アフガンNGO職員の死に、これを自衛隊派遣に利用させまいと思う。
2008年 08月 28日
27日、本当に残念なことに、アフガニスタンで拉致されたNGO
団体ペシャワール会の伊藤和也さん(31)の遺体が、ジャララバード
から約40キロの山中で発見された。
伊藤さんが活動していた地域の村民などが数百名、彼の安否を心配し、
付近を捜索しており、村人が彼の遺体を見つけたと伝えられている。
ここに、伊藤さんのご冥福を心からお祈りしたい。
そして、私は伊藤さんのように行動力もなく、取り立てて何の力も
ない人間だけれども。せめて、このブログや、私にできる範囲で、
伊藤さんが考えていたであろう「平和な国や生活のあり方」「本当の
意味での国際貢献のあり方」を、訴えていきたいと改めて思った。
* * * * *
伊藤さんが亡くなった経緯については、まだ、詳しい情報はわから
ないのだが。ペシャワール会の会見や報道記事などを見る限りでは、
伊藤さんは、膝や脚部に5~6発、頭にも銃弾を受けた跡があり、
乱射されたような状態だったという。<頭に殴られたような跡があった
との情報もあるし、遺体の状況も報道によって様々だ。>
死亡推定時刻は26日の午前9時~10時頃。ちょうど、その頃、
犯行グループと地元の警察や村民による自警団との間で、激しい銃撃
戦があったとのことで。<その時に、伊藤さんと共に、拉致された
運転手は、自力で逃亡。また犯行グループ側で死傷者が出たようだ。>
現段階では、伊藤さんは、おそらく、この銃撃戦によって負傷し、
それが原因で死亡したか、犯行グループが逃亡の足手まといになると
思って、途中で殺害し、遺体を山中に遺棄したのではないかと推測
されている。
尚、犯行グループに関しては、タリバンであるという説と、地域の
他の部族であるとの説があり、まだその真相も判明していない。
<exciteニュースの関連記事はコチラなど>
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今回の事件、そしてその結末は、何重もの意味で残念であり、哀しく
思えるものだった。
最も残念&哀しいと思ったのは、やはり、本当の意味で、アフガンの
国民に役立つ活動を懸命にしていた団体&そのメンバーだった人が、
現地の犯行グループに拉致されて、死に至ることになったことだろう。
しかも、アフガンでは信頼が大きいと言われていたペシャワール会
のメンバーが襲撃されたことには、同会も他のNGO団体も、おそらく
は伊藤さん自身もショックだっただろうし。
また特に同会や伊藤さんが、献身的な活動を行なって来た地域の人
たちにとってもショックなことだったのではないかと思う。
果たして誰が何の目的で行なったのか、本当のところは、ずっと
わからないままかも知れないし。彼らが、伊藤さんの活動のことを
知っていながら襲撃したのか、また伊藤さんの命を奪うことまで
考えていたのか・・・それも、永遠に闇のままかも知れないけど。
ただ、事実&結果として、彼らが行なったことは、あまりにも罪
深く、また、その影響はあまりにも大きいように思われる。(ーー;)
* * * * *
中村哲氏は、『今月中にもジャララバードにいる同会職員8、9人
の全員を引き揚げさせるが、「伊藤君の遺志を継ぐ意味でもプロジェ
クトが止まることはない」ときっぱり述べた』という。<時事通信
27日より>
ただ、昨日も書いたように、ペシャワール会の中村哲氏や、アフガン
で諸活動を行なっていたNGOなどのメンバーは、近時、戦闘や治安の
状況が悪化していることを懸念していたのも事実だし。ペシャワール会
も徐々に撤退を進める予定であった。
もちろん、たぶん、伊藤さんもそうであったように、いざという時の
覚悟はもって活動している人も多いと思われるが。
これを機に、日本政府やアフガン政府からも、撤退の提案がなされる
だろうし。各団体が、後ろ髪を引かれる思いで、撤退する方向に動か
ざるを得なくなったとしても、致し方ないことだろう。(・・)
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私がもう一つ残念に思うのは、今回の事件を契機に、NGO団体の
活動には限界がある、安全確保に問題があるとして、やはりアフガン
には、自衛隊を出すべきだという声が強まることだ。
<ネットではもちろんだけど、TVでも、もう、それっぽいことを
言っている人がいた。(-"-;)>
日本の政府や、保守系の議員、識者、団体の中には、ともかく、
海外の戦闘地にどんどん自衛隊を派遣したくてたまらない人もいる
だけに、こう言っては何だが、このような事件をチャンスとばかりに、
アフガン派遣の話を進めようとする人たちが出るのは確実だ。(`´)
彼らは治安情勢の悪化に加え、「テロとの戦い」や「国際貢献活動」
の重要性を強調して、インド洋での給油活動の継続<新テロ特措法の
延長>をアピールするだろうし。
また早く、いつでもどこでも海外派兵できる「恒久法」を作り、
アフガンに空自や陸自の派遣を行なえるようにすべきだとも訴えるの
ではないかと思われる。(ーー;)
* * * * *
実際、米国は以前から、日本に給油活動以外にも、アフガンへの
自衛隊派遣を要請していたし。ブッシュ大統領にそれをお約束した
と思われる安倍政権は、何とかしてそれを実現しようとしていたの
である。(`´)
幸いに、参院選惨敗によって、安倍首相は辞任。自民党の一部や
公明党の意向で、アフガン派兵も可能だった「旧テロ特措法」は廃止
にされたし<新テロ特措法は、海自の給油活動が主体>。自民党の
安保部会が、年内の成立を目指して、法案の準備を進めている「恒久
法」も、公明党の抵抗で、成立のメドは立っていない。(・・)
でも、政府や自民党保守系議員+αたちは、チャンスさえあれば、
給油活動の継続だけでなく、陸自や空自の派兵をすることを狙って
いるのである。(ーー;)
<そのチャンスというのは、民主党の保守系議員の賛同を得られる
か、総選挙で自民党が政権を維持できた時(民主保守も引き込んで?)
