佐田氏は閣僚辞任・・・but 小泉前首相&安倍内閣の伊吹・松岡大臣にも不明瞭な政治資金報告の疑いが。
2006年 12月 28日
前記事で取り上げた佐田玄一郎氏は、27日に行革大臣を辞任することを決め、夕方、
記者会見を行なった。<会見要旨*1、会見&問題に関する記事*2>
尚、後任には渡辺喜美内閣府副大臣の起用が内定したようだ。
今回は、佐田氏の件と共に、小泉前首相や伊吹文科相、松岡農水相にも同じような疑惑
が上がっていること、そして政治資金の収支報告書の問題点について書いてみたい。
佐田氏は、問題とされた政治研究会は「実際に政治活動を行っており、事務所費や政治
活動費の支出も確認した。架空ではない」と主張。「ただ(地元の)他の後援団体の事務所
費等や政治活動費の一部が、この研究会の事務所費等や政治活動費として計上されていた。
資金が足りない後援団体を助けるため、政治研究会の方に計上していた」と経費の付け替え
があったことを明かし、「不適切な会計処理は、認めざるを得ない」と述べた。
そして、「国政の渋滞を招くことはあってはならないと判断し、本日職を辞することを
決意した。午後5時に、首相に報告し、了解を得た。辞任は午後3時すぎに、自ら決断
した」と閣僚を辞任することを発表した。
しかし、事務所の具体的な活動実態や、付け替えの内容、また何故、付け替えという
方法を使ったのかについては十分に説明がなされず<通常は、自分の他の団体に資金を
回す場合は、その団体に寄付をする(届け出もする)という方法をとる>、「92、93
年ごろは、会計責任者がまだ未熟だったことがあるかもしれない。地元がいろいろ大変
だった。自分も収支報告書を見ることをしなかった」と話すにとどまった。
わずか11分の会見で、念願の閣僚を辞任することになって、かなり狼狽した様子も
見せていた。<TVで目撃。何か困った時の今泉刑事(西村正彦in 古畑任三郎)みたい
に見えてしまった?!(・・) 東京新聞の記事(写真つき)>
尚、議員辞職は「考えていない」という。
ただ、共同通信27日は、『政治団体の事務担当者(公設第一秘書)が共同通信の取材
に「(団体には)活動実態がほとんどなかった」と証言した。この団体は90年の設立後、
99年分までの10年間に政治活動費計約2億1300万円の支出を収支報告書に記載
しているが、これも虚偽である疑いが浮上した』と伝えており、今後、調査が進めば、
さらに問題が大きくなる可能性もある。
佐田氏はそのことを懸念して、早くに辞任を決意したのかも知れないと思ったりもする。
また年内に決着をつけるようにという有形無形のプレッシャーもあったことだろう。
安倍首相は、27日夜の会見で「「任命者として国民に対し責任を感じている」と認めた
上で「今後、結果を出すことで責任を果たしたい」と語った。<それだけ?>
しかし、野党側は、説明責任が果たされていない上、閣僚を辞職すれば済むという話
ではないということで、来年にはいったら佐田氏に不正経理の資金の流れや、議員辞職を
問うと共に、安倍首相の任命責任を追及する構えを見せている。
これが国会開催中であれば、本間元・政府税調会長の件と共に、ツッコミどころがたく
さんの審議が繰り広げられたはずだったのだが。ちょうど国会閉会中&年の暮れのあわ
ただしい時期にバタバタッと起きてしまい、安部氏も小泉氏に負けず劣らず、運のいい
ヤツなのかも知れないな~と思ってしまった面がある。
来年の通常国会が始まるのは1ヶ月後になってしまうので、国民やメディアが「何を
今さら」という雰囲気になってしまうのではと懸念してしまうのだが。どうかこの件を
忘れず、野党の追及に関心を持ってもらいたいな~と願っている。
<野党側も、メディアや国民の目を引くために、何か新事実を持ち出したいところだ。
こういうことは、調査能力バツグン&明朗会計がウリの共産党に期待したいかな?>
* * * * *
毎日新聞*3は、実は小泉前首相にも同じような不正経理疑惑があったことを伝えて
いる。<わざわざ、ここで再度持ち出したのは、当時はこの問題がメディアで広がりを
見せず、うやむやにされてしまったことへの無念さがあったのかも知れない。>
『小泉前首相の実弟が代表を務める政治団体「小泉純一郎同志会」が、03年まで神奈
川県横須賀市の実家敷地内に事務所を置いていたが、事務所費を毎年計上していたこと
