麻生クーデター(?)が潰されたわけ (1)・・・10~12日の首相動静に見る安倍&麻生らの動向
2007年 09月 17日
<September2007>の文字をクリックしてください。】
この数日の間に、マスコミで「麻生クーデター」という言葉が使わ
れるのを何回か見聞した。(**)
<何と片山さつき氏も、TVで「これはクーデターですよ」と公言して
いた。>
「麻生クーデター」「麻生氏にだまされた」・・・これらの言葉が、
ポスト安倍は確実と言われた麻生太郎氏が、一気に不利な情勢に陥ら
れる要因になったと考えられる。
しかし、そのウラには、8月から「福田擁立」の準備を進めていた
旧・森派や新YKKなど多くの派閥の力も働いていたように思われる。
そして、麻生氏がややコトを急ぎ過ぎて、彼らの反感を買ったこと
が、今回の麻生包囲網、麻生潰しの動きにつながったのではないか
と思ったりもする。(・・)
色々な報道記事や首相動静を見ていたら、個人的に興味深いな~
と思うこともあったので、話を前記事の続きの10日から始めたい。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
10日、安倍氏は朝早くAPECから帰国した。
<この時、昭恵夫人と飛行機のタラップから降りて来る安倍氏の様子を
見て、私はちょっと「あら?」と感じたのだけど。(コチラの記事の上部参照)>
この日の首相動静を見ると、首相としての執務&この日から始まる
国会の所信表明の準備などが立て込んでいたせいか、午前中は全く
休む間もないほど、かなりあわただしく過ごしている。<*1>
衆参での所信表明が終わったあと、安倍氏は自民党の役員会に
出たのだが、ここで例の3人目の中川氏をはじめとする小泉チルドレン
3人が、平沼氏らの復党に抗議し、執行部を痛烈に批判。安倍氏は、
かなりつらそうな顔で、これをきいていた。^^;
そして、麻生氏は、この役員会が終わった夕方に、安倍氏が最初
に辞意をもらしたと話した。
<確かに*1にもあるように、麻生氏は焼く13分の間、院内大臣室
で安倍首相と会っている。>
麻生氏はこの時、「何を言っているんだ。頑張って欲しい」と引き
とめたそうだが、内心は複雑なものがあっただろう。
* * * * *
麻生氏は、ポスト安倍を狙ってはいるものの、まさに今から党内
実質№1の幹事長として、首相&党総裁になるための足場を固めようと
していたところである。もし安倍首相が早期に辞任するとしても、
もう少し準備期間が欲しいところだろう。
おそらく麻生氏としては、安倍氏がせめて給油新法を成立させて、
臨時国会を終えたところで辞任して欲しいと考えていたのではない
だろうか?<こうすれば、それなりの形もつくし、総裁選の準備も
できる。>
そして、10日の夜に、麻生支持派の会合(太郎会という名らしい)
が行なわれたという話を、コチラの記事でお伝えしたのだけど。、
その場でも、その方向で話が進んだのではないかと思われる。
ネットIBの記事では、こんな風に伝えられていた。(前記事*2)
『 その夜、麻生氏は派閥の側近議員たちと”祝杯”をあげた。
「次はいよいよ麻生政権だ」 そうした声があがった。
「麻生さんは安倍退陣表明の前にできるだけ総裁選の準備を進め、短期
決戦で一気に麻生後継の流れをつくる戦略を描いた」(麻生派議員)』
<今朝、たまたま、TV朝日のスパモニで「太郎会」のことを扱って
いたのだけど。
番組に出演していた太郎会会長の鳩山邦夫氏(麻生氏の意向で法務
大臣として入閣したと言われる)は、10日の会合は毎月第二月曜日に
開くと決まっている定例会で、口の堅い麻生氏は安倍辞任のことは全く
話していないと。あくまで2年後ぐらいを目指して、麻生氏を総理に
しようと盛り上がっていただけだと説明していた。
それに対し、他の議員(たぶん衛藤氏)が「3日の新聞に、『麻生
支持派の会合で、「ついに幹事長になった。次は総理だ。半年後には、
麻生政権を作ろう」と話していた』と出ている」と反論していた。(@@。>
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11日、この日は国会はなく、安倍氏は官邸で執務を行なっていた
が<代表質問の準備もあっただろう>、そこに何と旧・森派の兄貴分
中川秀直・前幹事長が訪れている。(・・)<*2>
時事通信12日によれば、「自分が弱かったから、こんなことに
