カテゴリ:新自由主義&小さな政府( 19 )

ライブドア事件は新自由主義経済への「警鐘」になるが、市場にここまで影響するのはおかしい。

 16日、あの堀江氏がCEOを務めるライブドア社&関連施設に強制捜査がはいった。
 昨日の時点では事情もよくわからず、大した件でもないのに捜査にはいって、17日の
耐震偽造問題の証人喚問から目をそらす策なのではないかという話まで出ていたが、どう
やらライブドア本体も含めた粉飾決算や株価操作&不正利益取得の容疑があるらしい。

 堀江氏などの新自由主義経済の申し子たちに関しては、以前にも何回か書いたことがある
が<文末*1>、これは現在の経済社会や企業経営のあり方、そしてイケイケの新興企業の営者たちに対し、ある種の警鐘をもたらす事件なのではないかと思う面がある。
 
 しかし、その件は後述するとして、正直なところ私が驚いたのは、株式市場にここまで
大きな影響が出ていることである。
 どうも強制捜査が16日の夕方からはいったのは、単に日本の株式市場の終了(15時)
を待っただけでなく&その日は米国市場がお休みという点まで考慮してのことだったという
話があるのだが。検察庁が市場への影響を配慮したにもかかわらず、東証の日経平均は17日
18日と400円単位で下落した。しかも、18日には東証の売買システムが注文件数をこな
し切れないような状態になり(個人投資家の小口のウリ注文が殺到したらしい)東証社長が
「できるだけ注文件数をまとめて欲しい」と停止の可能性と警告のコメントを出したものの、
結局14時40分に全面的に売買停止される事態となり、19日以降も要注意だという。

確かに、今年にはいってから市場はやや加熱気味で、個人的には少し押してカームダウン
した方が(株価が少し下がって落ち着いた方が)いいのではないかと思っていたし、その
きっかけを探っていた関係者も少なくないと思う。だから、16日の報道が出た時に、これ
でITやベンチャー関連にウリが出て少し押すかなと思ったのであるが、ほぼ全面的に下落
を見せた上に、システムダウンの危険まで生じる始末になった。小口の個人投資家が狼狽ウリ
をして(ウリ好きも活動して?)、ウリがウリを呼ぶような形になったと思われる。しかし、
果たしてここまで市場に影響を与えるような事件なのか疑問に思う面も強い。

 ライブドア社は、特に近時、堀江氏のキャラや目立った言動に対してマスコミが注目を
していることもあって、世間一般での知名度こそ高くなっているが、日本の経済社会や株式
市場の中では、末端に位置するようなごく小さな会社である。こう言っては失礼かも知れ
ないが、客観的に見れば、ライブドア&傘下の会社が潰れたとしても、日本の経済や社会に
の大勢にはほとんど全くと言っていいほど影響がない。それだけ社会の中で実体的に大きな
役割を担っているというような会社でもないのである。<もちろん株主や関係者、利用者は
困るだろうし、気の毒だと思うが、それこそ自己責任の原則なので仕方あるまい。>
 それにもかかわらず、これだけ市場が混迷するのは、少し異常なのではないかと思う面が
ある。他の企業や一般投資家の中には、いい迷惑だと思っている人も少なくないのではない
だろうか?


*1

村上、三木谷、堀江は新自由主義経済の申し子たちかも(1)(2)
 http://mewrun7.exblog.jp/1553634
 http://mewrun7.exblog.jp/1643204

三木谷氏ら新自由主義の申し子たちvs日本型経営
 http://mewrun7.exblog.jp/1793248

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by mew-run7 | 2006-01-18 19:05 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(14)

「小さな政府」とは「国が国民に何もしない」ことを意味するのだ

総選挙のあたりから、急に「小さな政府」という言葉がポピュラーになって来た。
小泉首相や自民党議員たちが、選挙演説や国会やTV出演の場などで、やたらにこの
言葉を使っているからだろう。
 しかし、彼らは「小さな政府」という言葉の一つの側面だけを強調し、自分たちの
都合のいいようにしか説明しない(当たり前だと言われればそれまでだが)。そのため
に自分たちの生活を直接脅かすかも知れない重要な側面を知らないまま、幻惑させられ
ている人が少なくないように思う。<先日も近しい者とその話をしたのだが、「それ
じゃあ、半分詐欺みたいなものじゃない!」と憤慨していた。>

