NGO(非政府組織)の活動を、政治的意図で利用してはならない
2008年 08月 31日
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昨日30日、アフガニスタンで亡くなった伊藤克也さんの遺体が、
愛知県の中部国際空港に到着した。
遺体はまず浜松医大へ運ばれて、静岡県警による司法解剖が行われた
あと、掛川市の自宅へ帰宅をすることになっているという。
空港には、伊藤さんと両親も出迎えに訪れ、父・正行さんが会見で
このような言葉を語っていた。
「顔を見たら、お帰りと言ってあげたい。和也がやり遂げようとした
ことが、食糧の自給と安定を通じた平和だったことを(ペシャワール会
から)聞かされ、それほど大きなことだったのかとびっくりした。
志半ばで亡くなったが、自分のやりたい場が見つかり、出来ていた。
本望だったと思う。」
また遺体に付き添ってきた同会現地代表の中村哲医師(61)は、
記者団に「まず両親に申し訳ないという気持ちです。『和也も本望。
幸せだった』と声を掛けていただき、子をなくした親の気持ち考える
と掛ける言葉もなかった」と語った。
さらに「私も含め認識が甘かった。第2、第3の犠牲者を出さない
よう邦人の保護を徹底したい」と述べる一方、「アフガニスタンの人々
が十分に食べていかれなければ安定はこない」と、伊藤さんが取り組ん
だ農業事業を継続させる決意を強調した。
<以上、主に毎日新聞(父の発言の一部、読売新聞)30日より>
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伊藤さんが拉致されたという報道が出てから、お父さまが取材に
対応して話されているのを何度かきいたが。息子さんのことが、本当
に心配であったり、亡くなったことを無念に思ったりしながらも、
いつもできるだけ冷静に、息子さんのありのままを受け止めようと
しているように見えた。
伊藤さんの活動や死について思ったこと、考えさせられたことは、
本当にたくさんあって。何か機会あるごとに書いて行ければと思う
のだけど・・・。
私たちも、あるがままに、彼のことをとらえて行くことが、一番
いいのではないかな~と思ったりする。
一部の報道記事やブログ等を読んでいて、彼をあたかも自己犠牲
敵な奉仕活動やテロの犠牲の象徴のように表しているようなものも
あったけど。
私は、ことさらに、彼の活動や死を美化する気はない。(・・)
ただ、中村氏もお父さまも言われていたように、彼のやって来た
ことや、彼の死を無駄にしないことは大切なのではないかと思うし。
その中で、私たちにできることは、やはり、この件をきっかけに、
アフガンの現状を少しでも知ろうとしたり、他の地域も含めて、
戦争や武力行使における諸問題や、国際貢献や復興支援のあり方を
考えたりすることなのではないかと思うのだ。(・・)
そして、何より、日本政府やタカ派保守系の政治家や識者などが、
政治的意図や思惑を実現するために、伊藤さんの事件や死を利用する
ことだけは、許容してはならないと強く思っている。(**)
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しかし、案の上、町村官房長官をはじめ、政府サイドからは、この
件を「テロとの戦い」や自衛隊派遣に結びつけるような発言が出ている。
『町村信孝官房長官は28日の記者会見で、アフガニスタンでNGO
(非政府組織)ボランティア、伊藤和也さん(31)が拉致され、遺体
で発見された事件に関連し、「尊い犠牲が出たが、そうであればあるほど
日本がテロとの戦いに引き続き積極的に関与する重要性を多くの国民が
感じたのではないか」と述べ、インド洋での海上自衛隊による補給支援
活動の継続の必要性が一層高まったとの考えを示した。
町村氏はまた、1月15日に期限を迎える補給活動を延長するための
新テロ対策特別措置法改正について「前向きの対応で与野党が合意でき
るものであれば法案の修正を歓迎する」と述べた。
福田康夫首相も同日付のメールマガジンで「世界では今の瞬間も、
さまざまな地域で争いが続き、貧困なのでたくさんの人が苦しんでいる。
そういう地域や人たちに少しでも手を差しのべていくことが、伊藤さん
の遺志にもこたえ、平和協力国家としての日本の役割だ」と強調した。
一方、高村正彦外相は28日、アフガンのスパンタ外相と電話で協議
