安倍首相&関連議員連盟のアブナイ動き+ 森氏も柳沢辞任派? + 伊吹文科大臣はやはりお怒り
2007年 02月 10日
取り上げるのは・・・
「森・元首相も柳沢辞任の必要示唆?!」
「安倍首相が、参院選で憲法改正を争点にすると明言、恒久法にも前向き」
「安倍氏が顧問を務める議員連盟が、慰安婦問題、南京大虐殺否定の検証を?!」
「山谷えり子氏(教育再生担当)の発言に伊吹文科大臣が反発」の4つを。
* * * * *
☆ 森・元首相も柳沢大臣の辞任の必要性を示唆?!
『自民党の森喜朗元首相は9日、TBSの番組収録で、柳沢伯夫厚生労働相の続投に
よる夏の参院選への影響について「(政府には)少し時間がたてばとの思いがあるかも
しれないが、野党やマスコミは承知しない。そういう意味から言うと非常に苦しい」と
述べ、避けられないとの見方を明らかにした。
その上で、森氏は「党のために、関係者がどうしたらいいのか考えるべきだ」と述べ
た。参院選までには厚労相の進退について改めて検討するよう安倍晋三首相らに求めた
発言とみられる。党内の一部で取りざたされる2007年度予算案成立後の内閣改造に
ついては「今そのことは考える必要はない」と語った。<時事通信 9日>』
森元首相は、安倍氏の政界での親(叔父ぐらい?)代わりの存在であり、もしかしたら
党内の長老格では、最も本心から安倍政権の存続を願い、サポートしようとしている
議員かも知れない。<ただ、安倍氏に十分な経験や力がないことを心配するまりに、
アレコレ口や手を出し過ぎる部分もあるのだが。>
また、総裁選の際に、柳沢氏に安倍氏の選対本部長を依頼したのは、森氏だという
話が出ていたことがある。
その森氏が、柳沢氏が続投しては参院選が非常に苦しいと述べ、柳沢氏の進退問題に
言及したことは、大きな意味があるかも知れない。
* * * * *
☆ 安倍首相が、参院選で憲法改正を争点にすると明言、恒久法にも前向き
『安倍晋三首相は9日夜、自民党の谷津義男選対総局長が、憲法改正を参院選の争点に
掲げるとした自らの方針に異論を唱えたことについて「そもそも憲法改正は党の綱領に
入っている。選挙でも訴えていくのは当然だ」と述べ、強い不快感を示した。
<時事通信 9日>』
前記事<コチラ>で、自民党の谷津選対局長が、「参院選の公約には改憲は入れず、
生活に密着した政策を中心にしたい」という趣旨の発言をしたことを伝えたのだが。
やはり、安倍首相は、どうしても改憲をメインの争点にしたいようだ。
ただ党内でも参院選を危ぶむ声が強いし、公明党との選挙協力の兼ね合いもあるの
で、柳沢辞任と改憲争点の問題はまだまだくすぶりそうな気がする。
ただ、以前コチラなどにも書いたように、安倍氏はもう改憲&国家再興勢力やその
支持者を頼りにやって行くしかない状況になっている。<それが今、彼が唯一信頼できる
固定支援者&支持層なのであろう。>
もちろん、支持率アップ&無党派層の取り込みのために、他の施策でもアピールを
試みるだろうが、安倍氏の政権構想の中心はあくまでも改憲&国家再興<軍事強化含む>
であることを忘れてはいけないと思う。
自衛隊をいつでもどこでも海外派遣できる恒久法を作ることを考えているのも、
その政権構想の一環である。
『安倍首相は9日午後の衆院予算委員会で、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法
制定に関連し「世界の平和と安定にいっそう貢献するため、国民的な議論の深まりを踏ま
えて検討したい」と述べ、あらためて前向きな姿勢を示した。非核3原則に関しては
「(日本の)核武装は考えられない。核軍縮を進める義務がある」と堅持する姿勢を重ねて
強調した。自民党の石破茂氏の質問に答えた。<共同通信 9日>』
コチラの記事などにも書いたように、恒久法ができると、いちいち国会で特別な法律を
作らなくても自衛隊を海外に派遣できるようになる上、任務や武器使用の範囲も拡大する
ような内容になっているため、日本の自衛隊の活動あり方が根本的に変わってしまい、
ケースによっては憲法9条に反するおそれも出て来る。<世界各国の日本への見方、日本
への信頼なども変容してしまうおそれがある。>
当ブログでは、この恒久法は最も警戒すべきアブナイ法案の一つとして、反対を唱えて
行きたいと思う。
尚、首相が「(日本の)核武装は考えられない。核軍縮を進める義務がある」と明言
してくれたのは、非常に心強いことだった。是非、世界の核軍縮のためにいい働きを
して欲しいと願っている。
* * * * *
☆ 安倍氏が顧問を務める議員連盟が、慰安婦問題、南京大虐殺否定の検証を?!