が毎日新聞の調べで発覚。同志会は03年に横須賀市内のビルにある「自民党神奈川県
第11支部」(代表・小泉前首相)の部屋に転居したが、その後も03~05年の3年
連続で年間405万~560万円(計1470万円)の事務所費がかかったと報告して
いる。党支部も年間591万~696万円の事務所費を計上しており、二重家賃支出
疑惑が生じている』というものだ。
同紙は今の安倍内閣の閣僚である伊吹文科大臣や松岡農水大臣の報告書にも不明瞭な
点があると指摘している。
『賃料がいらない議員会館を資金管理団体の事務所として報告しながら、伊吹氏の「明風会」
は事務所費として昨年4146万円、松岡氏の「松岡利勝新世紀懇話会」も3359万円を報告
しており、伊吹文科相の秘書は「他の事務所の経費など」、松岡農相の事務所は「内訳は
報告の必要がない」と答えている』という話である。
このような問題が起きる要因になっているのは、政治資金規正法施行規則の規定が、
事務所費は家賃、電話代など「事務所の維持に通常必要とされるもの」と範囲が不明確
なものになっており、しかも明細の記入や領収書の添付も不要とされていることにある。
共産党は今年11月も国会で「事務所費を含む経常経費も領収書の写しを添付すべき
ではないか」と質問したが、菅義偉総務相は「政治団体側に過大な事務負担となる(ので)
規定された。各会派の議論をいただいて結論を得る問題だ」と答弁するにとどまっている。
これでは事務所費の名目で報告しながら、いくらでも他の費用に流用できてしまうこと
になる。
ちなみに各議員の政治資金には、私たちの税金でまかなわれる政党助成金から各議員に
配布される金銭も含まれている。
安倍首相の場合、何と05年の政治資金が3億を超えたそうだが<コチラ>、自民党
本部から得た収入のうち1800万円は政党助成金から出ている。
先日、自民党が年末年始のもち代として各議員に200~300万円渡したという記事
が出ていた。復党議員は100万円上乗せした300万円になったという。彼らが経済的
にピンチであることも配慮してのことかも知れないが、11人が復党したことにより、
自民党は来年の助成金が2億5千万円増えることになっており、それとは無縁だとも思え
ないところもある。
<もし私たちの税金が、各議員が地元で年末年始の挨拶回りの費用に使われるために配ら
れているとすれば、何だか情けな~い気分になってしまう。>
そして、国民の税金である政治助成金から政治資金を得ていることも考えれば、尚更に
政治資金の報告書は明細まできちんと記載し、せめて一定額以上のものは領収書を添付
する形で届け出る必要があるのではないだろうか?
<ぼったくりバーにならないように、明朗会計にしてくれないとね~。>
安倍氏も、首相就任時から「オープンな政治」を安倍内閣の標語に掲げ、国民にわかり
やすい政治を目指すと言っているのであるから、本間氏や佐田氏の問題に関してきちんと
説明や調査結果の公表を行なうように努めると共に、これを機に政治資金規正法施行規則
の見直しを考えて欲しいと思う。
<あ・・・安倍くん。また首相に任命責任があったとかで、給与を返還してくれなくても
いいからね。その分、法案や政策、そして色々な問題のことを、きちんと国民に説明して、
オープンな政治を行なう努力をしてね。(・・)>
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<報道記事*1~3は ↓More の部分に>
報道記事は、すべて毎日新聞28日より
*1
◇佐田玄一郎行革担当相会見要旨◇
佐田玄一郎行革担当相の辞任会見の要旨は次の通り。
佐田担当相 国民に誤解と不審の念を抱かせ、心よりおわびしたい。(問題となった)
政治研究会は、実際に政治活動を行っており、事務所費や政治活動費の支出も確認した。
架空ではない。ただ他の後援団体の事務所費等や政治活動費の一部が、この研究会の事務
所費等や政治活動費として計上されていた。資金が足りない後援団体を助けるため、政治
研究会の方に計上していた。不適切な会計処理は、認めざるを得ない。
国政の渋滞を招くことはあってはならないと判断し、本日職を辞することを決意した。
午後5時に、首相に報告し、了解を得た。辞任は午後3時すぎに、自ら決断した。
--いつ、どのように不適切処理をしたのか。
