今年度の通常国会で最も期待しているのは、選択的夫婦別姓制度の法案化(民法改正など)を実現することだ。今が、まさに最大のチャンスだからだ!(**)
立民党は、今度の通常国会で選択的夫婦別姓制度に関する法案を提出する準備をしている。
これまでは、夫婦別姓に絶対反対の超保守勢力が強かった自民党が、多数与党として国会運営の主導権を握っていたため、国会で夫婦別姓に関してまともに審議をすることさえ難しかった。
しかし、昨年の衆院選で自民党が191人と過半数割れした一方で、立民党が148人の当選者を出すことに。そのため、夫婦別姓法案の審議を行なう法務委員会の委員長を立民党の議員が務めることになった。理事や委員の数も野党が自公とほぼ同数ゆえ、すぐにでも選択的夫婦別姓制度に関する法案の審議にはいることができるのだ。(・・)
野党の中では、立民党をはじめ、国民、共産、れいわ、社民は夫婦別姓に賛成の立場。
維新は、昨年の衆院選の時には、超保守派の馬場伸幸氏が代表だったことから、「旧姓の通称使用を進める」という立場をとっていたのだが。衆院選での議席減の責任をとり馬場執行部が辞任。新たに代表になった吉村洋文氏と共同代表の前原誠司氏は、個人的には夫婦別姓に賛成だとして、党内をまとめる意向を示している。(++)
しかも、与党の公明党も夫婦別姓に賛成する立場であることを表明。斎藤代表は、自民党も賛成するように説得したいとまで言っている。
これらの党だけで、衆院は過半数を超えるので、法案を可決することができるのだ。(@@)
参院は、240議席(欠員8)中、自民党が113議席を有しているのだが。無所属8、N国党2の動向次第では、ビミョ~というところ。<後述するように、党議拘束を外す手もあるが。>
ただ、これまでの社会の制度を変える法改正になるので、できれば自民党の理解も得たいところ。(・・)
これまでは、党内で強い勢力を誇っていた超保守派の議員たちが夫婦別姓に強く反対して来たため、自民党は反対の立場をとらざるを得なかったのだが。
もともと党内には、夫婦別姓に理解を示している議員が少なからずいるし。石破首相も個人的には、選択的夫婦別姓制度には賛成の立場ゆえ、流れが大きく変わって来そうな感じがある。"^_^"
夫婦別姓導入の要望、議論は30年以上前からあった。しかし、とりわけ自民党の超保守派勢力が絶対反対の立場であるため、なかなか国会内で話が進まず。そのために、多くの女性(時に男性)が不利益を被って来た。<現在、95%の夫婦が夫の姓を名乗っている。>
しかし、日本の伝統的な制度を重視する超保守派のリーダーだった安倍晋三氏が20年に首相を辞任した上、22年に他界することに。さらに23年末に、党内の超保守勢力の中心にいた安倍派にパーティー券キックバックによる裏金不記載議員が多数いたことが発覚。安倍派は他の派閥と同様に解散した上、24年の衆院選で落選者が相次いだため、議員数が半減し、党内での影響力を失いつつある。_(。。)_
しかも、昨年の総裁選でも高市早苗氏や小林鷹之氏などの超保守派は当選できず。 一方、高市氏らに総裁選で勝った石破首相は、個人的には夫婦別姓に賛成の立場。当選後の記者会見でも「夫婦が別姓になると家族が崩壊するとか、よく分からない理屈があるが、やらない理由がよく分からない」と言っていたほどだ。(「 」内は産経24.09.27)
石破氏は総理総裁に就任してからは、党内の超保守派に配慮して「慎重な議論が必要だと言い出しているのだが。
自民党のバックについている経団連などの経済界からも、夫婦別姓の法案化を早く進めるよう強く要望されているし。もともと自民党内にも、夫婦別姓に理解を示す人が少なからずいたことから、昨年暮れには党内に議論の加速を指示する考えを示した。<実際、総裁選の時も半分の候補が、夫婦別姓に理解を示していた。(・・)>
