今年は都知事選で石丸伸二氏が、衆院選で国民党が、さらに兵庫県知事選と斎藤元彦氏&立花孝志氏が、SNS・動画をうまく活用して、多くの若者層の支持を得ることに成功した。
その効果は今までに見られないほど顕著なものだった。(@@)
一方で、TVが選挙でメディアとしての役割を果たしていないとの批判が相次いでいる。
SNS効果で若者の投票率が少し高まったものの、全体の投票率は上がっておらず。TVメディアの責任が大きいのではないかと言われている。^^;
* * *
確かに、今年の衆院選の時もそうだったのだが、近年、選挙に関するTV報道がどんどん少なくなっている感じがある。<いや、実際、少なくなっているんだよね。>
そもそも一般ピープルの中には、投票日の1~2週間前になってから、「あ、選挙か」「どこに入れよう?」と関心を持ち始める人が多いと思うのだが・・・。
今年は10月9日に衆院解散、15日に告示、27日に投開票。で、日本記者クラブ主催の大きな党首討論会は12日に行われたし。15日までに、7党の党首が次々と各TV局を回って、短い討論会をほとんどこなしてしまい、「さあ、今日から選挙だ」という時には、もう選挙に関する報道の時間はほとんどなくなっているのである。(>_<)
たとえば、「今日は各党の党首がどこでこんなことを訴えていた」と、1分ぐらいずつ、演説シーンを切り取って流して行くのだが。自民党の石破総裁は「国民の安全、くらしを守る」、立民党の野田代表は「裏、裏、裏!裏金議員を許すな!」、国民党の玉木代表は「若者の手取りを増やす。103万円の壁を壊す」という感じで、何かどこの局もほとんど切り取るところが同じだったりして。
だから、「立民党は批判ばかり。政策の話をしない」という印象を強く与えてしまうし。国民党は若者の味方のように思えるし・・・。
時にはキャスターやコメンテーターが、「今回の衆院選争点は何か」「この争点について各党はどんな主張をしているのかと説明を行なったりもするのだけど。何か通り一遍のことしか言わないので、mewが見ててもつまらない。(-"-)
<あまり突っ込んだことを言って、一方を評価したとか、批判したとか受け止められてはいけない、とプチ洗脳されているので?^^;>
『前明石市長・弁護士 泉房穂氏
「メディアがちゃんと選挙期間中にもしっかりともっと報道していれば、投票率も違うと思います。選挙が始まったら逆に連日のように政治特集組んだらいいんですよ。みんなで意識を高めて、どこに投票するかは各自の判断だから、その結果、国民が選べばいいんです。国民が選ぶ判断材料すら消し去っている。最近そういうの続いてるからみんな麻痺してはるけど、今の日本の選挙期間中のテレビ報道は異常ですよ。(TBSテレビ 報道特集 2024年11月2日)』
『テレビにおける選挙報道は、どう変化していったのか。
小泉純一郎 総理(当時)
「私の方から自民党をぶち壊しますから」
2005年のいわゆる“郵政解散選挙”。劇場型政治を行い、メディア戦略に長けていた小泉純一郎元総理。
郵政民営化法の採決の日には、4時間もの特番が生放送された。
そして、公示日の8月30日夜に放送された「筑紫哲也NEWS23」では、選挙に行こうと呼びかけ、小泉氏が国会議事堂を破壊するアニメーションから始まる。
小泉氏の人気ぶりが取り上げられ、「コイズミ的?非コイズミ的?」と題された街頭インタビューを行うシリーズ企画が連日放送された。
街の人(当時)
「国を背負う人間として、(郵政民営化を)死んででもやると言ったあの一言は、僕はかっこいいなと思いますけどね」
街の人(当時)
「嫌いだよ。威張りすぎじゃないの?自分の好きなことしか言ってないでしょ」
公示日翌日のNHKと民放5社のテレビの選挙報道を記録・分析したデータ会社「エム・データ」によると、2005年の郵政解散選挙のときは、各局あわせて9時間16分7秒放送された。
メディアコンサルタントの境治氏は、選挙報道の変化をこう指摘する。
メディアコンサルタント 境治氏
