教育再生も何でも、安倍は国民ではなく「改憲勢力」のために?!+アブナイ2法案について
2007年 01月 28日
は何やら「犯罪収益移転防止法案(ゲートキーパー法)」なる問題法案が提出される
可能性があるという。
どうやらマネー・ロンダリング対策のために、依頼者が行う取引に犯罪収益が関連して
いる疑いのあるときに、弁護士にそのことを警察に密告することを義務づけ、報告をしな
かったことを理由に懲戒などの措置を可能にしようとするいう法律のようだ。
私はこの法案についてまだよくわかっていないので、今後、勉強して改めて取り上げ
たいと思うが。TBを下さった津久井弁護士がこの件の記事<コチラ>を書かれている
ので、ご覧頂ければと思う。
また当ブログで「常に警戒」扱いになっている人権擁護法案も、今国会に提出されない
ことが決まったようだ。<*1>
*1にもあるが、安倍氏は以前からこの法案に強く反対している。
05年9月、幹事長代理の時に、講演会でこんなことを語っていた。
『『人権侵害』の定義があいまいで、果てしなく解釈が広がる危険性がある。いいかげん
な形で(国会に)提出し、成立させてはならない。」また、人権擁護委員の選任条件に
国籍条項がないことを指摘し、「例えば北朝鮮出身者の人権を守っている朝鮮総連
の方々が委員になれば、私は真っ先に人権侵害を行っていることにされる危険性がある」
と語り、修正の場合は国籍条項の追加が不可欠との考えを示した。<毎日05.03.27> 』
私は、安倍氏が「言論の自由が守れない」という話をしていたのを見たことがある。
また、法律の定義が曖昧だと解釈が広がって危険だということがわかっているなら、何で
共謀罪を作ることはOKだと思うのか、不思議だったりもするのだが。(・・)
ただ、安倍氏が反対するメインの理由は、後半の国籍条項の方にあるのだった。
<拉致問題に関わる保守派の議員、識者も同様の理由で反対している。中には、人権擁護
委員だけでなく、人権侵害に関しても日本人に限るべきだと主張する人もいるときく。>
* * * * *
先日、『安倍&再生会議による「拙速&強引な教育改変」は、アブナイ!』という
記事を書いたが・・・。その続編を。
昨日、安倍氏の施政方針演説をきいていて「あれ?」と思ったことが一つあった。今
国会を「教育再生国会」としたいと意気込んでいた割には、再生の関連法案を、今国会
中に「成立」ではなく「提出」と語っていたからだ。<官邸HPの原稿も同様。>
しかも、内閣スタッフの中でも特に改憲&国家再興(教育含む)に熱心な下村副官房
長官<教育再生会議も担当>まで、こんなことを言い出した。
『下村博文官房副長官は26日の記者会見で、安倍晋三首相が今国会への提出を表明した
学校教育法など教育関連3法案について「この国会に提出し、議論することが首相の姿勢
だと思う。あとは国会の議論を見守るのが政府の立場だ」と述べ、今国会で3法案すべて
の成立にはこだわらない考えを示した。<毎日新聞26日>』
あれ? だって、安倍首相は、年頭所感(コチラ)では「必要な法改正をこの通常国会
で行う考えでございます」って言ってたのにな~。
以前も書いたように、法案というのは、急に言われてすぐ作れるものではないし。
それに、文科省は安倍首相の3法の国会提出の指示を受けて、とりあえず円滑な法制度
の整備を行うため、25日に「教育法制度整備推進本部」を設置したのだが。伊吹文明文科相は
初会合のあいさつで「中央教育審議会は飛ばせない」と従来の手順を踏む考えを示したというし。
<毎日新聞25日> 与党内でも、報告書への批判が出ているので、確かに法案成立への道のり
は険しいのであるが・・・。<コチラの記事参照>
で、何となくこの件に関連する報道記事を見ていて、「あ・・・。あの再生会議の報告書も、法案
の国会提出の話も、国民に対してというより、改憲勢力に対して自分が教育再生に前向きに取り
組んでいることをアピールするためのパフォーマンスだったのかも~」と思えるところがあったのだ。
毎日新聞25日は、こんな記事を載せていた。
『(素案ではかなりカットされていた)委員の意見がかなり採用された背景には、教育
改革をアピールしたい首相や下村博文官房副長官らの意向があった。
首相は昨年12月の総会で、「具体策を出してほしい」と委員や事務局に直接呼びかけ
た。年明けからは、運営委員会や分科会に下村副長官が出席し、「思い切って教育制度の
理想を示してもらいたい」と訴えた。「素案のままではメッセージ性に欠ける。文科省や
与党が反対するくらいの内容でないと、国民が納得しない」との首相官邸の危機感もあっ
たという』
首相というのは、政府&与党の長でもあるので(議院内閣制から考えても)、ふつう
なら与党や文科省もある程度は賛成してくれるような案を出すものなのだが。あえて
彼らが反対するくらいの内容にしたいと考えるのは、何故なのか?
