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2010年 06月 27日 ( 2 )

小沢にとって、菅の消費税発言は、想定内&おいしいことなのかも。

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 最初に、ワールドカップの速報を。
 WC決勝Tに進出した韓国は、ウルグアイに1-2で敗れ、残念
ながら、ベスト8進出はならなかった。(-"-)
  
 さて、先週から、小沢一郎氏が、参院選のための地方行脚を
スタートしたのだけど。
 小沢氏の選挙活動の仕方は、毎度ながら感心させられるのだが。
 今回も、得意の川上の過疎地から、ビール箱に乗って演説という
パターンで、有権者の心をつかんでいるようだ。(・・)

<しかも、毎度ながら思うことだけど。地方の選挙活動で見せる
笑顔や丁寧な話し方を、半分でもいいから、幹事長の定例会見で
見せていれば、一般国民の小沢氏に対するイメージは、かなり
違っていたのではないかと思うのにな~。(~_~;)>

* * * * *

 そして小沢一郎氏は、案の定、菅首相が提言した消費税率アップ
の議論に関して、異論を唱え始めている。(**)

「菅首相がしきりと話しておられるようだが、地方経済にとっては
都会以上に深刻だ。消費税10%という話になると、自分としては
非常に心配している」。
「鳩山内閣でも、(昨年の)衆院選のときも4年間は(消費税を)
上げないという話をしてきた」「わたしは変わっていない」

* * * * *

 mew自身も、周辺の人たちも、菅首相が選挙前になって、
いきなり消費税の話を持ち出したことには、驚いた。
<消費税を上げることにはアレルギー反応を起こす人も少なく
ないので、決して、賢いやり方ではないもんね。^^;>

 また、菅首相の説明の仕方がわかりにくいものだったので、
参院選後、すぐに消費税が上がるのかと誤解する人も少なからず
いたようだし。実際、世論調査での支持率は、首相に就任した
直後よりも1~2割下がってしまっている。(~_~;)

 菅首相が、あえてこの時期に消費税の話を持ち出した理由と
しては、自分が提言する経済&財政政策に消費税などの増税
による税収アップが欠かせない要素になっていると考えたこと
があると思われる。(+_+)
 しかも、菅首相は、この「第三の道」論をサミットで発表する
つもりだったので、もし消費税に関して言及する場合に備えて、
事前にその話を国民にしておく必要があると思ったのかも
知れない。<結局、サミットでは消費税の話はしなかった
みたいだけど。^_^;>

 さらに、その方が、参院選対策としても、自民党が消費税論議
を持ち出した時に、対抗し得ると考えたところもあるだろう。(・・)
 
* * * * *

 では、果たして、小沢氏にとって、菅首相の消費税に関する発言
は、全く想定外のものだったのだろうか?(@@)

 mewは、小沢氏は、菅首相が消費税の話を持ち出すことは、
十分に予想していたのではないかと思っている。(・・)

 菅氏は財務大臣だった頃から、税制改革に備えて、消費税の論議
は必要であると語っていたし。(*1)
 菅氏側と小沢氏側が、事前に相談したかどうかはわからないけど。
小沢氏は、そういうこともあり得るとわかった上で、暗に容認or
了承していた可能性が高いのではないかと思うのだ。(**)

 菅首相が消費税の話を出したとしても、小沢氏にとって、不利な
ことはほとんどない。
 まあ、民主党の議席があまりに減ることがあれば、マイナスに
なる面もあるかも知れないけど。

 先日、居酒屋談義で話が出ていたのだが、もしかしたら、
どちらかと言うと、小沢氏にとっては、メリットになりそうな、おいしい
ことの方が多いのではないかと思えるところもあるのだ。(+_+)

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 まず、菅首相の発言によって、今回の参院選では、いきなり
消費税のことに関心や注目が集まることになって、野党の批判や
マスコミの扱いも、そちらの方がメインになっているのが実情だ。

 でも、そのお陰で(?)、野党や一部マスコミが思いっきり
ツッコもうと思っていた小沢氏の「政治とカネの問題」の話が、
ほとんどオモテに出なくなっているのである。(・o・) 

