日本は国連勧告を無視して、国立大学の学費を上げ続けている?! +α

 小泉首相の訪米日程が決まったそうだ。6月27~7月1日にカナダと米国を訪問
するとのこと。首相は6月29日にブッシュ大統領との首脳会談と晩さん会に臨み、
30日に大ファンのエルビス・プレスリーゆかりのメンフィスを二人で訪れる。
 またワシントンからテネシー州メンフィスへの移動に際して、米大統領専用機エア
フォース・ワンにブッシュ大統領と乗り込む方向で米側と調整していることが分かった。
外務省によると、エアフォース・ワンに外国首脳が乗るのは極めて異例。9月退陣を
控える首相を大統領が破格の歓待で迎えることで、5年間に及んだ両首脳の蜜月を世界
にアピールするつもりなのだという。
「米国産牛肉の輸入再開」という国民の命を粗末にするような手土産を持参で?!

 24日、衆院の特別委員会で教育基本法改正の審議が行なわれた。
 案の定、「愛国心」に関する表現の話(『心』と『態度』の違いとか)や、その
とらえ方や評価の問題がメインになっていたのだが。そのような部分にこだわって、
集会を重ねている議員も少なくない中、小泉首相があっけらかんと「国を愛する心も
態度も同じようなもの」「学校で愛国心を評価するなんておかしい」と答弁していた
のがおかしかった。安倍氏はあまりいい顔をしていなかったようにも見えた。


 さて、愛国心に関する話はまた改めて書くことにして、24日の質疑で高等教育の
無償化に関する2006年問題の話が出ていたので、今回はそのことについて書いて
みたい。これは、日本が国連の勧告を無視して、高等教育(大学、短大等)の授業料
を無償化して行く努力をしようとしていないという話である。

 <つづきは ↓More をクリック>



今、日本では経済格差によって教育や能力の格差が生じ始めていることや、家庭での
教育費の負担が問題になっており、少子化が進む中、日本の将来を担う人材を育成を
するという観点や、将来の経済の停滞につながる危険性があるという点でも懸念される
部分が大きくなっている。
 それでも高校までは、国公立の学校にはいれば、無償に近い低額な学費負担で済むし
地方自治体からの援助も受けやすいのだが、高等教育になるとそうは行かない。以前も
書いたように、国公立大学の授業料は急激な右肩上がりで高くなっており<現在は、
授業料が年に約52万、入学金は約28万円>、国はさらに値上げして行くことを考え
ている。また国公立大学を独立法人化させて、国の経費を削減しようともしている。
<国公立大学の授業料の推移の表はコチラ
 そのために、高等教育に関する家庭の負担はかなり大きくなり、他の先進国と比べて
ダントツのTOPになっており、能力や意欲があっても大学などに進学できない子供が
増えている。<OECDの調査データはコチラ (下の方に高等教育の私費負担の割合
や対GDP費のグラフがある) 問題の部分だけアップにしたPDF資料は コチラ
 これらのことを前提に、この記事を読んで頂ければと思う。

 
 先に、2006年問題と呼ばれるものの概要を書いておきたい。
 国連では、世界各国の国民の人権が保障され、健康で文化的な生活を送ることができる
ようにと、様々な人権規約(国連条約)を設けている。そのうちの一つに、1966年に
採択された「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(社会権規約orA規約)
という人権規約がある。そして、その13条では教育に関することが規定されていて、
2項(c)で「高等教育を無償化して、能力に応じて等しく教育を受ける機会を与える」という
内容の条項が作られている。
 日本は、他国よりかなり遅れて、1979年にこのA規約を批准したのだが、その時に
上述の「高等教育無償化」を含めて4つの条項を「留保」にして(それらの条項には合意
をしなかった)、それから20年以上立っても、ずっと留保したままでいる。
<05年現在、締結国151ヵ国中、高等教育の条項を留保しているのは、何と日本と
マダガスカルとルワンダの3つの国だけである。>