佐田氏 研究会のいろんな活動を助ける活動は大体、地元の群馬でやっていた。その
経費を事務所費として出した。いろんな違う政治団体のものを付け替えてある。
--なぜそうなった。
佐田氏 92、93年ごろは、会計責任者がまだ未熟だったことがあるかもしれない。
地元がいろいろ大変だった。自分も収支報告書を見ることをしなかった。
--違法性の認識は。
佐田氏 支出のつけ替えは適切ではない。違う団体の支出を付け替え一緒に入れることは、
違法性があるんじゃないかと思う。額はわからない。また報告する。
--議員辞職は。
佐田氏 考えていない。
--事務所に実体はあったのか。
佐田氏 賃貸契約はしていなかったが、きちんと会員の講演会や会合をしており実体は
あった。
*2
「不適切な会計処理だった」--。佐田玄一郎行政改革担当相は27日、自らの政治団体
の経費疑惑によって辞任した。明確な説明もないままの幕引きで、支持率の下がる安倍
晋三政権にさらに追い打ちを掛けた。一方、問題となった事務所費は、小泉純一郎前首相
も二重家賃疑惑が国会で追及されるなど不透明さがしばしば指摘されており、制度の見直
しなど国会の姿勢が問われる形にもなった。
27日午後5時半過ぎ。約100人の報道陣でごった返す東京・永田町の内閣府5階の
会見室に、佐田玄一郎行政改革担当は険しい表情で入った。「深くおわび申し上げます」
と淡々と用意した書面を読み始めた時の口調は丁寧だった。だが、疑惑を「誤解」と話し、
「不適切だったが、事務所費は実際に支出されたもの」と言い切った。
中堅議員でつくる「安倍晋三さんを支える会」の会長を務め、派閥の違う安倍首相を
総裁選で支えてまでして、当選6回で手にした「閣僚の座」。3カ月で手放すのがよほど
悔しかったのか、首相にこの日、報告した様子を覚えていないようで「興奮していたんだ」
「動転していた」とぞんざいな口調になった。
さらに議員辞職を考えているか問われると、「えー」と一瞬言葉につまり「それについて
は考えておりません」と口の端をゆがめた。
不十分な説明のまま会見は11分間で打ち切り。時折いらだちをあらわにするなど、
おわびの態度が見えない様子に、報道陣からは「説明が足りない」との厳しい声が上がった。
大臣室に戻った佐田氏は、約10分後再び報道陣の前に姿を見せたが、無視して足早に
エレベーターに乗り込んだ。
一方、地元・前橋市の事務所ではこの日、早朝から支持者やマスコミ各社からの電話が
鳴りやまず、秘書や職員は対応に追われた。辞任会見後、秘書らは「誠に残念。長年望んだ
大臣にやっと就任したというのに……。申し訳ありませんでした」と、テレビカメラに
深々と頭を下げた。佐田氏が会見で問題の支出が地元事務所などの経費の付け替えだった
とした点については「会計担当者も事務所長も上京し、我々には全く分からない」と苦しい
表情を見せた。
自民党群馬県連の金子泰造幹事長は同市の県連本部で急きょ、記者会見を開き「驚いて
いる。残念の一言。倦土重来(けんどちょうらい)を期してもらいたい」と肩を落とした。
▽政治評論家、浅川博忠さんの話 (佐田氏の入閣は)総裁選の論功行賞に走りすぎた
うえ、小泉純一郎前首相時代の積み残しを引き受けた形だが、安倍晋三首相の任命責任が
問われる。支持率がさらに落ち、参院選に向けてますます窮地に陥る可能性もある。とは
いえ、民主党も浮揚していないので、「下がり比べ」になるのかもしれない。安倍さんは
参院選後の人事に活路を見いだすしかないのかもしれない。
▽政治評論家、有馬晴海さんの話 政治資金収支報告書を出す時、事務所費などは領収
書がいらないし明細も書かなくてよい。架空の使途のストーリーを作って、報告するケー
スをよく見聞きしてきた。抜け道の多い制度を改める必要がある。佐田氏については、
別の政治団体でかかった経費を、事実上、家賃のかからないところ(問題となった政治
研究会)に付け替えたと説明しており、一層悪質だと思う。
*3
◇前首相の政治団体も同様の疑惑…後絶たない不透明記載
佐田行革相の疑惑でクローズアップされた政治団体の「事務所費」などの経常経費は
法律上、細目の記載や領収書の添付が必要ない。このため、一昨年に小泉純一郎前首相
の家賃二重計上疑惑が発覚するなど、政治資金収支報告書への不透明な記載は後を絶た
ない。
「(支出の)帳尻が合わないと事務所費に入れ(て操作し)た」。政治資金収支報告