 小沢氏や民主党候補にとっては、この「政治とカネ」の問題は
厄介or面倒なものであるだけに、「ラッキ~」だと思っている
部分があるのではないだろうか?(@@)

<小沢氏は、検察審査会の審査も気になっているだろうから、
尚更に、この問題を野党やマスコミに取り上げて欲しくはない
だろうしね。(~_~;)>

 たぶん、このことだけでも、小沢氏&陣営にとっては、かなり
おいしいことなのではないかと思われる。(**)

* * * * * 

 また、小沢氏にとっては、菅首相が費税率アップを主張するのに
対して、自分がそれに反対する立場をとることは、本人のイメージ・
アップにつながるということがある。(+_+)
<国民の生活第一に考えてくれる「いい政治家」という感じを
与えることができるもんね。(・・)>

 さらに、もし菅民主党が、この参院選で思ったほど当選者を
出せなかった場合は、小沢氏らは「消費税の公約を守らなかった
からだ」と批判して、9月の代表選で、菅氏に代わる対抗馬が
立てやすくなるだろうし。

 仮に菅氏が代表&首相を続けることになったとしても、小沢氏
らが反対or様々な意見を出すことによって、彼らは軌道修正を
せざるを得なくなるし。<食品などの税率の低減や還付税の実施、
法人税や所得税、相続税などの見直し、目的税にすることなどなど>、
 それによって、小沢氏が党内の実権をある程度握るきっかけに
したり、小沢氏の手柄にしたりできる可能性もあるのだ。^_^;

* * * * *

 それどころか、小沢氏は、むしろ、ここで菅首相が消費税の話
を持ち出したことを歓迎しているのではないかと見る人もいる。

 小沢氏の最大の目標の一つは、「自民党を潰す」ことにあるの
だが、それが実現しやすくなる可能性があるからだ。(・・)
 
 今回、自民党は、勝負をかけて、政権与党として責任ある政治
をアピールするために、消費税10%を公約として掲げて来た。
そして、ここは、ある意味で、民主党の弱みでもあるのだ。(~_~;)

 小沢氏らは、消費税の話を出す前に、無駄遣いをなくしたり、
埋蔵金を活用したりするべきだと主張し続けていて、それも一理
あるには違いないのだけれど。
 でも、国民の大半は、仮にそのような施策を行なったとしても、
結局、近い将来、財源が不足して、社会保障に影響が出るのでは
ないかと不安を覚えているのが実情だ。(-"-)

 しかも、国民の半数前後は、消費税を上げるべきor上げても
仕方がないと考えて、いつまでも消費税の論議を始めない民主党
に対して、政権与党としての責任感が足りないのではないかとか、
選挙目当てで、国民にきこえのいいことしか言わないのではないか
という疑念を抱く人も少なくない。^^;

 でも、菅首相が、正面から自民党に消費税論議をぶつけること
になれば、自民党の勝負をかけた公約は、ほとんど意味をなさない
ことになってしまうのである。(・・)

<あとは憲法改正とか、外国人賛成権反対とかが、大きな違いに
なるわけだけど。今、これらの争点に関心がある国民は、ほとんど
いないと言っていいしね。^_^;>

 つまり、これは自民党を2度と政権与党の座に返り咲かせない
ために、有効な方策にもなるのである。(**)

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 それに、小沢氏自身、以前から消費税を10%に上げるべきだと
いう考えの持ち主であるし。<94年の細川政権の時には、当時の
小沢幹事長が、突然、7%に消費税(福祉目的)を上げることを
首相に発表させたこともあったぐらいだしね。^_^;>

 また、今は、景気が低迷を考慮すると共に、選挙対策を強く意識
していることもあって、自らはとても、今すぐに、消費税の論議を
始めたいとは言いづらい部分もあるとは思うのだけど・・・。
 
 ただ、実際のところ、今の経済&財政の状況は、小沢氏が以前、
想定していたよりも悪化していることは間違いないだろう。^^;
<リーマン危機による不況や税収悪化は予定外だっただろうし。
残念ながら、小沢氏が考えていたほど簡単には、埋蔵金が見つけ
られない状態にあるしね~。(~_~;)>

