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日本がアブナイ!

平和で平穏で楽しい生活が一番!・・・脱アベ・スガからガラガラポンの政界大編成を希望。左右問わずmew基準で、政治や競馬、スポーツなど。写真はトロットスター・・・↓PC画面のリンク1~5は無効

共謀罪などが危険だと言われるわけ(3) ~刑法には国民が国家をコントロールし、人権を守る役割がある~

さて、今回は「何故、共謀罪はこんなに問題視されたり、反対されたりしているの
か?」ということをテーマに書いてみたいと思う。

 その大前提として書いておきたことがある。私はこのブログで何度か、「憲法とは
国民が国家(or国家権力)をコントロールするために存在するものだ」<決して国家が
国民をコントロールするためのものではない>と書いて来たが、実は刑法もある意味
では「国民が国家をコントロールするために存在」しているのである。
 その昔、王様やその時々の権力者が好き勝手をできた頃は、自分の思うように刑罰
を決めることもできた。王様の悪口を言っただけで死刑になったかも知れないし、
お犬様を切ったために死刑になった者もいるかも知れない。でも、国民が時の政府や
権力者の恣意や都合で処罰されることになってしまうのは理不尽なことである。
そこで、自分たち国民が罰せられることは、自分たち(の代表)で法律として決める
べきだという概念が生まれた。これは憲法31条で規定されている罪刑法定主義という
理念である。

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しかも、果たして誰がどのような行為をしたら罰せられるのか(いわゆる構成要件)
を明確にしておいてくれないと、国家権力が都合のいいように法律を使って、国民の
日頃の生活や言動を抑圧したり、人権を不当に侵害してしまったりすることになる。
 たとえば「自動車の運転ではスピードを出し過ぎた場合は、罰金」という規定があっ
たとする。それはスピードを出し過ぎない方がいいとは思われるが、どこでどの程度
のスピードを出したら処罰されるのかわからないと困ってしまう。運転者は「高速なら
80kmぐらい出してもいいだろう」と思っても、警察側は「今日は混んでいるから、
60kmまでが妥当だろう」と判断して、いきなり捕まることになったら心外であろう。
 そこで国家をコントロールし、国民の人権を守るために「明確性の原則」という理念
が生まれる。「誰がどのような行為をしたら、罰せられるのか」という「構成要件」と
いうものを、国民にわかりやすいように明確に決めなければならないという原則だ。
先の車の運転のケースであれば、それぞれの道路で制限速度が決められていて、運転者
にわかりやすいように明示すべきことになっている。

 私たちは、過去の歴史から、国や権力者がいかに好き勝手に国民をコントロールして
人権を侵害して来たかを学んでいる。それゆえ、今は常にいかに国民が主体となって
国家をコントロールし、自分たちが不当に人権を制約、侵害されないようにするかを
考えていかなければならないのである。
<極端な言い方をすれば、国が犯罪を取り締まるのも、私たち国民の人権を守るために
国民がルールを決めて、お金を出してやらせていることなのである。決して国家や権力
者のためではない。>
 刑法はそのための、国と国民の間の取り決め(ルール)や約束事なのであるとも言える。

 
 少し前置きが長くなってしまったが、共謀罪の問題点もまさにそこにあるのだと思う。
 この問題点については、専門家や諸団体、個人のHPやブログで取り上げられている
ので、それらをご覧になることをお奨めするが、とりあえず私なりに説明を試みてみたい
と思う。
 多くの人たちが共通して問題点として、挙げていることとして以下の3点がある。
1・共謀行為自体を犯罪として処罰すること自体が、刑法の理念、法体系に反する。
 しかも、600以上の犯罪に共謀罪を適用するのは、問題性が大きい。
2・処罰の対象となる「団体」「共謀」の要件が明確でない。
3・自首による減免規定があることで、スパイ的な通報者を奨励するものになっている。

 
 ここから若干小難しい話もはいってしまうが、上述の例のように、刑法が人権を守る役割
があるのだが、共謀罪が認められるとそれが壊されかねないということを念頭に読んで
頂ければと思う。

 日本の刑法は、原則として、刑法等で規定された犯罪の実行行為をした者を処罰する
ことにしいる。<殺人罪であれば「人を殺す」ことが実行行為になる。>
何故、実行行為を犯した者を中心に考えるかと言えば、実際に「犯罪に当たる行為を
した」ということは、本人はもちろん、他の国民にも警察等にも明確にわかりやすいし
また実際に被害が生じている場合も多い。 そうであれば、間違って逮捕したり、処罰
したり、好き勝手に用いたりして人権を侵害する危険性も低くなると考えられるからだ。
<尚、実際に被害や結果が生じなくても、実行行為をした(実行の着手があった)場合
には未遂罪として罰せられる犯罪も多い。>