 私はここで声を大にして言いたい。

「小さな政府というのは、国家ができるだけ国民に対して何もしないようにすること」

なのだと。国民は自由競争の中で、自己責任の原則で生活することが求められるのだ。
 
 小泉首相は言う。「小さな政府にすれば、行政はスリム化して、ムダなものを削減すれば
、国の財政の負担も減るし、ひいては国民の負担も減る」と。「そのためには、民にできること
は民に、地方にできることは地方にだ。その方が国民もよりよいサービスが受けられるよう
になる」と。まるでユートピア<楽園>である。
 
<どうも「小さな」とか「スリム」とか「ムダや負担の削減」という言葉が、まるで「これさえあれば、
あなたもムダな脂肪を減らして、スリムになれます」というようなダイエット食品や痩身グッズの
売り文句のようにきこえるのか、それに幻惑されて「それはいいんじゃない?」と思ってしまう人たちが
少なくないように感じる。>

 小泉首相の説明はウソや誤りとは言えない。その意味では、詐欺とは言いにくい。
 しかし、行政をスリム化するということは、今までやって来たサービスを減らすとか、その分野
を削るということである。もちろん、本当にムダなものはいくらでも削って構わない。本当に民間
等に委ねた方が国民の利益になるなら、それでもよい。
 
 しかし、行政のスリム化は、教育や医療や福祉など国民の生活に直結する社会政策の分野
にまで及んでいるのだ。小さな政府の「できるだけ何もしない」というのは、そういうところまで含む
のである。さすがに日本は社会保障を全く行なわないようにはしないものの、採算性が重んじられ
そのサービスを受ける国民の自己負担はどんどん増えて行くのである。さらに社会保障名目の
増税も行なわれる。

 今、国立大学の授業料が年に50万円以上、入学金を含めて80万円以上するのをご存知
だろうか? 経済的に苦しい家庭の子供は、国立大学に進むことも厳しいかも知れない。しかも
国立の大学や病院は既に独立法人化され、今後ますます採算性が問われるようになるそうだ。
教育で言えば、国の義務教育の費用の負担を問題になっている。
 医療費の自己負担分も上げられる予定だ。高齢者でも2~3割負担になる可能性が高い。
総選挙後に成立した障害者自立支援法により、障害者も自己負担を課せられることになった。
(この法律は問題が多く、反対の声も多かったが、総選挙圧勝後、すぐに可決されてしまった。)
 また小売店や農水産業への保護も薄くなり、小規模の自営業者はどんどん困窮している。

 それでも多くの国民は「小さな政府」をユートピアだと思うのであろうか?

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by mew-run7 | 2005-11-14 02:58 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(20)

三木谷氏ら新自由主義の申し子たちvs日本型経営

 楽天vsTBSは、TBS優勢の状況になって来た。TBSは安定株60%以上を確保したようで、
さらに絶対的安定数の2/3を目指して安定株対策を進めている。楽天側はTBSに安定株対策
を進めないように(そうすれば楽天も株式の買い増しをしない)と要望したが、TBSはそれを拒否。
7日には、インデックス社とテレビ番組のネット配信を行なう会社を作ることで合意し、楽天との
全面的な経営統合をする意思がないことを示した形になった。
 一方、楽天はTBSとの攻防が長期化することに備えて、1000億規模の増資を行なうことも
検討しているという。(この増資は会社や三木谷氏にとって、色々な意味で危険かも。三木谷氏
は賭けにはいっているのかも知れない。)

 三木谷氏や村上氏にとって、プロ野球球団の話は、あくまでオマケのようなものだとは思うが
(メイン・ターゲットはTBS、阪神電鉄の本社なので)、三木谷氏はプロ野球のオーナー会議で、
野球協約違反の件で他の全球団から批判され、彼の主張は受け入れられなかった。また、
同会議では、オリックスが村上ファンドに出資している件も問題になったという。また阪神電鉄は
村上氏の阪神球団の株式上場の提案を完全に拒否する構えを見せている。
 
