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日本がアブナイ!

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安倍&再生会議による「拙速&強引な教育改変」は、アブナイ!・・・頑張れ、抵抗勢力!


  24日、教育再生会議の第一次報告書が、安倍首相に提出された。

<コチラの官邸HPのページで、第一次報告書の概要、全文(PDF)が見られる。>

 安倍首相は記者団に「100点の案をまとめていただいた。これから法律にし、制度
を改革し、現場で実行していく」と語り、再生会議が提言した法案を今通常国会中に
成立させると明言したという。<+1>


 安倍氏は今国会で改めて憲法改正と教育再生への意欲をアピールし、その実績を示す
ために、改憲のための国民投票法案と教育関連の法案を成立させることを重要課題に
にすることに決めている。この課題をクリアすることで、急落している支持率や首相と
しての評価を巻き返したいと考えているという。
 彼はこれで国民に対して強いリーダーシップを示すと共に、特に改憲&国家再興勢力
に認められたいという意向があると思われる。

 だが、安倍氏は肝心な子供たちへの影響をほとんど考えていないように思われる。
 私がこの件を問題視するのは、単にアンチ安倍政権だからではない。もし拙速に、また
強引に教育を大きく改変しようとすれば、教育現場に混乱をもたらし、何より子供たちに
よからぬ影響を与えるおそれがあるからだ。だから、教育に関する改変は慎重に行なわ
なければならないと思うのである。
「とりあえず、やってみることが大事だ。やってみて、問題があれば変えればいい」
という意見を言う者もいるが。子供たちは実験材料にしてはなるまい。あとになって
「やはり、あれはよくなかった」と気付いても、子供たちの時間や影響は取り戻せない
のである。

 ましてや、一部の者の考えや思いつきで、教育内容やシステムを大きく変える法律を
作ることはどんなに危険なことか・・・。一つ間違えれば、子供たちはもちろん、家族
や教師、学校、ひいては社会全体や日本の将来にまで影響を及ぼすことなのにである。
 それも自分たちの思い<美しい国づくりごっこ>を遂げるために、また自分の首相
としての力を示すために、それを安易に急いでやろうとしているのだとすれば言語道断
であろう。
 

 教育再生会議が、色々な提言をすること自体は構わない。様々な分野の人の意見に
耳を傾けることは悪くないと思うからだ。伊吹文科大臣も、「再生会議には自由闊達な
議論を望みたい」と言っていた。
 ただ「再生会議の提案は提案として受け止めるが、すべてが実現できるとは誤解しない
で欲しい。」ということは、同会議の場でもはっきりと言い渡していた。「同会議の提言
のうち、どれをどのように法案化するかは、教育行政(文科省&中教審)の仕事だ」とも
公言をしていた。

 私はこれが妥当な考え方、方法だと思う。
 再生会議の提言内容については、別の機会に書きたいが、この中には私も賛同、評価できる
ものが少なからずある。そして、もし文科省をはじめ、多くの議員や関係者、国民などもそう
思えば、できるだけ早く法律にしたり、現場に導入したりできることだろう。
 ただ、教育内容・方法やシステムをあまりにも急激に大きく変えることには、やはり慎重に
ならなければならない。また今回の提言には、強圧的なもの、管理性が高いものも少なからず
含まれており、その分、危惧感も大きい。仮にある問題の解決には有効であっても、伊吹
大臣も示唆したように(後述)、同時に様々な副作用が生じるおそれも大きいからだ。
 教育は一部のところだけに目を向けて考えては、いけない。他の生徒、教師などへの
影響も考えて、全体観を持った思索を講じないと失敗する。不要なものを取り除けばOKと
いう外科手術のようなわけにはいかないのだ。

 私自身、文科省の施策が必ずしもいいとは思っていないが、少なくとも教育行政に関し
て、唯一責任をとり得るのは、文科省である。何か問題が生じれば、文科省が批判され、
対応しなければならないのは事実だ。
 再生会議には何の責任のとりようもない。彼らは言いっぱなしでいいような存在なのだ。
 こういう改変の問題が明らかになるのは、何年後かのことだろう。その時には、もう
安倍氏は首相ではない可能性が高い。そうであれば、責任がとれない。それこそ再生会議
など、もう存在すらなくなっているかも知れないのだ。


