安倍政権による「国会の私物化」＆「数の力での暴挙」を許すな！

　 仕事が忙しくて、「いっぱいいっぱい」になりつつある今日このごろ・・・ブログの更新が遅れ
気味になってしまいそうなのだが、ご容赦下さい。
＜アクセスして下さった方々、すみません。m(__)m　当分は、ランキングも低迷するかも
知れませんが。^^;　何とか粘って、コツコツ頑張りたいです。(･･)＞


　前記事でも、少し触れたが。２～３日の予算審議、議決の過程を見て(報道含む）私は
改めて「数の力」に脅威を覚えると共に、本当に大きな脱力感に襲われてしまった。
　何か大型ブルドーザーに乗って、委員会や衆院をのして行くような強権なものさえ
感じる部分があった。＜それは、小沢氏のいう「国民に多数を与えられているから
『文句あるか』という政治」という表現と重なる部分がある。＞

　私は前々記事＜コチラ＞で、これは「偽装国会」だと書いたが、むしろ安倍政権が
「数の力」を背景に、自分の好きなように国会運営をしているという意味では「私物化
国会」というべきなのかも知れないと思ったりもした。
　自分が関心のあること、都合のいいことしか国会（委員会含む）で扱わない。関心の
ないもの、都合の悪いこと、選挙に不利なことは無視or軽視してしまっているからだ。

　安倍首相は、予算通過後の記者会見で「教育再生は私の内閣の最重要課題で、国民
投票法案も極めて重要だ。すべての法案についてこの国会で成立を目指す」と表明して
いた。彼は野党や国民が関心を抱いている問題などどうでもよく、ともかくとっとと
予算を通して、自分の美しい国づくりに大事な法案のことしかアタマにないのである。

＜２日に衆院で予算を通過させることにより、参院でもめても年度内に予算が自然成立
するので安心なこと、また早く予算を通して地方選の準備をしたいという思惑もあった＞

　野党は、衆院の予算委員会で（国の予算や政治家の金銭にも関わる）「政治とおカネ
の問題」「格差是正の問題」、その他格差や少子化にもつながる偽装請負、医療や社会
福祉の問題はほとんどスル～してしまい、野党が「もっと審議が必要だ」と主張したにも
かかわらず、それを見事に無視してしまった。

＜以前から書いているように、議会制民主主義で最も大切なのは「審議」なのである。
政府与党はそれを通じて、国民に自分たちの考えや政策（法案、予算等含む）を説明
して理解を得るように努めなければならない。野党は、様々な問題点を提起して、
それを国民に知らしめたり、与党に法案の改廃や問題の改善を求めるなどして、より
多くの国民の意思を反映できるようにしなければならない。
　時に「民主主義は多数決の原則だ」「数の力は、結局、国民の意思の反映なのだ」
という見解を見ることがあるが、そうではない。ここで民主主義のあり方について
書くのは控えるが、もし「数の力＝国民の意思の反映」であるのなら、極端な話、
国会で審議など行なう必要はないのだ。どうせ通常は与党の方が議席数で上回って
いて、多数決をとれば結果は決まっているのだから、審議などする必要はなくなって
しまう。･･･だから、私は党議拘束なるものに、疑問を抱いていたりもするのだが。＞

　
　与党側は、２日に衆院本会議で予算を通すことを考え、委員長職権で２日に予算委員
会で採決することを決定。１７時半になったところで、「時間です」と審議を打ち切り、
同時に与党の委員が起立する形で、強行採決を行なったのだった。＜予算関連法案を
審議していた総務・金融財政委員会でも、強引な採決が行なわれたという。＞

　その後、予算案は衆院本会議に緊急上程されたが、野党側は予算委員長らの解任動議
を提出して抵抗。２２時半から始まった本会議では、民主党の枝野議員が予算委員長の
解任動議の趣旨説明を長々と行ない始めたことから、与党は対抗策を持ち出した。
　日をまたぐ延会手続きが行なわれたあと、「動議に関する説明や意見表明を１５分
以内に行なうこと」という動議を提出。わざわざ記名投票を行なって＜議員が壇上に
上がって投票する方式＞、それを可決。野党の審議長期化の抵抗を封じ込めを図った。
　そして文末＊１の報道記事にもあるように、何やかんやで午前４時前に予算が衆院
通過したわけであるが、「日本の政治や国会は、本当にこれでいいのだろうか」と
つくづく思ってしまったのであった。


　ちなみに、当初予算案を採決する衆院本会議が日をまたいだのは１９６１年３月以来、
４６年ぶりだそうである。＜最近では、０４年６月の参院本会議で年金制度改革関連
法案の成立まで約２２時間かかったケースがある。＊１＞

　何で、何十年ぶりにこんなに予算決議がもめたのかと言えば、前述の通り、与党が
野党の要求を退け、強引な手法を用いて本会議に持ち込んだからだろう。
　与党の議員や支持者にしてみたら、もう本会議に持ち込まれた以上、議席数から見て
勝負は決まっているのだから、何でそんなムダな抵抗をして時間を浪費する必要がある
のかと思う人が多いかも知れない。自民党の中川秀直幹事長も記者団に「大義なき抵抗
戦術だった。強い遺憾の意を覚える」と批判していたという。

