国民民主党が、選択的夫婦別姓制度への対応で困っている。(@@)
国民党は、以前から選択的夫婦別姓制度に賛成しており、衆院選の公約にも掲げていた。
今国会で、立民党が選択的夫婦別姓に関する法案を国会提出するに当たって、党内では当然にして、これに賛同する議員もいる。
しかし、他方で、近時、支持が増している超保守派から批判を受けて、「裏切者」扱いされそうな感じになっているからだ。(~_~;)
今、自民党で超保守勢力が弱体化しているのだが。超保守派としては、何とか夫婦別姓導入を阻止しようとして、反対派を集めている最中。そんな中、玉木雄一郎代表が、以前から日本最大の超保守団体・日本会議の講演会などに参加し、「うちが最も保守」などとアピールしていることもあって、国民党もそのターゲットになっているのだ。^^;
逆に国民党の側から言えば、参院選でも議席数を伸ばすために、さらに集票できる層を拡大したいところ。今、石破自民党に反感を抱いている超保守派が増えていること、維新も松井・馬場氏らが率いていた超保守派が弱くなっていることから、そちらに行っていた票が国民党に流れて来る可能性がある。(@@)
そこで、玉木氏は、先月も超保守の母・櫻井よしこ氏のネット番組に出演し、夫婦別姓に関して「あなたが肝心なところで絶対にぶれないようにしていただきたい」と念を押され、「はい」と応じていたばかり。
榛葉幹事長も櫻井よしこ氏のネット番組で、夫婦別姓などに対する玉木氏の姿勢に関して、「玉木とヤギはウソをつかない」「国柄や国の歴史を考えて大事にする政治家だ。大丈夫だ」と強くフォローしていた。(~_~;)
<関連記事・3月14日『右傾化する玉木、櫻井よしこの評価を意識・・・』、29日『玉木「うちが最も保守」。参院比例に超保守系候補で、保守票集めに走る国民党』、4月6日『櫻井に玉木首相論、保守政策厳守を語る国民党・榛葉』など>
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一方で党内では、選択的夫婦別姓制度の導入に向けての動きが進んでいる。(・・)
『選択的夫婦別姓制度を巡り、国民民主党の男女共同参画推進本部(円より子本部長)が子の姓を決める時期について「夫婦の婚姻時」を軸に制度導入を検討するとした論点整理の原案をまとめた。推進本部は原案を党内に示し、議論のたたき台とする。
選択的夫婦別姓を巡っては、子の姓を決める時期を「子の出生時」とした場合にきょうだいで姓が異なるなどの懸念が出ていた。
原案では「仕事上でさまざまな障害を受けている人などが多い」などとして制度導入の必要性を指摘。「家族の絆が壊れるといった慎重意見がある」と言及しつつも「事実婚から法律婚にしたいというカップルが58万人もいる」として、実現すれば「逆に法的な家族を増やすことにもなる」とメリットを強調した。「戸籍制度は維持する」など、保守派への配慮も示した。
子の姓については、立憲民主党が今国会に提出する予定の民法改正案と同様に「夫婦の婚姻時」に決めるとしつつ「高齢での婚姻、子どもを持てない人、持つ選択をしない人もいる」とし「『子どもが生まれたら戸籍筆頭者の氏とする』という案も捨てがたい」としている。
国民民主は2024年衆院選で制度導入を公約に掲げたが、榛葉賀津也幹事長が今年1月、子の姓や戸籍制度について熟慮の必要があり「拙速に進めるべきではない」と慎重姿勢を表明。党内で議論が続いている。【遠藤修平】(毎日新聞25年4月23日)』
また、24日には玉木代表が連合の芳野会長と会談を行なったのだが。ここでは、最大の支持団体の連合の支援は確保したいため、選択的夫婦別姓制度導入に理解を示す発言を行なうのである。^^;
『国民民主党の玉木雄一郎代表は24日、国会内で連合の芳野友子会長と会談し、選択的夫婦別姓制度の導入について「多くの求める方々の思いに応えられるように、早期に実現していくことが重要だ」と述べた。党としての方針については「遠くないうちに集約できる」との見通しを示した。
玉木氏は会談冒頭、「導入するということで(2024年の衆院選)公約に掲げて戦った」と説明。「結婚前の姓を、結婚後も法的効力をもって使い続けたいというニーズに応えることは必要だ」と主張した。
一方、現行の戸籍制度について「親族的身分関係、来歴を明らかにするという機能を維持し、家族としてのアイデンティティーを保持していくことも大事だ」とも述べた。(略)
会談は、選択的夫婦別姓制度が国会で本格的に議論されることを期待する連合側の要請で開かれた。芳野氏は会談後、「要請の中で『党としても早期実現に向けて考えている』という言葉をいただけたので安堵(あんど)した」と述べた。(毎日新聞24年4月24日)』
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このような報道を受けて、超保守派がネットで「国民党は結局、夫婦別姓に理解を示すのか」「裏切るのか」「それでは投票できない」などと激怒しているとのこと。
早速、産経新聞も『国民民主、選択的夫婦別姓に党内温度差 「隠れ左派」が躍動、保守離れの懸念も」というタイトルの記事を掲載した。<この「隠れ左派」って言い方がスゴイでしょ。一般紙とは思えない、(~_~;)>
『国民民主は憲法改正や現実的な外交・安全保障政策などで保守層からも支持を集めてきたが、党内の「隠れ左派」を野放しにすれば、夏の参院選前に保守離れを招くのは必至だ。』
『国民民主は先の衆院選で制度導入を公約に掲げた。だが、今年に入ると、玉木氏は慎重姿勢に変わり、4月8日には、保守層も受け入れやすい婚姻前の旧姓に法的効力を付与する案に言及した。これまで自民党を支持していた保守層が国民民主に流れているためだ。
保守色を強めようとするが、民主党の系譜にある国民民主にはリベラル系議員も少なくない。その代表格が推進本部長の円より子衆院議員で、23日の記者会見では早期導入を目指すと張り切った。円氏は「衆院選で国民民主の仲間は選択的夫婦別姓を掲げて戦った」と周囲に語り、リベラル系からは30日にも衆院に提出される立民案に賛同しようとの意見も急浮上する。』
『最終的な結論は党執行部に委ねられている。国民民主は玉木氏、榛葉賀津也幹事長が強力な決裁権を握るからだ。榛葉氏は周囲に「政治的に決める」と自らが左派の防波堤になると宣言した。だが、国民民主に息づく左派のDNAが暴れ出した場合、これまで築いてきた保守のイメージが一気に崩壊し、蟻の一穴になりかねない。(産経新聞25年4月24日)』
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上の記事を受けて、榛葉幹事長は25日の会見で、何と産経新聞に「安心してください」と呼びかけたという。(>_<)
『夫婦別姓制度の導入を巡る党内議論について「方向性が決まっているわけではなく、だいぶ報道が先走っている。しっかりと丁寧に議論をしていきたい」と述べた。榛葉氏はこれまでも拙速な導入に慎重意見を示していた。立憲民主党は30日に民法改正案を衆院に提出するが、「他党と一緒に共同提出する考えはない」と断言した。
会見では産経新聞記者に「安心してください」と呼びかける場面もあった。(産経新聞25年4月25日)』
国民党はもともとは民主党の流れを組み、自らも「中道」を名乗っているのだが。今後、ブイブイ右派が強引に超保守寄りで進むのか、隠れ左派が抵抗するのか、しっかりウォッチしたいと思うmewなのである。(@_@。
THANKS