 そして、まだ政権をとって2年めであるものの、小沢氏&民主党
が考えた施策の中には、財源不足のために、実現が難しくなるもの
が次々と出ているだけに、もし小沢氏がもう一度、民主党の実権を
握るとしたら尚更に、誰かが早めに消費税アップに関する政府&
党内議論は始めておいてくれた方が有難いと思うところもあるかも
知れないのだ。(@@)

* * * * *

 果たして、この先、菅氏と小沢氏がどのような感じで関わって
行くのか、今の時点では全くわからない状況なのだけど・・・。

 菅氏と小沢氏の発言は、その気になれば、うまく刷り合わせを
することも可能だ。(・・)

 小沢氏は、09年の衆院選で、あと4年間は消費税は上げない
と。つまり、13年までは上げないと公言していたのであるが。
 菅氏は、10年の参院選で、消費税を上げるには、少なくとも
あと2~3年はかかると。そして、上げる前には、必ず総選挙を
行なって、国民に真を問うと約束している。

 ・・・ということは、菅氏、小沢氏or他の誰が党代表&首相で
あったとしても、10~11年に議論を行なって、細かいことを
色々決めて。12年頃に法案化して、その後に解散総選挙を行ない、
13年から消費税率を上げることにすれば、2人とも自分がクチ
にした公約を守ることができるのである。(**)

 つまり、小沢氏は、菅首相が単独過半数でもとらない限り
<それはそれで、自民党に大きな打撃を与えられるので、小沢氏
にとっておいしいことなのだ>、菅氏を批判して、「菅おろし」の
動きを加速させることもできるし。
 または、菅氏とうまく手を組んで、消費税に関してはそれぞれの
公約を守りながら、自分たちの施策の実現や、民主党の長期政権を
狙うことも可能なわけで・・・。

 以上、様々なケースを考えてみると、結局、今回、菅首相が
消費税の話を持ち出したことは、小沢氏にとって、有利なことが
多いのではないかという意見に対して、「うん、確かに、そうかも
知れない」と、思わず、深~く頷いてしまったmewなので
あった。(@@)
                    THANKS

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by mew-run7 | 2010-06-27 08:14 | 民主党、民進党に関して | Trackback(2)

菅首相の経済・財政政策のブレーン・小野教授の考え方(雇用創出による景気回復)

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 菅首相は、経済財政政策に関して「第三の道」をとることを提言。
 財政再建と経済成長を同時に実現する方法を考えており、その
手段として、消費税の増税を議論すべきだと主張している。(**)

<これが、一部の野党や多数の(?)ブログから、かなり大きな
批判を受けている。(~_~;)>

 ところで、菅首相は、経済政策を考える上で、2人のブレーンの
見解を重視していると言われている。

 この2人のことは、TV朝日の「報道ステーション」でも取り
上げていたのだが・・・。

 1人は、財務大臣の頃に、ブレーンとして内閣府参与に採用した
小野善康教授。<菅氏にとっては、東工大の後輩に当たる。>

 もう1人は、内閣府の下に設けられた政府の税制調査会で、
中長期の税制のあり方を議論する「専門家委員会」の委員長を
務めている神野直彦教授だ。
<神野教授は、社民党のブレーンでもあって、同党のセミナー
なども担当しているようだ。>

* * * * *

 mewは、正直なところ、経済学のことはあまり詳しくないの
だけど。<大学受験の政経や、超簡単な経済学の本+株式投資
の際に必要な知識などを学んだ程度で。^^;>

 ただ、菅首相が主張する政策を理解するには、この2人の考えを
ちょこっとでも理解しておいた方がいいかと思ったので、ネットで、
関連の記事や資料を探して、読んでみた。
 その中から、チョットとっておきたいなと思うものを、ここに
貼っておくことにした。(・・)

 もし関心のある人がいたら、お読みくださいませませ。"^_^"