し、「あらゆるテロとを断固非難し、テロとの戦いへの決意を新たに
している」と表明した。対アフガン復興支援については「引き続き、
できる限りの努力をしなければならない」と伝えた。
<産経新聞 28日>』
* * * * *
先に言えば、私は、今回の件で、福田首相の対応は、それなりに評価
したいと思っている。
福田首相は、伊藤さんの死に際し、「高い志を持ち、現地の人と
ともに歩んできた伊藤さんの命を奪った行為に強い憤りを覚える。
断じて許されるものではない。ご冥福をお祈りする」との談話を発表
しており<毎日新聞8月28日より>、会見やメルマガでも、いわゆる
「テロとの戦い」や、自衛隊の派遣とリンクさせるような言葉は避けて
いるのが感じとれたからだ。
しかし、町村官房長官や高村外務大臣は、他の報道記事なども目を
通してみたが。彼らは、あえて、この件を、米国の主張する「テロとの
戦い」に結びつけようとする発言を行なっていた。
彼らももちろん、伊藤さんの死を悼んでいるとは思うが。ただ、ど~
しても米国の要請に応じて自衛隊派遣をしなければ、最低でも給油活動
を継続しなければということでアタマがいっぱいの彼らは、ついつい、
この事件を「チャンス!」と、感じてしまったに違いない。(ーー;)
幸いに、今のところ、何だか、マスコミやネット界の反応は、全体的
に、やや冷たいような感じもなきにしもあらず・・・なのだけど。(・・)
もし、また会見や国会で、このような発言をしたら、多くの国民が
「何、言ってんだか」という冷たい視線を浴びせてやって欲しいと
思ったりもする。(ーー;)
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私は、いつも書いていることだけど。世の中には、諸事について
様々な考えがあっていいと思っているし。
特に国の安保防衛&外交政策に大きく関わる、戦争や武力行使、
国際貢献のあり方などについては、色々な見解があるのが、自然な
ことなのではないかと思っている。(・・)
ただ、私は、日本の政府や保守系議員などが政治的な意図を実現
するために、伊藤さんの事件や死を利用するのが許容できないと
考える理由は、大きく言えば2つある。
一つは、伊藤さんはペシャワール会という、NGOのメンバーで
あったことだ。
NGOは、Non Govermental Organizationの略で、非政府組織と
訳されることもあるのだが・・・。
そのNGOの最大の存在意義は、国連も含め、関係各国の政府
とは一線を画し、各国政府の政治的な意図や諸状況の影響を受けず
に活動を行なうことにある。
それは同時に、各国政府が、自分たちの都合でNGOの活動を
阻害したり、それらを都合よく利用したりすることは許されない
ということにつながる。(ーー;)mewーteki niwa hansoku-waza!
もう一つは、伊藤さんが属していたペシャワール会は、ある意味
で、米国が主張し、日本政府も(無条件に?)支持している「テロ
との戦い」の対極にあるような方針で活動をするNGOだからだ。
ペシャワール会は、アフガンの国や国民が、平和で平穏な状態を
取り戻すためには、まずは各地域の一般国民たちが、少しでも自分
たちの地域を復興させて、生活が成り立つようにすることが必要なの
ではないかと考えている。
そして、伊藤さんも、その趣旨に賛同して、自分が高校、短大など
で学んだ来た農業の知識や経験を活かし、地元の住民の生活を立て
直すことに役立てればという思いで、同会に参加して、アフガンで
仕事をするようになったと思われるのだが・・・。(・・)
でも、今の米国型の「テロとの戦い」は、自分たちに従わない者は
「敵」とみなして、他国を巻き込んで、ひたすら攻撃を続ける米国の
姿勢は、アフガンの一般国民が、自分たちの生活を復興、再建する
ための大きな支障を与えることにつながっている。(-"-)
それゆえ、尚更に、彼の死を利用して「テロとの戦い」を強調すべき
ではないと思うのである。
過去の伊藤さんに関するブログの記事
「アフガンでのNGO職員の拉致事件に、日本の国際貢献のあり方
を考える。」<コチラ>
「アフガンNGO職員の死に、これを自衛隊派遣に利用させまいと
思う。」<コチラ>
<つづく> THANKS
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