小泉ー竹中を救った2回の選挙・・・国民の後押しが格差を拡大した 皮肉

 さて、前回の続きで、今回はピンチに陥った小泉ー竹中コンビを救った二つの選挙
の話を、竹中氏の方に重点を置いて書いてみたい。
<小泉氏に関しては、近々改めて書きたいと思っているので。>

 そして、これはこのあと書こうと思っている記事のテーマにつながる話なのだが…
私には、この二つの選挙の結果を理解しにくいところがあった。国民の多くは、小泉ー
竹中コンビの政策に疑問や不満を覚えつつ、選挙では彼らを後押ししたからである。

 党内で小泉政権への不満や竹中おろしの声が強まる中、04年、小泉陣営は竹中氏
を参院選に出馬させることを考える。民間人のままでは、内閣の重要ポストに座り
続けて、構造改革や郵政民営化の実現をするのは困難な状況になって来たからだ。

 竹中氏は、自分のHPで「国会議員になった理由」をこのように書いている。
『これまでは制約の多いレンタル選手のようなものでした。「学者だから説得力がある」
とか、逆に「所詮は学者の理論に過ぎない」などと言われてきました。人の批判ばかり
して何もしない人がとても多いのです。もう学者大臣とは言わせません。これからは
国会議員の信任を得て、より一層の構造改革を推し進めていきたいと思ったからです。』

 これを見ただけでも、周囲からかなりの批判や圧力があったことが伝わって来る感じ
がする。
 小泉ー竹中氏にとって、これはある種の賭けであったのだが、二人はこの勝負をクリア
して、一つ先に駒を進めたのである。

<つづきは ↓More をクリック> 



実は04年の参院選は民主党50ー自民党49で、自民党は敗北を喫しており、小泉氏
が幹事長(選挙の最高責任者)に指名した安倍晋三氏の責任問題に発展している。
 だが、竹中氏がすべての比例区候補の中で断トツTOPの72万票を獲得したことが、
竹中おろしの声を封じたのである。<自民2位、民主1位の候補は約30万票しかとれな
かった。>竹中氏の得た大量の票は、自民比例区の議席が激減するのを防ぐことにも貢献
したことも大きかった。<要は票をとったものは強いのである。>
 
 また小泉陣営は、竹中氏が学生などの若者を支援を主体に「改革続行」を訴えて、多数
の投票を得たことに、ある種の自信を抱いたようにも思う。党内で構造改革や郵政民営化
に疑問を投げかけていた候補者たちの票を大きく上回っていた上、国民の反応もよかった
ように感じたからである。
 小泉首相は、前年からもし郵政民営化が国会で通らなかったら解散をして選挙に持ち
込むという案を持っていたそうだが、この参院選が大きなヒントになったのかも知れない。

 04年の参院選のあと、9月に小泉首相は特命大臣として郵政民営化担当大臣を作り、
竹中氏を任命する。竹中氏&スタッフは小泉内閣が法案作りを任されたほか、郵政民営化
を国民に広め支持を集めるために、マーケティング(市場調査)やアメリカの政策アピー
ルの方法の研究などを行なっていた。
 いわゆるB層(小泉内閣支持基盤 主婦層・子供を中心、シルバー層 具体的なことは
わからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣閣僚を支持する層)や若者を
ターゲットにして、「郵政民営化、賛成か反対か?」という手法の選挙を行なったのも
この調査と研究に基づくものであった。<コチラの記事を参照>

 小泉氏首相05年、国会を大幅に延長して、郵政民営化法案を提出した。このあたりは
またの機会に書きたいが、仮に郵政民営化には進めるべきだとしても、少数のスタッフで
作られた竹中法案には不備や問題点、修正、議論すべき点などもあったのだった。しかし、
そんなことをしていたら、今国会での成立が難しくなってしまう。
 小泉氏は基本的に反対や修正は許さないという方針を掲げ<もし修正が必要だとしても、
法案が成立してから変えればいいと言い>、強引に自民党内の部会、総務会を強行突破。
また反対議員は切るとの脅しを用いて、衆院も通過させたが、参院で否決されてしまう。
 そこで、衆院を解散して総選挙を行なうという大勝負<大バクチ?>に出て、研究&
戦略が見事にハマり、300議席近い圧勝をおさめたのである。

