民主党が勝ったというよりも・・・?!<千葉補選+αについて>
2006年 04月 24日
千葉7区の衆院補選は、民主党公認の太田和美氏が自民党公認の斉藤健氏に僅差で
勝って当選した。
また23日は、全国各地で市長選も行なわれたが、注目されていた岩国市の市長選
では、基地移転の住民投票を行なった旧岩国・井原市長が圧勝。沖縄市長選でも、
自衛隊を唱えた非与党公認・推薦のが勝利。また自民党の中川国対委員長の次男が
立候補していた東広島市長選では、安倍氏らの応援もあったにもかかわらず中川氏の
次男は落選した。
<ただし、他の地区の市長選では保守系の市長の当選が少なくなかったようだ。>
☆ 衆院補欠選挙 <千葉七区>
民主の太田氏と自民の斎藤氏との一騎打ちで、票が開くまで結果がわからないと
言われていたほどの激戦模様であったので、結果は深夜ぐらいにならないとわから
ないのかな~と思っていたら、意外に早く23時前には太田氏の当選確実が発表
された。これは5~10%ぐらい票差が開くのかと思ったら、最終的には8万7千票
対8万6千票で千票も差がつかない大接戦。本当にどっちに転んでもおかしくない
際どい勝負であった。
正直なところ私は、民主党にとって今回の選挙で「勝った~!」と手放しで喜べるような
結果ではないように思う。むしろ、ある意味では自民党+公明党の大健闘であり、まだ
勢いはあまり衰えていないのかも知れないと感じた。
例のメール事件のどん底状態から、よくここまで立ち直ったとは評価したいが、選挙
民が民主党を積極的に選んだというわけではないように思うからだ。
民主党が立ち直れた要因としては、小沢新体制になったこと、また小沢氏が今までと
異なったイメージを与えたこと、そしてとりあえず挙党一致体制を示せたことにあるの
ではないかと思う。地元の企業や周辺地域を回る選挙戦術もよかった。
太田氏が地元の人間で、県議に立候補した時から「負け組ゼロ」の格差社会の問題を
メインで取り上げていたのもよかったかも知れない。また太田氏は昨年の県議補選で
当選しており、少なくとも彼女は自民党の候補者より知名度もあったに違いない。
しかし、私の目から見れば、自民党が自らこけてくれた部分もあるような感じがする。
前回の記事でも触れたが、森前首相も言っていたように、昨年の総選挙のイメージを
引きずり過ぎたのではないかと思うし、候補者選定の遅れや選挙の仕方などを考えても
少し今回の選挙をナメていた部分があったように思える。
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自民党は4月に選挙があるとわかっていながら、2月から候補者の公募を始め、3月
後半にようやく立候補者を決めた。それも地元に全く縁のない他県の副知事をしていた
落下傘候補である。私には不可解なことだった。もし私が地元の選挙関係者なら「これ
じゃあ、とても選挙にならない。ナメてるのか」とさじを投げたくなったように思う。
自民党がこんな方法をとったのは、昨年の総選挙で、公募で選んだ者も含めて、落下
傘候補が思いのほか健闘したこと、また2月半ばからの偽メール事件で余裕を感じて
しまったことがあるかも知れない。今回の選挙の指揮をとり、自ら前面に出て奮闘して
いた武部幹事長が、疲れた表情と声で「時間が足りなかった」と話していたが、そこに
自民党執行部の最も大きな問題点があったのではないかと思う。
それでも、自民党は小泉首相や人気議員を総動員して、さらに知名度アップのジャン
ケン・パフォーマンスを展開し、昨年同様にイメージ選挙で押し切ろうとしたが、さす
が国民も昨年ほどには乗ってくれなかったようだ。<あのハマコウ氏を呼んで、毒舌&
土下座応援をしたのは、プラスだったのだろうか?>
危機感を覚えた与党側は、先週後半から地元の医師会や商工会などの諸団体の票や、
公明党の支持母体の創価学会票を固める戦術に出て、かなり巻き返せそうな手ごたえを
感じているともきいていたのだが、あと一歩及ばなかったというところだろう。
<ちなみに太田氏がキャバクラで働いているという怪文書が出回ったらしいが、彼女の
事務所があっさりと事実を認め騒がれずに済んだようだ。(「やるな~」)逆にこの
ような怪文書を出す与党サイドに対して快く思わなかった有権者もいたらしい。いい
加減、こういう手法もやめた方がいいように思う。>