ではないかと思われる。そうなれば、「国民の理解を得た」という
ことになるからだ。(-"-)>
* * * * *
しかも、私は、「ひとりでお茶」さんに頂いたTB記事を見て、
愕然とさせられたところがあった。(゚Д゚)
コチラの記事にリンクされた2つの報道記事には、あまりにも現実的
&具体的な計画や提案が記されていたからだ。^^;
『原油高で燃料費5割増=アフガン視野、陸自ヘリ改修-防衛省概算要求
防衛省は27日午前、2009年度予算の概算要求をまとめ、自民党の
国防部会などの合同会議に示した。総額は今年度当初比2.2%増の4兆
8449億円。このうち、航空機や艦艇などの燃料費は原油高の影響で、
同54.8%増の1799億円に膨らんだ。また、アフガニスタンなど
への陸上自衛隊派遣を視野に、輸送ヘリCH47の性能向上の費用も計上
した。
陸自の輸送ヘリCH47は、国内での活動を前提にしていたが、アフ
ガンなどの険しい高地にも対応できるよう、エンジンを高出力化。陸上
からの攻撃にも耐えられる防弾板を整備する。さらに、イラクやアフガン
で多用される仕掛け爆弾(IED)を探知するシステムや地雷処理装置
の研究も行う。<時事通信 27日>』
自衛隊の演習、活動にとって、原油高の問題も深刻になっているよう
なのだが。
今回はそれをヨコに置くとして、注目すべきは、後半部分である。(・・)
防衛省は、おそらくは、来年にもアフガンへの陸自派遣が行なわれる
ことを前提にして、ヘリコプターをアフガン仕様に改造するための予算
を、計上しているのである。(`´)
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もう一つは、民主党の前原副代表の発言の記事である。(**)
『アフガン支援、空自派遣も=民主・前原氏
民主党の前原誠司副代表は27日、都内の日本外国特派員協会で講演
し、アフガニスタンでの日本人拉致事件を受け、停戦合意後に自衛隊が
現地で医療・物資輸送などに当たるとした同党のアフガン復興支援策は
見直すべきだとの考えを示した。
前原氏は「アフガンの治安状況は悪化している。政権を担う可能性が
高いほど、具体的で実行可能な施策を打ち出すことが大事だ」と強調。
その上で「航空自衛隊による輸送を担うのも、一つの具体的な案として
考え得るのではないか」と述べ、空自派遣も選択肢になり得るとの認識
を示した。<時事通信 27日>』
正直を言えば、mew個人の感覚としては、アフガンで伊藤さんの事件
が起きている最中に、おそらくは伊藤さんが望んでいないであろう自衛
隊派遣の話を、公の場でしてしまう前原氏の神経に「???」と思って
しまう部分もあったのだが・・・。
まあ、これが講演のテーマや記者からの質問への回答だったかも知れ
ないので、あえて批判はしまい。(-"-)
ただ、前原氏は、もともと安保防衛政策に関しては、政府&自民党の
防衛族とほぼ同じで<つまり日米軍事同盟重視のネオコン>、米国の
求めるような海外派兵に熱心であることを考えると、彼の発言は、政府
の発言と同視していいのではないかと思われる部分がある。(ーー;)
* * * * *
実際のところ、米国は、つい先日も、日本側に空自のアフガン派遣
を打診して来たばかりなのだ。(・・)
空自は、06年からイラクで、主に米軍の兵士や物資の航空輸送
活動を行なっていたのだが。今年12月で、他国の軍隊がイラクで
活動できる期限が切れるため、同地から撤退する予定でいる。
<米軍は、地位協定を締結して、2011年末まで駐留予定。日本に
も駐留を望んだが、さすがにそれは困難だと判断された。>
この輸送活動は、米軍の武装した兵士を運んでいることから、武力
行使と一体化されたもので、憲法に違反している疑いが強かったのだが。
<今年、名古屋高裁が傍論ながら、違憲判断を下している。>
米軍にとっては、この原油高&兵士の手が足りない中、空自が無料
の空飛ぶタクシー(アッシーくん?)になってくれるのは、と~っても
役立つものだったらしく。<しかも、輸送機の燃料は、米軍から買って
たという報道もある。^^;> イラクを撤退するなら、今度は、アフガン
で、輸送活動を行なって欲しいという要請が来ているのだ。(>_<)
* * * * *
でも、私には、このような活動が、果たして、国際貢献と言えるのか、
大きな疑問があるし。<単に、米国貢献&日本の軍事力拡大の手段なの
ではないかと。(・・)>
何より、伊藤さんが、このような形の貢献の仕方を嫌い、武力を備えた
警護もつけず、アフガン国民のために、本当に役に立つ国際貢献&支援
活動を行なおうとしていたことを考えると・・・。
しかも、ある意味では、その信念や思いのために、自らの命を犠牲に
したことを思うと・・・。
少なくとも伊藤さんの死を、アフガン戦に関わる海自の給油活動の
継続や、アフガンへの自衛隊派遣の理由付けや大義名分、彼らに
とって、おいしい口実やチャンスとして、決して利用させてはならないと。
強く強く思ったmewなのだった。(@@。
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