今の憲法を無視する自衛隊海外派遣の恒久法 + 加藤氏宅放火に小泉氏「質問がなかったから」
2006年 08月 30日
「自衛隊の海外派遣の恒久法」のことを中心に書きたいと思う。
これは単に自衛隊をいつでも、どこでも、かなり自由に派遣できるようにするだけ
でなく、自衛隊の任務の内容や、武器使用や自衛権の範囲をどんどん拡大して行こう
とする法案で、今の憲法、特に9条をないがしろにするようなものである。
ある意味で、憲法を改正せずして、実質的に憲法9条の中身を変えてしまおうという
ものであり<やがては現行憲法のまま集団的自衛権も行使できるようにしようという
意図も持った>、と~ってもアブナイ法案なのである。
・ ・ ・ ・ ・ ・
本題にはいる前に、加藤氏宅放火事件&小泉首相の発言に関するニュースを・・・。
29日、加藤氏宅放火事件の容疑者が逮捕された。容疑者は大筋で犯行を認めている
が、動機については何も語っていないらしい。
警察は、組織的犯行の疑いはな低く、男の単独犯行だという見方をしているらしい。
このまま、ある右翼団体構成員の単独犯行という形で、手仕舞いされてしまいそうな
感じがする。<マスコミもこれ以上、追わないのかも?>
『小泉首相は、外遊中のウズベキスタンで、記者の質問に答え「言論の自由を封殺する
ようなことは厳に慎まなければならない」と語った。そして、反応の遅さを問われると
「私はいつも聞かれたことに答えている。この問題も、(28日まで)聞かれなかった
から答えなかった」と述べたそうだ。^^; <朝日29日抜粋 >』
ちなみに、朝日28日によると、加藤氏のもとには小泉氏、安倍氏から見舞いや激励
の言葉も来ていないらしい。
この二人が、まさか「自分たちを批判するから、こういうことになるんだ」なんて
思っていないと信じたいが。やはり一国の首相&党の総裁、そしてその次期候補として
今回の事件で何のメッセージも出さず、記者の質問がなければこの件に関して発言する
気さえなかったというような姿勢を見せることには大きな疑問を覚える。
小泉氏は「非情さ」がウリになっているが(?)、安倍氏を支持する要素の№1は
「人柄」であるという。今回の対応にも、彼の人柄がよく現われているかも知れない?!
29日の他の政治家の発言を記しておくなら <朝日新聞29日などより>
加藤紘一氏本人「私や母、支持者が受けた被害は大きいが、発言を変えたら被害は
もっと大きくなる。国のために思うことは今まで通り発言し続けなければならない」
片山虎之助参院幹事長「放火で言論を封殺するのはよくない」
谷垣財務相「暴力による言論封殺を意図したのなら言語道断」「言論を暴力やテロで封じ
ようという行為は民主主義の根幹を揺るがす。断固として戦わなければならない」
河野洋平衆院議長「国際的なテロに毅然としなければならない、という日本は、国内
のテロにも毅然と対応してほしいと願っている」
民主党・小沢一郎代表「(事件への与党の反応は)非常に鈍感」「郵政民営化に反対
するのは悪いやつだ、靖国神社(参拝)で何が悪いんだという手法や考え方が、日本の
社会に危険な結果をもたらす」
・ ・ ・ ・ ・ ・
さて、話を本題に移すが、この法案の名称は「国際平和協力法案」という、と~っても
耳障りのいい感じのものが予定されているらしい。
おそらく「日本が今後、憲法の平和主義、国際協調主義の精神に立って、世界の平和に
貢献、協力して行くためには、このような法律を作ることが必要なのだ」などとアピール
する気でいるのだろう。
しかし、その内容は本当に危険なものである。以前の記事にも少し書いたが・・・
* 自衛隊の海外派遣をするたびに、いちいち国会で審議&決議してPKO法やイラク
特措法のような特別措置法や時限立法のような法律を作らなくていい。政府の判断で
派遣を決め、国会の事前承認をとればOKになる。
* 国連決議や国際機関の要請がなくても、相手国(紛争当事者)からの要請がなくて
も、「わが国が国際的協調の下に活動を行うことが特に必要」な場合は、自衛隊を派遣
することが可能になる。
* 自衛隊の海外任務<人道的復興支援活動>に、これまで認められていなかった「治安