今回の選挙は49%の投票率があったという。一般に補選では投票率が30~40%
ぐらいにとどまることが多いので、それだけ有権者の関心が強かったのかも知れない。
投票率や浮動票が多いほど野党に有利と言われるが、昨年の総選挙では自民党が無党派
層を取り込んで勝利しているように、小泉自民党に限ってはこの投票率のアップがどち
らに有利だったのかわからないようにも思う。<票田の松戸市はいわゆる千葉都民的
な住人も多いし)ただ、以前ほどの追い風はもうなくなっているとは言えるかも知れない。
またNHKの出口調査では、自民党支持層の2~3割が太田和美氏に投票していたとの
ことで、もしかしたら勝利の分かれ目はここら辺にあったのかも知れないとも思った。
さて、このブログでも再三書いているが、次は憲法改正も含め、今後の日本のあり方
にとって、とても大事な参院選がある。一般的に、与党が衆院選で大勝したあとの参院選
では野党の方が有利だと言われるが、与党側もこの敗戦を受けて改めて選挙戦術を練り
直して来るだろう。9月には小泉首相も退任し、総裁も執行部も変わる。
また民主党はここで安心せずに、さらなる前進を望みたい。選挙勝利後の会見で、
小沢氏が「みんなで」という言葉を繰り返していたのが印象的だったが、どうかその
姿勢をいつまでも忘れずにやって行って欲しい。
・・・・・・
今回の選挙で、改めて小選挙区の問題点を感じた。本当に僅差で勝敗が決まる上、
死票の方が多くなってしまっている。しかも、昨年の総選挙のように、風向きによって
僅差ながら勝った者が増えると、票数と議席数に大きな差異が生じてしまう。これで
本当に民意を反映できるとは思えない。
私は、やはり中選挙区の方がいいのではないかと思う。もし小選挙区制を貫きたい
なら、手間と費用はかかるが、1位の候補者が過半数の票数に満たない場合には、
上位2名で決戦投票を行なうなどの方法をとることも考えてよいのではないかと思う。
このブログでは取り上げなかったが、先週末には竹島の問題で一触即発の場面が
あった。幸い、危機的な状況は脱したが、その最中に外務大臣が選挙応援に行って
いたのには、疑問を感じた。<官房長官も行くべきではないかも知れない。>
自民党内に、メール事件にこだわり過ぎて、前原氏を代表辞任に追い込んだのが、
最大の敗因だという声があったそうだ。確かに、これが一番の敗因なのかも知れない?!
・・・・・・
☆ 岩国市長選・沖縄市長選・東広島市長選
私は自民党にとって、この三市の市長選に負けたことも、かなりのダメージがあった
のではないかと考えている。
政府は在日米軍の再編計画を進めようとしているが、岩国市(山口県)では米軍の
空軍基地移転を受け入れるか否か、沖縄市では自衛隊が嘉手納基地を共同使用を許容
するか否かが市長選の最大の争点となり、岩国市は自民推薦、沖縄市は自民、公明推薦
の立候補者を立てて争う構えを見せたにもかかわらず、敗戦してしまったからである。
また、東広島市の場合は、自民党の中川国対委員長の次男が最年少市長を目指して
立候補し、安倍官房長官らの応援を受けたにもかかわらず惨敗し、自民党執行部の力
の弱さが露呈するような形になった。
先月、旧・岩国市で行なわれた住民投票の記事を書いたが(コチラ)、その後、岩国
市が周辺7町村と合併したことを受けて、改めて市長選が行なわれた。
山口県は安倍官房長官のお膝元でもある。自民党は、基地移転に反対する旧・岩国市長
の井原勝介氏に対抗すべく、条件付で移転受け入れを主張する前岩国青年会議所理事長の
味村太郎氏を推薦して、安倍氏自身も応援に駆けつけたものの、5万4千票対2万3千票
とほぼダブルスコアで旧・岩国市長だった井原勝介氏が圧勝した。
また、沖縄県沖縄市長選が任期満了に伴い行なわれたのだが、こちらは元衆院議員の
東門美津子氏<民主、共産、社民、自由連、沖縄社大推薦>が元市議桑江朝千夫氏<自民
公明推薦>を破り初当選した。東門氏は当選後、在日米軍再編による米軍嘉手納基地の
自衛隊の共同使用について「自衛隊が入ってくれば、米軍のF15戦闘機が減っても負担
軽減にはならない」と国に反対の方針を伝える考えを示した。
こちらは2万8千票対2万6千票の接戦であったが、まさにオール与党vsオール野党の
戦いであっただけに、オール野党が勝利を手にしたことは価値がある。