さて、コチラの記事で、米国議会に慰安婦問題の対日非難決議案が提出されたという
話を書いた<河野談話などの話も>。また、9日にはNHKの「日中戦争」(文化庁
芸術祭大賞受賞)が放映されていたが、今年は日本軍が南京占領70周年に当たること
もあり<南京を占領する際に、大量虐殺があったという主張がある>、米国でドキュメン
タリー映画が発表されたほか、米英、中、香港などでこの件をテーマにした映画が製作、
公開される予定だと言われている。
『自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」が9日、党本部で会合を開き、
従軍慰安婦問題で旧日本軍の関与を認め謝罪した93年の「河野洋平官房長官談話」の
見直しを求める提言を今月中にも取りまとめ、安倍晋三首相に提出する方針を決めた。
参院選に向け保守層を引きつける狙いがある。<毎日新聞 9日>』
『自民党有志議員による議員連盟「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」(会長・
中山成彬元文部科学相)は9日、日中戦争中の1937年12月から翌38年2月に
かけて、旧日本軍が起こしたとされる「南京大虐殺」の史実を検証する小委員会(戸井田
委員長)の初会合を党本部で開いた。4月中にも検証結果をまとめて公表する方針だ。
今年12月で旧日本軍の南京占領から満70年になるため、各国で南京大虐殺を題材
にした映画制作が進んでおり、「日本が認めていない内容が世界に広まる恐れがある」
との立場から、検証結果に基づき反論していくのが狙いだ。有識者からのヒアリングや
史料の収集、分析を進めるとともに、民主党の有志議員らと超党派の議連を結成する
ことも検討するという。<東京新聞 9日>』
この「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」は、97年に安倍晋三氏が中川昭一氏
らと作ったものであり、現在は2人とも顧問を務めている。<04年から若手の文字
が外されたという。> 米中韓なども、当然そのことは知っているだろう。
私は日本人の手で、特に先の戦争に関わる史実の検証を行なって欲しいと考えているが、
一部の議員だけでそれを行なうことが妥当かどうか、疑問を覚える部分がある。
もちろん、政治家も思想や学問の自由は有するので、個人的立場で何を研究しても構わ
ないとは思う。ただ、政治的な言動をする場合には慎重を期さなければなるまい。それが、
日本政府(ひいては国民)の見解だと受け止められるおそれがあるからだ。
ましてや、もし毎日新聞が書いているように「参院選に向け保守層を引きつける狙い」
で、このような活動を公な形で行なうのであるとするなら、尚更に疑問を覚えるところがある。
安倍首相は「安倍内閣として河野談話を踏襲する」ことを明言し、「歴史認識は識者の
評価に委ねる」と表明して、それを前提として米中韓など諸国との外交を行なっている。
もし安倍氏が直接関わっている議員連盟が、それらと異なる主張をし、米国議会に働き
かけたり<*1によれば、メンバーが訪米し決議採択阻止を目指すことを決めたという>
安倍内閣の談話見直しを提言したりなど政治的行動をした場合には、日本の外交政策に
影響を及ぼすおそれも小さくはないかも知れない。
<昨秋に安倍首相が訪中した際に合意した日中の識者による「歴史共同研究」の会合も
昨年末に始まったばかりである。コチラ参照>
安倍氏も個人的な考えは色々とあるとは思う。だが、まずは日本の首相として、どの
ように対応すべきか、よ~く考えて欲しいと思う。
<同議員連盟の活動を、安倍氏が容認または指示して行なっていると見られてしまう
かも知れないということも考慮した上で、対応を考えて欲しいとも思う。>
* * * * *
☆ 山谷えり子氏(教育再生担当)の発言に伊吹文科大臣が反発
『伊吹文明文部科学相は9日の閣議後会見で、山谷えり子首相補佐官が中央教育審議会
(文科相の諮問機関)の在り方を政府の教育再生会議で見直すと発言したことに関連し、