それは、後半の「国民」の部分を「改憲(&国家再興)勢力」に置き換えると、わか
りやすいのかも知れない。
「文科省や与党が反対するくらいの内容でないと、改憲勢力が納得しない」との首相
官邸の危機感もあったのではないかと思える部分があるのだ。
田久保忠衛・杏林大客員教授は今月6日付の産経新聞正論欄で、「安倍さんはついに『向こう
の側』にからめとられたかの印象が強いのです」「浮雲のような支持率は気になさらずに、『こちら
側』で蛮勇を振るっていただきたい」と忠言したという。<産経新聞25日>
つまり、一般国民や抵抗勢力やの声は気にするなと。「改憲&国家勢力の側だけを考えて、
蛮勇(事の理非や是非を考えずに発揮する勇気。向こう見ずの勇気)をふるって、その道を突き
進め」ということだろう。
<コトの理非を考えずに向こう見ずの勇気を発揮する首相じゃ困るんだけど~。(>_<)>
もともと改憲勢力は、文科省や与党(特に公明党)に対してイラついている部分が大きい。
教基法の改正の時も、01年にはもうその方針が出ていたのに<小泉氏があまりこの方面に
熱心ではなかったこともあって>、改正案の準備がなかなか進まなかった。彼らは、文科省が
日教組を含む教員などの学校の現場に配慮したことや、公明党がアレコレ言ったために思う
ような改正案を作れなかったことに対し、かなり批判を行なっていたようだ。
今回の3法案も、改憲勢力は以前から提言していたのだが、文科省&中教審がそれらを
実現しようとしない上、また公明党が免許更新制度などに関してアレコレ言い出しているため
「もうあいつらに付き合ってはいられない」と思っている者もいることであろう。
安倍首相は、国民だけでなく、自民党内からの支持が低下していることもあって、もう改憲
勢力の支持を頼りにするしかない。
だから、せめて彼らが納得するような強いメッセージ性を持った報告書を出したり、せめて
関連する法案を作って、国会に提出するぐらいのことはしてみせたりしないと、「おまえは国家
再興のための教育再生をやる気があるのか」と批判されてしまうという危機感を抱いたのでは
ないかと思われる。
朝日新聞25日は、安倍首相がリーダーシップを発揮しているように見せるため
に、首相の指示で再生会議の報告書の3法案の部分を「今通常国会に提出」と書き換え
させたというような演出(やらせ小細工?)をしたのではないか、という内容の記事を
出していた。<*2>
今にして思えば、22日に安倍氏がわざわざ首相官邸に伊吹文科大臣を呼んで、
「私の言った(教育再生に関わる)法案はすべて準備するように」と指示を行なった
のも<コチラ参照>、改憲勢力に対するパフォーマンスなのかも知れないとさえ
感じてしまうところがある。
たまたま同じ日だったのかも知れないが、安倍氏は22日の夜、首相公邸で前出の
田久保忠衛氏、屋山太郎氏、桜井よしこ氏、金美齢氏、渡部昇一氏などと懇談会を開いたと
いう。彼らは超保守派で知られており、中には安倍氏のアドバイザーになっている人もいる。
その懇談会の様子について、産経新聞25日はこのように伝えていた。
『台湾人である金氏を公邸に招くことには中国の反発も予想されたが、安倍氏は気にもかけ
なかった。出席者によると、その金氏はこう語ったという。 「台湾の陳水扁政権がだめになった
のは、支持を広げようと中道に寄ったからだ。その結果、新しい支持者を掘り起こすどころか、
元の支持者まで離れた。安倍首相は、支持者を離さない対応が必要だ」
そして、渡部氏が「決心と決断とは違う。安倍首相は心に決めた決心を、時期を選んで実行に
