いつも書くことだが、mewは、決してアンチ自民党ではない。自民党の中にも考えが合う議員が少なからずいるし。彼らには是非、日本をよりよくするために頑張ってもらいたいと考えている。<自民党が政権をとっている時も、日本をアブナい状態にせず、安心して暮らせるように。(^^)>
先週14日、宏池会(岸田派)が事務所を閉鎖。長い間、本拠地を置いていた永田町のビルから退去したという。<政治団体の解散届提出は事務所の解約手続きなどを経て、8月以降となる見通し。>
宏池会は1957年に池田勇人元首相が創設。吉田茂元首相(麻生祖父)が率いた自由党の流れをくむ保守本流の派閥だ。
<いわゆる、ふつ~の保守。戦後憲法や平和主義、人権を尊重し、リベラルな経済・社会政策が中心。麻生派(志公会)、谷垣G(有隣会)が分派。>
57年から首相になった岸信介氏(安倍祖父)が憲法改正を進めると共に、60年には国会を封じ、暴力的な手段で反対派を抑圧して日米安保条約批准を強行したことで国民の反発を受け、退任することに。
その後、首相になった池田氏は、憲法改正や軍事よりも戦後の経済復興を重視して「所得倍増計画」などの政策を発表した。戦前志向の超保守派、憲法改正派は、「池田のせいで、憲法改正の流れが途切れた」と怒っていたというが。mewはここで改憲の流れが1回途切れて、本当によかったと思う。
尚、宏池会は、池田氏のほか大平正芳氏、鈴木善幸氏、宮沢喜一氏、岸田文雄氏と計5人の首相を輩出した。(++)
以前にも何回か書いたことがあるが。mewは、自民党の中で「この人とは考えが合うな」と思う議員のほとんどが、(あとから知ることに)宏池会に所属していたので、この派閥にはいい印象を抱いていた。<河野洋平氏とか、加藤紘一氏とか。谷垣禎一氏とかね。(・・)>
自民党の派閥がなくなること自体には賛成だが、宏池会がなくなると思うと、チョット残念な気持ちにもなる。(~_~;)
宏池会は、日本がアブナイ方向に進みそうになると、自民党内でストッパーの役割を果たしてくれていたと思うし。その点では、有難うと言いたい。"^_^"
<考えたら、岸田氏は本気で派閥解消が必要だと考え、自らが先頭に立って「岸田派を解散する」と言い出したことが、麻生派以外の派閥の解散を促したのよね。それも評価したいかな。(^^)>
ところで、mewは、もし自民党の政権が続くのであれば、ともかく安倍・菅政権が行なって来た超保守&新自由主義的な政策から脱却するような国政を行なえる人に首相になって欲しいと考えていた。
そこで、21年の総裁選では、宏池会の岸田雄氏を応援。首相になってからは、脱アベ・スガ路線を進めることを期待して来た。(・・)
残念ながら、岸田首相は、左右の政治家、識者、メディアから叩かれて、支持率がとんでもなく低下してしまったのだが。<宏池会系の有力議員の中には、オモテ向きは勇ましさに乏しくリーダーシップがあるように見えない&政治的な手腕がイマイチで不器用な人が多いので、一般国民のウケもよくないかも。^^;>
ただ、mew的には、岸田首相を評価したい部分がある。(++)
まず、岸田氏は、アベノミクスのような新自由主義的政策は望ましくないと考えて何年もかけて「新資本主義」なる経済理論を固め、総裁選や首相就任後、それを実行に移そうとして来た。
先週も、経済諮問会議が開かれ、今後の経済財政政策の「骨太の方針」の原案がまとめられたのだが・・・。
岸田首相は、「日本経済は33年ぶりの高水準の賃上げ、史上最高水準の設備投資など、コストカット経済から脱却し、成長型の新たな経済ステージへと移行する千載一遇のチャンスを迎えています」と明言。
