安倍陣営に切り崩されて行く、自民党の対中韓外交改善派
2006年 08月 22日
加藤紘一氏宅放火事件の捜査に関して、メディアには何の続報も出なくなってしまった。^^;
相変わらず、小泉氏も安倍氏も他の議員からのコメントも出て来ない。
安倍氏は夏休みが明けて、22日には講演や視察を行なったようだ。
その記事は出ているが、加藤氏の件やロシアによる日本漁船銃撃&拿捕の件についての
コメントはいまだに出て来ない。<記者は質問or記事にするのを控えているのだろうか?>
「小泉も安倍も何も言わなかったら、国民に『自分たちの考えに批判的な加藤がやられた
のは仕方ないと思っている』って受け止められてもやむを得ないのではないか」という
意見を言う人がいたが。少なくとも政府や党として、明確な姿勢を示さないというのは、
やはり大きな問題であろう。
北海道新聞が20日の記事で、議員等があまりコメントを出さないことについて、
『首相や安倍氏、党幹部が夏休みだったという事情はあるが、安倍政権誕生を考えれば、
加藤氏を現時点で擁護するのは得策ではないとの議員心理が働いたとみられる。
こうした政府・与党内の空気について加藤氏は二十日、「ともすれば、自民党の中で
一方的な考えが主流になりつつある。どちらかというと極めてナショナリスティック
(国家主義的)な方向になりつつある」と懸念を示した。』という文を載せていた。
加藤氏宅の放火行為を批判することは、対中政策云々以前の言論の自由を確保すること
の問題であり、政治家にとっては最も重要なことだと思う。にもかかわらず、加藤氏と
対中政策の異なる次期首相候補・安倍氏に配慮して、議員たちがコメントを控えている
といたら、政治家としてあまりに情けない。
民主党の小沢代表がTV出演した際に「小泉純一郎首相と共通した人気の要素がある。
中身はともかく『イケイケ』ということだ。もう少し日本全体のことを考えて、思慮深く
きちんとした言動、判断をしてほしい」と述べると共に、自民党の現状について「相手方
だから崩れてもらって結構だが、(自身の)古巣という思いで見れば、ちょっとめちゃ
くちゃというかだらしない。自民党は崩壊への道を歩み始めた」と語っていた。<共同>
それは対中関係に関しても同様である。
自民党の中には、本当は「対中韓関係を改善した方がいい」という考えを持つ議員は
少なくなかったのだ。だから、もし福田氏が出馬した場合は、それが最大の争点になり
<靖国、国立追悼施設の問題も絡んで>党を2分したかも知れないとさえ言われていた。
まさに前記事のタイトルにも書いた二極化&対立構造が生じるおそれがあったのである。
<コチラの記事にも少し書いたが、世間での支持や人気と異なり、自民党内では、7月まで
は安倍氏は絶対に有利な情勢にはなかった。その要因の一つがこのことである>
だが福田氏の立候補回避で安倍氏が完全に有利になったことにより、親中派と呼ばれる
議員も安倍氏の支持を表明するようになった。<思えば、政権構想を発表する前から、
支持を表明してしまうというのもおかしな話ではあるのだが。>
21日には麻生氏が正式に出馬表明し、中韓両国との関係について「1つの問題で首脳
会談ができないのは異常だ。ゆがんだ形を断固直していかなければいけない」と主張。
政権構想でも「外交の転換」<日米同盟を基軸としつつアジアの安定を追求。良好な日中
関係はアジア地域の安定に不可欠、東アジア共同体を日本主導で実現することを目指す
>
を提唱したが、もう体制が決まったあとでは、党内の議員の心を引くのは難しい。
そのような状況が、安倍氏&その周辺をどんどん強気にさせているようにも思う。
20日、毎日新聞が安倍氏の政権構想の概要を載せていた。<正式なものは、9月の
出馬表明の際に発表するようだが、ちらほら表に出しながら反応を見るのかも知れない。>
案の定、TOPに来るのは、憲法改正&教育基本法改正であったが、さらに現行憲法の
ままでも解釈を変えることによって「集団的自衛権」を容認、行使できるようにすると
いう考え方を堂々と出して来た。<時の首相や政府の恣意で(自分の思うように)憲法の
解釈を変えて行こうとするのはかなり危険なことである。>