実際のところ、基地移転などは国の専権事項であり、国側は計画を変更する予定はない
と主張を繰り返しているが、私はこのように選挙によって地域住民の意思を表わそうと
することに大きな意味があると考えている。
実際に基地移転計画などが進められるのはまだ先の話であるが、各市は今度は県レベル
で反対の民意を広げられるように努めて欲しいし、また国側も地元の住民の意思を尊重
しつつ計画を進めて行くことが望まれる。そうでないと、国民の間に「結局、選挙に行っ
てもムダじゃないか」と民主主義への失望感を生じさせてしまうおそれがあるように
思うからである。
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全国各地で選挙が行なわれ、千葉の選挙はこういう結果になったし(またも国家財政に貢献しました。苦笑)地方選挙まで含めると厳しい結果になっています。
太田さんに関しては「昔の職業」を何のかの言う人もいますが、国民、市民に向き合って頑張ってほしいものです。
選挙制度に関しては…そうですね、今の小選挙区を一言で語れば「その地域で一番目の意見しか反映されない」選挙制度、という事ですか。それがいくつも重なれば、民意の反映、という意味から考えれば疑問ですね。二番目、三番目以降の意見が反映されないし、議論にもならない状態が恒常化すれば、やがてその意見を持っている人も政治に参加する事を止めるでしょう。
国会議員なんだから、活動範囲は広くて当たり前。色々な意見が反映される事、たたかわせられる事が、時間はかかってもゆく道を間違えにくくするのではないかな、と考えます。中選挙区、大選挙区…考える価値はありますね。
この意見が参考になれば、と思います。
意識 (政治を政治家に任せていられない)
習慣 (親の世代がその宗教団体に参加していて子供の頃に嫌な思いをし、
その宗教団体の実態を知っている為、活動はする。
仕事上、組合の人間関係があるから自民を応援する)
状態 (前記のような活動はするが、投票は別の人)
埼玉の落下傘も公明色の強い方との噂もあり、今回の選挙は、実は公明対民主だったようです。だから世耕が出なかったのでは?いずれにしても、ココのようなブログを公開し、日本を憂いて下さっている方が居て、また、それに対する意見が活発に行われている限り、「この世も、まだまだ捨てたモノでもないな」と思えた一件でした。(o^-^o) 相変わらずの妄想ですいませんm(_ _)m
P・S それにしても、最近、魔の7YEARS頑張りすぎですね。同世代でいる事が、なんとも言えません。。。
とりあえずよしとしてます。
選挙方法に関しては選挙区が大きくなると知名度の高いタレント議員が有利になるかなとも思う反面、国民の意見が反映されやすい点ではより
民主主義的のような気がします。
>ある意味では自民党+公明党の大健闘であり、まだ
勢いはあまり衰えていないのかも知れないと感じた。
そうですそうです。そう簡単に自民党を侮ってはいけませんねえ~^^
自民党にも内部に不満がいろいろあるでしょうが、民主党はそれ以上に内部矛盾を抱えていますよね。
まだまだ道のりが長いことを、肝に銘じて進んで欲しいです。
私はへろへろだった5年前の自民党を復活させたのは、「森総理辞めろ」の野党の大合唱だったのではないかと思っています。
あれが小泉政権を生み出し、しかもこの最悪内閣が長期政権になってしまった原因だったと思います。
あのまま森総理に続投してもらえば、選挙も大勝できたろうし、ここまで非情な日本にならずに済んだ気がします。
イメージ選挙は嫌なものですが、民主党は少し賢くなったのではないでしょうか? あとは共産党あたりにも選挙に賢くなって欲しいものです。
新ブログ開設、おめでとうございます。
身体に気をつけつつ、ブログ&諸活動を頑張って
下さいね。
私は完全二大政党制には反対の立場ですし、
やはり小選挙区制の死票の多さが気になります。
国民の価値観や考え方はどんどん多様化している
わけですから、政治もそれにこたえるシステムを
作って行かないといけないと思う次第です。
スピード性や合理性が重視される時代だからこそ、
尚更に多様な民意が反映できるようにしないと、
アブナイように思うのです。
与党内にも中選挙区制に戻した方がいいという声
もあるようですし、もう一度、検討する価値は
あるように思います。