また、財政健全化に関しても、「2025年度の黒字化を目指す」という目標を3年ぶりに明示。日銀のマイナス金利解除で利払い費増加が懸念される中、「金利のある世界に備え財政の信認を確保する」とした。(発言部分は、TBS24年6月12日より引用)
コストカット型経済とは、安倍・菅政権が進めていた市場競争原理に基づきコスト削減&利益増加を重視する新自由主義的経済のことだ。
岸田首相は、そこから脱却することを明言したのだ。(**)
また、岸田首相は、安倍・菅政権が敢えて目をつぶっていた財政健全化にもしっかり向き合い、異常な金利ゼロ(以下)政策を改善する方針を示した。
ちなみに、安倍首相は「1千兆円ある(政府の)借金の半分は、日銀が買っている」「日銀は政府の子会社だ。60年の(返済)満期が来たら借り換えても構わない。心配する必要はない」と無責任な主張をして借金を重ね、異常な状況を作り出して来たのだが。
日銀は今後、14日まで開いた金融政策決定会合で国債の買い入れの規模を減らす方針を決めたという。(^^)b
もう一つ、岸田首相は、安倍元首相が推進して来た戦前志向の超保守主義思想に基づいた政策からも脱却しようとして来たことだ。(・・)
昨年の広島G7サミットでは、世界平和&核兵器廃絶をアピール。超保守派が許せないと猛反発していたLGBT法も成立させた。
岸田首相が、自民党を中心とした超保守系の議員やメディア、ネット民からも、ますます叩かれることになったのは、このためだ。_(__)_
また、mewは憲法改正自体には反対ではないのだが。今、自民党が主導して行なおうとしている改憲の内容、やり方には、反対の立場だ。
それゆえ、もともと改憲慎重派である岸田首相には、このような乱暴な憲法改正の動きを阻止して欲しいと期待していた。
岸田首相は、21年の総裁選の時に、保守派の支持も得たいがために「総裁任期中に憲法改正を実現したい」と言ってしまうことに。<安倍派の一部の票を回してもらうための条件だったとの話あり。>
そこで、改憲派から「公約した今年9月の総裁任期までに改憲を実現するなら、すぐにでも改正案の条項を作って、国会発議をすべきだ」と責め(攻め)立てられており、追い込まれている状況にあった。(~_~;)
<関連記事・9日の『警戒・改憲推進派の言動激化&国会で大攻防。岸田が愚か者でないように』>
* * *
しかし、自民党の浜田国対委員長は5日、23日に会期末を迎える今国会中に憲法改正の審議を行なうのは困難だとの意向を表明した。もちろん、岸田首相の了解を得てのことだろう。(・・)
これを受けて、自民党の改憲推進派も今国会中の改憲発議はあきらめたようだ。(++)
『自民党が、憲法改正に向けた改正原案の今国会提出を見送る見通しとなった。立憲民主党などが反対する中、強引に条文案作成を進めれば政治資金規正法改正案の審議に影響するとの懸念が強まったためだ。岸田首相が掲げてきた9月までの自民総裁任期内の改憲はほぼ不可能となった。(略)
自民幹部は「そもそも改憲は大きな政治的エネルギーを要する課題であり、今の岸田政権にそれだけの体力はない」と語った。(読売新聞24年6月14日)』
よし、よし。・・・そのうち衆院選が行われて、改憲推進派の自民党や維新の議員が減り、慎重派の立民、共産党などの議員が増えれば、今、自民党が進めている改憲案は、ますます実現しにくくなる。"^_^"
岸田氏もいつまで首相の座を維持できるのかわからないが。この際、もう一つ、期待したいことがある。
ここは開き直って、超保守派が大反対している「選択的夫婦別姓制度」を経団連や諸団体と組んで、実現させてくれないだろうか。<確か反対じゃなかったはず。(・・)>
これは、きっと日本の社会史に残る、そして多くの国民の記憶に残る大仕事として評価されるに違いないと思うmewなのだった。(@_@。
THANKS