 だが、安倍首相は伊吹大臣や文科省の抵抗を意識してか、報告書が出るのに先駆けて
伊吹氏を22日に首相官邸に呼び、「私の言った(教育再生に関わる)法案はすべて
準備するように」と指示を行なった。
 また「(同会議が提案する)出席停止制度など、今の法律でもできることは、スピー
ド感を持って、(全国の)各教育委員会に通知するように」とも指示したという。

 要は、「ゴチャゴチャ言わずに、自分たち&再生会議の方針に従え!」と言いたかっ
たのであろう。
<「自分たち」→「安倍氏&彼のブレーンや仲間+国家再興勢力」かな?>
 実際、今回、再生会議が緊急提言として今国会での法案化を求めた提言は、再生会議
が始まる前から、安倍氏が提言していたもの<つまりはブレーンが考えていたもの>
なのである。最初から結論ありきの事項なのだ。
 しかも、それらは学校や教師をコントロールするための施策である。
 

 ふと安倍氏に、伊吹大臣が12月21日に再生会議で語った言葉をきかせてあげたい
気持ちになってしまった。<同日議事録より>

「たくましくなければ生きてはいけないけれども、やさしくなければ生きている値打ちがないと
いう言葉と同じように、現実を忘れてはやはり政策はできないけれども、理想を持っていなけれ
ば政策をやる値打ちがない。」

<この後段は、「理想を持っていなければ政策をやる値打ちはないけれど、現実を忘れ
ては政策はできない」に直した方が、安倍氏にはいい提言になるかも知れないが。>

「必ずあることを直そうとすると、そのことは直るが、副作用が出てくるわけだから、そのバランス
を考えながら動かしていかねばならない」

 
 これらは教育政策だけでなく政治全般や、私たち一般ピ~プルの仕事や生活にも当てはまる
ような含蓄のある言葉かも知れないとも思う。

 私たちは理想と現実の狭間で、それらを調整しながら生きている。どちらか一方に偏っては、
問題が生じることが多い。
 たくましく強いだけで、やさしさがなければ、一つ間違えると、ただの強権をふるう乱暴者や
脅威や強圧によって人を支配する者になってしまうかも知れない。
 強い薬は、患部への治療効果や即効性に優れているかも知れないが、同時に強い副作用を
もたらすことが多い。その副作用によって、かえって長い間、苦悩するケースも少なくない。

 私が、伊吹大臣に抵抗勢力として期待するのは、彼がこのようにまっとうなバランス感覚を
示すような発言を行なうことがあるからだ。
<教基法改正の国会答弁では、見解が合わずに腹が立つことも多かったけど?! ^^;
尚、同会議で副作用のことを言い出したのは、陰山委員だった。>


  伊吹大臣は、22日に安倍氏の指示を受け、「首相の指示であればその通りにする」と
答えたが、同時に「政党政治だから与党側も含めて話し合っていかなくてはいけない」
と指摘したという。
安倍氏らや再生会議の言いなりにはならないぞ、という意思が感じられる。
 また文科省の官僚も、「急に指示されても、法案作りが間に合うかどうか、また
国会日程から考えて、今国会中に審議、議決するのは難しいのではないか」と言って
いたという。
<法律を作るのは、条文の一字一句が重要になるだけに、とても時間がかかる大変な
作業であることが、安倍氏にはわかっていないのかも知れない。>

 また24日には与党側からも、報告書の内容への批判や疑問の声が出たという。
山谷えり子首相補佐官が自公与党で作っている教育再生検討会に報告書の説明に行った
ところ、『出席者から「ゆとり教育」の見直しに異論が続出。政府に対し、来週改めて
見直しの狙いなどを説明するよう求めた。また、これまでゆとり教育を推進してきた
文部科学相経験者らが、授業時間数の10%増加などについて「知識向上に重点が置か
れている。ゆとり教育が目指す人間力の向上が大事だ」などと相次いで反対論を表明。
さらに、体罰の基準緩和を明記したいじめ対応策に関しては、「現場の視点を持つべき
だ」との指摘が出された。<時事通信24日>』という。 