「別に中教審について意見を言っても構わないが、どうするかは総理なり内閣が決める
こと」と話し、「審議会そのものは公開しているわけで、再生会議よりはオープンだと
思う」とけん制した。
さらに同相は、「いろいろ再生会議だとか総理の私的諮問機関だとかあるが、ここが
何か言ったから行政をやるということではない」と、「官邸主導」の各種会議の在り方
にクギを刺した。<時事通信 9日>』
これも前記事<コチラ>の記事の続報である。7日、山谷えり子氏が中教審を批判し「再生会議
のメスを入れたい」などと発言したことに対し、8日、安倍首相がこの考えを否定。
山谷氏も発言を撤回したのだが。
やはりこの発言は、伊吹文科大臣を怒らせてしまったようだ。<内心、よしよしと
思う私?!(・・)> 頑張れ、政府&閣内抵抗勢力!
*おまけ
尚、民主党が教育法案の対案を出す準備をしているようなのだが<これは、内容が
よければOKなのだけど>。何だか、昨年国会に出していた教育基本法の民主党改正案
をもう1度国会に提出する案があるという報道も一つだけあった。私には、この意図が
チョット理解しかねる。
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『『河野談話見直し始動 歴史教育議連、訪米も計画<1月27日8時1分配信 産経新聞>
慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平官房長官談話の見直しを検討している
自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」小委員会は26日、本格的に活動を
開始した。米下院で慰安婦問題に対する誤解に基づいた対日本非難決議案が提出される
動きがあるため、中山泰秀小委員長らが早期に訪米し、採択阻止を目指すことを決めた。
会合では、防衛研究所の元研究員が「当時『従軍慰安婦』の言葉はなく、旧日本軍が
直接募集にかかわった事実はない」と説明した。
安倍晋三首相は昨年の臨時国会で、政府として「河野談話」を踏襲する考えを示したが、
旧日本軍による直接募集という「狭義の強制性」は否定した。「首相の本心は河野談話を
踏襲することではない」(同会メンバー)とされ、政府が河野談話の見直しに踏み切れる
よう側面支援していく考えだ。
また、同会は「南京事件」から70周年の今年、同事件を題材にした映画が公開される
ことを懸念し、新たに小委員会を設けて誤解を解く運動を行う方針。中山成彬会長は
「中国で外国人観光客が誇張、偽造された日本兵の残虐な行為の展示物をみれば、日本人
へのイメージダウンになる。言うべきことを言わないと、真の日中友好ははかられない」
と述べた。』
こちらの記事に触発されて書きました記事、トラックバックさせていただきます。
わたしも観ました。貴重な証言と映像でした。 再放送ですね。時宜をえていると思いました。 NHKにしかできない企画です。NHKももちろん戦時は国策に沿っていましたので、余計、客観的な歴史的事実を追及する企画をしたのでしょう。 戦争としないで 「事変」とした、欺瞞を理解することが出来ました。
TB有難うございました。記事&コメント欄の熱い主張を
拝読しました。
本当に民主主義をしっかり守らないと、日本はとんでもない
方向に行ってしまうと思います。
これからもよろしくお願いします。m(__)m
NHKには疑問を覚える部分も時にはありますが。それでも
あのような番組を作ることは民放では難しいので<たまに
地方局制作のいいドキュメンタリーを深夜に放映したり
するぐらいで>、NHKには「最後の良心&良識」を持った
メディアとして頑張って欲しいです。
コメントと、トラックバック有難うございました。
mewさまに、あんなに言って頂くと、勇気百倍です。
本当に有難うございました。
こちらこそ、宜しくお願いもうしあげます。
ご丁寧に有難うございます。
この危ない流れを止めるには、民主主義の力が
大切ですものね。
共に訴えて行きましょう。(~~)