 でも、実行行為をする前に「誰かから何か物を盗ってやろう」と個人的にアタマの
中で思ったり、誰かと相談しても、それを実際にやるかどうかはわからない。実際、
裁判でそれを証明するのも難しい。「おまえ、物を盗む気でうろついてただろう」って
だけでは逮捕されたりしない。それに実行行為をやらなければ被害も生じない。
だから、窃盗罪をはじめ大部分の犯罪の場合は実行行為をしない限り、罰せられること
はない。
 ただ、殺人罪とか強盗罪とか放火罪など重大な犯罪に限り、予備罪と言って、実行
行為をしなくてもその準備をした場合には処罰されるものがある。ただし、刑法の中
でも9つだけしかなく、本当に限られた例外的なものである。<殺人罪で言えば、
人を殺す意図を持って包丁を買った場合などは殺人の予備罪になる。>
 しかし、この予備にも至らない共謀や陰謀の段階で犯罪が成立するのは、前の記事
に書いた内乱、外患誘致・援助、私戦予備陰謀の4つしかないのだ。これは国家や
多くの国民の安全が害されてしまうおそれがある犯罪なので、超例外的なケースとして
陰謀しただけでも処罰の対象になってしまうのである。<殺人も強盗も共謀しただけ
では犯罪にはならない。>

 ところが、今出されている共謀罪の法案では、与党案では「長期4年以上の懲役、
禁固刑に当たる犯罪+α」が対象になっており、600以上の犯罪が該当してしまう。
民主党は「4年→5年」の修正案を出しているが、それでも300以上の犯罪が該当
してしまうという。人権を不当に侵害しないようにと、たった3つの特に重大な犯罪
だけに限っていたものを、いきなり何百もの犯罪に適用しようというのだ。それは、
あまりにも乱暴な話であろう。当然、人権を制約したり、侵害したりする危険性も
大きく広がってしまう。

<与党が長期4年以上・・・」としたのは、国連の条約でそう決められたからなのだが、
そもそも各犯罪の刑罰の重さは国によってかなり異なるものなのに、百カ国以上が
参加するような条約で「4年以上」と決めてしまうこと自体がおかしいようにも思う。>

           <つづく>   THANKS

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Commented by ゆん at 2006-05-01 04:58 x
ブログ拝見しました♪ぜひぜひ仲良くしてほしいです♪
Commented by mew-run7 at 2006-05-01 05:24
ゆんさん、コメント有難うございます。

ブログを読んで頂けたとしたら有難いですが、私は女性ですし、昼間は
忙しいので仲良くはできそうにありません。^^;
Commented by とし at 2006-05-01 21:04 x
GWにも精力的にエントリー更新お疲れ様です。
またいつもながら、かみくだいた丁寧な説明ありがとうございます。
今日は暑かったですね。



Commented by とし at 2006-05-02 01:27 x
蛇足ですがTBの民主党ふじすえ議員のエントリーはないですよね。
「共謀罪はほとんど勉強できてません」て専門以外はどうでもよくて
指示に従ってそこらじゅうにTB貼りまくってる感じですね。
大物議員を押し退けて当選したエリートのはずですが、ちょっと心配ですね。
Commented by mew-run7 at 2006-05-02 08:45
としさん、コメント有難うございます。

昨日は暑かったですね~。
今日からは気温がグ~ンと低下するとか・・・。
気温の変化で体調を崩さないように、お互いに気をつけましょうね。

さて、私は完全GWではないのですぅ。<昨日も仕事でした。(涙)>
共謀罪・・・アレコレ見て勉強し始めたら、深みにハマってしまいそう
なのですが、何とか重要な概念を記事にできればと思っています。

ふじすえ議員のTB先の内容は、私もちょっとガッカリでした。
議員たるもの、専門外のことでも、多少は勉強して自分なりの見解
ぐらい書いて欲しいかな~とも思うです。
Commented by CONSAMA at 2006-05-02 20:22 x
こんばんわ!こっちにも・・
http://i-know.jp/hannichi/
こんなプログを知ってました?
MEWさんも私もしっかり「アカ市民」として監視されてます。
なにか怖いです。これが国家レベルでと思うとそれこそ共謀罪ですぐに捕まるのでしょうか?恐ろしい・・

Commented by 組合員A at 2006-05-02 21:24 x
刑法は罪刑法定主義のもと、「権力や多数派によるリンチ」を防ぐために規定されていると、法の原点に戻って考えて欲しいものです。

ところで法といえば例の耐震偽装問題ですが、姉歯氏などが責任を問われるのはやむを得ないこととしても、あのマンションやらホテルやらを、住民を追い出してまで取り壊す必要があるのでしょうか?
というのも、現在の建築基準法は1978年の宮城県沖地震をもとに、1982年に施行されたもので、つまり82年以前に造られた建物にはもっと危ないのがいっぱいあるのです。しかしそれは法施行以前ということでそのまま。
つまり偽装マンションは危険だからという理由ではなく、ただ単に「現在の法」に反しているからという理由だけで杓子定規に壊されたりしているのです。

CONSAMAさん紹介のアホなサイトですが、おかげでリベラル系のブログをたくさん知ることができました(笑)。
Commented by あいまいみー at 2006-05-03 00:05 x
現在いわゆる共謀罪法案と言われている法案は、いわゆるサイバー法案
と抱き合わせになって「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処する
ための刑法等の一部を改正する法律」として成立されようとしています。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/committee/list/kokusai_keiji/kokusai_keiji_a.html
私は最初、この法律でいう組織的な犯罪集団を「国際的なもの」に限定すればいい
のかと思っていましたが、サイバーテロの共謀罪なんて言われたらもうネットで政治的
発言なんかとてもできないですよ。