 これらの攻防を見て、日本がいまだに旧式の日本型の経営&社会の概念を引きずっていること
をなげき、これでは日本経済や社会の発展はどんどん世界に遅れをとってしまうと憂いている人
も少なくないときく。それは新自由主義経済を目指す彼らにとって、抵抗勢力なのかも知れない。
 だが、正直を言えば、私はその旧式の概念を引きずる抵抗勢力を少し応援してしまっている
部分がある。私の中には、そう簡単に新自由主義の申し子たちの思うようにはさせないぞ、という
思いがあるからであろう。それは単に「出るクイを打つ」ということだけではなく、メジャーになる
には、もう少し全体観を持ってほしいという願いも込めてのことである。
 
 前回も書いたように、彼らの株式や株式会社&株主に対する考え方は決して間違ってはいない。
自分たちのビジネスに対する考えも、間違ってはいないと思われる。
 ただ、私は彼らには日本の社会全体が見えていないように感じる。そこにはいい面もよくない面
もあったとは思うが、日本の経済や社会がここまで成長して来た背景には、旧式の日本型経営の
存在が大きいのである。多くの企業はそれで安定した経営ができたし(その配下にある会社や
工場なども含めて)従業員たちや家族も、それなりに地道にコツコツ頑張れば、ある程度報われ
て、安定した生活もできたのである。もっと地に脚をつけた形で、ものづくりをして来たのである。
 彼らはまだ自分のビジネスやその周辺のことしか見えてないのかも知れないが、もっと広い
視野をもって進んで行かないと、たぶん壁にぶつかってしまうのではないだろうか?

 7日には、経団連の新会長にキャノンの御手洗富士夫社長が内定した。ITにも関連する業界
からは初めての会長である。彼は創業者のおいごさんだが、長い間キャノンUSAの社長をして
いて、アメリカ型の経済社会も体験している。だが、おそらく日本を外から見ていた分、日本の
社会や国民性や日本型の経営を客観的に把握して、そのよさも問題点もわかっているのでは
ないかと思う。
 彼は大きな赤字を抱えるキャノンを再生したことでも知られるが、構造改革推進派ではあるもの
の会社の従業員のことも考え、ものづくりや愛社精神を大事にし、終身雇用制は堅持する意向の
ようだ。
 彼が今後、どのような形で日本の経済界をリードして行くのかも興味深い。

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by mew-run7 | 2005-11-09 17:52 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(15)

村上、三木谷、堀江は新自由主義経済の申し子たちかも(2)

 楽天の三木谷社長が、26日、TBSとの件に関して記者会見を開いた。
 TBSが株式を買い増ししないように要請したにもかかわらず、楽天はさらに4%の
株式を買い増ししていた。その件について問われ、彼はこう答えた。
「何で買っちゃいけないのか、大変正直、わからない」と。

<つい誰かさんの「どうしていけないのか理解に苦しむ」という言葉を思い出してしま
ったのは、私だけだろうか?^^;>

 前回、三氏がスピードと効率性、そして能力&株式の力を重視しているという話を書い
たが。今回の件でも、それが顕著に現れているように思う。
 ネットの世界はそろそろ成長度に限界が見え始めている。それゆえ、堀江氏同様、三木
谷氏も新たなステージとして、ネットとメディア(特にTV放送)の融合をして行くことを
考えた。彼はその有望性を説き、「今はスピードが速く、以前なら20年かかったことが
3年で実現できる」「3年後に三木谷の言うことは正しかったとわかる」とまで言った。

 そこで、彼はTBSとの提携を考え、昨年来から話を持ちかけていたようなのだが。
TBS側は業務提携を考えたのに対し、三木谷氏はかつての堀江氏同様、株式を媒体と
した資本提携に強くこだわっている。そこが今回の問題を大きくしている要因でもある。
 そして彼はTBS側が株式の取得をしないように要請したにもかかわらず、この10
月にいきなりTBSの15%の株式を取得し、筆頭株主に躍り出て、業務提携どころか
共同持ち株会社を設立しての経営統合を提案したのだ。(要はTBSを半分ほど買収し、
支配しようということである。)
 TBSは不快感を示し、さらに株を買い増ししないように要請すると共に、質問書
を送付するなどしつつ、防衛策を講じるための時間稼ぎをしていた。それに業を煮やし
た三木谷楽天は、さらに株の買い増しを進めたのである。