なったんでしょうか」。幹事長長として政権を支えた中川秀直氏に対し、
首相は政権運営が手詰まりに陥ったことを認め、自らを責めたという。
また、町村派幹部に「やはり人事を任せたのがいけなかったのかな」
と漏らしたという記事があったが、これも中川氏のことかも知れない。
この時、安倍氏が中川氏に辞任のことを話したかどうかはわからない
が。もしかしたら、示唆ぐらいはしたかも知れない。そして、たぶん
中川氏はフランス外遊中の森喜朗氏に連絡し(急遽、13日には帰国)
旧・森派を中心に福田擁立の準備が進められたのではないかと察する。
それは、麻生潰しのための「麻生包囲網」作りの準備が始められた
ことを意味する。(**)
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ちなみに、11日には中川氏の少し前に、麻生氏が官邸を訪れて
いた。麻生氏の話によれば、11日も安倍氏は辞意について語って
おり、気持ちが変わっていなかったという。
そのあと中川氏が来ていたのを知って、私は何か皮肉めいたものを
感じた。(-"-)
以前、コチラの記事にも書いたが(コチラも報道記事も参照)、7月29日、
まさに参院選の投開票日の夕方、中川氏はやはり首相官邸を訪れていた。
自民党惨敗の可能性が高くなったことを受け、森氏らと話し合った上で、
「早く辞任した方が傷も浅く、再登板のチャンスもできる」との判断から、
安倍氏に首相を辞任するように説得に来たのだ。
しかし、安倍氏はもともと「まだ自分の使命(改憲&国家再興)は
終わっていない」という思いが強く、首相を続けたいと考えていた。
しかも、中川氏の直前に、麻生氏が官邸を訪れて、安倍氏の続投を
強く支持していた。それが安倍氏を心強くさせ、安倍氏は中川氏の提案
を拒み、その夜のうちにTVで首相続投を宣言してしまうのである。
<さらに、安倍氏はこの時から、旧・森派陣営より麻生氏を頼り、
彼に色々と委ねることになる。>
安倍氏は、もしかして、中川氏と会いながら、「もう少し、自分の
ことを本当に親身になって考えてくれていたかも知れない旧・森派の
親&兄貴分のアドバイスをきいた方がよかったかな~」と思っただろ
うか?(・・)
また、この日、民主党の小沢代表が会見で、「安倍首相と会談する
より、国会で議論すべきだと思う」と述べていた。
これは、9日に安倍氏がオーストラリアの会見で小沢氏との会談を
要望したことに対して、記者の質問に答えたものであり、この時点で
は、官邸や自民党から会談の申し入れは1回も来ていなかったという。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
そして12日、安倍氏は、やはり給油新法のことが気になったのか、
辞任する前に小沢氏にあいさつしようとしたのか・・・午前中、大島
国対委員長に「民主党側に、小沢氏に会って話をしたい」と伝えるよう
に依頼した。
<私なら、もしマジに話をしたいと思えば、何とか直接、小沢氏と連絡
をとるけどな~。・・・安倍氏はやっぱお行儀がいいのかしらん?(・・)>
大島氏は、国対委員の協議の場で、民主側に会談の話をするが。何分
にも、午後からは国会の代表質問で論戦を繰り広げようとしている時
だし、大島氏は「あいさつのため」と話したとかで、民主党側は了承しな
かったという。^^;
大島氏が官邸に行き、それを報告すると、安倍氏は麻生幹事長に連絡
して、改めて辞意を伝えた。「首相をやめるので、国会の代表質問は
受けられない」と言ったため、内閣&党幹部が集まって、すぐに辞意
表明の記者会見を行なうことに決まった。(++)
* * * * *
安倍首相は記者会見を終えたあと、実弟の(安倍家の三男、岸家と
養子縁組)岸信夫氏(参議院議員)を官邸に呼んで、岸氏は1時間半
ほど執務室に滞在した。
色々と説明&話しておきたかったことが、あるのかも知れない。
岸信夫氏は、記者団に「励ましに来た。明るかったけど、眠そう
だった」と答えていた。<眠れない日々が続いていたのね。(-"-;)>
その後、お友達閣僚と呼ばれた山本有二前金融担当大臣も、官邸に
顔を出していた。
安倍氏が呼んだのか、山本氏から来たのかわからないけど<それ
でも安倍氏がOKしないと、来られないしね>、何かこういう時に、
「本当の友は誰か」というのが見えて来るような感じもした。(ノ_-。)?