 ここには、官邸vs.文科省&与党(自民党文教族&公明党)、教育再生会議vs.中教審
などの権力争いも絡んでいるのだが。権力争いは、いい方向で機能すれば、均衡と抑制
の効果を生じさせる。今回で言えば、官邸が自分たちの好きなように専制的な政治を
行なおうとすることを、抑えることにつながる。

 安倍氏らの専制的な、また拙速な教育改変を止めるためにも、またよりよい教育を
行なって行くためにも、ここは伊吹大臣&文科省、そして与党の文教担当者の頑張りに
期待したいと思う。当然、野党はもっと頑張らなければならない。
 
 そして、もちろん、国民の声が重要であることも忘れてはいけない。<メディアもね!>
「残業代ゼロ法案」がいい例だ。メディアがきちんと国民に伝え、国民が批判や疑問の声を
あげれば、強引に法案提出や議決を行なうことは難しくなる。
 どうか多くの国民が、再生会議の報告書の内容や関連法案に関心を抱いて、教育のあり方
やシステムについて、考えて欲しいと願っている。


                      
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*1

『 安倍晋三首相は24日、首相官邸で開かれた教育再生会議(野依良治座長)の総会であいさつし「学校教育法など3法とも通常国会に改正案を提出する」と述べ、教育委員会制度を定めた地方教育行政法(地教行法)と教員免許の更新制を導入する教員免許法を合わせた教育3法の改正案を25日召集の通常国会に提出することを明言した。再生会議は24日、体罰の範囲を定めた法令・通知の今年度中の見直しなどを盛り込んだ第1次報告を決定、野依座長が首相に提出した。

 第1次報告を受けて首相は総会後、記者団に「100点の案をまとめていただいた。これから法律にし、制度を改革し、現場で実行していく」と述べ、「国会で十分な議論をしたうえで成立を目指してもらいたい」と意欲を示した。

 教育の目標や学校運営を定めた学校教育法の改正は、改正教育基本法に盛り込まれた「愛国心」表記をどう反映させるかが焦点。地教行法に関しては、教員人事権を都道府県教委から市町村教委に委譲させる案が浮上している。ただ、いずれも教育現場などに慎重論があり、取りまとめ難航が予想される。

 第1次報告は「社会総がかりで教育再生を~公教育再生への第一歩」の題名で、(1)「ゆとり教育」の見直し(2)安心して学べる規律ある教室(3)教育委員会制度改革--など「七つの提言」と、早急な取り組みが必要な「四つの緊急対応」などで構成。緊急対応の中には、いじめなど反社会的行動をとる子どもへの「毅然(きぜん)たる対応」を取るため、教室外への退去などを禁じた体罰に関する法令・通知の今年度中の見直しも明記した。

 また、教員免許の更新制を導入し、講習の修了認定を厳格に行うよう提唱。指導力が改善しない場合は地方公務員法などに基づく分限制度を活用し、教壇から排除する考えを盛り込んだ。授業時間の10%増やいじめる子への出席停止制度の活用も明記している。

 再生会議は5月に第2次、12月に最終報告をまとめる。これとは別に、地教行法改正の焦点となる第三者機関による学校、教育委員会の外部評価導入について、2月下旬をめどに制度設計案を検討する。【渡辺創】

  ■教育関連3法改正の主なポイント■

・学校教育法=教育の目標への「愛国心」などの反映▽副校長や主幹ポストの新設

・地方教育行政法=教育委員会への外部評価の導入▽人口5万人以下の市町村教委の統廃合▽教員人事権の市町村への委譲

・教員免許法=更新制の導入▽厳格な修了認定の仕組み
<毎日新聞25日>』
Commented by nike_mild at 2007-01-25 20:40
こんにちは、ご無沙汰でした^^

>こういう改変の問題が明らかになるのは、何年後かのことだろう。その時には、もう安倍氏は首相ではない可能性が高い。そうであれば、責任がとれない。それこそ再生会議など、もう存在すらなくなっているかも知れないのだ。

思い出すなあ~消費税導入のとき竹下が言ったことを・・

「私の目の黒いうちは、現在の3%の税率を上げることはしません」

確かに在任中には上がらなかったw
が、「目の黒いうち」って、首相にいる間だけ???

