北朝鮮問題について思うこと(2)~小泉首相は何故、動かないのか?~ +ちょっとWC
2006年 07月 09日
ちょうど今、WCの3位決定戦を見終えたところだ。開催国のドイツが3-1でポルト
ガルを下した。
こういう時はどうしても、ついつい今まで馴染みのあるベテラン勢に目が行ってしまう。
今大会初出場となったドイツの名GKカーン(37)の頑張り、そして最後に一矢報いる
ゴールのアシストをしたポルトガルのフィーゴ(33)が印象的だった。
<ドイツがアルゼンチンとの試合でPK決着になった時、カーンがレギュラーGKを自分
から奪った形のレーマンを激励しに行ったシーンは、じ~んとさせられるものがあった。>
その意味では、明日の決勝では、今大会が最後になるフランスのジダン(34)の働き
に注目したい。<私の場合、イタリアで馴染みがあるのは、デルピエロやトッテイかな?>
そして、ジダンなどベテラン勢が大事な時にチームを精神的に支えたり、活躍したりする
のを見ると、「次のGWで、中田英にこういう役割をして欲しかったんだけどな~」と
思い、またまた「I MISS HIDE」になってしまう私なのであった。(ノ_-。)
ところで、もともと少しブラジルびいきの私なのであるが、実は決勝トーナメントに
はいってからは、少しポルトガルを応援しているところがあった。ポルトガルの選手たちは
あまり身長が大きくないのであるが、よく動き、よくつなぎ、タフなプレーをして、ここ
まで勝ち上がって来ていたからである。本当は日本代表に、こういうチームになって欲し
かったのだが、今後のいいお手本になるのではないかと思ったりもする。<追記*1>
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
前記事の追記*3で、小泉首相が、6日夜に首相公邸で自民党の幹部と会食した際に、
「プレスリーの所にいる時に撃たれていたら格好が悪かった。帰ってきてから撃ってくれ
て運が良かった」と発言したという話を書いたが。その際に周囲から「小泉さんは本当に
ツイている」「運がいい」とのヨイショの声があがっていたという話をTVで聞いた。^^;
さらに小泉首相は、通常国会を延長するかしないかで最後まで大変な思いをした細川国対
委員長に向かって「もし(通常国会を)延長していたら国会はテポドンで大変だった。みん
な結果的に延長しないでよかったと思っているのではないか」とも述べたという。
<TV&日刊スポーツ7日など>
<つづきは ↓More をクリック>
「こういう話がいちいち表に出てしまうのも可哀想かも」との知人の声に、「確かに」
と思う部分もあるが。それにしても、脳天気発言にもほどがあるような気がする。
いかにも国会を軽視し続けていた<答弁内容、郵政解散、今国会の打ち切りなどなど>
小泉氏らしい話であるが。もうあきらめているものの「何でこんな人が私の国の首相なの
だろう」と改めて大きな嘆きを覚えてしまう。(ーー;)
<思わず「どうせなら、小泉が日米首脳会談を終えて、これから豪華晩餐会という時に
ミサイルが発射されて、翌日の大の楽しみにしていた『エアフォースワンに乗っての
魅惑のエルビス・ツアー』が催行中止、即帰国になればよかったのに」と言ってしまっ
た私だった。>
この発言の報道を受けて・・・。
『森前首相は7日、名古屋で開かれた自民党議員パーティーで「ブッシュ大統領とエル
ビス・プレスリーの故郷を訪問するのもいいが、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領や胡錦涛
首席にすぐに電話をかけて対話をしなければ日本は真の意味でアジアの大国だといえない」
と主張した。 森前首相は「韓国と中国に北朝鮮をこのように誘導してくれと厳重に言わな
ければならない」とし、アジア外交を再定立しなければ「北朝鮮ミサイル問題などで韓国、
中国などが日本に協力しようという雰囲気にもならない」と批判した。<中央日報7日>』
まさに、森氏の言う通りであろう。
<私は森氏の首相在任中には、様々なトンデモ発言をきいて「なんちゅ~やつだ」と思う
ことも多かったのだが、小泉氏と比較すると、森氏は何て良識のある政治家なのだろうと
思わされることが多くなっている。どうか次の首相は、「小泉氏の方がマシだったかしら」
と思うことのないような人になって欲しいと切に願う次第である。>
ブッシュ大統領は、5~6日にかけて6ヶ国協議に参加している日韓中ロの首脳すべて