 三木谷氏は記者会見やインタビューで主張する。
「株式を取得した方がお互いの利害が一致する」からであり、「経営統合した方が、
両社の株主の利益になる」と。「株主総会を考えれば、株式数が多い方がいいから」
買い増しを行なった。「市場に出ているものを買ったのだから(どこがいけないのか?」
「(防衛策の)新株発行は、株主の利益を害するので行なうべきではない」
 株、株、株・・・である。
 
 彼らは、株式を信奉しているとも思えるほど重視し、大きな価値観を置いている。
 村上氏は株式投資が本業であるから当然とも言えるが、三木谷氏や堀江氏にとって
は、株式が大きな力になっているからである。株式は会社や彼ら自身の資産や利益を増や
し、事業拡大(M&A等含む)の武器にもなっている。会社がここまで急成長できたのも
株式の力によるものと言っても過言ではないだろう。それゆえ彼らは、株式を基準にもの
を考えるのである。
 しかも実のところ、後述するように彼らの株式に関する考え方は、正論だと思われる部分
も大きい。特に新自由主義経済においては、株式の存在や用い方は重要な要素になる。
 そして彼らにしてみれば、自分たちは合法的に理にかなったことをしているのに、何故、
それがスムーズに受け入れられないのか、不思議であり、理不尽にさえ思えるかも知れない。
一般庶民だけならともかく、日本の経済の中枢にある大企業の経営陣になどにまで十分な
理解が得られないのである。おそらくは「まったく日本の考え方は何でこんなに遅れて
いるんだ」とイラ立ちを覚えることも多いだろう。
 それが冒頭の「何故いけないのかわからない」という発言も、それを現わしているよう
に思えるところがある。

 近時、新会社法ができて、これから日本ではますます株式会社が増えることになる。
新興市場も増え、上場する会社も多くなるだろう。M&Aももっと一般的に行なわれる
だろうし、投信なども含め株式投資に関わる人も増えるように思われる。
 そこで2回に分けて、株式というものを中心に、三氏のあり方や日本の経済を考えて
みたい。

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by mew-run7 | 2005-10-29 01:24 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(8)

村上、三木谷、堀江は新自由主義経済の申し子たちかも(1)

日本にもアメリカ型の新自由主義的な経済社会が始まっている・・・その一面を示すのに
ちょうどタイムリ~な出来事(騒動?)が起きている。
 今月にはいって、マスコミは「村上ファンドvs阪神電鉄」「三木谷楽天vsTBS」の件
で、毎日大騒ぎを続けている。
 負けじと(?)堀江ライブドアは、19日、大手通販会社セシールとの資本提携を発表
した。実質的には買収である。(ただし、こちらは友好的M&Aなのかも知れない。)

 村上世彰氏(46)、三木谷浩史氏(40)、堀江貴文氏(33)・・・ある意味では
日本の新自由主義社会の象徴的存在だとも言えよう。
 三人は世代も少しずつ違うし(この時期の人たちは5歳違うと、もうジェネレーション
ギャップがある)、経歴や考え方や手法など三者三様である。だが、この三人には共通点が
見出せる。一つは市場原理に基づく自由競争の中でいかに自分の「力」を活かし、上昇して
行くかを考えていることであろう。そのためには効率性やスピードなどを追及する部分も
大きい。
 もう一つは、彼らにとって「力」とは能力+株式の力(+資金力)だということである。
彼らは、おそらくとても有能であろうし、それぞれに研究や努力も重ねているし、行動力も
ある。その上で、いかに株式をうまく使って、事業を拡大し、資産を増やし、利益を得るか
を考えているのである。M&Aにせよ、ファンドにせよ、株式の力抜きには行なってはいけ
ない。株式を多数取得することによって、自社も他社の経営も支配し、資産や利益を増やし
それをまた次の経済活動につなげて行くのである。

 このような彼らの考えや手法を 日本国民がどう受け止めるのか。積極的にまたは消極的
ながらも受け入れようとするのか、それともとまどいや抵抗感を覚え拒もうとするのか、
今がまさに将来に向けての分岐点なのかも知れないと思う。

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by mew-run7 | 2005-10-22 17:47 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(9)

小泉首相等が標榜する新自由主義って何?(4)