安倍氏は山本氏に「また一議員として党に戻って、一緒に頑張って
行きたい」と語ったという。(・・)
安倍氏はこのあとすべての予定をキャンセルして、午後5時過ぎ
には公邸に戻り、休んだようだ。<医師が待機していたとの話も
ある。>
そして、この頃、おそらく福田擁立の動きは、もう始まっていた
のである。(@@。
<つづく>
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【首相動静 時事通信より】
*1 9月10日
午前6時9分、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席を終え、オーストラリアのシドニーから昭恵夫人とともに政府専用機で羽田空港着。同24分、同所発。同46分、皇居着。帰国の記帳。同53分、皇居発。同7時3分、公邸着。
午前10時47分、公邸発。同48分、官邸着。「国会への意気込みは」に「全力で行きます」。同49分、執務室へ。
午前10時50分から同52分まで、与謝野馨官房長官。同58分、執務室を出て、同11時、閣僚応接室へ。同1分、臨時閣議開始。同16分、臨時閣議終了。同17分、同室を出て執務室へ。
午前11時25分、執務室を出て、同26分、官邸発。同27分、国会着。同29分、衆院自民党控室へ。同党両院議員総会、代議士会に出席、あいさつ。同53分、同室を出て、同54分、衆院本会議場へ。午後0時2分、衆院本会議開会。同10分。衆院本会議休憩。同本会議場を出て、同11分、国会発。同13分、官邸着。同14分、執務室へ。
午後0時37分、執務室を出て、同38分、官邸発。同40分、国会着。同41分、院内大臣室へ。同48分、同室を出て、同49分、参院本会議場へ。第168臨時国会開会式に出席。同1時8分、同本会議場を出て、同11分、国会発。同12分、官邸着。同14分、執務室へ。同20分、同室を出て首相会議室へ。同38分、同室を出て執務室へ。同55分、同室を出て、同56分、官邸発。同57分、国会着。同59分、衆院議長応接室へ。同2時、同室を出て衆院本会議場へ。同2分、同本会議再開。所信表明演説。
午後2時21分、衆院本会議散会。同本会議場を出て、同24分、参院議長応接室へ。同29分、同室を出て参院本会議場へ。同31分、同本会議再開。所信表明演説。
午後2時49分、参院本会議を途中退席し、同50分、国会発。同52分、官邸着。同53分、執務室へ。
午後4時19分から同25分まで、的場順三官房副長官。同55分、執務室を出て、同56分、官邸発。同57分、国会着。同59分、院内総裁室へ。同5時3分、自民党役員会開始。
午後5時24分、自民党役員会終了。院内総裁室を出て、同25分、院内大臣室へ。同26分から同49分まで、麻生太郎自民党幹事長。同50分、院内大臣室を出て、同51分、国会発。同53分、官邸着。同54分、執務室へ。
午後6時4分、執務室を出て首相会議室へ。同23分、同室を出て執務室へ。
午後6時27分から同32分まで、中山恭子首相補佐官。同44分、執務室を出て、同45分から同49分まで、閣僚懇話室前で報道各社のインタビュー。「国会が始まったが、今の気持ちは」に「緊張しますね。建設的な議論をしていきたいと思います」。同51分、官邸発。同53分、公邸着。
11日午前0時現在、公邸。来客なし。(了)
*2 9月11日
午前8時現在、公邸。朝の来客なし。
午前9時24分、公邸発。同26分、官邸着。同27分、執務室へ。同33分から同50分まで、与謝野馨、大野松茂正副官房長官。同56分から同57分まで、守屋武昌前防衛事務次官。同58分から同59分まで、白須敏朗、小林芳雄新旧農水事務次官。
午前10時、執務室を出て、同1分、閣僚応接室へ。同2分、閣議開始。
午前10時19分、閣議終了。同20分、同室を出て、同21分、執務室へ。
午前10時22分から同30分まで、増田寛也総務相。同43分から同55分まで、菅義偉自民党選対総局長。
午後0時2分、執務室を出て、同3分から同27分まで、小ホールで政府与党連絡会議に出席。同28分、執務室へ。同33分から同56分まで、麻生太郎自民党幹事長。同1時10分から同15分まで、太田昭宏公明党代表。
午後1時50分から同2時19分まで、中川秀直自民党前幹事長。
午後2時37分から同46分まで、津島雄二自民党税制調査会長。
午後5時16分、執務室を出て、同18分から同21分まで、閣僚懇話室前で報道各社のインタビュー。「自衛隊の給油活動の根拠法について新法での対応が検討されているが」に「どういうかたちで継続可能にするかどうかはまさにこれからよく中身を詰めていかなければいけないと思います」。同23分、官邸発。同25分、公邸着。
12日午前0時現在、公邸。来客なし。(了)
*3 9月12日
午前8時現在、公邸。朝の来客なし。
午前9時48分、公邸発。同50分、官邸着。同51分、執務室へ。
午後0時11分から同27分まで、自民党の大島理森国対委員長、小坂憲次国対筆頭副委員長。
午後0時40分から同46分まで、与謝野馨官房長官。同58分、与謝野氏と的場順三官房副長官が入った。同1時3分、大野松茂、岩城光英両官房副長官が加わった。同5分、的場氏が出た。同31分、自民党の麻生太郎幹事長、二階俊博総務会長、石原伸晃政調会長、尾辻秀久参院議員会長、山崎正昭参院幹事長、菅義偉選対総局長が加わった。同52分、二階氏らが出た。麻生氏残る。同54分、麻生氏が出た。同58分、執務室を出て記者会見場へ。同59分から同2時21分まで、内閣記者会との記者会見。同22分、記者会見場を出て執務室へ。
午後2時35分から同3時40分まで、岸信夫参院議員。同41分から同51分まで、与謝野官房長官。
午後4時47分から同5時7分まで、山本有二前金融担当相。同22分、執務室を出て、同23分、官邸発。「悔いはありませんか」に「(深くうなずく)」。「今のお気持ちは」に「…」。同24分、公邸着。
13日午前0時現在、公邸。来客なし。(了)