小泉・安倍氏の言論擁護発言+中川発言への反論+共産ビラ無罪+C型肝炎訴訟など
2006年 08月 29日
早速の予定変更で申し訳ないのだが、この数日の間に、今までブログで取り上げて
来たことに関連して重要なニュースがいくつか出たので、今回はそのことについて書き
たいと思う。
今回は「加藤氏宅放火事件に対して小泉・安倍氏が初言及」「中川氏の公約反対許さ
ないという発言への谷垣・麻生氏の反論」「共産党ビラ配りに無罪の判決」「C型肝炎
訴訟」について取り上げたい。
特に最初の3つは、民主主義の根幹をなす&基本的人権の中で最も重要な「表現の
自由」に関するニュースである。
<私たち国民は、政治や社会に関する色々な情報を得たり、色々な考え方を知ったり
して<ある事柄に対して賛成、反対それぞれの意見をきいたりして>、何が望ましい
のか自分で考えたり、判断したりする材料にしている。また議会制民主主義では、
私たちが選んだ代表(議員)が、自由に発言、議論をすることができなければ、私たち
の意思を国政に反映することができなくなってしまう。
それゆえ、このブログでも表現の自由にこだわって行きたいと考えている。>
☆ 小泉首相、安倍官房長官が加藤氏宅放火事件について初めて言及
まず、当ブログでも「加藤氏宅放火事件の反応&何故、小泉・安倍氏はコメント一つ
出さないのか?」などの記事を含め、何度も投げかけていたこの件から。
『15日に起きた加藤紘一氏の実家の放火事件に関して、28日朝になって小泉首相と安倍
官房長官が、記者の質問に答える形で初めて言及をした。
小泉氏は「暴力で言論を封ずるのは決して許されることではない。こういう点に
ついては厳に我々も注意しなければならない。戒めていかなければならない問題だ」
「言論は暴力で封殺してはならない。これは大いに、国民に分かるように、様々な
分野で周知していかなければならない。言論の自由がいかに大切かがよく分かるよう
に、注意していかなければならない」と述べたという。
また、記者団が「首相の靖国参拝がナショナリズムをあおっているとは考えないか」
と質問したのに対し、「全くそれはない」と強調。「あおりたがる勢力があるのは事実
ですね。マスコミなども、なぜこれだけ常に靖国問題を取り上げるのか、よく考えた方
がいい。よその国からあおり立てられ、また、よその国をあおり立てるような報道は
戒められたらよろしいのではないか」とメディアを批判したそうだ。
安倍氏は「仮に加藤議員の言論を弾圧し、あるいは影響を与えるような行為であると
すれば許されない。そういうことに言論がねじまげられてはならない」と語った。』
<朝日新聞28日などから抜粋>
『鶴岡署は、放火された加藤氏宅の脇に倒れていた右翼団体構成員の男(65歳)
を逮捕する方針を固めた。山形県警は18日に、男が所属する東京都新宿区歌舞伎町の
団体事務所などを捜索。押収した資料や関係者の聴取などから、組織的な犯行の可能性
は低く、男の単独犯行との見方が強まっている。<共同通信 28日抜粋>』
今風に言えば「超~・遅くねぇ?」、昔風をアレンジすれば「今さら(豆腐屋)ジョ
ニー」という感じであるが・・・、事件があってから約2週間後になって、ようやく
小泉氏と安倍氏が加藤氏宅放火事件について語った。
これだけ立派なことを言えるなら、事件後すぐに発言しておけば好感度アップだった
だろうにと思ったりもするが。何で28日になってから、急にこの件に関して発言する
ことにしたのか不思議に思う部分が大きい。
<記者or会社の自主規制か、官邸サイドの要請だったのか、発言しないことに対して
思ったより批判が多かったのか、中川発言により言論弾圧的な雰囲気が強まったので、
それを緩和する意図もあったのか、犯人逮捕が確定的になったからなのかetc.???>
毎日新聞<コチラ>、東京新聞<コチラ>、朝日新聞<コチラ>が懸念を示す記事を
載せていたが、こういう事件のあった時に、しっかりと言論の自由の重要性を確認し、