 新自由主義に基づく政策が最も進んでいるのは、アメリカだと言われている。
 そこで、今回はアメリカの経済社会の面について考えてみたい。

 そもそもアメリカは歴史的に「国家からの自由」を求めて英仏などヨーロッパから
移住して来た人々で作られた国である。(植民地時代に独立戦争が起きたのも、本国
からの干渉、重税が要因になった。)その後も経済的な成功や貧困、圧政などから
の脱出を求めて世界各国から移住して来た人々が多く、時に人種のるつぼと呼ばれる
ほどの他民族国家である。
 そのような経緯があるので、アメリカの市民は基本的に国からの規制や干渉を好ま
ない。個人尊重の観念や、自己責任の原則も浸透している。そして自由競争の世界を
当然のものとして受け止めている部分がある。(いわゆるアメリカン・ドリームの
ように誰にでも大きな成功のチャンスもあるが、成功できなかった者は致し方ないと
現状を受け止める覚悟があるように思われる国なのである。)

 さて、新自由主義的な政策が始まった80年代~現在のアメリカの経済社会を見る
と・・・ (2)の歴史編で書いたレーガン大統領のレーガノミックスは、すぐに功を
奏したわけではなく双子の赤字はしばらく残ったが、10年余り後のクリントン時代
に財政黒字に転じ(累積赤字はまだ大きいが)、レーガンの巻いた種が花開いたと
評する専門家も少なくない。
 もっともクリントンの時代には、東西冷戦が終結し国防費などが削減されたこと、
ITベンチャーや投資会社の活躍で小バブルが起きて税収も増えたことが大きかった
とも言われている。市場原理による国際的な自由競争がさらに激化した時代でもある。
 そして、それがますますアメリカをマファイナンシャル・ゲーム(マネー・ゲーム)&拝金
主義や下剋上&弱肉強食の世界に導いたとも考えられる面がある。

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by mew-run7 | 2005-10-16 22:03 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(8)

小泉首相等が標榜する新自由主義って何? (3)

  新自由主義の中核は「市場原理」と「小さな政府」である。
 今回はそれを経済的な側面から考えて行きたい。
(とはいえ、私は経済には疎いので、庶民的な視線で考えてみたいと思う。)

 日本は莫大な財政赤字を抱えており、早急に対策を講じなければならない。
 日本企業も激化する国際競争の中で、さらに体力と競争力をつけなければならない。
 かつて経済的には後進国であったアジアの国々が台頭して来ている今日、このまま
では日本の国も企業も世界の荒波の中で埋没してしまう惧れがあると言われている。
 そうなれば、当然にして国民の生活にも大きな影響が生じる。
 この状況を打破するには、新自由主義的な政策は有効なのかも知れない。

 小泉首相は総選挙の演説などの場で、このように語っていた。
「郵政民営化は改革の本丸だ。民間にできることは民間がやった方がいい。そうすれば
仕事やお金も回って経済も活性化され、景気もよくなる。国民の暮らしもよくなるし、
民間は競争があるので、国民もより効率がよくて、質のよいサービスを受けることが
できるようになる。小さな政府にして不必要なものを削れば、国の負担も減るし、
ひいては国民の皆さんの負担も減ることになる。」

 この説明は、決してウソや間違いとは言えない。そして、もしこの通りであれば、
いい事尽くめのパラダイス(楽園)である。国民の支持も集まることであろう。
 しかし、新自由主義的な政策には弊害も多い。それは国民に伝えられていない。
そこに大きな問題性を感じる。
 
 もし日本の国民の多くがこの政策によって日本が近い将来どのような状況になる
のか、どのような弊害があるのか、そのメリットとデメリットをある程度、把握できて
いるなら・・・弊害に対する覚悟ができているなら、私は日本が新自由主義的な国に
なっても構わないとも思う。しかし、正直なところ、果たしてどこまで把握し、覚悟が
できているのか、疑問を覚える部分が強い。
 何年後かに「何で日本はこんな国になってしまったのか」「何で自分はこんな生活を
することになってしまったのか」と嘆いても、その時にはもう遅いのである。

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by mew-run7 | 2005-10-14 14:16 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(4)

小泉首相等が標榜する「新自由主義」って何? (2) 

