伊吹、松岡・・・小泉、中川・・・どんどん広がる政治資金不正報告問題
2007年 01月 11日
10日、伊吹文科大臣と松岡農水大臣が、政治資金収支報告書に不正or虚偽の記載が
含まれているのではないかという件を取り沙汰され、釈明会見を行なった。<*1>
両者は、賃料のかからない議員会館に置いた政治団体の事務所費を年に2~7千万
円かかると報告していたが、実際は事務所維持とは無関係の飲食費などの経費もこの
中に入れ込んでいたのではないかとの疑いが持たれている。
実はこの二人の事務所費の件は、当ブログではすでに昨年12月の記事<コチラ>で
触れている。毎日新聞がこのことを以前から報じていたからだ。
また、その記事でも書いたが、小泉前首相にも事務所費の二重払い疑惑があり、
04年の国会で民主党から追及された前首相は答弁を二転させたうえ、細目について
「規正法上、記載の必要がない」と説明していなかったという。<*2>
さらに読売新聞10日は、この他に中川昭一・自民党政調会長の「昭友会」、遠藤利明
文科副大臣の「新風会」、衛藤征士郎・元防衛長官の「新21世紀政治経済研究所」、
松本剛明・民主党政調会長の「松本たけあき後援会」も、議員会館に政治団体等を置き
ながら、多額の事務所費を報告していると報じている。
そもそもこれらの問題が生じるのは、政治資金規制法が事務所費などの通常経費の
支出の報告に、明細や領収書(orその写し)の添付を要求していないという欠陥が
あるからなのだが・・・。ただ、だからと言って、アレコレ何でも事務所費に入れ込ん
でしまっていいということにはなるまい。
そして、安倍首相は、佐田氏(元・行革大臣)を政治資金収支報告書の虚偽記載を
理由に閣僚を辞任させた以上、伊吹、松岡氏をはじめ他の疑惑を持たれている大臣や
副大臣に対しても、毅然とした対応をすべきではないかと思う。
伊吹大臣も松岡大臣も「実態のない架空な経費などを計上したり、他の団体の経費の
付け替えなどは行なっていない」「やましいこと、違法なことは一切ない」と強調し、
自分たちは、佐田氏のケースとは異なり、問題はないと主張したいように見えた。
伊吹大臣の場合は、事務所費の中に他の事務所の経費、飲食費、家族の交通費などが
含まれていると報じられている。
そして本人は、会見で飲食費等がはいっていることを認めた上で、
「わたしのような(それなりに大きな規模の)政治団体の長になると、どうしても必要
な食料費、冠婚葬祭の費用などがかなりある。領収書を取れないものもあり、人件費と
事務所費でしか処理できない」などと、やや開き直った感じの釈明を行なった。
<そして、具体的な質問には答えず、記者に「大臣、逃げないで説明して下さい」と
言われながら、ムッとした表情で会見の場を退席していた。
尚、松岡大臣は「誕生祝いの花とかも、はいっているようだ」と話していた。>
政治資金規正法施行規則によると、事務所費は「家賃、電話代、切手代など(中略)、
事務所の維持に通常必要とされるものを指す」とある。だが、政治資金収支報告書を
出す際には、事務所費等の通常経費には、明細の記載や領収書(orその写し)の添付が
求められていないため、実際のところは何に使われているかチェックできない仕組みに
なっている。
それゆえ、伊吹大臣も(ある意味では、実に正直に)語ったように、領収書のとれ
ないような出費をはじめ、アレコレの経費はここに入れ込んでしまう議員が多いのでは
ないかと思われる。議員会館に事務所を置いているかどうかにかかわらず、マジにチェッ
クしたら、このような形で様々な経費を事務所費に入れ込んでしまっている閣僚や議員
は、次々と出て来るかも知れないとも思う。
昨年11月に参院政治倫理・選挙特別委員会で、井上哲士氏(共産)が「事務所費を
含む経常経費も領収書の写しを添付すべきではないか」と質問したが、菅義偉総務相は
「政治団体側に過大な事務負担となる(ので)規定された。各会派の議論をいただいて
結論を得る問題だ」と答弁するにとどまったという。
これは詭弁というものだろう。民間人の常識から言えば、必要経費(&それに当たり
そうなもの)は、とりあえず領収書を残すのが当然だし、領収書がないものは、せめて
出金伝票で明細を残す必要があると思う。<大きい経費はやっぱ領収書がないとね。>
<そうしなければ、お勤めの人は会社等から経費を受け取れないところもあるし、自営・
自由業者は税務申告の際に経費として認められないことになっているのだ。そのために
一般国民がどれだけ苦労していることか・・・。(--)>
そもそも、この政治資金収支報告書の制度ができたのは、「政治とカネ」の関係を
クリアにして、限りなく贈収賄や不正な資金の受け渡し(選挙違反)に近い献金や支出
をなくし、国民の政治への不信感を取り除くためである。
議員の政治資金には、支援者からの寄付(献金)と党の助成金から配られたものが
含まれているのだが。献金をしてくれた支援者に対してはもちろん、党の助成金を
(税金で)出している私たち一般国民にも、その使い道をきちんと示す必要がある