* * * * * 

 この記事では、小野教授関連のものを、いくつか載せたいと
思う。

 wikipediaによれば、小野教授の理論の特徴は・・・

*「市場の不完全性」から不況を捉えるケインジアンとは異なり、
流動性選好説から不況を捉えるケインジアンである。

* 乗数効果に否定的。財政錯覚(いま税金を取られさえしな
ければ、未来に同じだけの負担が待っていようと、国民は気に
しない)を前提としないかぎり、ケインズの言うような効果は生じ
ないと考える。その一方、公共事業を全面的に否定するわけでは
ない。公共事業の中身を重視し、雇用の創出につながっていること
が重要、と主張する 

 ・・・であるとのこと。

 大雑把に言えば、菅氏が盛んにアピールしている「景気が悪い
時でも、増税をして、それを適切に雇用創出&内需拡大のために
使えば、デフレ脱却&景気回復ができる」という見解を提唱して
いるようだ。(**) 
<また、所得の多い人に対する最高税率は上げてもいいと言って
いる。>

 菅氏は、もともと雇用に関する問題に、かなり関心が深いので、
この見解を魅力に感じたのかも知れない。(+_+)
 
 mewは、↓に書かれたことなどを読む限り、小野教授や
菅直人氏が、新自由主義的(小さな政府的)な発想に立っている
とは、全く思えないんだけどな~。(@@)

<神野教授はさらなり。両者とも、むしろ、「やや大きめの政府」
志向だと言える部分もあるのではないかしらん?(・・)>


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 【金曜討論】財政再建 吉川洋氏、小野善康氏<産経新聞6月11日>

 これはかなり長い記事なので、コチラのリンクからどうぞ。

* * * * *

☆ 菅氏の「知恵袋」小野氏:金融緩和依存でデフレ脱却困難

4月16日(ブルームバーグ):菅直人副総理兼財務相の経済アドバイザーとして2月に内閣府参与に就任した大阪大学の小野善康教授(59)は、政府の金融・経済政策運営について、日本銀行の金融政策に依存した手法では、内需は喚起されず、20年来続いてきたデフレ状況からの脱却はできないとの考えを示した。

  小野教授は14日にブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。同教授は、日銀がコントロールできる貨幣量であるハイパワード・マネー(現金と日銀当座預金)と物価の関係は「バブル(崩壊)以前はマネーを増やせば、物価が上昇する関係が成立していた」が、バブル崩壊以降は全く物価上昇には効いていないと説明。

  その上で「こうした状況で日銀が金融緩和して、デフレ脱却ができるわけがない」と指摘し、日本がデフレ脱却で金融政策に依存してきた背景には「財政当局が増税で逡巡し、景気については日銀に押し付けたことが問題だった」と述べた。

  参院選を控え日銀への政府の追加緩和圧力が今後さらに強まるとの見方がある半面、小野教授を参与に指名した菅副総理の発言に微妙な変化を見てとる向きもある。シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは、金融政策に対する菅副総理の発言は「ここ1週間ぐらいトーンがちがう」と指摘。「日銀に対する政治圧力は基本的に弱まる方向」とみている。

  実際、菅副総理は今月12日、都内の講演で「日銀は、金融緩和は一定程度デフレ対策には効果があるが、ある意味では限界もあるという認識をお持ちのように思っている」と述べた。

          増税してでも雇用創出を

  小野教授はマクロ経済学が専門。1973年に東京工業大学を卒業、菅副総理とは同窓となる。現在は阪大社会経済研究所の所長も務める。自民党・小泉政権下の構造改革には批判的な論陣を張った。約10年前に雑誌の対談で知り合った菅副総理に請われ、2月26日付で参与に就任。すでに5回ほど開催された幹部官僚を入れない政務3役などとの私的勉強会では日本経済に関する持論を説明したという。

  同教授は、デフレを、物を消費するよりも現金を保有したいという志向の表れとみて、政府が内需の源泉となる新たな雇用を創出することで、消費や資金の流れを良くする好循環を作り出すべきだと主張する。そのため、政府が、不況期には増税してでも新しい仕事を創設し、逆に景気が良くなれば、減税し政府事業を減らすと約束することで、消費が活発化し、デフレの脱却につながると説く。

