改憲元年か?(4) ~公明・太田代表が、安倍陣営の裏切りを批判~
2007年 01月 08日
から、まさに猪突猛進に「改憲への道」をひた走っているように見える。
たった数日の間に、改憲に関する動きの報道がいくつもあった。
4日には自民党の中川幹事長が、安倍氏の会見を受ける形で、国民投票法案を通常国会
で成立させる考えを改めて示し、「同法成立後、民主党の鳩山幹事長に対し、国民的な
立場から憲法改正の論議を政党間で始めることを呼びかけたい」と発言した。<*1>
また5日には、安倍首相自身が、首相官邸で、中山太郎自民党憲法審議会顧問(衆院
憲法調査特別委員長)と会い、自民党の新憲法草案について、党員や国民の理解促進を
図るため、積極的にPRするよう指示したという。<*2>
そして安倍氏は、6日、現職首相として6年ぶりに明治神宮に参拝を行なった。これ
は、保守&改憲推進系の支持者・団体へのアピールのためだと見られている。<*3>
<自衛隊の国際貢献(憲法9条改正や海外派兵恒久法の必要性)をアピールするためか
イラク・サマワ入りした陸自先遣隊を率い、現地やマスコミで「ひげの隊長」と知られ
た佐藤正久1等陸佐を、参院選に立候補させることも決めたという。(*4) >
これに対し、7日、ついに公明党の太田昭宏代表が、訪問先の北京で記者団に対し、
参院選で改憲を争点化することは「時期尚早」だとの見解を示した。6日に、安倍首相
に電話でそのことを伝えたようだ。
また自民党が、公明、民主3党での合意を無視して、自民草案を中心に改憲の協議を
進めようとしていることを批判するような発言も行なった。<*5>
民主党も参院選を睨んで、国民投票法案に関して、今国会成立に協力することを先送り
するという話が出ているという。<*6>
もし、安倍首相&陣営が参院選で改憲を争点化することにこだわったり、これ以上、
自民草案に基づく改憲への動きを進めようとしたりする場合には、公明党や民主党が
今国会で国民投票法案を成立させることに対して協力するのをやめたり、万一の場合
は、参院選前の公明党との連立解消まで話が及ぶかも知れない。
<今回は報道記事キープの目的もあり、参照記事がかなりの数になりそうなのだが
ご容赦ください。>
* * * * *
公明党の太田代表が、ようやく安倍首相の改憲推進の姿勢について、口を開いた。
<もしかしたら、公明党&創価学会幹部(先生の意思も?)と、安倍氏の言動への
対応を検討していたのかも知れない。>
改憲を参院選の争点にすることに対しては、「時期尚早」だと。また「(首相が
改正という)結果を求めて走るという点ではニュアンスが違う」「中身がなければ
憲法改正を(参院選で)訴えるのはなかなか難しい」と指摘。
そして、首相らが憲法改正の政党間協議を呼びかけていることに関して、「民主党
も公明党も案がない。だからと言って自民党案を軸に憲法改正の議論をすることも
できない」「急いで改正の中身の議論に入るより、国民投票法施行までの3年間で、
各党が深い議論をすべきだ」と強調したという。
(1)(2)にも少し書いたが・・・。公明党はもともと改憲には慎重な立場で
<特に9条改正、集団的自衛権には反対>、現行9条の理念は維持しつつ、新たな
権利を付け加えるなら構わないという「加憲」という方針をとっている。
神崎前代表は、具体的に改憲の動きが始まって協議が調わなければ、連立を解消
することも示唆。太田現代表も、憲法改正への協力に関しては、自民党側と合意を
していない。
<太田代表は、学会の青年部の頃から、9条改憲に強く反対していたときく。>
ただ、公明党は連立政権を維持するために、本来は慎重論であった教育基本法の
改正に協力をし、さらに憲法改正のための国民投票法案を今国会に成立させること
にも協力をして来た。
国民投票法案に関しては、民主党が対案を出しており、今、与党案とのすり合わせ
を行なっているのだが、自公民の3党で、今国会に提出することで合意ができている
ようだ。<できれば、憲法施行60周年を迎える5月3日の憲法記念日までに成立
させ、同日に公布をしたいと考えているらしい。>
ただし、自公民3党は衆院の憲法調査会では、国民投票法案が07年に成立しても、
3年間は施行しないことで合意。また、衆参に新たに憲法審査会という憲法改正の