 国民は、ここでも小泉ー竹中コンビの後押しをして、ピンチから救い出した。
 もちろん、その後すぐに郵政民営化関連法案が成立したことは言うまでもない。さらに
改革の総仕上げとして次々と新たな法案も通されて行った。
 あの総選挙から1年、経済格差や地方格差はさらに拡大し、自殺者が増加し、医療負担
も増え、年金の不安も増大し、一般庶民にはいまだに景気回復の実感がない。
 

 既に5年半も内閣にいたこと、小泉ー竹中コンビへの不満、批判は相変わらず大きい
ことから、竹中氏が安倍政権でまで閣僚に選ばれることはない。
 また安倍氏は、再チャレンジ構想や地域格差是正など、小泉ー竹中改革を修正する政策
なども発表しており、竹中氏と全く縁を切ることはなくとも、ブレーンとして重用する
気はないようだ。朝日新聞15日には、
『・・・議員辞職の決断には、「安倍新政権」との距離感がにじむ。 安倍氏が自民党
総裁選立候補に向けて政権公約を練っていた8月中旬、竹中氏は経済政策や地方政策を
めぐり、都内のホテルで安倍氏と何度か面会した。だが、今月1日に発表した政権公約
には、竹中氏がこだわった地方分権一括法をはじめ助言が反映された点は乏しかった。
事前に公約の原案も示されなかった。』という記事も載っていた。

 また竹中氏には、これまで住民票を米国に移して税金逃れをしているとか、大臣の立場
を利用して自分の関係者に随意契約の発注を行なっている,某住宅メーカーとの問題
など様々な疑惑があったのだが。
『竹中氏の金融政策ブレーンがかかわる融資をめぐる疑惑が国会で野党に取り上げられた
ことがネックとなり、永田町の一部では、安倍氏がある会合の場で竹中氏の再入閣に否定的
な見解を示した、と伝えられた。さらに週刊誌が「政治資金収支報告書に記載していない
“裏献金パーティー”を所管の大臣でありながら開催していた」との記事を掲載。再入閣に
赤信号がともった。<日刊スポーツ15日>』などの報道も出ていた。
 
 もともと参院議員になったのは、上述のように竹中おろしの声を封じるためだったので
ある。
 竹中氏は当選の後の会見では、記者の「すぐやめるのでは?」との質問に「これだけの
票を頂いたのだから、議員として任期をまっとうするつもりだ」という内容の答えをして
いたように記憶しているのだが。閣僚にも重要なブレーンにもなれないのなら、何の発言
権もないぺーペーの1年生議員など続ける意味もないと考えたのだろう。

『小泉首相の後ろ盾があったからこそ送れた大臣生活、議員生活だったが、今後は当選
1回の平議員。永田町では「小泉内閣を支えた学者の竹中氏にはコメンテーターでの仕事
や講演の仕事が殺到するのは必至」という見方が強い。自民党議員らからは「平議員より
こちらを選んだのでは?1年生議員としての“ぞうきんがけ”に耐えられないということ
だろう」との声が上がった。<スポニチ16日>』

 ただ、4年の任期を残して議員辞職することには批判も多く、河野太郎議員は自分の
メルマガで「「ふざけるんじゃねぇ。なにをぬかしやがる。有権者をなめんじゃねえ」
と痛烈な批判を展開しているという。<後掲*1>


15日のロイターの記事には『自民党内での竹中アレルギーも根強く、野田毅元自治
相は「米国の国益にかなうことばかりやっており、問題点は多かった」と批判。竹中氏を
評価できるとすれば何かとの問いには「説明が上手な広報マンだったこと」と皮肉を込め
た』と書かれていた。

 多くのメディアが、竹中氏の構造改革への取り組みには一定の評価をしながらも、その
問題点を指摘している。

尚、竹中氏は十五日の会見で、政府の政策を専門的に分析し対案を提示する「ポリシー・
ウオッチャー」の必要性を訴えた。官僚機構の打破には“対抗組織”が不可欠という意味で
「私自身そうなりたいしそういうインフラをつくりたい」と強調。いったん政治・行政の外に出て
政策提言を行う考えのようだ。<東京新聞16日>


 またまた長くなってしまったが・・・。^^;
 これらのことを前提に、次回か近々に「国民は何を思って投票や支持をするのか?」を
テーマに「選挙と政策の関係」について考えてみたいと思っている。