創価学会の若い人たちも、昔ほど活動には熱心では
ないとうだという話を耳にします。
また、本来の公明党の理念や政策をかなり曲げてしま
っていることに疑問を覚えたり、他党の選挙に一生
懸命に活動するのは空しいと思ったりする人も少な
からずいるようですね。
特に、憲法改正問題が本格化するにつれて、公明党&
創価学会も思案のし時なのではないかと思ったりします。
魔の7YEARS、何かのニュースを見るにつけ、
「またか~」と思ってしまいますね。(笑)
早くこのシリーズも再開したいものですが。
でも、この世代こそこれからの日本の社会の中心になる
べき人たちですから、gorouさんも含めて、頑張って
頂きたいです。
私も結果オーライなんですけどね。(~~)
これで自民党はだんだん亀裂が生じて来るでしょうし。
民主党はしばらく小沢執行部中心にまとまれるでしょうし。
確かに全国規模などの大選挙区だと、人気投票になり
がちですよね~。
以前のように、各地域で定数を増やした中選挙区制に
戻すのがいいかな~と思うのですけれど。
そうすると、自民1、民主1、公明or社会or共産1
みたいな感じで当選するところも多いので。
武部さんも知名度アップのために一生懸命だったの
でしょうけど。少しあのフレーズに固執し過ぎましたね。
でも、去年の総選挙の勝利があったから、ほとんどの人は
執行部のやり方に意見をすることができなかったので
しょう。
これで、党内のアチコチからどんどん不満や批判が出て
来ると思いますし、小泉ペースでコトを運ぶのは
難しくなるでしょう。
「あと1年早くこうなってたらな~」と思ってしまう
部分もありますが。小泉政権のラストに一矢報いること
ができたのはよかったです。
私もそう思います。
あのまま森首相が続けていれば、かなり状況は違った
かも知れませんよね~。
けど、実は私は小泉首相は早めに飽きられるかと思って
いたのですが。そこは誤算でございました。
民主党は地元固めとアピール選挙をうまく組み合わせる
ことができましたね。
共産党、社民党も次はもう少し考えて、勝負をして来そうな
気がします。
そもそも、迅速な政権交代を可能にするのが小選挙区制のメリットであり、そこで弾き出される小政党を取りこぼさないための比例代表並立制です。
少なくとも、政権交代と二大政党制を標榜する民主党にとって、小選挙区制は党の理念に合致しており、歓迎こそすれ非難するべきものではない筈です。しかし、昨年の総選挙以降、民主党の議員や支持者から制度を批判する声が多数上がった事は、非常に残念に思います。彼らは果たして、この制度で民主党が大勝していた時も、同様の声を上げたでしょうか?
日本とは逆に、死票を出さない事に主眼を置いた比例代表制主体のドイツの選挙での混迷振りを見るに、制度とは一長一短であり全てにおいて完璧な物など無いのだとつくづく思います。
参考までに、日本とドイツの選挙結果を比較、分析したコラムを見付けましたので、URLを載せておきます。>http://www.nikkei.co.jp/neteye5/shimizu2/20050929ne89t000_29.html
私はもともと完全二大政党制には反対の立場でして、小選挙区
制の導入にも、政党名だけを表記する比例代表制や、小選挙区
と比例と重複候補になれる救済方式にも大反対でした。
というか、今も反対です。
政党にかかわらず、小選挙区制や重複候補をはじめ今の選挙
制度に疑問を感じている議員や国民は少なからずいると思う
ので、もう1回超党派の議員で検討してみるのもよいのでは
ないかと考えたりしています。<たぶん重複候補を認めない
ということのなれば、じゃあ中選挙区制に戻そうという意見
が強くなるのではないかと思うです。>
小沢さんは、次の衆院選で逆転を狙うためにも、小選挙区制に
固執するかも知れませんね。
自分も先月ブログを立ち上げましたが、結構大変・・・
これからもこちらのブログにお伺いし勉強させていただきます!
ブログ、拝見しました~。
有難いことに、こちらにはいくつかの政党関係者の方が来て下さって
いるのですが。どの政党の方々にも、一般市民の声によく耳を傾けて
頂いて、国や国民にとってよりよい政治を考えて頂きたいと切に願って
います。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。