いいことを言っているように見える大臣がいたりするけど・・
私は騙されない!

それよりも事務所経費の問題って、どうなったの?
Commented by 語るに堕ちる at 2007-01-25 21:05 x
拙速の一語に尽きますね。

>>>「100点の案をまとめていただいた。これから法律にし、制度
を改革し、現場で実行していく」と語り、再生会議が提言した法案を今通常国会中に成立させると明言したという。

「100点の案をまとめていただいた。」には、委員一同、ケツの穴が痒いのではないでしょうか。   巧言---令色、気持ちが悪い。
Commented by 組合員A at 2007-01-25 22:53 x
以前書いたのですが、字数制限にひっかかりすべて掲示できませんでした。
再生会議には安倍首相好みの右寄りの人物ばかりでなく、リベラル思想の人物も入っています。そして会議の内容はかなりバランス感覚に富んだものです。ところが提言の段になると、まるで安倍氏がそのまま作文したかのような強圧的な文言が並びます。
「環境アセスメント」の人選は「推進7割、慎重3割」で構成するのが常と聞きました。つまり「反対意見も聞いているよ」というアリバイ作りですね。それと同じような印象を持ちます。

それにしても安倍氏のこの急ぎようは異常です。
提言が出てまだ10日しか経たないうちに「関係法案を成立させろ」というのは、他人の意見に耳を貸す気はないと宣言しているようなものです。
さっさと自分の思う教育方針にしてしまおうという歪んだ情念のようなものを感じます。
Commented by mew-run7 at 2007-01-26 16:44
ニケさん、コメント有難うございます。

どの首相も自分の政権維持のために、一生懸命ですからね~。
でも、やめてしまったあと、自分のやったことに責任をとる
人はいませんから。
小泉首相もそうですが、「郵政民営化法案さえ実現できれば、
あとはどうでもいいよ~ん、不具合が出た部分は勝手に対処と
しといてちょ」という感じです。
 
 私も伊吹氏を全面評価しているわけではないのですが。
安倍政権にとって、一番コワイのは、野党ではなく、身内の
支持がどんどんなくなって行くことだと思うのです。
だから、私は政府&自民党内の反安倍勢力も応援するです!

 新しい記事にも書きましたが、野党はまずは事務所費問題で
ツッコミを入れようと準備しているようです。
Commented by mew-run7 at 2007-01-26 16:44
 語るに堕ちるさん、コメント有難うございます。

 安倍陣営が準備していた構想を、きっちり書いてくれたので
「100点満点」なのかな?・・・と、思ったりもしました。
 安倍陣営には、教育の現場のこと、子供たちのことを本当に
考えている人がほとんどいないのが残念です。
Commented by mew-run7 at 2007-01-26 16:45
 組合員Aさん、コメント有難うございます。

 字数制限で、ご迷惑をかけてすみません。<私もいつも、これに
苦しめられているです。>

 政府系の諮問委員会などはすべてそうかも知れませんが、私も再生
会議は結論先にありきだと思います。重要な結論はすでに決まって
おり<それを支持してくれる人を、しっかり入れている>、おまけの
部分は国民を安心させられるようなお飾りの委員からの意見を付け
足すという感じなのではないでしょうか?
 ただ、かなりメディアに色々話してくれる委員もいるようなので、
そのうちボロが出ないかな~と期待しています。
by mew-run7 | 2007-01-25 15:35 | 安倍政権に関して | Comments(6)

by mew-run7
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