と電話会談を行なったという。<小泉首相にTELがあったのは、6日になってからで、
10分ほどの会話だったらしい。>
もちろん、実際に具体的な交渉で動くのは、閣僚や事務方の役人なのであるが、とりあ
えず、その前提として首脳同士がお互いにコミュニケーションをとって、協力を確認し
合うか否かということは重要なプロセスになる。アメリカは、そこら辺はぬかりがない。
ところが小泉首相は、官邸の記者団の質問に答えて「遺憾である」「北朝鮮にプラスに
なることはない」などの話はしたものの、国民に向けても対外的にも何のメッセージも
出さない上に、他国の首脳と自らコミュニケーションをとろうともしない。
ミサイル発射以降、マスコミが伝える小泉首相の動きや発言の中で、一番目立ったのが
上述の「運がよかった」というお気楽発言だったかも知れないのだ。
中韓ロ英仏と電話会談をして協力を呼びかける役割は、麻生外務大臣に任せてしまった。
首相自身は、週明けの11日から中東を訪問し、その足で15日からロシアで開かれる
サミットに出席する予定になっており、そこで米ロの首脳との会談や、他国と北朝鮮問題
に関する協議を行なう予定なので、「それでよし」と思っているのかも知れないが、他国
から見たら、「こいつは本当に北朝鮮問題に対して、当事者意識を持っているのか」と
疑われても致し方ないようにも思う。
02年、04年と西側先進国TOPとして唯一、北朝鮮を訪れるという画期的な外交
政策を行ない、世界的にも大きな注目を浴びた小泉首相であるが、いくら拉致問題の一部
を解決しただけで終わってしまい、肝心な核開発やミサイルの問題で結果が伴わず失望させ
られたとはいえ<また、いくらもうすぐ首相を退陣する身とはいえ>、このような重要な
局面で主体的に動かないことは、日本にとって有益であるとは思えないところがある。
日本はとりあえず、万景峰号の入港を半年間禁止など初歩的段階の経済制裁をスタート
させ、米国等と協力して国連安保理で制裁決議を行なうように議案を提出している。
また案の定と言うべきか、7日には2008年3月末をめどとしているミサイル防衛
(MD)システムの地対空誘導弾パトリオット・ミサイル3(PAC3)3基の配備を
前倒しし、07年中にも実施する方針を固めた。
ただ、これらはある意味で、目先のことを考えた対応に過ぎない。
あとは安倍官房長官が、相変わらずの北朝鮮、中国に対する強気の批判を繰り返し、
額賀防衛長官(時に石破元長官)がTVのニュースショーをハシゴ出演し、何だかお茶を
濁しているとしか思えない部分がある。
これはまた次回に触れたいが、私には日本が北朝鮮問題の対応や解決に関して、それ
なりのヴィジョンを持っているのか、疑わしく思うことがある。<拉致問題に関しても
同様である。>
「とりあえず防衛面ではアメリカに頼るしかないのだから、向こうの方針に従おう」と
いう「長い物に巻かれろ主義」や、「大きな問題が起きない限りはアレコレと対策を考え
るのは得策ではない」という「ことなかれ主義」では、北朝鮮問題に対応できるのか、
大きな疑問を抱く面がある。
かと言って、強硬主義に走ることになれば、中国や韓国との関係を損ない、ミサイルや
難民問題も含めて大きな混乱を招くことにもなりかねない。また、日本にはアメリカと
異なり、日本特有の北朝鮮との関わりや問題もある。
私は、北朝鮮の問題は小さな問題であるように見えて、日本の将来を大きく左右する
ものにもなりかねないのではないかと思っている。私たち国民もその点をしっかりと見極め
ながら、北朝鮮の問題を考えて行かなければならないと思う次第である。
<つづく> THANKS
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*1
WC3位決定戦では、日本の上川徹氏(43)が主審を、そして上川氏とチームを組む
広嶋禎数(44)韓国の金大英(43)両副審が、審判に選ばれて、キビキビとしたいい試合を
演出していた。
WCの決勝Tで日本人の審判が笛を吹いているのを見るのは嬉しいし、誇りにも思える。
上川氏は日韓大会で、初めてWCの審判に選ばれ、今大会が2度目である。
予選リーグで2試合、主審を務め、それが評価されて、準々決勝(イタリア-ウクライナ)
準決勝(イタリア-ドイツ)では広嶋氏とともに第4、第5の審判員を務めた。さらに、これらの
試合での的確な仕事ぶりが評価され、日本人初の決勝トーナメントを任されたのだという。