それに対する暴力を許さないという姿勢を示すような社会状況ができていないと、戦前
の日本に回帰してしまうのではないかという危惧感さえ抱かれるところがある。
それにしても「小泉氏の靖国参拝がナショナリズムをあおったのでは?」とまでツッ
コンだ記者は、近時ではなかなか勇気のある取材姿勢だと思われ、拍手を送りたいと
思う。記者が政治家やその周辺スタッフの顔色を伺って、相手に都合のいい質問や取材
をするばかりでは、マスコミの存在意義は半減してしまう。
尚、相変わらず、小泉首相は自分の靖国参拝が、他国からだけでなく、国内のメディ
アから騒がれる理由がよくわかっていないようだ。ただ、国民の過半数が自分の参拝を
支持したとなれば、強気の態度にも出やすいことだろう。
<小泉氏が終戦記念日の靖国参拝を行なったことで、安倍氏は春か秋の大例祭の参拝に
行きやすくなったとの見解もあるようだ。>
☆ 中川氏の安倍首相の公約に反対許さずの発言に麻生氏、谷川氏が反論
麻生太郎外相、谷垣禎一財務相は27日のNHK番組で、自民党の中川秀直政調会長
が総裁選で安倍晋三官房長官が勝利することを前提に、新総裁の政権公約に反対すること
は許されないとの考えを示したことに、そろって反論した。
中川氏は26日に、青森県弘前市内での講演で「国民への約束という点で(公約で)
党を縛るのは当然だ。個別議員の拒否権発動はあり得ない」と語った。
これに対し、麻生氏は「公約を法案として実現するかどうかは国会で論議すべきだ。
異なった意見を忖度(そんたく)し、融和を図らないと、また(小泉政権と)同じように
ぎくしゃくする」と批判した。
谷垣氏も「多様な意見を溶かすように政策を鍛える考え方や、党内の意見をまとめる
ために丁寧なプロセスが必要だ」と反発。「参院選などで党がばらばらではまずい。挙党
一致へ党をあげ努力しなければならない」と、総裁選後の党内融和の必要性も強調した。
<産経新聞27日>
当然と言えば当然のことなのだが・・・前記事<コチラ>で取り上げた中川氏の発言
に対して、総裁選の候補者である麻生氏と谷川氏が、きっちりと反論をした。
だが、他の自民党議員や他党議員の声は何もきこえて来ない。<言っているのかも
知れないが、マスコミでは伝えられていない。>
上述の東京新聞の特集にもあるように、みんな総裁選が終わるまで、じ~っと息を
ひそめているのだろうか? もし内閣や要職にはいれなかったら、早速「やっぱ、あい
つらはおかしい。強引に好き勝手なことをやり過ぎる」などと言い出すのか・・・それ
とも、補選や参院選が終わるまでは<自分の派閥の候補者を不利に扱われたくないので>
ひたすら批判や疑問を呈さずにヨイショし続けるのであろうか?
自民党に詳しい知人いわく「総務会長が誰になるかが、ポイントかも知れない」そう
だ。<総務会長は、主に自民党の中で各部会や議員たちの意見をまとめる係である。>
☆ 共産党支持者のマンションへのビラ配りに無罪の判決
『共産党のビラを配るためにマンションに立ち入ったとして、住居侵入罪に問われた東京
都葛飾区の僧侶(58)の判決公判が二十八日、東京地裁で開かれた。大島隆明裁判長は
「政治目的のビラ配りは社会通念上、禁じられておらず、マンションには明確な立ち入り
禁止の表示はなかった。立ち入り行為に正当な理由がなかったとはいえない」と述べ、
無罪(求刑罰金十万円)を言い渡した。<東京新聞 28日 >』
この事件に関しては、4月に「共謀罪などが危険だと言われるわけ(1) ~国は自分
の都合で法律を使うことがある~」という記事の中で、少しであるが取り上げていた。
今回の判決は、法律的な解釈(刑法、刑訴法)では、色々と議論が分かれる部分がある
とは思うのだが。東京地裁は、これが商業目的ではなく政治目的のビラであること<憲法
の表現の自由の民主主義的な意義>を重視したようにも思われる。
共産党の市田書記長は「国民の権利への弾圧が強まっているなかで、こういう判決は
大変重い意味がある」と評価したという。
<もしかしたら、これを読んだ方の中にも「共産党のビラだから、逮捕されたのでは