22日の横浜市の講演でも「次のリーダーは新しい憲法を政治スケジュールに乗せていく
ため、リーダーシップを発揮しなければならない」「私たちの手で新しい憲法をつくって
いく気持ちを持たなければならない。時代を切り開くため、憲法を変えていく、その精神が
新しい時代をつくる」と意気盛んであったようだ。<この部分は共同通信22日>
今回のテーマになっている「外交&対中韓関係」で言えば、「日米同盟を機軸にインドや
オーストラリアなどとの連携強化を打ち出す。中国に対しては、政治的関係と経済交流の
拡大を切り離す『政経分離の原則』の確認を提唱。自身の靖国参拝については、政治・外交
問題化を避けるためとして触れない考えだ」という。
<「政経分離の原則」は、靖国参拝で問題にされる憲法の「政教分離の原則」とあまりにも
まぎらわしい言葉ではないだろうか。個人的には安倍氏に「政教分離の原則」の方も勉強
してもらい、それなりの見解を示して欲しいと思う。
「政経分離の原則」はあまり聞き慣れない言葉であるが、以前、加藤氏が「外交面では、
国交のない国と政治的交流はなくとも、経済や貿易面で交流する時に使う言葉だ。国交
のある中国との間で、政治と経済を切り離すという考え方を持つのはおかしい」と
批判していたことがあった。>
前記事にも載せたが、武部幹事長が「中国と良好な関係でなければアジア外交はうまく
いかないという論理はナンセンスだ。アジアの国々は中国の覇権主義を恐れている。中国
にこびるような『土下座外交』は良くない」と公の場で発言したことは、驚きであった。
これは、今後、日本は中国と良好な外交関係を築こうとは思っていないとも受け止められて
も致し方ないような強いメッセージである。
安倍氏が全く同じような考え方を持っているかはわからないが、彼が小泉氏に比べ、
中国という国に脅威やある種の敵意(ライバル心)を抱いているのは、過去の発言を見ても
伝わって来る部分がある。
ましてや上述の武部発言のように考えているのであれば、彼のいう「政経分離」とは「中国
とは政治的には協調していけない」と宣言するに等しいことになる。むしろ周辺国との関係を
深めて、政治的には中国の力を封印して行くための包囲網を作ろうとしているようにも見える。<だが、経済的には中国と交流して行かないと国益を損なうし、自民党のスポンサーの財界
や企業等の要請も強いので、そちらの方はきちんとやるということなのだろう。>
他方、安倍氏陣営の対立軸になるべく、加藤紘一氏や山崎拓氏(自民党前副総裁)、
船田元氏(党憲法調査会長)、中谷元氏(元防衛庁長官らを中心に、アジア外交の在り方に
ついて超派閥で議論する「アジア外交ビジョン研究会」(仮称)を発足させる準備を進めている。
本格活動は、総裁選が終わってから行なう予定であるが、準備段階では20名ぐらい集まる
見込みで、その多くは総裁選では谷垣氏の支持をするのではないかと見られている。
これに対し<前記事でも書いたが>、武部幹事長は「総裁選が終わる前から足を引っ張る
ような特異な動きだ。不純で理解できず、党内の支持は得られない」と発言をして、けん制
する動きを見せている。
派閥の都合で、総裁選では安倍氏支持を打ち出した者の中にも、対中韓関係の改善を
訴えている議員は少なくないだけに、総裁選後にどれだけメンバーを増やせるかが重要な
課題になるかも知れない。
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加藤氏への襲撃については、一政治家に対するテロ行為というよりは、
日本の「言論の自由」が危うくなって行く傾向の現れで、メディアの自由にも
関わる問題ですね。
小泉さんが発言しなかったのは、やはり右派に支持層が多いからで、
「法の支配」「セーフティネット」をマニフェストに持つ安倍さんは、こういった
社会秩序をないがしろにする事件については強いメッセージを打たないと
いけないと思いました。河野太郎さんは与党の対応に苦言を言っていたようですが、
与党内でもっと様々な意見が出せる環境があって欲しいものです。
>小沢代表