法案の条文を審査するための特別委員会を設けるが、審査権限を3年間凍結し、具体
的な改憲の法案の審査は3年間行なわないという合意も交わしている。
このような合意をした背景には、自民党側が「改憲を実現するためには、自民党
だけでなく、他党の賛成も必要だ<改憲の発議には衆参各2/3の賛同が必要ゆえ>。
自民党の改憲草案にこだわることなく、他党の改憲案も提示してもらい、協議した
上で、よりよい改憲法案を作りたい」という意向を示したことがある。
だが、民主党、公明党は、まだ党内の意見がまとまらず、具体的な形での改憲案
を作れる段階にはない。また自民党内には、05年に公表した自民草案に対して不満
を抱き、見直しを求める声もある。
そこで、一定の期間を設けて、各党で改憲案を検討&作成して持ち寄り、国会に
提出する最終的な改正案を作ろうという話になったのである。
<ただし、自民党は当初1~2年の凍結を考えていたが、公明党の強い意向で3年に
なったようで、中山太郎委員長は止むを得なかったが、不本意だと言っていたらしい>
これらの経緯があったことから、公明党はこの夏の参院選では、改憲は争点になら
ないと思い<民主党もそう思っていたに違いない>、少なくとも参院選までは連立
政権&選挙協力を維持して行くことを考えていたと思われるのだが。
安倍首相が、いきなり年頭の会見で、参院選で改憲を争点にすることを明言した
ことはもちろん、他党に改憲の協議を呼びかけたり、自民党草案をPRするように
指示したりしたことは、3党の合意を裏切る行為に当たるため、太田代表もその点
を強く批判するような発言を行なったのではないかと思う。
つまり公明党は「昨年暮れの約束と話が違うじゃないか!」と言いたかったので
ある。
公明党&創価学会は、ここまで連立政権維持のために、恐ろしく譲歩を重ねて来て
いる。また安倍政権誕生や、首相就任後の訪中にも一役買ったという話もある。
<太田代表は現在、北京訪問中だが、8日には胡錦涛国家主席と会談する予定で、
安倍首相からの親書を託されているともいう。>
しかし、重要な参院選を控えて、安倍陣営が公明党との約束を裏切り、また党の意向
を無視して改憲への道を突っ走るようであれば、どこかで思い切って連立解消を決断しないと
このままズルズルと改憲の方向に引きずられて行くことになる。安倍陣営に完全にナメられる
ことにもなりかねない。
<一部議員の中には、公明党不要論や多少のことにはツイテ来るという見解を述べるなど
もう公明党を軽視orナメている人もいるようだ。>
太田代表の発言を契機に、安倍陣営vs.公明党の攻防が始まるように思われる。
<つづく> THANKS
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*1
『安倍首相は6日午後、東京・代々木神園町の明治神宮に参拝した。明治天皇と昭憲皇
太后を祭る明治神宮への現職首相の参拝は、2001年1月の森首相(当時)以来、
6年ぶりだ。
モーニング姿で訪れた首相は、「内閣総理大臣 安倍晋三」と記帳。おはらいを受けた
後、内拝殿で二礼二拍手一礼の神道形式で参拝した。玉ぐし料はポケットマネーから
納めたという。参拝には、下村博文官房副長官が同行した。
首相は参拝後、記者団に、「日本国の安寧と発展、皇室の弥栄(いやさか)と世界の
平和、(9日からの)欧州訪問の成功をお祈りした」と語った。首相周辺は「伝統を大切
にする『保守』の姿勢を明確に示すのが参拝の目的だ」としている。<読売新聞4日>』
*2
『安倍首相は5日、首相官邸で、中山太郎自民党憲法審議会顧問(衆院憲法調査特別
委員長)と会い、自民党の新憲法草案について、党員や国民の理解促進を図るため、
積極的にPRするよう指示した。
首相は4日の記者会見で、夏の参院選で憲法改正を自民党の公約として訴えていく
考えを示したことを踏まえ、「党員に十分浸透させることが必要だし、どういう国を作る
か、国民との対話を広げなければならない」と強調した。
中山氏は憲法改正の手続きを定める国民投票法案に関する自民、民主両党との協議状況
を首相に説明した。会談後、記者団に「枝野幸男民主党憲法調査会長とは、ほぼ最終的な
詰め(の協議)になっている」と述べたうえで、5月3日の憲法記念日までの成立を目指
す考えを示した。<読売新聞5日>
*3