維持」と他国要人などの「警護」「船舶検査」(経済制裁のための海上封鎖の場合を
含む)の三活動を追加する。
* 任務の内容によって、これらの活動を「効果的に実施するため」、正当防衛と緊急
避難に限定していた武器使用権限を拡大する。
<具体的には、要人警護のための武器使用の要件を緩和したり、通行妨害の排除や、
施設・物品の防護、侵害行為を行った犯人の逃亡防止などの際の武器使用を行なったり
することも想定。自衛隊が武器を持って救助に向かう「駆けつけ警護」なども認める>
* 派遣活動は「非国際的武力紛争地域」(従来の「非戦闘地域」を改称)に限定する。
<複数の国の間で交戦が行なわれている地域(国際的武力紛争地域)以外なら、派遣
可能だという解釈をする可能性が高い。>
* (これは恒久法とは別に)上述のような自衛隊の活動を円滑に行なうために、個々の
ケースごとに集団的自衛権の行使にあたるか否かを事前に判断するために、有識者などで
作る検討機関を政府内に設置する。
今までは、集団的自衛権の範囲だと解釈されて認められていなかった防衛行為の中で、
個別的自衛権として容認できるものはないかどうかを洗い出し、自衛隊の活動の中で実際に
行使できるようにする。
これらは、23日に自民党の国防部会防衛政策検討小委員会(石破茂委員長)が発表した
法案骨子や、安倍氏が講演でor記者団に政権構想として発表したことをまとめたものである。
これから細かい部分を詰めたり、周囲の反応の見て若干の修正を加えたりしながら、条文
作りを進めて行くことになると思われるが、安倍政権は現段階でこのような法案を作ることを
目指しているようだ。
これらを文字通りに受け止めるなら、たとえば、政府が必要であると思えば、アメリカの依頼
によって、今のイラクのバクダッドやアフガニスタンなどに治安維持や要人警護をしに行くことも
可能になってしまう。
そして今、実際に米軍が行なっているように、イラクやアフガニスタンで、反政府の住民が攻撃
をしてくれば(or攻撃して来ようとしているように見えれば)、要人警護の目的遂行や正当防衛と
して、武器を使用して反撃することができる。現地にいれば、危険な状況であるだけに、不審な
動きをしただけで先制攻撃的な防衛行為も許容されることになるかも知れない。<その結果、
罪もない一般住民や子供が巻き込まれて殺傷されるかも知れない。>
アメリカをはじめ世界の多くの国が、このような活動を行なっているのだ。それが国際社会の
一員として、「ふつうの国」として、当たり前のことなのではないか・・・という人も少なくないのかも
知れない。
百歩譲って(いや、億歩ぐらいかな?)、その考えは間違っていないとしよう。
しかし、日本の憲法との整合性はどう考えるのか? 日本の憲法には「武力による威嚇又は
武力の行使」を禁じる憲法9条がある。
おそらくは「国際紛争を解決する手段ではない」という解釈によってOKにするのだろうが。
そんな簡単に解決する問題なら、これまでカンボジアのPKO法案でもめて、結局は自衛隊を
派遣することをあきらめる必要もなかっただろうし、イラクへの自衛隊派遣で、政府自体が活動
の地域や内容、防衛行為の仕方にナーバスになる必要はなかったはずだ。
だが、彼らは一気に自衛隊の活動内容を拡大しようとしている。
次回or次の機会のは、この法案の問題点や彼らの意図について考えてみたい。
<つづく> THANKS
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憲法を改正して、国際貢献のための自衛隊派遣が合憲になれば、
mew-run7さんも恒久法に賛成なんですか?
そうではないんですよね?
恒久法に反対するためだけに憲法を持ってくるのは、かえって
憲法に対する愚弄だと思いますよ(笑)
正々堂々と、
「国際貢献のためだろうとなんだろうと、自衛隊の派遣に一切反対」
と主張すればよろしい。
世界第二位の経済大国で、貿易への依存度がきわめて高い日本が、
それでもあえて一国平和主義に立つべきであることを堂々と立論して
いただきたいと思います。
何故、対案がいるのでしょう?