だろう。都合の悪いものは、明細や領収書もなく、経費につけられるとすれば、結局
このような報告書を提出させ、公開している意味も乏しくなってっしまう。
改めて今国会で、政治資金収支報告書の支出には領収書(or写し)を添付するように
規則を改正することを提言したい。そして、マスコミはこれを機に、さらにしっかり
閣僚や議員の報告書をチェックして欲しい。<小泉氏や中川(昭)氏の件もね~。>
そして、安倍首相がどのような対応をとるのかにも注視をしてみたい。
<尚、塩崎官房長官は、「一政治家の収支報告にかかわる問題であり、政府として特に
コメントするものではない」と述べたという。(時事通信10日)>
最後に、この件では民主党の松本政調会長の名も挙がっているが、党も松本氏も
きちんと説明責任を果たし、問題があれば、役職または議員辞職を行なって欲しい。
そうでなければ、安倍内閣や自民党を思い切って批判できなくなってしまうからだ。
次々と安倍政権に問題が出ている今、ここでしっかりツッコンで行けるかどうかが、
地方選や参院選の結果にも大きく影響するという認識を持って、取り組んで行って欲しい。
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『伊吹文明文部科学相(衆院京都1区)の資金管理団体が賃料のかからない議員会館を所在地としながら多額の「事務所費」を支出したと政治資金収支報告書に記載し、一部を会合・飲食費や交通費に流用していることが10日、明らかになった。不透明な事務所費支出問題は中川昭一自民党政調会長、松岡利勝農相ら既に複数の政治家で発覚。年末には佐田玄一郎前行革担当相が辞任したばかりで、政界にまん延する実態が浮き彫りになっている。
伊吹氏の資金管理団体「明風会」は05年の政治資金収支報告書に事務所費として4146万円を計上した。この問題は毎日新聞が昨年9月8日に報じ、その際は事務所側は「(議員会館以外の)東京、京都の事務所の家賃で1500万円。交通・通信費、印刷費なども月200万円かかる」などと説明した。
10日に改めて説明を求めたところ、秘書官は、東京と京都の3カ所の事務所の家賃で計約1700万円と、切手代、通信費などを挙げたほか「飲食を含む会合費としても300万~400万円かかっているし、夫人や秘書の京都との往復交通費もかかる」と話した。
政治資金規正法施行規則によると、事務所費は「家賃、電話代、切手代など(中略)、事務所の維持に通常必要とされるものを指す」とある。飲食費や交通費は明示されていない。明風会は01~04年にも毎年4200万~4700万円の事務所費を計上している。
伊吹氏は10日夜、文科省で緊急記者会見し、「どうしても必要な食料費、冠婚葬祭の費用など、政策集団の長となるとかなりある。領収書を取れないものもあり、人件費と事務所費でしか処理できない」などと語った。
伊吹氏のほかにも、議員会館を主たる事務所としながら高額な事務所費を計上しているケースがある。中川氏の資金管理団体「昭友会」は05年に3096万円の事務所費を計上。昨年9月の毎日新聞の取材に「法の定める事項以外の詳細な回答はしない」と答えたが、10日は「議員会館近くの別の事務所の家賃を含めて計上しているが、詳細は調査中だ」とした。01年には7656万円、02年には6479万円を計上するなど年による大きなばらつきもある。
松岡農相の資金管理団体「松岡利勝新世紀政経懇話会」は05年、事務所費3359万円を計上するなど過去5年間で毎年2400万円以上を報告している。
一方、野党側でも発覚。10日、民主党の松本剛明政調会長の資金管理団体「松本たけあき後援会」が05年、約1866万円を事務所費として支出していた。同後援会は、兵庫県内の地元事務所の家賃や通信費などに充てていたなどと説明している。<毎日新聞 10日>』
*2
『 小泉前首相の実弟が代表を務める政治団体「小泉純一郎同志会」は、03年まで神奈
川県横須賀市の実家敷地内に事務所を置いていたが、事務所費を毎年計上していたことが
毎日新聞の調べで発覚。同志会は03年に横須賀市内のビルにある「自民党神奈川県
第11支部」(代表・小泉前首相)の部屋に転居したが、その後も03~05年の3年
連続で年間405万~560万円(計1470万円)の事務所費がかかったと報告している。
党支部も年間591万~696万円の事務所費を計上しており、二重家賃支出疑惑が生じて
いる。
04年の国会で民主党から追及された前首相は答弁を二転させたうえ、細目について
「規正法上、記載の必要がない」と説明していない。<毎日12月28日>』
JanJanニュース:政治・「沖縄科技大」は安倍政権の新たな火種になるか
http://www.janjan.jp/government/0612/0612065956/1.php
沖縄科技大の件は、去年一度書いたのですが、アップしそこなって
しまいました。学長候補も辞退、講師も集まらず、計画が破綻しそうな
感じですね。
尾身さんのことも、しっかりウォッチしておきたいと思います。