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*1
小泉内閣の総辞職に合わせ参院議員も辞職する意向を明らかにした竹中平蔵総務相
(55)に対し、河野太郎衆院議員(43)が「ふざけるんじゃねぇ!」と、過激な
言葉で激怒した。
一昨年の参院選で自民党は総力を挙げて竹中氏を応援しただけに、4年の任期を残して
の辞職を「総理が任命する行政府の大臣と国民が選ぶ立法府の議員を混同してはいけない」
と批判した。竹中氏の辞意表明には与野党を問わず批判の声が高まっている。
 河野氏が怒りを表明したのは、メールマガジン「ごまめの歯ぎしり」。04年1月から
発行しているもので、国会議員のメルマガとしては老舗で、ブログでも同じ内容を更新
しており読者は多い。

 河野氏によると、一昨年の参院選で、選挙区である神奈川15区は総力を挙げて竹中氏
を応援したという。「日本全国でどこよりも竹中平蔵のポスターの数が圧倒的に多かった
はずだ」。さらに、同区内の3人の自民党県会議員にもそれぞれかかわりのある候補者が
いる中、無理をいって竹中氏の応援に回ってもらったという。「小泉改革のキーマンに議員
バッジをつけさせようとみんなで頑張った」と振り返る。

 それだけに、突然の参院議員辞職が許せなかったもようだ。「ふざけるんじゃねぇ。
なにをぬかしやがる。有権者をなめんじゃねえ」などの過激な言葉で口撃。そして
「竹中氏のバッジは小泉総理がつけたものではない。有権者からいただいたものだ。
大臣のいすから降りるのは勝手だが、議席をあけるのは自分勝手にできることではない。
6年の任期を分かって立候補したわけだから、その任期を勤め上げるのは義務だ」と
論理的に批判した。
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by mew-run7 | 2006-09-19 00:30 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(4)

Commented by panta at 2006-09-19 21:03 x
こんばんわ、TBさせていただいた「階級史観」で安倍晋三氏の安晋会国会答弁にリンクを張っています(衆議院TV)。御覧になっていたとしても再確認のためにどうか御覧下さい。クリックすると馬淵議員の質問のシーンから始まります。
Commented by FK at 2006-09-19 23:13 x
小泉、竹中の二人に共通するのは政策はでたらめであったにもかかわらず、二人ともうまく国民を欺く能力が長けていた事だと思います。小泉氏の場合は、彼の政策に疑問を唱える勢力を「抵抗勢力」というレッテル貼りで、いかにも悪い勢力だと国民に思わせました。竹中氏の場合は、学者としてうまく専門用語を使いながら、いかにも改革が必要でそれを行なえばみんなが幸せになると錯覚させていたと思います。また、二人とも悪人のようには見えず、実際に生活に困った人以外は極端な痛みを感じなかったのも彼らを支持した理由だと思います。

ただ実際の小泉政権の5年半の改革はアメリカや経団連のための改革であり、国民にとって必要な改革は殆ど進まずかえって国民生活は悪化したのが実態です。

このような結果になった要因は、一つは権力に迎合したメディアの姿勢と、もう一つは野党(特に民主党)の、改革に賛成か?反対か?の姿勢がもう一つ国民にわかりにくかった事だと思います。おそらく民主党は小泉氏とは全く違う改革を目指していたのだと思いますが、それをうまく国民に伝え切れなかった事と、野党どうしの協力がうまくできなかったため、先の選挙は大敗したのだと思っています。
Commented by mew-run7 at 2006-09-20 11:13
panta さん、コメント有難うございます。

申し訳ないことに、ウィルスソフトが厳しいためか、ファイルをダウンロード
する形の映像は見ることができないのですが・・・。
また秋の国会で、うろたえさせて欲しいです。
Commented by mew-run7 at 2006-09-20 11:20
FK さん、コメント有難うございます。

小泉ー竹中コンビは、「改革」というきこえのいい言葉をうまく使ったのと
「わかりやすい」と思わせたのが勝因でしょうね。
<本当は、都合のいいような説明しかしていなかったのですけど。^^;>

メディアも解散の頃は、民主党有利って言ってたのにな~。
こういう解散は、民主主義の破壊だとか、かなり批判もしていたのに。
面白いと思えば、すぐそっちに乗っちゃうんですよね。

けど、今度はもしかしたら「安倍vs小沢」の対決が面白いと思って、
民主党側も取り上げてくれるかも知れません。
民主党がここで、うまく対応できれば、と思うです。<千葉補選の時
みたいに・・・>