        不況期には増税、好況期には減税を

  自民党政権下では、景気が悪化すれば所得減税や公共投資などの景気刺激策を打つことが慣例だった。

  これに対し小野氏は「景気が悪くなると人々はお金を使わないので、増税して政府が事業を行い、人を雇い、増税分は直ちに国民に返すべきだ」と主張。「今までは逆だったために、景気の波を大きくした」と指摘する。一方で「民間がちゃんと物を買い始めたら減税すると確約すれば、民間は一生懸命、買うかもしれない。そうしたら、それで景気が良くなる」との考えを示した。

  菅副総理も12日の講演で、デフレの解決のため、「場合によっては増税をしても、使う道を間違わなければ景気が良くなると考えている」と述べ、事務方に検証させていることを明らかにした。

  小野教授は増税する税目について「私は所得税増税を主張している」と述べ、「なぜかと言えば、所得税の方が累進的なので、消費性向の低い高所得者層から税金が取れる。さらに低所得者層が受け取ったお金を消費に回せば、高所得者の所得にもなる」と説明。所得税の最高税率は「今は4割だったが、昔は7割だった。小泉政権の実態は所得の高い人にお金を渡しただけだった」と述べ、「最高税率は上げても良いと思う」との考えを示した。

  政府支出の対象としては「必需品は皆が買っているので、それを政府が買えば、これこそクラウドアウト(締め出し)が起こる」と述べ、そういう目で見て環境、介護、医療は良いのではないか」と指摘。また、環境税を創設し、その税収分を全部エコ製品のポイントの補助金に充てる制度を作れば、「今までの機能に加えた環境製品が売れる」と述べ、全体として消費者の負担も増えないと述べた。

           内需拡大で円安に

  為替相場と日本経済の関係については「完璧に円安の方が良い」との見解を示し、「円高が経済力の証拠という考えは全くの間違え」で、高度経済成長期の経験に基づくものだと説明。

  一方で「今は1ドル=93円ぐらいだが、もっと(円安に)行っても不思議ではない」と述べ、新しい政策で内需拡大を実行すれば「もっと円安になるだろう。そうすると日本企業は競争に勝ってくる」との見方を示した。

取材協力:日高正裕、下土井京子  --Editor: Norihiko Kosaka, KazuHirano

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 ☆インタビュー:失業率3%へ消費税上げも=小野・阪大教授

ロイター6月21日


[東京 21日 ロイター] 菅直人首相の経済ブレーンで、内閣府参与を務める小野善康・大阪大学教授はロイターのインタビューに応じ、菅氏が提唱する「第三の道」とは雇用創出を起点に需要拡大やデフレ克服、財政再建を進める政策と説明し、そのために資金が必要であれば増税も構わないと語った。

 雇用創出に向けて「消費税は来年からすぐにでも上げたほうがいい」とし、現在5%程度の失業率を「3%に下げるまで人を雇えるお金が必要だ」との見解を示した。
 また、増税分は借金返済に充てるのではなく、雇用創出とその所得支払いにまわすべきだと主張するとともに、税収の使途は、福祉目的税のように限定しないほうがいいとの見解を示した。
 デフレ克服については、デフレギャップを残したまま「お金の発行量を増やしてもデフレはなくならない」と指摘するとともに、日銀にデフレの責任を押し付けるべきではないと述べた。その上で、日銀は金融緩和をすでにかなりの程度やっており「これまで通りの金融緩和の姿勢を保ってほしい」と語った。
 インタビューは18日に行った。概要は以下の通り。

 ――菅首相の目指す「第三の道」という経済財政政策はこれまでの政策とどう違うか。
 「過去の自民党政権下で取られた第一の道は、消費者にお金をばらまけばいいというオールド・ケインジアンの発想であり、無駄な公共事業や減税、補助金を指す。第二の道は構造改革そのもので、1990年代以降に生産能力が余っているにもかかわらず生産能力を上げようとした小泉・竹中改革。双方に共通するのは、労働資源を活用することが頭になく、お金を使うか倹約するしかないこと。これでは需要と雇用は生まれない」
 「第三の道は、人に働いてもらうことが目的。そのために資金が必要なら、増税しても構わない。そうすれば当初の増税分は家計に所得として返るので、その時点で家計負担はないし、サービスや設備も提供される。雇用が増加してデフレも雇用不安も緩和されるため、消費が刺激され、経済も成長して税収が増え、財政も健全化していく」