ある法律を作ることに反対するということは、「その法律を作らない」
ということで解決することなのです。
私はきちんと民主主義のルールや精神に乗っ取って成立したものなら
あきらめます。
ただ、そのためには政府与党は、きちんと説明責任を果たし、マスコミも
それを国民に伝え、国民がよく考えた上で判断するような形であって
欲しいと思っています。
また私は、日本が海外派兵をしないことを批判している他国の人々を
ほとんど知りません。
アメリカの一部の人たちも、日本が兵力を使った国際貢献をしないことを
批判しているというよりは、自分たちの兵力の「金、人、もの」を補う
ために利用したいと思っているのではないかと思う部分があります。
記事のご紹介、有難うございました。
早速、読ませて頂きました。本当に勇気ある、そして理性と心のある方
だと思いました。
アメリカでも、だんだんイラク戦争に対する疑問や批判が大きくなって
いるように感じます。この流れが大きくなることを願っています。
時間がなくて、まだ関連記事を読みきれていないので、夜にゆっくり
読みたいと思います。
現、天皇は家庭教師のバウニング夫人がキリスト教のクェーカー教徒ですから、若き日々に非暴力・平和主義を学ばれています。
国会議員の1/3くらいは女性だったのでは?
ただ、各家の自衛、国家の自衛には十分、注意が払われている。「専守防衛」です(誤った理解をしているかもしれません。指摘願います)。
国家の主権の要素に軍隊(軍事力)がはいるかどうかは、見解が
分かれるところです。
私は自衛権や自衛隊の存在は否定しませんが、主権要素として
「MUST」ではないのではないかと思っています。
国民皆兵なんて・・・少なくとも私はイヤです。
また、わが憲法の大部分がアメリカによって作られたと知った時は
ショックでしたが、出来上がったものは世界に誇れるようなものだった
ので、これが日本の憲法であってよかったとも思っています。
私個人は、あまり男女にはこだわらない方なのですが。
昔は、女性は男性より目先のことしか考えず、感情的だと言われて
いましたが、最近は男性の方がそのような傾向の人が多いように
思えたりすることがあります。
<女性の方が大局観があったり、度量が大きいかも???>
ただ、国会議員に関して言えば、攻撃的で勇ましい感じの人が多い
ようにも見えてしまうことがあるです。^^;
天皇と戦争放棄の関係は、ビミョ~なところがあると思いますが。
昭和天皇は、以前、記事のすみっこにも書いたように、ヨーロッパの
リベラルな感じが好きだったようですし。また、あのような悲惨な戦争を
二度と繰り返したくはないという気持ちがあったと思います。
今上天皇も、すごくリベラルで平和主義者だと思うです。
コスタリカのやり方は、いい参考になりますよね。軍備をなくすor減らし
て、教育や福祉を充実させた方が、私は国民にとって利益になると
思います。
すなわち、 政治体制は1949年の憲法によって規定されている。49年憲法は軍隊を廃止しており,民警隊 guardiacivil を持つにすぎず,もちろん義務兵役制はない。
そして次のような福利厚生の利得を得ています。
中米のなかで教育水準はもっとも高く,保健衛生等も中米では先進国に属する。
わが国は現憲法が平和主義ですから、朝鮮人民共和国にお奨めですね。
例)「障害者自立支援法案」→「反障害者自立支援法案」
「議員年金廃止法案」→「反議員年金廃止法案」
民間では間違いなく虚偽表示で犯罪になると思います。
ps)今日の一言
「必殺仕事人」に続く第2弾「必殺仕事師(安倍内閣)」
主なメンバー
「改憲のアベ」 「宣伝のセコー」 「騒音のイッタ」(山本一太) 「ジャンケンのタケベ」
依頼人はブッシュさん、靖国さん、経団連の人で、貧しい庶民の依頼は殆ど受け付けないようです。9月20日から全国放送の予定です。
<女性の方が大局観があったり、度量が大きいかも???> ただ、国会議員に関して言えば、攻撃的で勇ましい感じの人が多い
ようにも見えてしまうことがあるです。^^;
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昨年、郵政法案に反対したが、当選した自民議員を裁いて除名した、森山某、小野清子------怖かったですね。
亀井さん、綿貫さん、---自民にとっては功労者のハズ。恨みが残ります。 と思っていたら、呼び戻そうとしているようですね。