ないか」と思う方がおられるのではないかと察するが・・・たぶん、そうなのである。
これが自民党のビラ配りであれば110番などされないだろうし、もし警察が来ても、
逮捕などされない可能性が高いのである。きいた話では、警察がマンションの組合に
「XXなど特定の団体がはいり込んで来たら、すぐに連絡をして欲しい」と依頼して
いるケースもあるという。>
近年になって、以前よりも政府に不都合なデモやビラ、チラシ配りなどの活動に対する
監視や取締りの目が厳しくなっているように思えるケースが少なくない。
都立高に式典で国旗、国歌の強制に反対するビラを配った同校の元・教員も、威力業務
妨害で逮捕された。
このブログでも何回も取り上げている「共謀罪」の問題も、一つ間違えれば、このよう
な団体の活動や私たち一般市民の言論の自由を取り締まる武器に使われる危険性もある
ため強い反対の声が出ている。<この秋の臨時国会で、再度、審議される予定なのである
が、安倍政権下では強硬採決されるのではないかと不安である。>
このように警察、検察を使って、政府には都合の悪い表現行為を取り締まることも、
ある意味では、言論に対する暴力であるとも言える。
安倍氏には、自分が会見で述べた「言論を弾圧し、あるいは影響を与えるような行為で
あるとすれば許されない。そういうことに言論がねじまげられてはならない」という言葉
を、よく覚えておいて欲しいと思う。
☆ 薬害C型肝炎訴訟で追加提訴
血液製剤「フィブリノゲン」などでC型肝炎ウイルスに感染させられたとして患者らが
国と製薬会社に賠償を求めている薬害C型肝炎訴訟で、新たに計31人が25日までに、
全国4地裁に初の一斉提訴をした。近く仙台地裁にも1人が提訴する予定で、既に大阪
高裁で係争中の原告を合わせると、全原告数は計128人(うち3人は死亡し遺族が継承)
になる。
4地裁への提訴は、東京5人▽名古屋2人▽大阪16人▽福岡8人。国の責任を認めた
6月の大阪地裁判決(国と会社側が控訴)を機に弁護団が設けた電話相談へ問い合わせた
患者が大半を占めた。
東京地裁に25日に追加提訴し、実名を公表した千葉市の会社員(48)は88年5月
に長男の出産で大量出血し、止血剤としてフィブリノゲンを投与されて感染した。副作用
がつらいインターフェロン治療にも耐えたが、ウイルスは排除できなかった。就職の際、
正直に感染を打ち明け、採用されなかった差別も経験した。「病気が進み、死ぬしかない
のか」不安におびえる日々が悔しかった。
自分よりも症状が重い人が病を押して裁判を闘っていることに心を動かされ、提訴を
決めた。全国で実名を公表したのはまだ13人。「堂々と顔を出し、偏見偏見がなくなる
よう声を出していきます」 <毎日新聞 25日>
最後にコチラの記事の続報で、C型肝炎訴訟の記事を。
私は複数の近しい者をC型肝炎による肝ガンで亡くしていることもあり、本当はもっと
この問題を取り上げたいと思っているのであるが。なかなか機会を設けられず、ずっと
気がかりのまま今日に至ってしまっている。
薬害肝炎弁護団のHP<コチラ>を見て頂いてもわかるのだが、C型肝炎は、子供の
頃に予防注射の針の使い回しや、出産や手術などで使った止血剤などが原因でウィルスに
感染してしまった人が多い。しかもそのまま放置すると重度の肝炎、肝硬変、肝ガンに
移行する率が高いため、重病化を食い止めるための治療費も含め医療費の負担も大きいし
病状によっては思うように働けない人がいたり、また肝炎への差別、偏見を受けたりなど
大変な思いをしている人が少なくないのである。<B型肝炎にも同様の問題はある。>
同じような問題は薬害エイズでも生じているが、C型肝炎はマスコミ等もあまり取り
上げてくれないこともあってか、周囲の理解を得られずに精神的に苦しんでいる人も少な
くないときく。<そのために実名を公表せずに、訴訟を行なっている人が多い。>
国や業者、病院などが、一日も早く感染者の立場を考えて対処してくれるように、切に