書の作成に長年かかわっている衆院議員公設秘書が明かす。
政治資金規正法施行規則によると、事務所費は家賃、電話代など「事務所の維持に
通常必要とされるもの」と規定されるが、範囲は不明確で、明細の記入や領収書の添付
も不要だ。
小泉前首相の実弟が代表を務める政治団体「小泉純一郎同志会」は、03年まで神奈
川県横須賀市の実家敷地内に事務所を置いていたが、事務所費を毎年計上していたことが
毎日新聞の調べで発覚。同志会は03年に横須賀市内のビルにある「自民党神奈川県
第11支部」(代表・小泉前首相)の部屋に転居したが、その後も03~05年の3年
連続で年間405万~560万円(計1470万円)の事務所費がかかったと報告している。
党支部も年間591万~696万円の事務所費を計上しており、二重家賃支出疑惑が生じて
いる。
04年の国会で民主党から追及された前首相は答弁を二転させたうえ、細目について
「規正法上、記載の必要がない」と説明していない。
現職閣僚には、賃料がいらない議員会館を資金管理団体の事務所として報告しながら、
きわめて多額の事務所費を計上している人がいることも発覚。伊吹文明文部科学相の
「明風会」は事務所費として昨年、4146万円、松岡利勝農相の「松岡利勝新世紀
懇話会」も3359万円を報告した。伊吹文科相の秘書は「他の事務所の経費など」、
松岡農相の事務所は「内訳は報告の必要がない」と答えたが、不透明感はぬぐえない。
11月29日の参院政治倫理・選挙特別委員会で、井上哲士氏(共産)は「事務所費
を含む経常経費も領収書の写しを添付すべきではないか」と質問したが、菅義偉総務相
は「政治団体側に過大な事務負担となる(ので)規定された。各会派の議論をいただいて
結論を得る問題だ」と答弁するにとどまっている。
問題は佐田行革相だけにとどまらない。表面化した今こそ、改めて国会で真剣な論議
をしたうえ、規定を改め、透明性を高めるべきだ。
佐田氏はその犯罪が時効とか、やはり、党内からのcoming outでしょうか。もし、そうだとしたら、歓迎しますけど、トゲトゲしいですね。
厚労省は年収は曖昧に省令で(確か国会の承認は要らない?)
決める方針とか。ただでさえ過労死が言われている現在、こうした制度は必要か。法人税大幅減税、サラリーマンは増税。これが「美しい国」の正体か。(スミマセン、ここへ書き込んでよかったでしょうか。)
実は、私事でしばらくブログを閉じさせて頂く事となりました。しばらくPCにも触れないため、こちらのブログを見る事もできませんが、今後もずっと応援しています。
再開できましたら、またご挨拶しにきますね。来年の早い内に出来ればと思っているのですが…。
一年、お疲れ様でした。お体にお気を付けて。良いお年をお過ごしください。
そう言えば、何か父・ミッチ~が、そのような
失言をしたような記憶が・・・。^^;
党内か財務省か、そのタッグかという説が有力の
ようですね。何分にも自民党議員の多くは、小泉
政権時代にほとんど何もできずにジリジリしていた
でしょうから。あんな小僧のような安倍に好き勝手
にやらせてたまるか、という思いがあるのかも
知れません。
経済界の400万ラインの要望には、ビックリして
しまいました。調査によれば、そのラインの人こそ
一番生活費や教育費が必要で、何とか残業代でしのい
でいる人が多いというのに・・・。
<まあ、人数が多いからこそ、そこをカットしたいの
でしょうが。^^;>
自民党の1000万ラインとは、あまりに開きが
あって、大笑いです。
省令で決めるのは、絶対アブナイですよね。
国民貧窮化、奴隷化・・・これが、安倍氏の軍事化
された美しく強い国につながるのでしょう。
折角ブログを始められて、上昇モードでしたのに
残念ですけれど・・・。ご事情があるなら、致し方
ありませんね。
またのブログ復活&お越しを、心からお待ちして
います。(~~)
この件は、できれば今週、もう一度、記事で取り上げたいと思って
いますが・・・。
たぶん官邸は参院選や、他の法案、改憲などの支援との絡みもありますし、
厚労省は経済団体側と、他の労働関連法案を通すかわりにこの法案を通すと約束しているので、なかなか先送りしにくい感じになっているようですね。
900万以上を省令で決めるとしたなら、簡単に変えられるので、この要件は
意味がないと思います。
本当に次の選挙で、国民をナメるなと思い知らせたいですね。