「小泉さんのときなんか盛り上がりすぎだったかもしれないけど、別に選挙を盛り上げるのは全然悪いことじゃない。2010年代に入ったら(テレビの選挙報道は)選挙公示日を迎えたらもう割とハッキリね。最初に党首が何を演説したかというのは伝えるけど、それぐらいですよね」
消えた年金問題に格差の拡大。次々に変わる総理。支持率は1割台にまで下落した。
民主党へ政権が変わった2009年の選挙での放送時間は、5時間36分12秒。
その後、自民党が政権を取り返した2012年の選挙では、4時間58分29秒だった。
そして今回は、4時間31分59秒。20年で半分にまで減少した。(TBSテレビ ほ
2024年11月2日』
まあ、確かに小泉政権の時には、まだネットも普及していなかったし。小泉純一郎氏が要旨も言動もTV映えすることもあって、実によく取り上げられていたのだ。(・・)
朝や午後のワイドショーまで、あそこまで政治ネタ(中身は政治でなく小泉氏の言動だけど)が取り上げられていたのは見たことがない。<小泉氏は大臣の頃から、ドラマとかに出たりもしてたけど。^^;>
01年の自民党の総裁選の時は、「自民党をぶっ壊す」と息巻いて、田中真紀子使途コンビを組み、全国を行脚。当初は泡沫候補だったのに、毎日TVに映ったお陰で支持率がTOPになり、3回めの総裁選挑戦でついに首相の座を手にしたのだ。
いつの間にか小泉首相が官邸にいる時は、毎日、夕方、「小泉ぶら下がり会見」を中継することに。<政治ネタよりも「XXが優勝した」「強かったね~」{女優の○○が結婚した」「お、よかったね~」みたいな会話が多かったのだけど。^^;>
この当時は、月に何回か党首討論も行われており、小泉首相と民主党の菅直人代表の討論は、政治に興味がない友人でも録画してみていたものだった。(^^ゞ
まあ、正直言って、小泉氏がアイドル首相的な扱いをされたり、問題発言をしても容認されたりすることには、大きな問題を感じるところもあったのだが。
それでも、全く人々が政治に関心を持たないよりはマシなのかもとも思っていた。<実際、民主党への関心や支持率も、議席数もだんだん増えていたし。(・・)>
* * *
しかし、あのmewにとって悪夢の05年郵政解散総選挙で、小泉陣営が「B層」(具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層)をターゲットに劇場型選挙を展開。それにTVが(中には面白おかしく思って)ノってしまったことから、日本の民主主義は破壊されることになった。_(。。)_
当時、7割以上の国民は、郵政民営化などには関心がなかった。<当時は生活格差やイラン自衛隊派遣などが大きな問題だった。>
でも、どうしても民営化を実現したい小泉首相は、参院で否決されたことに怒り、衆院を解散。「今回の解散は郵政解散だ。郵政民営化に賛成してくれるのか反対するのかを決める選挙だ」と断言したのだ。(-"-)
テレビは、本来ならせめて「郵政民営化とは何なのか」「これが実現した場合、何がどう変わるのか」、賛成側、反対側の評論なども行なって、国民をサポートすべきだと思ったのだが。
残念ながら、多くの民放局のニュース・ワイド・ショーが扱ったのは、誰が法案に反対して、誰がそこに刺客として送られたか、小泉首相がどのように彼らをスカウトしたか・・・そんな話ばかり。(ノ_-。)
この時、投票率は67.51%と小選挙区区制になってから最高を記録。自民党も480議席中296議席をとり圧勝したのだが・・・。
その裏で、まっとうな報道関係者は「果たしてこれでよかったのか」「テレビの報道の仕方に問題があったのではないか」、大きな悩むを抱えることになる。
<知人のメディア関係者は「何かすごく気マズイ感じ」「民主主義をスポイルした感じがする」と渋いい顔をしていた。(-"-)>
でも、今にして思えば、これは石丸氏や立花氏らがSNSや動画でやっていたことと重なる部分が大きいかも・・・と思うmewなのである。_(。。)_ <つづく>
THANKS