今日WEBニュースになってましたが、自民党の言動の矛盾点を探すとか。
まあ、小沢さんの政治家としてのキャリアほど矛盾が多いものはないのですが、
イケイケという指摘には賛成で、「政策論争をしてくれ」という事でしょうね。
ゴリゴリの右翼って思想に宗教色が見られるといいますか、融通の利かない
人が多いような気がします。このへん、反対派を対話の余地のない
抵抗勢力(アンチ)と見なす態度にも通じるものがあります。
靖国が戦前ファシズムの求心力になっているのも事実で、
政教分離と戦犯分祀には賛成しています。
>中国
経済関係は続くと思いますが、外交がマイナス効果を与えているのも事実で、
反日報道・教育が強化されればされるほど、中国の親日感情に影響する
日本のメディアやサブカルは入りづらくなくなるという。8月に入ってから
ゴールデンのアニメ放送も中止されています。
武部さんの発言は、「自動車・重工業は大丈夫」ということだと思います。
憲法と教育について、国家の根幹に関わる、いはばハードの事案です。世論調査で判る、国民が政治に切実に期待しているのは、政治・経済における「公正さ」というソフトの事案だと思います。だから怖い。
安倍は「自分の頭、口」では政策を打ち出す能力が無いと思います。憲法と教育について、成案に近いものを成立に持っていくことは得意中の得意でしょう。 自民・公明の国会議員は憲法と教育について、安倍の「尻馬乗り」に乗るな(と言っても無理かな?)。
安倍自身が「尻馬乗り」で成長してきたわけであり、自民の既定路線に尻馬に乗っているのですが。
「ハードの改革」というのは、小泉首相がやって来たようなシステムの改革の事じゃないですか?
安倍さんは生粋の世襲議員という感じがしますね。一代の叩き上げよりも政界の勢力的背景は磐石だと思いますが、「もう少しリーダーシップを持ってもらいたい」という所でしょうかね。
純正の構造改革なら(血の通った)、「構造」ですからハードと言えますね。
憲法と教育については、国家の上部構造?の根幹と言う意味でハードと申しました。日本国が拠って立つ原理です。
少し違うと思います。
仕事などにかまけて、中々ニュースを見ないで来ましたが、加藤さんの事件を耳にしなくなったことには不安を感じていました。
チト話がずれますが、私の母校の校歌に以下の一節があります。
「常に我が身を省みて 品性高く 思慮深く」
…別のブロガーも何人かが語っていましたが、目先のものにとらわれて、先々の事を考えている様子が見えないし、このような事件があった事に対して何もいわない、というのには、怒りと怖さ、両方を覚えます。
自分達は安全だ、と思っているのでしょうが、自分達の行なう政策が何を引き起こすか、というのを考えて政治に携わってもらわないと、もう既にそうなっている部分がありますが、むごい政治が横行してしまう事になってしまいます。
空き時間使って書いてるものでまとまらないまま書きましたが、情報発信を止めてはいけないな、と強く思った(何人かブログを閉鎖したり防御策講じている人もいます)今日この頃でした。
※追記。にほんブログ村のランキングに参加しました。
加藤氏の件については、どのような思想を持つ人に対しても、問題と
なるものだと思いますし。政治家やメディアはもちろん、一般国民にも
関わることだと思います。
<要は気に入らない発言をするやつには、暴力をふるってもいいか
どうかの問題ですから。>
考え方が硬直してしまったり、暴力的な手段を用いたりというのは
左でも右でもあり得ることだと思いますが・・・。ともかく考え方が
極端になってしまい、相手方の考えに耳を傾けない、すべて否定して
しまうという風潮ができるのが一番コワイことなのではないかと思います。
中国に関しては、少し時間がかかると思いますが。
それでも、近時はだんだん学生や若い世代を中心に、日本に関する
様々な情報も得て、日本に対する抵抗感や敵対心が薄れている人たち
も出ているように思います。
ただ、こちらから敵対視すれば、相手は態度をさらに硬化させるでしょう。
別に土下座外交云々と考えずに、あえて敵対視することはなく
ふつ~に友好的に付き合うようにして欲しいと思う次第です。
