改憲自体(9条改正は除く)を容認。参院の方は、改憲自体に消極的。山口代表も慎重派。立民も慎重。共産は反対の立場。>
改憲推進派は、岸田首相が9月までの任期中に憲法改正を実現することを公約にしたと主張。それを実現するためには、6月まで開かれる今の通常国会で憲法改正の発議を行ない、8~9月には国民投票を行なう必要があるとして、連休明けにも、憲法改正の条文案作りを行なうべきだと、そのための起草委員会を設けるべきだと訴えているのである。^^;
まあ、実際のところ、岸田首相本人が本気で9月までに憲法改正を実現したいと考えているかはビミョ~なところなのだが。<岸田はもともとはさほど改憲に積極的ではないので。>
ただ、総裁選対策として改憲実現を公約に掲げる必要があり、それをうまく大義名分にされている感じがある。^^;
* * *
そもそも岸田首相がいつまでに改憲するという公約したかどうかで、憲法改正の是非や時期を決めること自体、間違っている。(ーー)
もし憲法を改正する場合は、主権者である国民が主体となって改憲を議論し、要望し、その民意を国会が吸い上げる形で、改憲の議論、手続きがなされなければならないのだ。
決して、首相や内閣、国会が主導する形で改憲が行なわれるべきではない。ましてや、首相や国会が勝手に締め切りの日程を決めて、改憲すべきではあるまい!(++)
この辺りは、また別の記事に書く予定なのだが。mew自身は、改憲自体には反対ではないが、国民主体で慎重に議論し、実施すべきという立場。
世論調査を見ても、憲法改正に賛成の国民は半分ぐらいいるのだが。実際のところ、改憲推進派のように、急いで改憲すべきだと考えている国民は少ない。
毎日新聞5.2『岸田文雄首相の在任中に憲法改正を行うことについて尋ねたところ、「賛成」との回答は27%で、「反対」との回答の52%を下回った。』
共同通信5.2『憲法改正の国会議論に関し「急ぐ必要がある」は33%にとどまり、「急ぐ必要はない」の65%と差が開いた。改憲の進め方は「慎重な政党も含めた幅広い合意形成を優先するべきだ」が72%で、「前向きな政党で条文案の作成に入るべきだ」の24%を上回った。』
ところが、憲法審査会に参加する自維国の改憲推進派の議員の中には、いざとなれば、改憲に慎重な姿勢を示す立民党や共産党は無視して、推進派だけで改憲の条文案作りをしようと、乱暴な意見を主張する人まで出だしているのだ。(-"-)
『立憲民主党は「改憲自体が目的化している」と反対。(略)「論点は多岐にわたる」として、条文案を作成する段階ではないと反論。数年単位で憲法全般を見渡した議論が必要だと訴える。維新、公明、国民民主各党と衆院会派「有志の会」は自民の提案に賛同。維新は「審議を妨害するなら立民抜きで進め、多数決で原案を作成すべきだ」と要求する。共産党は護憲の立場だ。(時事通信24年5月2日)』
これから行われる国政選挙で(地方選の結果も重要)、どの政党がどれだけ議席を増やすかで、今後の改憲推進派の勢い、改憲の具体的な動きの進み具合が変わって来る。(・・)
政党&候補者の中には、選挙活動の際に、改憲推進派であることをあまりオモテに出さない人たちもいるのだが。いざ候補者が当選したり、政党の議席数が増えたりすると、「有権者が改憲を支持した」と強くアピールして、改憲の動きを進めようとすることが考えられる。
どうか、これからの選挙では、全ての有権者が、憲法改正のこともきちんと意識しつつ、投票する候補、政党を決めて欲しいと願っている。(ー人-)
憲法記念日の各党談話(要旨) 時事通信より引用
☆ 憲法改正に積極的な政党
自民党 時代の転換点に直面している。憲法は社会構造や国民意識の変化に応じ、改正を行わなければならない。国会での議論と国民の理解を車の両輪とし、改正の早期実現に全力で取り組む。
日本維新の会 現憲法が安全保障上の危機を乗り切るだけの実効性を担保しているとは言い難い。衆参両院の憲法審査会は項目を絞って改正条文案の取りまとめに着手すべきだ。
国民民主党 緊急事態にも国会の機能維持は必要だ。一日も早く条文化することを強く求める。AI(人工知能)時代の基本的人権の在り方に適応するよう憲法規定をアップデートする。
教育無償化を実現する会 国民と共に未来志向の憲法を構想する。自衛権の明記や戦力不保持の見直しなど、現実に即した議論を提起する。教育無償化も明記し、日本再生の大転換を図る。
参政党 現行憲法は日本人の自由意思で作られておらず、国の守りも外国依存に陥っている。国民が一から憲法を創り直す「創憲」を通じ、国の未来を自分たちで考える場を持続的に提供する。
* * *
憲法改正に慎重または反対の政党
立憲民主党 憲法改正は業績作りのために進められるものではない。国会議論に慎重かつ真摯(しんし)に臨む。裏金を手にし、法律すら守れなかった自民党に改正を任せることはできない。
公明党 政治の信頼が大きく失墜する事態が起きている。信頼を取り戻し、憲法が前文に掲げる民主政治本来の姿を実現しなければならない。専守防衛を堅持し、平和外交を積極的に推進する。
共産党 憲法の平和原則を根底から覆す歴史的暴挙を断じて許すことはできない。日本に求められるのは9条を生かした外交だ。自民党政治を終わらせ、希望ある政治へと変える。
れいわ新選組 国民を守る気概のない者に政治を任せれば憲法上の権利は無視される。憲法改正? 寝言は寝てから言え。失われた30年を取り戻す経済政策と奥能登の復旧・復興が最優先だ。
社民党 日本が再び「戦争する国」への道を進もうとしている。抑止力の名の下で進む不毛な防衛費増大・軍拡競争に反対する。平和憲法の下、命と暮らしが最優先される社会を目指す。
何よりも、国民がもう少し憲法、憲法改正に関心を持って、どうすべきか考えてくれるといいな~と願うmewなのである。(@_@。
THANKS