 ――大きな政府になるとの懸念がある。
 「日本の公共部門の対GDP比の財政支出、人口1人当たりの公務員数は、OECD(経済協力開発機構)加盟国中でも最低水準。その意味で1990年代から最小政府だった。そもそも私が言っているのは公務員を増やせということでなく、あくまで余った労働資源を活用するということであり、民間へのサポートを政府がするということ。たとえば介護士の待遇をよくして雇用を増やせば、若い福祉職員の所得が上がり、デフレも緩和され消費も増えて税収も上がる。逆に民間に任せきりで政府が活動を減らせば、かえって失業者が増える。それは小泉構造改革で明らかになった」
 「財政支出を行う際、お金を渡すだけでは家計に埋もれて需要に結びつかない。また、必需品を供給しても、それまで買っていた分を減らすだけ。必需品ではなく、政府が何もしなければ十分に供給されないが、全くの無駄ではない分野に配分する。例えば介護や教育、壊れそうな橋の修繕や自転車道の整備など社会資本整備がよい。私は規制改革や公共事業反対論者ではない。人を働かせて雇用と新しい需要を創ることこそが重要だ」

 ――具体的に政府がすべき支援策は。
 「雇用などの助成金がわかりやすいかもしれない。政府が必要施設を作って無償で提供し、あとは民間で自由に競争してもらってもいい。介護ロボットの支給でもいい。どれも公務員を増やさず、民間の需要や雇用を増やすことができる」
 「子ども手当の現金支給は愚策。必需品を配るのも意味がない。あったらいいが、何もしなければ買われない物やサービスなら、その分の便益が増え、新たな雇用も生まれる」

 ――菅首相は消費税の増税を含む税制改革について2010年度内に取りまとめたいと表明。当面の消費税率は10%を1つの参考にするとしている。
 「消費税は来年からすぐにでも上げたほうがいい。数字については示せないが、失業率を3%に引き下げるまで人を雇えるお金が必要で、そうであればかなりの増税が必要となる。私は消費税が特にいいと言っているのではない。本来なら所得税を引き上げ、特に最高税率を上げて累進性を高めればいい。高所得者はお金を使わないからだ。また相続税の増税でもいい」
 「要は増税分を借金返済ではなく、雇用創出とその所得支払いにまわすということだ。それによって増税分の雇用が生まれる。低所得者の収入が増えれば、消費も増えて税収も上がる。増税による税収の使途は、福祉目的税のように限定しないほうがいい。使途は国民が意見を出して政治家が判断すべきことだ。目的税化してお金を配るだけでは雇用は生まれない」

 ――菅首相は2011年度までのデフレ克服を重要課題に挙げているが、これに対して日銀の政策をどう評価するか。
 「デフレギャップを残したままでは、お金の発行量を増やしてもデフレはなくならない。デフレの克服は総需要と雇用の拡大によってデフレギャップを減らすことでしか達成できない。バブル以前の需要不足でなかった時代には、ハイパワードマネー拡大が物価上昇につながったが、バブル以降はまったく効いていない。日銀も財務省も、それぞれ貨幣と国債という金融資産によって、最大限の信用拡大を行っている。国債への不安の高まりも、これが限界に近づきつつあることを反映している」
 「いま日銀ができるのは、貨幣の信用を維持できる範囲で、できるだけ金融緩和をすることだが、すでにかなりやっている。したがって、これ以上、日銀に責任を押し付けるべきではなく、これまで通りの金融緩和の姿勢を保ってほしいと言うべきだ」

 *小野氏の略歴は以下の通り。
 小野善康(おの・よしやす) 東工大卒、東大大学院博士課程修了。経済学博士。菅首相とのつき合いは10年前に雑誌で対談して以来。菅氏が前任の財務相就任後は、本格的に政策立案について助言を行っている。59歳。
 (ロイターニュース 梶本哲史記者、竹本能文記者、伊藤純夫記者)


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by mew-run7 | 2010-06-27 04:42 | 民主党、民進党に関して | Trackback(2)