安倍くんには、祖父、父の代からの色々な思いを、ここで
実現させたいという想いがあるのかも知れません。
たぶん、彼のアタマの中には、彼なりの国家観というもの
が、イメージやロマン主体で膨らんじゃっているのでは
ないかという気がします。
そこに同じ国家観の若手、中堅議員たちが乗っかって、
彼をお神輿に乗せ、利用する形で「自分たちが日本を
変えよう」とか言いながら、アレコレの政策を考えて
いるのかな~なんて思ったりもしています。
私はPCのことはよくわからないのですが・・・
憲法は、日本の国家の中核(構造、組織も含む)を為す
ものなので、ハードも決める&動かす根幹となるプロ
グラムみたいなものかな~と思ったりもします。
ランキングの新しく登録したサイトのコーナーに、伊東さん
のブログが載っていたので、すでにポチッとしていたですぅ。
<野球ブログにも登録があったのには、笑いましたが。>
> 「常に我が身を省みて 品性高く 思慮深く」
いい歌詞ですね~。(~~)
本当に最近の政治家は、「品」がないですよね。
「恥」を知らないというか・・・。
ましてや「思慮深さ」など・・・深い浅いの前に「思慮」
というものがないかもです。
安倍くんは、長期のビジョンがあるみたいですが。
この国家観では、日本がとんでもない方向に行ってしまい
ますしね~。(-_-;)
微々力ながら、エネルギーの続く限りは、何とか私なり
に情報発信やアピールをして行きたいと思います。
伊東さんも身体に気をつけて、頑張って下さいね。
mewさんの指摘のように、時の政府が勝手に憲法の解釈を変えるのは絶対おかしいですし、中国の関係でも「政経分離」でうまくいくとは到底思えません。自民党には期待できそうにないですから、野党にぜひ頑張って欲しいと思います。またこのようなブログで問題提起することも非常に大切だと思います。
ps)今日の一言
「朱に交われば赤くなる」
「安倍に交われば右になる」
このマスクの甘い、お父さんが志半ばで亡くなった、「安倍くん」には、どうしても点が甘くなるし、未知の手腕に対して期待しちゃうんのですね。 日本がアブナイ! ですね。
>彼なりの国家観はイメージやロマン主体で膨らんじゃっている
---政治家の国家観の浅い、深いについて: やはり、現場だけでなく、最低限、大学の政治学をしっかり履修しておいて貰いたいものです。
ハードとソフト、この場合は誤用かもしれませんね。
---安倍さんの一歩、控えたところが怖い。シュクシュクとか称して、人気の高いことを借りて、憲法改正をやるのではないでしょうか。
この国が翼賛国家になりませんことを。
安倍氏は以前、将来は、日本の自主独立を目指したいと言っていたように
記憶しています。でも、その割に米国ベッタリなんですよね~。
小泉改革は引き継ぐけど、格差社会は是正したいとか・・・矛盾だらけの政策ばかり。
しかも彼は小泉氏ほど強い唯我独尊性もカリスマ性もないので、さほど
強いリーダーシップも発揮できないような気がしています。
戦前・・・一般市民の多くは、きちんとした情報を得る機会はなかったのでは
ないかと思います。TVもない。新聞も一部の人しか読んでいない時代です。
しかも、新聞もラジオもどんどん国にとって都合のいいことしか、出さなく
なっていましたし。庶民は、自分たちが国の政治に関われるとも思って
いない人が多く、お上任せでしたし。
でも、今は違うわけですよね。国政に関しても、世界情勢に関しても
かなりの情報が得られます。報道や言論の自由もあるし、私たちは投票
によって、大きく政治に関われる・・・なのに、こういう方向に進んでいると
いうのが、一番コワイことだと思ったりしています。
安倍が歩けば、改憲に当たる???
今日これからアップする記事に書いたのですが、あのマスクとイメージ
に国民がだまされないことを、ただただ願うばかりです。
マスコミも、もっと彼がいかにネオコン・タカ派であるかを、アピールして
欲しいように思います。
彼の政策に賛同して支持する人がいるなら、それはそれで仕方ない
ですけど、今度こそは、イメージだけで支持するのは絶対にやめて
欲しいです。そうでないと、本当に日本はアブナイかもです。