>・・・この法案の名称は「国際平和協力法案」という、と~っても
耳障りのいい感じのものが予定されているらしい。
このような手法を、「隠れ蓑(かくれみの)法案名」と名づけて、私は呼んでいます。暴力団が良く使う「だましの手口」ですので、暴力組織と関係の深い小泉さん安倍さんには、おなじみの手法ということでしょう。
情けない政府だと思います。
もし日本の流れを大きく変えるきっかけがあるとしたら、女性が首相に
なった時かも知れませんね。
とはいえ、将来、初の女性首相になるかと言われた野田聖子さんは
郵政民営化で失脚させられてしまいましたし。
ふと考えたら、民主党の幹部や要職には女性はいないですし。
う~ん・・・。(-_-;)
国家が財政難の時ですからね。軍事強化のムダづかいをやめた方が
いいと思うんだけどな~。
法案名・・・本当にそうですよね。
人権擁護法案も一つ間違えると、人権侵害法案ですしね~。
内緒ですけど・・・私、イッタくん、超苦手なんですぅ~。(>_<)
では、私は「白い挙党」で。
首相(外科部長)の座を目指す財前に安倍くん。
<本当は小泉くんの方が合うのかも???>
お調子ものの義父に、武部くん。
地道に医療に取り組む里見に・・・う~ん、とりあえず加藤紘一くんを。
医局員1・・・山本一太
スイスは、重要なことは国民投票で決めるという点が、とても魅力的
です。それがあっての国民皆兵かも知れません。
はじめまして。(~~)
「隠れ蓑法案名」・・・上のコメントにもありましたけど、たくさんありますね。
これから「隠れ蓑的な改憲」も行なわれそうですし。^^;
本当にこれが自分の国だと思うと、情けないです。
ちょっと誤解があるなぁ。Helvetia (なぜか日本では「スイス」と呼ばれてるけど,あたしはしつこく正式国名のラテン語で。ドイツ語では Schweiz)というのは25 (Aargau, Appenzell A. Rh, Appenzell I. Rh, Basel Land, Basel Stadt, Bern, Freiburg, Genf, Glarus, Graubuenden, Luzern, Neuenburg, Nidwalden, Obwalden, Sankt Gallen, Schaffhausen, Schwyz, Solothurn, Tessin, Thurgau, Uri, Waadt, Wallis, Zug, Zuerich ) の Kanton (州)から成っております。しかも山国で狭い中,国民の7割以上がドイツ語スイス方言を話しており,フランスに近い州ではフランス語を,イタリアに近い州ではイタリア語を,オーストリアに近い州ではロマンシュ語(実はネオナチの残党が残した政治的遺産)が語られ,公式文書は前3つの言語で書かれています。
んで,国民投票や国民皆兵というのも,ちょっと誤解があります。国民投票つまり直接民主制というのは,州の人口規模を考えれば分かる通り,州都または衛星都市の広場やサッカースタジアムに全員が集まれるという事情から発生しているのです。要するにヨーロッパ言語共通の「Boo!」が多いか少ないかで,決まってしまうような所がありましてね。
国民皆兵もだから同様の話で,合州国の州兵と同じ概念で考えると分かり易いと思います。内戦を繰り返しながら,今の25の州にまとまった訳ですから,合州国同様に武器の所持は必須になるわけです。そうなると,兵役と言っても実際には州ごとの武器の扱い方などの訓練となる訳です。国防庁に勤める職業軍人はあくまでドイツなどへ留学した人が中心になるという。
スイスの国民投票は、市町村レベル、州レベルのほか、国政の重要
事案に関して、投票を行なっていると思うのですが。
<投票所でも、郵送でも可>
今は時間がないので、後日、調べて確認してみますね。
日本にも州兵みたいなものを作りたいと思っている人たちがいるよう
ですね。とりあえず、災害や有事の際に郷土住民のために役に
立とう!みたいな感じで集めることを考えているとか?
安倍がやたら「郷土愛」を主張すると、すぐこの話が思い浮かんで
しまうです。
同じ聖子さんでも野田聖子さんは”少し”志操堅固であり、自分で考え、行動できる政治家のようですね。貴重です。 岐阜県の方ですから岐阜県が疑惑の真っ只中、良い仕事をして欲しいものです。