移す決断をすればいい」という趣旨のことを話したところ、安倍氏は「わが意を得たり」とばかりに
うなずいた。会合後、安倍氏は「厳しい意見もあったが、話ができてよかった」と周囲に漏らした。』
なるほど。法案も、とりあえず国会提出の準備をして、時期を選んで「GO!」の決断を
するのね。
そして、すべては「美しい国づくり」のために・・・。安倍氏は、一般国民などよりも、子供たちのことなどよりも、私から見れば「あちら側」だけを見て、教育再生に取り組もうとしているのだ。
THANKS
【よろしければ、↓の上下それぞれののランキングのリンクをクリックして下さい。
と~っても励みになるです。(^^♪
日本の将来にとって大事な時期なので、ひとりでも多くの人に安倍政権や社会の問題点
を伝えられるように、ご協力をお願いします。<ランキング上位だと、そこから来て
読んで下さる人が多くなるので。>
組織票を持っていないので、最後まで記事を読んで下さった方々ひとりひとりのクリック
が頼りです。お手数ですが、上下ともクリックして頂けると有難いです。m(__)m】
↓ 何とか25位枠をキープしたい!崖っぷち状態が続く。
人気blogランキングへ
にほんブログ村 政治ブログ
↑ 政治部門は1位の座を陥落。またコツコツ上がらなければ!
*1、2は↓Moreの部分に。
*1
<人権擁護法案>今国会への再提出見送り 与党内調整進まず (毎日新聞)
差別や虐待などの人権侵害を簡易・迅速に救済するための機関「人権委員会」の創設
を柱とする人権擁護法案の今国会への再提出が見送られる見通しになった。法務省は
昨年4月、省内に検討チームを設置し、当初の法案を大幅に修正して再提出する準備
を進めてきたが、与党内の調整が進まなかった。
02年に提案された旧法案は、報道機関の取材を規制するメディア規制条項などへの
批判が強く、03年の衆院解散で廃案になった。政府は同条項を凍結したうえで05年
の通常国会に再提出する方針だったが、自民党の一部から「人権侵害の定義があいまい」
「人権擁護委員は日本人に限るべきだ」などの異論が出て提出できなかった。
法務省の検討チームは昨年8月、(1)人権擁護委員は日本人に限る(2)人権侵害の
定義を厳格化する――などの修正方針を示し、再提出を目指した。しかし、同法案に批判
的とされる安倍晋三首相が9月に就任したうえ、党政務調査会の検討部門「人権問題等
調査会」も休止状態になり、党内議論は全く進んでいない。25日の自民党法務部会で
法務省は、提出予定・検討法案のリストに人権擁護法案を掲げず、今国会への再提出
を事実上断念した。<毎日新聞1月26日> 』
*2
『「速やかに国会提出」が、数時間後には「平成19年(07年)通常国会に提出」に
――。24日にまとまった教育再生会議の第1次報告で、教員免許法改正案など教育再生
関連3法案の国会提出時期が「首相指示」で急きょ差し替えられた。ただ、先週つくられ
た報告案は、首相の指示を待つまでもなくもともと「通常国会提出」と明記されており、
首相のリーダーシップを演出したのでは、との見方も出ている。
「首相の強いリーダーシップ」「首相自らの強い決意」。総会後の記者会見で、再生
会議の池田守男座長代理と教育担当の山谷えり子補佐官は、提出時期を明確にした理由に
ついて繰り返し強調した。記者団には赤い字で「通常国会に」と書かれた報告が配られた。
山谷氏は会見で「国会の提出時期は、国会の問題で、再生会議としてそこまで(明確に)
言えるのか、という議論だった。首相の決意でこのように書き直した」と説明した。だが、