 そこで、国連の人権委員会(社会権規約委員会)では2001年、日本政府に対し
「高等教育の漸進的な無償化」条項の留保の撤回を検討することを勧告し、2006年
6月末までに「勧告にもとづいてどういう措置をとったのか、NGOや市民とどのよう
な協議をしたのか」に関する報告を要請した。
 このことを教育関係者は「2006年問題」と呼んでおり、日本国内の大学その他の
教育機関や団体なども、留保の撤回や高等教育の無償化を強く要望している。

【前記事で、国連の条約を締結するまでの手順に関して大まかに説明したが<合意の署名
→国会で承認決議→(国内法整備)→批准(最終合意確認)&締結>、条約の趣旨には
賛成で締結したいが、一部に合意できない条文や条項があるという場合には、その条文や
条項を「留保」するという形で、条約を批准、締結することができる(規定や内容によって
できないケースもあるが)。また条文の解釈が曖昧な場合、わが国はこういう解釈で合意
するという「解釈宣言」を行なって批准、締結するという方法もある。
 今、共謀罪の審議でも、政府側と民主党が国連条約の一部の条項を留保できないかどう
かでやり合っている。政府側はできないと突っ張っねているが、ビミョ~なところだ。】


 つまりは、日本政府は国連から「高等教育を無償にするように努力しなさい」と勧告
されていて、その返事を来月末までにしなくてはいけない、という話なのであるが。
24日の審議で、答弁に立った小坂文科大臣の言葉をきく限り、日本政府は留保の撤回
には、あまり前向きではないようだ。
 小坂大臣いわく「高校卒業後にすぐ働く人は、国に税金を納めている。それなのに、
高校卒業後に大学などに進学する人が、学費を無償化されて国からお金をもらうという
形になれば、不公平が生じる」ということだった。「また奨学金などの措置を講じて
おり、大学進学率もどんどん上がっているので問題はない」とも話していた。

 ちなみに日本政府は、01年に国連に提出した回答書ではこのように答えている。
「わが国においては、義務教育終了後の後期中等教育及び高等教育に係る経費について
非進学者との負担の公平の見地から、当該教育を受ける学生等に対して適正な負担を
求めるという方針をとっている。
 また、高等教育(大学)において私立学校の占める割合の大きいこともあり、高等
教育の無償化の方針を採ることは、困難である。なお、後期中等教育及び高等教育に
係る機会均等の実現については、経済的な理由により修学困難な者に対する奨学金制度
授業料減免措置等の充実を通じて推進している。」
 基本的にこの考え方を変えていないということになるだろう。


  <つづく>                 THANKS

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by mew-run7 | 2006-05-26 00:07 | 政治・社会一般 | Comments(6)

Commented by とし at 2006-05-26 03:02 x
びっくりの授業料ですね。というか他の国に比べてこんなに日本が教育に力を入れてないとは知らなかった。

日本の場合、人材育成は大学より企業や会社でのウェートが圧倒的に多いから基礎研究以外では心配ないかもしれないけど、世界で3カ国だけなんて恥かしい話ですね。


Commented by gorou at 2006-05-26 11:23 x
日本はどこまで捻じ曲がっているのでしょう?

>非進学者との負担の公平の見地から、当該教育を受ける学生等に対して
>適正な負担を求めるという方針をとっている。
無償で勉強出来るのに、その機会に勉強をしないというのは選択の自由でもあるわけだし、勉強したい人に勉強させないって・・・。
国は「要するに貧乏人が頭が良くなると、既得権益や利権を貪ってる我々をおびやかしかねない」という事を、言いたいんですよね。きっと・・・。
法人税を上げれば有能な企業が海外に行っちゃうとか、障害者年金を削減するとか、よくもまあ、こんな馬鹿げた話ばかり出来るものだと感心しております。