ワールドカップの審判に選ばれること自体、名誉なことなのであるが。そのためには、
審判技術や毅然とした態度、試合進行に加え、選手と同じぐらいかそれ以上走る走力と
体力をキープするために、日々トレーニングやボディケアに努めなければならず、本当に
大変なようだ。
ワールドカップの審判は45歳が定年なので、上川氏はこれが最後のWCになるが、
また日本から優秀な審判が次々と育つようにと願っている。
W杯は、ヨーロッパの人気チームが勝ってますね。
ポルトガルには悪いけど
応援していたドイツが、せめて3位に食い込んでくれてよかったです。
小泉のプレスリー発言は、頭が軽く思われてもしかたないですね。
政治評論家の屋山太郎氏の発言として、
「北のミサイル発射実験は、ここ何年間で、首相が最も動揺してはいけない事態。あわてふためいてはおしまいで、なるべく問題を小さくするような発言をするのは正しい。金正日は周辺国を脅かして交渉や金融制裁の解除を狙っている。その脅しにのれば、北朝鮮の思うつぼ。ここは日米一致してクールに対応するのが戦略なのだ。プレスリー邸でなくてよかったというのは、日米両首脳が一緒のところじゃなくてよかった、と北をおちょくっているのだ」
という解釈もあり、あまり一面的な批判もできないかと思います。
個人的には、この程度の軽口ですら揚げ足取りの材料にしよう、というマスコミや反対者の姿勢の方が軽薄に見えますけどね。
TBSのこの問題(http://www.zakzak.co.jp/gei/2006_07/g2006070801.html)等を見るにつけ、マスコミは他者を非難する前に我が身を正せ、と思わずにはいられませんね。
これにしても、小泉総理自身がやっていたら、
「靖国問題で中韓に嫌われている小泉総理が乗り出したら、却って中韓を刺激してまとまる物もまとまらなくなるじゃないか。任期も間近なんだしもうすぐサミットもあるんだから、余計な所にまででしゃばるな」
とか批判されたんじゃないか、と感じずにはいられません。
もっとも、電話したのが総理だろうが外相だろうが、各国とも今更態度が変わるとも思えませんが。
あと、経済制裁やMDシステム導入の前倒しが、目先のことを考えた対応でしかないとは思いません。
敵国のミサイル基地を先制攻撃する能力を持たない日本にとって、MDは国民を弾道ミサイルから守る最後の命綱も同然で、前倒ししてすら遅すぎると言えるでしょう。
経済制裁にしても、日本側の断固たる姿勢を見せてこそ、今後の交渉も出来るようになると思います。武力で恫喝されたからといって、いちいち下手に出ていては問題解決など夢のまた夢です。
>http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=77546&servcode=500§code=500
この期に及んで、また敵を増やそうとしてるし(汗)
現実に、北朝鮮はこれまで瀬戸際外交でKEDOの軽水炉建設や度重なる食糧支援、中韓からの経済支援など様々なものを手に入れてきました。しかし、それで諸問題が一つでも解決に向かったかといえば、答えは否です。
もういい加減、この辺で断固とした処置を取らなければ、問題解決の糸口すら掴めないままになるでしょう。
小泉首相は何故、動かないのか?---ポイントを突く切り口であると思います。かねて関心のあることは、小泉政権の政策の起案過程です。本人、家族、秘書官群の寄与が大きい印象を受けます。閣僚、官僚の寄与は歴代政権の中で小さいのではないでしょうか。 この辺に最近の小泉政権の失速、無策の原因があるように思いますが、如何でしょうか。
国会閉じてて・・外交を直接的に担うのは、内閣ですから、国会ではありません。
もし、国会開いたままだったら、国連でのロビーも、制裁もこんなにはやく始まらなかったような気がしますが。。。。
結局、イタリアが優勝しましたね。
ジダンは本当にいい働きをしていただけに、頭突き退場は、本当に
残念でした。
ドイツは、3位に終わったものの、国民が賞賛で迎えてくれてよかったです。
次は、もう少しTPOに応じて言動できる首相になってほしいです。^^;
私にしてみれば、小泉氏の幸運発言(国会打ち切り含む)は、国民をバカ
にしているようなものに感じられました。
また電話に関しては、首相と外務大臣とでは、大違いの部分があると
思います。
ところで、らんさんは、北朝鮮の諸問題に関しては、どのように解決する
のが妥当だと考えられているのですか?
断固とした処置とは、どのようなことをさすのでしょう?