その他現在国会で審議されている法案は
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm (第164回通常国会)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_honkai.htm 
(↑ここから「最近の委員会の動き」「日本国憲法に関する調査特別委員会」を
ご覧ください。山ほどあります)
この中には
教育基本法(改)
憲法改変(改)(国民投票法案)
も含まれています。
Commented by あいまいみー at 2006-05-03 00:06 x
私たちは、いま国会でどんな法律がつくられようとしているか、
もっと気をつけるべきだとつくづく思いましたね。

外国で共謀罪に類するものは、例えばアメリカでは「アメリカ愛国法」などがありますね。
http://www.clair.or.jp/j/forum/c_report/pdf/256-7.pdf
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-05-29/2003-0529faq.html

あと、『市民密告法』ロシアに復活 という記事も見つけました。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20060501/mng_____kok_____001.shtml

>CONSAMAさん、組合員Aさん

http://i-know.jp/aikoku/
こういうのもあります。
で、アンテナにひっかかっているのはほぼ同じっていう(笑)
Commented by mew-run7 at 2006-05-03 04:39
CONさま、コメント有難うございます。

同サイトのことは、知っていました~。
最初に人に教えてもらった時は、ちょっといやだな~と思いましたが、
実際に見てみたらCONさまもnikeさんも、ふだんTBなどで
お付き合いのある方々のブログもたくさん載っているので、
ちょっと安心したといいますか。逆に言えば、日本の将来をマジで
憂いている愛日ブログ・リストなのではないかとも思えたです。
「選ばれていることは名誉なのかも?」と思うことにしたいです。

実被害さえなければ、気にしないで行きたいと思います。
Commented by mew-run7 at 2006-05-03 04:51
組合員Aさん、コメント有難うございます。

本当に最後に国民を守ってくれるのは、憲法、法律そして裁判所
ですから~(であるはずですから~)。
それにしても、昨年の衆院選で自民党を勝たせ過ぎました。
それが、悔やまれてなりません。

刑法もそうですが、法律は基本的に遡及の禁止というルールが
あるので、建物を建てた当時の基準法に適合していれば、その後に
基準が変わっても、影響は受けないんですよね~。
でも、阪神大震災が起きてからは、不特定多数が利用する建物は
補強などをするように指導されているようですが。一般マンションなど
まで、それを行なうのは難しいようです。

XXに3兆円も使うぐらいの資力があるなら、その一部を使って福祉やら
建築物の補強補助などにお金を使って欲しいと思うのは、私だけ
でしょうか?
私から見れば、そういうことこそ愛国心、公共の精神にふさわしいと
思いますのに。
Commented by mew-run7 at 2006-05-03 05:01
あいまいみーさん、コメント有難うございます。

サイバー刑法改正案・・・これもできれば取り上げたいと思って、
条約や改正案、日弁連その他のページは読んであったのですが、
正直なところ、この方面のことには疎いので、まだ十分に把握できず、
記事に書くに至っていません。

アメリカのパトリオット法は、米国人の中にも疑問を抱いている人が
少なくないときいています。
大体、ここで愛国という言葉を持ち出すのがイヤですよね。
ロシアも、周辺諸国との問題があり、テロにナーバスになっているよう
です。

折角、東西冷戦も終わり、グローバル化が進んでいるのに、その他方で
日本も含めて、世界が妙に保守化して行くことに失望観を抱いてしまう
今日このごろです。

そして、本当に日本国民はもっと自分たちの生活にも影響を及ぼすで
あろう法律に関心を抱かないといけないと思います。
こういう時こそ、マスコミが頑張らなくてはいけないのに。全く困った
ものです。
Commented by kousan at 2006-05-03 11:29 x
TBに、コメントまで、有難うございました。
創価学会内部から見ると、残念ながら、公明は全てにおいて、自民党を凌駕する全体主義の方向へ行こうとしている気がします。
なんとか、大きな世論を起こしていきたいですね。
Commented by mew-run7 at 2006-05-04 05:09
kousanさん、コメント有難うございます。

学会員の人たちの中にも、今の日本の方向性や党のあり方に、疑問を
抱く声が少なからずあるように思います。
その声が党に伝わらないことに不満や不安を覚える人たちも少なくない
ときいています。
人間のあり方、平和や福祉やよりよい社会などのことを考えて、まじめに
頑張っている学会員の人たちも多いと思うので、今の状況は、部外者の
私から見ても少し残念です。
秋には、公明党の体制も変わるという話が出ていますが、党や学会の
あり方をもう一回考え直すいい機会なのではないかと思っています。
kousanさんのような活動をしておられる方に、是非、頑張って頂きたい
と思っています。
by mew-run7 | 2006-05-01 04:49 | 共謀罪、教育基本法改正 | Comments(14)

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