Excite エキサイト : 政治ニュース

少しばかり、「新自由主義(ネオ・リベラリズム)」という思想が生まれるまでの歴史的経緯を
振り返ってみたい。
(私は経済的思想には疎いので、やや政治&政策的な観点からになってしまうが・・・)
 
 ここに至るまでは、大まかに言えば、「自由主義(リベラリズム)<伝統的な自由主義>」→
「自由主義?(ニュー・リベラリズム)」→「新自由主義(ネオ・リベラリズム)」という経緯を
たどっている。

 いわゆる「自由主義(リベラリズム)」<「伝統的なOR古典的自由主義」>は、
「個人が自分自身の判断に基づいて行動することを最大限に尊重する思想。政府をはじめ
とするあらゆる権力による個人の活動への干渉を排除し、市場経済を重視する」ものだ。
 もともと自由主義は、17~8世紀に絶対王政などの政治権力や干渉から国民を解放
するための政治的な思想から始まっている。それゆえ、いかに国家の権力や干渉を抑制して
国民が自由に生活、活動できるようにするか主眼が置かれた。(国家からの自由)
憲法を作るのも、国家の統治の仕方を決めて好きにさせないため&国民の人権を保障する
ためであるし(民主主義や三権分立などもそのため)、いわゆる「小さな政府」や「夜警国家」
論もそこから生まれている。

 そして経済的側面で言えば、私的財産権(所有権含む)が広く認められるようになり、
国民がその財産を守り、自由な経済活動を行なうためには、国家の干渉や規制はジャマ
であると。かつて国王が勝手にその時々の都合で税金や関税をかけたり、価格統制をしたり
経済活動や財産を規制したりしたこともあり、それを排除しようという意識が強かった。
それゆえ、国家は民間に介入せずに、できるだけ市場原理の自由競争に任せることが重要
だと考えられた。

 ちなみに「小さな政府」とは、「国家が国民に対してできるだけ何もせず、国民の自由な判断
と活動に任せておくことが望ましい」という考え方である。下手に国家が国民のために何かしよう
とすると、却って国民の生活への干渉になり不自由になることも多い。だから、自己責任の原で、自分たちのことは自分たちで面倒を見るから、できるだけ何もせず放っておいてくれ、というこである。(これを突き進めると、国家は国外に対する防衛と国内治安維持の警備(夜回り)だけ
やっておけばよいという考えになる。これを「夜警国家」論と呼ぶ」。)

 19世紀にはいり、自由主義は資本主義などと結びつき、さらに産業革命が起こり、各種の産業
や経済が大きな発展を遂げて行った。
 しかし、その一方で国民の間では、どんどん経済格差が広がることになった。
 当時は、身分や家柄、もともと資産を持つ者は、それ相当の教育も受けられたし、資本を
もとでに様々な事業を行なうことができた。しかし、そうでない者は資産家が持つ工場や大農場
や鉱山などで労働者として雇われるしかなく、場合によっては低廉な賃金で過酷な労働を課せ
られることになる。しかも高齢者、傷病者、能力の乏しい者などは解雇されてしまい、失業者が増加するようになった。
一般市民の中には生活は困窮する者も多く、治安も悪化して行った。
 そのような中、「資本家は労働者から搾取して富を蓄えている。その富は労働者にも分配すべ
べきである(生産と分配の手段・方法の共有)」という考えの下に、社会主義思想が広まった。
 
 そこで19世紀終わり頃から、イギリスを中心に、自由主義経済を維持しながらも、国家が弱者へ
の福祉や労働の場の提供などの社会政策を行なうことによって、実質的平等やバランスをはか
って行こうという考え方が生まれて来ることになる。これが、「ニューリベラリズム」
呼ばれるものだ。
この思想は20世紀にはいり、2度にわたる世界大戦、世界恐慌などを経て、各国に広まった。

 イギリスでは参政権の拡大にともなって「労働党」ができ、累進課税、相続税などが導入され、
それが国民の福祉に当てられるようになった。1940年代には「ゆりかごから墓場まで」という
スローガンまで出されるようになる。
 アメリカでは、世界恐慌後の1930年代にニューディール政策を行なっている。これは国が
失業者雇用のために公共事業を行なったり、農業や各産業の生産を規制するかわりに援助を
したり、労働権を認めたりするような内容だった。
 1919年に、第一次世界大戦で大敗を喫したドイツが、社会権を認めるワイマール憲法を制定
したことも、国民の社会権や国の社会政策を世界各国に意識させる契機になったと言われている。