お時間のある時にでも、おきかせ下さい。
ブログの趣旨に賛同して下さって、有難うございます。
確かに、小泉氏は周囲の議員や閣僚、官僚の話はほとんどきかない
ものの、秘書や家族の言うことには耳を傾けるという話がありますね。
客観的に全体を見渡したり、法や理論をあまり重視したりしない人たち
で、日本の政策が決められて行ったのでしょうか?^^;
それでも、これまでは利用価値があったので、党内でヨイショされ続けて
いましたが、いまやその価値もないということなのかも知れませんね。
確かに、小泉氏は一歩引いて、安倍氏や麻生氏がどのように対応する
のか見ているのかも知れませんね。
今となっては、彼は、北朝鮮問題がどうなるのかという点については
どうでもいいところがあるのかも知れません。
「北朝鮮の仕出かし」について、考えを纏められるのを急かしてしまい申し訳ありませんでした。 難しい問題についての論説を熟読させていただきます。
5月末以降:米国はテポドン2号の発射準備とみられる動きを情報衛星がとらえた5月末以降、水面下で北朝鮮側との接触を模索。
5月30日:国会会期延長せずと小泉首相が自民に指示した。
6月中旬:米朝の担当者がニューヨークで秘密協議を開いたが、北朝鮮側が一方的に米国の金融制裁解除を要求し、物別れに終わった。
6月18日:国会会期終了
6月25日:<テポドン発射の可能性が高い日>朝鮮戦争の開戦記念日で、北朝鮮では「祖国解放戦争勃発日」として祝日
6月27日:日本の小泉純一郎首相は、カナダを経由して米国を訪問する旅に出発。
7月1日夕:カナダ、米国訪問を終えた小泉首相が、政府専用機で羽田空港に到着、帰国。
7月3日:6月末、再び北朝鮮のミサイル発射準備が活発化。米国や中国などは7月中に6カ国の非公式会合を開く方向で調整に動き、米国は今月3日、非公式会合に合わせて北朝鮮との2国間協議に応じる考えを日本など関係国に伝えた。
7月5日:北朝鮮は米国のメッセージを無視する形で、ミサイル7発を発射。
7月6日:小泉首相は6日夜、首相公邸で自民党執行部メンバーらと会食し、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことに関連し「(自分は)ついている。プレスリーの所に行っている時にテポドンが撃たれたら格好が悪かった」と語った。出席者が「首相はついてますね」と問いかけたのに応じた。
7月8日:<テポドン発射の可能性が高い日>故・金日成(キム・イルソン)主席の12周忌
7月10日午後:小泉首相、北朝鮮への制裁決議の安保理採決、10日中にこだわらないと発言。
7月11日未明:日本提出の北朝鮮制裁決議案採決、当初のデッドライン。
7月11日午後:小泉首相 中東、サンクトペテルブルク・サミットに出発
以前から日程が決まっていた6月27日〜7月1日の米加訪問がミサイル発射前に終わったこと、それに、最も可能性が高いと取り沙汰されていた6月25日に発射されていたら米加訪問は取り止めになっていただろうから、まさに「ついている」の一言!
そして、日本提出の北朝鮮制裁決議案採決の当初のデッドラインとされていた7月11日未明の前日に、小泉が採決延期の可能性に言及したのは、中国の北朝鮮説得に期待を掛けるそぶりによって安保理協議の流れを止めて小泉の中東訪問を足留めにしないと、小泉に対してブッシュから何らかのサインがあったのではないか。
私は小泉に対しては徹頭徹尾批判的だが、小泉の政治日程の泳ぎっぷりに関しては、彼の強運と合わせて、驚嘆、慨嘆せざるを得ない。
北朝鮮問題・・・語るに落ちたわけではないのですが(笑)。
難しい問題なので、結論が出るとは思わないのですけど、
(4)にも書いたように、日本の今後のあり方を考えるためにも
いい材料になるかと思い、取り上げて行くことにしました。
自分の中も色々考えつつ、また色々な方々の意見や疑問も参考に
しつつ書いて行きたいと思いますが。もしかしたら迷走してしまう
かも知れません。^^;
詳細な時系列データも有難うございました。
改めて、こういう流れだったのだな~と振り返ることができました。
小泉首相は、もう4月には国会を延長する意向がないという話を
していたようですが・・・。彼自身、改革関連法案を除く重要法案
には、あまり興味がなかったように思いますし。また、6月末から
の米国、中東訪問やサミットの外交日程や、安倍氏の総裁選の準備を
考えてのことなのではないかと思っています。
もしかしたら、今度の中東訪問は、近時、動きにくくなっているアメ
リカからも期待されていた部分があると思うので、北朝鮮問題よりも
そちらを重要視したかも知れませんね。
長く権力のTOPの座にいる人は、みんなそうなのかも知れませんが・・・。
小泉首相は、本当にラッキーな部分、ふつうなら総スカンやバッシング
を受けそうなことでも、うま~くしのいでしまうところがあり、敵?
ながらアッパレと思わされるところがありました。
安倍氏はも人気はありますが、このような力や話術はないようにも思う
ので、その分は少し安心かも知れません。
安倍氏は、本人が何か妙な思い込みが強い上に(しかも
あまり論理的ではない)、彼のブレーンやバックがうさん
くさそうなので、その意味ではかなり警戒しています。
何とかマスメディアが、あっさり制圧されないことを
願うばかりです。