『石破茂首相(自民党総裁)は24日夜、臨時国会閉会を受けた記者会見で、選択的夫婦別姓の導入について、党内に議論の加速を指示する考えを示した。「議論の頻度を上げて熟度を高めることに力を入れていきたい」と語った。
選択的夫婦別姓を巡り、自民は令和3年に「氏制度のあり方に関するワーキングチーム(WT)」を設置している。制度導入の慎重派と推進派の間で議論が紛糾し、休眠状態となっていたが、今年7月に3年ぶりに開催された。
首相は、今国会での議論について「なかなか頻度は深まらなかった」と振り返った。党内で賛否が割れている現状については「家族の形、形態、国民の意識の変化で、夫婦別姓を導入すべきだという意見がある」と述べた一方で「家族の一体感、兄弟で氏が違うのはどうなのかなど、お子さんへの影響を懸念する意見もある」とも語った。
その上で、「野党のほとんどがこれをやるべきだ、与党の公明党もそういう意見だ。経済界もそういう意見であるという背景をよく認識した」とも強調した。(産経新聞24年12月24日)』
一方、今も安倍氏の後継者を自認する高市早苗氏や萩生田光一氏などの超保守系議員が、強く夫婦別姓制度の導入反対を主張しているのだが。高市氏が昨年の総裁選で負けた&萩生田氏が多額の裏金不記載があったことなどから、党内をまとめるほどの力がないように見える。^^;
ちなみに、伝統を重んじる戦前志向の超保守派が夫婦同姓にこだわるのは、一つの姓で結びついた「家」「家族」制度を重視するからだ。
彼らは「家制度」は、日本の「天皇制、皇室制度」につながるものだと考えているため、この制度を守って行くべきだという強い信念を有している。^^;
<日本の国家は、国体である天皇を父とした家であると。(だから国家ね。)それが天皇家や皇室、臣民である国民の間で先祖代々引き継がれ、今の日本につながっているというような考え方をしている。>
今も超保守派のリーダー格である高市早苗氏や萩生田光一氏らが、メディアの取材や講演会、SNSなどで、「選択的夫婦別姓を導入すべきでない」と主張。「旧姓の通称利用が進めば不利益はない」として、世論に訴えているのだが。メディアではあまり大きく取り上げられることもなく、発信力が弱まっているようにも見える。(~_~;)
<この辺りは、改めて書きたいのだが。確かに旧姓の通称利用がかなり進んでおり、旧姓併記できるものも増えたのだが。はいるのだが。「通称」はあくまでも「通称」で、法律的に認められた正式な姓名ではないため、法律的な行為(不動産や法人役員の登記、契約の署名など)は旧姓だけではダメだし。海外では旧姓併記によって、却って混乱を招くケースが少なくないのが実情だ。>
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超保守派の影響力が弱まって来ると、自民党内でもだんだん夫婦別姓OKだと公言する議員が増えて来るかも知れず。<今までは、大きな声で賛成というと、超保守派に睨まれて出世などに支障が出るおそれもあったからね~。^^;>
また、世論で「選択的夫婦別姓」に賛成する人が増えれば、今年7月の参院選を(もしかしたら衆院選も)控えて、「私は夫婦別姓に賛成している」と公言する議員がさらに増える可能性もある。(・・)
<尚、小泉進次郎氏は、昨年の自民党総裁選で、もし首相になったら選択的夫婦別姓の法案を政府で提出し、党議拘束をかけずに議決をしたいと言っていた。
09年に脳死判定の基準を決める法案を議決した際に、個人の死生観、倫理観に関わる内容だとして自民党などが党議拘束を外していたのだが。
夫婦別姓も社会制度を大きく変えるものだし、個人の政治的思想に大きく関わる法案ゆえ、自民党は党議拘束を外してもいいのではないかと思う。>
ただ、自民党が過半数割れでなくなってしまったら&総裁が超保守派の議員に代わってしまったら、選択的夫婦別姓の法案化は極めて困難になってしまうわけで。このチャンスを逃してはならないと強く訴えたいmewなのだった。(@_@。
THANKS