願う次第である。
THANKS
<もしよろしければ、↓の2つのリンク(上と下は別々のもの)をクリックして下さい。m(__)m
と~っても励みになるです。(^^♪ 上下のクリック数に、100クリック分も差ができてしまった
ので、できれば、下の方のクリックも是非よろしくです。>
にほんブログ村 政治ブログ
人気blogランキングへ
一方、その人が失脚したり世間の批判をあびるようになると、とたんに攻撃的になり、まるでイジメのように必要以上に報道していると感じます。昨今の荒廃した社会の要因として、テレビの報道姿勢が大きく関与していると思います。
ps)今日の一言
ヒット曲『100万本のバラ』につづく第2の曲
『100万倍の安倍』 (歌、福嶋瑞穂)
♪「100万倍の安倍の政策をー、あなたに、あなたに、あなたに、あーげーるー・・・」
「100万本のバラ」では最後に絵描きと女優が別れたと記憶していますが「100万倍の安倍」でも安倍氏と国民が別れることを望みます。
右翼団体のメンバーがナショナリスティックな動機で暴力をふるうのに、
理由なんか無いですよ。彼らはそういう生き物なんですから。
もちろんまったく肯定できるところはありません。しかし、それを
即、首相のせいだというのは馬鹿げています。
政治ビラの件も、牽強付会もはなはだしい。
自民党と共産党の違いじゃないんです。共産党のアジビラの頻度と
内容が、多くの住民にとって苦痛なんですよ。
上の記事の引用にもあるとおり、政府の圧力云々以前に、住民の側が
ビラを禁止したい、配布してほしくない、と思っていることの方が
多いんです。上記の判決でも、マンション側でビラを禁止する掲示が
あったのなら、有罪になった可能性を示唆しているじゃありませんか。
新しい記事に書きましたが、ウズベキスタンで小泉首相に「加藤氏宅
放火事件への反応が遅かった理由」をきいた記者がいたようです。
たぶん、いつもの官邸ぶら下がりとは違う記者が、色々ときいているの
でしょうね。<I 秘書官などのにらみが直接きいていない記者が?!>
おそらく、小泉首相が退任する時に、小泉政権を振り返る特集を色々な
番組でやると思いますが、めちゃくちゃ批判されたり、ちゃかされたり
するのではないかと思います。
<まあ、それは小泉政権を支持し続けた国民への批判にもつながる
ことにもなるように思うのですが・・・。^^;>
百万本のバラ・・・渋いところで来ましたね。(笑)
では、こちらからは「安倍の瞳は百万ボルト」で。
改憲に向かうギラギラとした瞳です。
安倍の瞳は百万ボルト~。日本におりた改憲の戦士~♪
<元歌は、「君の瞳は1万ボルト」(堀内孝雄)です。ご存知かな~?>
靖国参拝がナショナリズムをあおったというのは、記者の質問内容です。
判決をよく読むと、政治的なビラと商業的ビラで目的の正当性、違法性
の判断を分けているように見えます。
共産党や反戦のビラが公安のターゲットになっているのは、事実のよう
です。
見るに耐えないblog多いですがここはなかなかですねまた見に来ます。
共産党嫌いだけど共産党をたよらざるを得ない人て多いのよ警察に相談言ったら「そんなことは共産党に言ってくれ」と言われたりするくらいですから
おそらくは、一般市民にとっては、内容にかかわらず、ポストに投げ
込まれるビラやチラシの大部分はジャマものなのでしょうが。
<私個人は、特に風俗・アダルト系のチラシなどは、かなり不快なの
ですけど。>
問題は、同じように連絡したとしても、警察が相手をしてくれるかどうか
というこなのではないかと思います。
>警察に相談言ったら「そんなことは共産党に言ってくれ」と言われたり
>するくらいですから
思わず笑ってしまいましたが・・・。でも、それが現実であり、切実な現状
を現しているのではないかと思います。
特に政治的なビラに関しては、やはり表現の自由の民主主義的な意義
を考えると、よほどのことがない限り、排除してはならないと思います。
是非、また見にいらして、ご意見もお寄せ下さると嬉しいです。