　でも、圧倒的な数の力の前に、野党がメディアや国民に「与党のやり方はおかしい。
問題が大きい」とアピールするには、このような形の抵抗を行なうか、抗議を表すため
に採決や議決を拒否・欠席するか、どちらかしかないの実情だ。
　今回の場合は、もし議決を欠席すれば、その方が与党にとって議決がスムーズに行なう
ことができる上に、欠席した野党を批判できるなど、おいしい部分の方が大きい。それ
ゆえ、私はこのような抵抗の方法を試みたのも致し方ないと思う。
　ただ、一般国民がその抵抗行動でアピールしようとすることに気付いてくれなければ、
その意味もなくなってしまう。＜「また何か野党がゴネてるの～？」で終わってしまう
だろう。＞


　５日から参院で予算委員会が始まる。野党はここで、衆院では打ち切られてしまった
様々な問題の追及をしっかりと行なって、安倍政権の問題点をアピールして欲しい。
また、メディアも国民も、安倍政権が国会をこれ以上、私物化しないように、しっかり
ウォッチして行かなければいけないと思う。

　また機会があれば書きたいが、安倍政権はある意味では、小泉政権よりも横暴なところ
がある。何故なら、小泉前首相は、自分がＴＯＰとして行なった選挙で、郵政民営化や
構造改革を訴えて多くの議席を得て、それらに関する法案を強引に通したわけだが。安倍
氏の場合は、その小泉政権で得た多数の議席を使って、自分のやりたいことをゴリ押し
しているからだ。＜しかも、教基法改正は選挙によって、国民の理解を得ているとか、
とんでもないことを言ってしまったりする。^^;　（コチラ参照）＞

　この私物化＆暴挙を止めるには、やはり安倍政権から「数の力」を奪うしかあるまい。
　今の政治や国会運営に疑問を抱く人には、改めて、参院選で安倍政権に「ＮＯ！」と
いう意思表示をｓて欲しいと、切にお願いしたい私なのだった。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＴＨＡＮＫＳ
　
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＜＊印の報道記事は↓Ｍｏｒｅの部分に＞




*1

『０７年度予算案（一般会計総額８２兆９０８８億円）は３日午前４時前、衆院本会議
で与党の賛成多数で可決され、参院に送付された。採決に反対した野党が金子一義衆院
予算委員長の解任決議案などを提出して抵抗したため、２日夜の本会議は同日中に予算案
を採決できずに延会、３日未明までずれ込む異例の事態となった。衆院通過を受け、自民、
民主両党の参院国対幹部は３日朝、東京都内のホテルで会談、５日午前から安倍晋三首相
と全閣僚が出席し参院予算委員会で予算案の審議を始めることを確認した。

　当初予算案を採決する衆院本会議が日をまたいだのは１９６１年３月以来、４６年ぶり。
最近では、０４年６月の参院本会議で年金制度改革関連法案の成立まで約２２時間かかった
ケースがある。
　予算案は憲法の規定で、参院の議決がなくても衆院通過後３０日で自然成立する。２日
中の通過で年度内成立を確実にしたい与党と、３日にずれ込ませ自然成立だけは阻止したい
野党の思惑がぶつかった結果、最近では珍しい徹夜国会となった。自然成立の期日は４月
１日となるが、日曜日のため、与党は事実上の年度内成立が確保されるとしている。

　野党は金子委員長のほか、予算関連法案を採決した総務委員会の佐藤勉、財務金融委員会
の伊藤達也両委員長の解任決議案を衆院本会議に提出。民主党の枝野幸男氏が金子委員長の
解任決議案の趣旨説明に１時間半あまりも費やすなど引き延ばしを図り、徹底抗戦の構えを
アピールした。
　金子、佐藤両委員長の解任決議案をいずれも与党の反対多数で否決した３日午前２時半
ごろ、議員に疲労感が広がり、与野党が議場内で協議。税制改正など予算関連５法案の採決
を６日に先送りする代わりに、民主党が伊藤委員長の解任決議案を撤回し、当初の予想より
約２時間早い午前４時前に散会した。本会議は２日午後１０時半ごろから約５時間半続いた。

　この間、民主党の小沢一郎代表は２日深夜の休憩時間中に途中で退席、予算案採決を欠席
した。参院選対策の地方行脚による疲労のためとされるが、徹夜国会を仕掛けた野党の党首
不在に、与党からは激しいヤジが飛び、安倍晋三首相は終了後「記名採決だから。どうされ
たんでしょうか」と暗に批判した。
　採決後、自民党の中川秀直幹事長は記者団に「大義なき抵抗戦術だった。強い遺憾の意を
覚える」と批判。民主党の鳩山由紀夫幹事長は「審議不足を主張したが強行採決された。
きわめて残念だし国会に大変な汚点を残した」と語った。

　今後、国会の焦点は国民投票法案や教育関連３法案などの成否に移る。夏の参院選を控え
て会期（６月２３日）の延長は難しく、窮屈な審議日程のなか、与野党の駆け引きは激しさ
を増しそうだ。＜毎日新聞　３日＞』