有識者メンバーの一人は「便宜的にいったん『速やかに』に戻し、首相のリーダーシップ
による変更を演出したのではないか」と疑問を投げかけた。<朝日新聞 25日>』
これまでは国会の論点に教育など取り上げる人はほとんどいなかったというのに、安倍氏が「教育再生」をうたいはじめたら、突然取り上げて欲しい項目のトップに上がりました。「嘘も百遍」という言葉が浮かびます。
それと高校での社会奉仕必修化も69%が賛成。一部の人間に苦役を強要していいのか?などとは考えもせず、「社会奉仕=善行」という短絡思考なのでしょう。
内閣府の夫婦別姓問題調査でも、自民党保守派の声が大きくなった途端に反対派が大幅アップ、賛成派激減。
イラク自衛隊派遣や首相の靖国参拝もそうでした。当初は反対が圧倒的だったのに、既成事実を重ねられるといつの間にか賛否が逆転して・・・。
日本人は、政府やエライ人の言う方向に常になびく「体制奴隷」そのもの。
私はこんな日本人が嫌いです。反吐が出るほど嫌いです。「あるある」の捏造にまんまと騙され、納豆に殺到した日本人。これが大多数日本人の本質です。
今は反対が多いホワイトカラーエグゼンプションも、与党が手を変えてくるうちに賛成が増えてくるのではないでしょうか? 日本人の体質を見てるとそう思えてなりません。
http://www.videonews.com/
の第304回の第2部でわかりやすく述べています。直近3か月分が有料(500円)ですが見る価値はあると思います。
私が一番嫌いなのは権力者が警察権力を使って一般市民を弾圧する世の中です。(戦前の特高やゲシュタポのように)どうも番組を見ていますと、今年の3月31日までに(国民に危険性がまだわからないうちに)成立を考えているようです。
mewさんのブログはリベラル系でも特に影響力が大きいですからぜひまた取り上げて欲しいです。このような多くの国民にとっての悪法は、保守とかリベラルに関係なく反対の声を上げて欲しいです。
組合員Aさんのコメントを読んで、ある日本人に関するジョ
ークを思い出しました。
定員オーバーの船から飛び降りさせるために、アメリカ人
には「飛び降りればあなたはヒーローになれる」、英国人
には「あなたは紳士になれる」、そして日本人には「他の人
はみんな飛び降りましたよ」と言えばいいというものです。
政治も教育も、自分の生活に関わることなので、もう一歩
考えてもらえると有難いのですが。WCEでは、多くの
人がNOと言っていたように、自分に身近でわかりやすい
問題への反応は素早いものがあります。<納豆もしかり?^^;>
お上の誘導に乗らないように、政治を身近にわかりやすい
ものに感じてもらえるように、政治家(野党)やマスコミが
もっと頑張って欲しいと思うです。
私も権力者が警察権力を使って一般市民を弾圧する世の中
が嫌いです。もっとイヤなのは、国民が知らないうちに
またはよくわからない状態で、そのような立法をしてしまう
ことです。<形としては、国民が自分たちで自分のクビを
絞める法律を作ったことになってしまうからです。>
それでは、民主主義の国とは言えないですよね!
サイトのご紹介、有難うございます。
先に活字で基礎知識をつけてから、見た方がいいかな~
と思っています。<ぼ~っとしたとこがある子なので、
昔から講義など話をきくより、自分のペースでものを
読んだ方が理解できるタイプなのです。>
時間が迫っているみたいなので、急がないとですね。
あと、やっぱりマスコミに取り上げて欲しいですよね~。
ある程度、理解できたら、記事にしてみたいと思います。