今週、自民党では総裁選出馬を表明する会見が次々と行なわれる予定になっている。
報道によれば、3日には林芳正氏(官房長官)、4日に茂木敏光氏(幹事長)、6日に小泉進次郎氏、9日に高市早苗氏(経済安保大臣)が出馬表明の記者会見を行なうことが決まったのこと。
また、既に会見を開いている小林鷹之氏、石破茂氏、河野太郎氏(デジタル大臣)が、今週中に政策を説明する会見を開くと言われている。(・・)
<お互いに日程が重ならないように、水面下で連絡を取り合っているらしい。^^;>
加藤勝信氏も推薦人20人が確定すれば、10日に会見を行なう予定。上川陽子氏もあと一歩のところに来ているとか。斎藤健氏、野田聖子氏、青山繁晴氏も推薦人を集めている最中だという。^^;
8月下旬から、実に激烈な推薦人争いが繰り広げられていた上、お互いの推薦人を奪い合う「推薦人はがし」や、他候補の推薦人にはならないと約束する「推薦人囲い込み」などが激しく行われていたという報道も出ている。(~_~;)
その裏では、菅義偉氏、麻生太郎氏、岸田博文氏が自分こそがキーマンにならんと、また自分の陣営の勢力を拡大せんと、アレコレ画策したり、動いたりしているのだ。(-"-)
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『9月の自民党総裁選への出馬を目指す上川陽子外相(71)=衆院静岡1区=の推薦人集めが、ヤマ場を迎えている。立候補に必要な20人まで「あと数人」(関係者)に迫り、上川氏本人と支援する議員が連日、奔走。(静岡新聞24年8月31日)』
『「『支持』と『推薦』の間に大きなギャップがあることを改めて実感している」
総裁選への立候補に意欲を示す上川外相(71)は8月29日、国会内で記者団にこう語り、推薦人集めが思うように進まない実情を吐露した。』
『すでに出馬のめどが立った8陣営が議員の囲い込みを進めていることも、4陣営の焦りに拍車をかけている。各陣営の色が付いていない議員が日増しに減っていくためだ。出馬表明できていないある陣営の関係者は「うちは勧誘を始めるのが遅かった。20人の壁は高い」と嘆く。』
『過去の総裁選では、告示前のタイミングで、推薦人集めに苦しむ陣営の弱みにつけ込み、派閥が推薦人を貸し出すことで恩を売ろうとする動きが横行した。
派閥の解散が進む今回の総裁選でも、派閥幹部だった重鎮が中心となって、同様の調整が行われているようだ。ある派閥幹部だった閣僚経験者は「独力で18人まで積み上げれば、あと2人は貸してやると陣営に伝えている」と明かした。』(読売新聞24年9月1日)』
菅義偉氏は、かねてから自民党も脱派閥を主張して来たのだが。実際のところ、今、やっていることは、派閥全盛時代と変わらない。(@@)
菅氏は、安倍晋三氏の首相退任を受けて、20年に総裁に就任したものの、1年後には岸田、麻生氏らの「菅おろし」にあい、21年の総裁選に出馬を断念せざるを得なくなった。
そこで、まず、そのリベンジとして、今年にはいって菅氏の周辺が「総裁がカネの問題の責任をとるべき」「岸田では衆院選に勝てない」と言いまくって、「岸田おろし」に成功した。(・・)
次の段階では、自分と近しい仲間を総理総裁にして、バックにつくことを目指すと。<で、自分が首相時代にやるはずだった政策を実現させる。>
同時に、総裁選の推薦人貸しや人事を利用して、自分の勢力を拡大しようとしているのである。(-"-)
参考までに、ここに菅氏を取り巻く議員たちの図表をアップしておく。
菅氏は、世論調査TOP3の任期を誇る石破茂氏、河野太郎氏、小泉進次郎氏(いわゆる小石河連合)のいずれかを総裁選で支援することを考えていたと言われている。(・・)
石破氏は話が合わず、支援を見送ることに。河野氏は、麻生派をやめるようにという要請をきかなかったので、支援はやめることに。
で、当初は迷いがあったらしい小泉進次郎氏を支援することに決め、強く出馬を促して決意をさせた。(++)
小泉氏には、先日も書いたように清和会の裏ボス・森喜朗氏(手先は萩生田光一氏)の応援もついているし。勝ち馬に乗りたい議員も多いため、最初から40人以上の推薦人希望者がいたという。^^;
菅・小泉陣営のところには、推薦人になれそうな議員が余っているのだけど、とりあえず1回、囲い込んでおく。そして、今後、仲間として働いてくれそうな出馬候補が、「あと2人だけ足りない。貸して欲しい」と頼み込んで来たら、推薦人として派遣して大きな「貸し」を作り、菅・小泉勢力の一員にするのだ。(@@)
<派遣された人も、何かで優遇してあげる。かつては、推薦人の往来には実弾が飛び交ったそうだが。今は「???」だ。^^;
菅陣営がどの候補者に推薦人を派遣したのかは、推薦人名簿を見ればわかる時もあるけど。派閥やグループの区切りが緩んでいるので、かなり難しい。>
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麻生派(志公会)の麻生太郎会長は、一応、河野太郎氏を支援すると発表したのだが。麻生氏は派閥で縛りをかけないと明言。実際、麻生派幹部は、他の候補に手を伸ばしている。(・・)
『志公会では、甘利明前幹事長ら4人が小林鷹之・前経済安全保障担当相を支持しており、山東昭子前参院議長ら3人以上が上川氏を支持しているが、いずれも1回目の投票で勝ち残れるかどうかは微妙なところ。もっとも麻生氏が推す河野氏が確実に勝利する保障もないから、こうして派閥の票を「ばらして」いくつもりなのだろう。(略)
麻生派の54票は、まとまれば党内最大の組織票になるはずだ。果たしてその票は最終的にどこに向かうのか。まずは12日にふるいにかけられ、27日までに大方が決せられる。(Aera dot.24年9月1日)』
岸田派(46人)は、とりあえず林氏と上川氏に多くの推薦人を回すだろうが。もし上川氏が出馬しないと決めた場合は、推薦人を貸す余裕が生まれる。^^;
また、ここが大切なのだが。次の総裁選は多数の候補者が出るため、1回の投票では決まらず、上位2名の決選投票になる可能性が大きい。
ひとりは小泉進次郎氏になる可能性が大きいのだが。もうひとりが誰になるのか。もし小泉氏じゃない方の議員に、麻生派や岸田派その他複数の派閥が加勢したら、逆転も不可能ではないかも知れず・・・。
な~んて、各候補やそのバックについている陣営、派閥(元派閥含む)のことを考えると、自民党の総裁選のあり方は、昔とあまり変わっていないのかも。
ただ、派閥がびしっと締め付けをきかせられない分、候補者も多くなるし、支持者の数の計算も難しくなるし。党内の対立、分裂も起こりやすくなるのではないかと推察(期待?)しているmewなのだった。(@_@。
THANKS