『自民党の中川幹事長は4日、広島県海田町で記者団に対し、憲法改正の手続きを定める
国民投票法案を通常国会で成立させる考えを改めて示したうえで、「同法成立後、民主党
の鳩山幹事長に対し、国民的な立場から憲法改正の論議を政党間で始めることを呼びかけ
たい」と述べた。
安倍首相が同日の記者会見で、夏の参院選で憲法改正を公約として訴える考えを表明
したことを受け、自民党として公約実現に向け環境整備を進める狙いがある。
中川氏はさらに「幹事長間の論議があってもいいし、(衆院)憲法調査特別委員会に
与野党の論客が出て議論を頻繁に行うということでもいい」と述べ、協議の形式にこだ
わらず、改憲に関する政党間協議を積極的に進める考えを強調した。<読売新聞4日>』
*4
『陸上自衛隊のイラク派遣で第1次復興業務支援隊長を務めた佐藤正久1等陸佐(46)
が、今夏の参院選比例代表の自民党公認候補として立候補する。関係者によると、佐藤氏
は11日付で自衛隊を依願退職し、自民党が近く正式に公認を発表する見通し。佐藤氏は
6日、毎日新聞の取材に「(参院選出馬を)前向きに考えている」と語った。
佐藤氏はイラク・サマワ入りした陸自先遣隊を率い、現地で「ひげの隊長」と親しまれ
た。現在は陸自目黒幹部学校の主任教官を務めている。<毎日新聞6日>』
*5
『【北京・高山祐】公明党の太田昭宏代表は7日夜、同行記者団に対し、安倍晋三首相が
夏の参院選で憲法改正の争点化に意欲を示していることについて「時期尚早だ」と述べ、
反対する姿勢を明確化した。
太田氏は首相と6日夜電話して意見交換したと説明し、「(首相が改正という)結果
を求めて走るという点ではニュアンスが違う」と指摘。「民主党も公明党も案がない。
だからと言って自民党案を軸に憲法改正の議論をすることもできない」とけん制。首相ら
が憲法改正の政党間協議を呼びかけていることに「国会で調査・審査活動をするのが
筋だ」と述べた。<毎日新聞8日>』
『公明党の太田昭宏代表は7日夜、北京市内で同行記者団と懇談し、安倍晋三首相が憲法
改正を参院選の争点にしたい考えを示したことについて「争点化は時期尚早ではないか」
と述べ、慎重な姿勢を示した。
太田氏は首相と6日夜に電話会談し、通常国会で国民投票法案の成立を期すことで一致
したと明らかにした上で、「急いで改正の中身の議論に入るより、国民投票法施行までの
3年間で、各党が深い議論をすべきだ」と強調。憲法改正案の政党間協議についても「民主
党も公明党も案があるわけではないので議論はできない」と指摘した。<産経8日>』
*6
『憲法改正の手続きを定める国民投票法案をめぐり、与党と修正作業を進めていた民主党
から「先送り論」が浮上している。安倍首相は通常国会での成立を目指す考えを表明して
いるものの、民主党執行部は夏の参院選を控え対決色を強める方針で、党内に与党と共同
歩調をとる姿を見せるのは得策ではないとの判断があるためだ。<共同通信6日>
安倍のお使いの太田代表やりましたね。
日本革新政党のオハコだったのだが。角栄氏いらい変わりましたね。公明は竹入さんではなしに----誰が懇意だったのでしょうか。
公明は公明なんですがね。 普遍的意義という意味で。それにしても懐が深い。広い。
済みません。本文記事と関係がなくて。
公明党のバックのあの方は、世界に進出しておられますから、
顔も(資金支援も?)広いのでしょう。
世界が平和でありますように・・・という言葉を実践して頂きたい
ものです。
は、胡錦濤国家主席ら指導層のことです。20年後、30年後、50年後を彼らは観るスキルを持っているように思います。 日本でそれ位のスパンで観る方といえば、--------- 森嶋教授、入江教授、寺島実郎さん---でしょうか??????????
錦濤国家主席ら指導層のことだったのですか?
私には、彼らがどこまで先のことを見据えているのかわかりません。
他の国々や国内の変化があまりにも早いので、その対応に追われて
いるように見えるときもありますし・・・。
中国は、どのような方向を目指しているのでしょう?
日本では、安倍氏も何十年後かに美しい国が完成することを夢見て
いるかも知れませんが・・・。^^;
私は寺島氏以外は知らないのですけど。20~30年後には、東アジア
地域が安定して連携するようになって欲しいです。