愛国心にしても、自分(自国)を大事に出来ないは、人(他国)を思いやることも出来ないのと一緒?で、自分の国を愛せないのに他国を愛するのって難しくないですかね。自国の文化を重んじればこそ、他国の文化も重んじることが出来るのでは?逆もしかりで、人を愛するのならその人の為に自分を律することで、貢献出来る事もあるのではないでしょうか?その為には、マズ自分(自国)を知り自分(自国)を愛してみる。そんなにおかしな事とは思えませんが・・・。
Commented by mew-run7 at 2006-05-26 12:42
としさん、コメント有難うございます。

そうなんですよ。日本が高等教育の費用に関しては、世界の中でも
超後進国だということは、あまり知られていないようだったので、
アップしてみました。

確かに企業の研究は盛んなんですけど、能力や意欲があるのに
大学や大学院に行けない人が増えると、その企業の研究所にはいる
人たちのレベルも下がってしまうのではないかと思います。

日本なんて資源がないのだから、そういうところで頑張らなくては
いけないのに・・・と思うのですけどね~。
Commented by mew-run7 at 2006-05-26 12:51
gorouさん、コメント有難うございます。

あまりシモジモの者が賢くなると、不都合な部分はあるかも知れ
ませんね。
でも、今、めちゃ儲かっている大企業だって、みんな高等教育を受けた
者を利用してここまで来てるわけですよね。官僚だってそうですし。
けど、次の世代に高等教育を受けて能力のある人が減ってしまったら、
大企業も役所もダメになってしまうのにね~。
<金持ちばかり集めてエリート学校を作ったところで、さしたる人材が
育てられるとは思わないのにな~。>

高等教育を受けられる人を減らして、志願兵にしようと思ってるのかな?
でも、あまり能力が下がってしまうと、戦略的に負けちゃうのに~。

愛国心に関しては、確かにそのような考え方もできると思うのですが。
これを危険視する人がいるのは、安倍氏みたいに、国を愛す→国を守る
という発想を持っている政治家が少なくないからなんですよね。
他国の尊重なんて、ほとんど考えていないのです。
<前文から、「他国」は削れという声もあるほどで^^;>
Commented by ニケ at 2006-05-26 17:25 x
mewさん、TBありがとうございました。
お金があって裕福だからといって賢いとは限りませんし、その逆の貧しくても頭が悪いとは限りませんよね^^
結局は富の独り占めをしたいのかと思ってしまいます。
いまの首相をはじめそれを支持するものたちを見ていると悪知恵やウソとごまかしが上手なのは分かりますが、国民全体のレベルを上げて世界のなかでのリーダー的な日本をつくろうなどとは考えていないと思われます。
ただただ経済大国や軍備も備えた「普通の国」とかだけで実質は犯罪大国になったりする。こんな希望も夢もぶち壊すような政治を行う国を作っておいて、「愛国心」が足りない!などとは、その言葉をそっくりそのままお返ししたいものだと思います。誰が国を愛していないのかあきらかだ!お前たち政治家は「売国心」で動いているだけではないのか?

と、まぁ怒れてきてしまいます(笑)なんとかならないのかなあ~(泣)
Commented by mew-run7 at 2006-05-27 08:58
ニケさん、コメント有難うございます。

アメリカみたいに、何%かの人に富と権力が集中するような形の国に
したいのかな~?
でも、アメリカの方がまだいい意味での「成り上がり」(アメリカン・ドリー
ム達成)になるチャンスがあるかもです。

教育や医療・・・特に教育を考えない国は、mewから見たらふつうの国
ではないです。

何かね~。アメリカの一部地域の州兵じゃないけど、収入が低いので
仕方なく州兵に志願して、優先的にイラクに送られて、死傷してしまう
とか・・・そういうのと重なっちゃうような気もしますです。

イラクに行く州兵は、愛国心で行ってるわけじゃないし。
悲惨な現場で愛国の持ちようもなくて、精神的におかしくなっている
人がどんどん増えてるし。

次の首相候補も金持ちバカボンばかりなんだよな~。(絶句)