<ちなみに「ニューリベラリズム」の訳語は、「自由主義」に対して「新自由主義」とされることもある
が、単に「自由主義」と記されていることも多いようだ。それは上述の「伝統的な自由主義」の
問題点を克服したこの形での「自由主義」が世界に各国に普及したからかも知れない。>

 その後、戦後復興を遂げた日本も含め、世界の先進国と呼ばれる各国は、それ相当に順調に
経済成長を遂げて来た。しかし、1970年代に2度にわたるオイル・ショックがあり、各国の経済
成長に停滞をもたらすことになる。しかも、人口の増加、社会政策の拡大により、国家の財政負担
が増大し、その早急な対策が望まれることになった。

 そこで、「新自由主義(ネオ・リベラリズム)」が台頭して来たのである。これは、時に
「復興自由主義」とも呼ばれるが、もう一度「伝統的な自由主義」の考え方に戻り、国家が過度な
干渉、規制をやめ、市場原理による自由競争を重視した政策に戻ろうと。そのためには、「小さな
政府」に戻った方がよい。そうすれば、国の経済も活性化するし、行政サービスや社会政策も
縮減でき、国家の財政負担も減ると考えたのだった。
 この「新自由主義」と「伝統的な自由主義」の違いは、後者が政治的な側面が強かったのに対し
後者が経済的な側面が強いというところにある。

 1980年代にアメリカのレーガン大統領や、イギリスのサッチャー首相が、「レーガノミックス」、
「サッチャリズム」と呼ばれるような政策をとったのも、この思想に基づくと言われている。
 また日本では、80年代に中曽根元首相が中心となって、三公社であった国鉄(現JR)、電電
公社(現NTT)、専売公社(現JT)の民営化などの行政改革を進めたが、これも新自由主義思想
の現われと言われている。

 90年代にはいり、東西冷戦も完全に終了し、IT化も含め通信・交通網が広がったことも手伝って
国際化(グローバリゼーション)が急激に進んで行った。同時に、経済の国際競争も激化し、国の
壁を越えての投資、金融も盛んになって行った。さらに、今まで経済的に後進国だと言われて
来た国々も台頭して来つつある。この経済競争の中で、国や企業が生き延びて行くためにはどう
すべきか・・・そこから、「新自由主義」は世界のトレンドとなり、日本でもこの思想を標榜する者が
政界、財界などに増えて行ったという。
                            <つづく>  THANKS
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by mew-run7 | 2005-10-09 06:24 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(3)

小泉首相等が標榜する「新自由主義」って何? (1) 


最近「新自由主義(ネオ・リベラリズム)」という言葉をマスコミやネット(ブログ含む)
などでよく見かけるようになって来た。
 今、この思想が世界のトレンドで、小泉首相、竹中大臣、民主党の前原代表をはじめ、
多くの政治家や経済人もその持ち主だと言われている。
 どうも、この「新自由主義」なるものを理解することが、世界&日本の政治、経済の
流れを把握する鍵になりそうだ。
 では、「新自由主義」って一体、どんな思想なんだろう?

 実は私は、新自由主義はニュー・リベラリズム(後述)の訳語だと思い込んでいた部分が
あったため(昔読んだ本にそう書いてあったような気がする?!)、概念が混乱してしま
って、少しわけがわからない状況に陥っていた。
 そこで、自分の知識を整理するために、また知人の質問にこたえるために、ちょこっと
だけ勉強してみた。今回はこの場を借りて、あまり政治に関心のない知人にもわかるよう
に説明を試みてみたいと思う。
 かなり大まかな説明になると思うし、一素人が書くことなので、誤りもあるかも知れない。
もし気づいた方がいらしたら、是非、指摘して&教えて頂きたい。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・
 
「新自由主義(ネオリベラリズム)」とは・・・市場原理による競争を重視または絶対視し、
国家の干渉と規制をできるだけ排除する(「小さな政府」を作る)こと、自己責任の原則を
主体に考える政治&経済の思想である。
(ただし、軍事や警察などの防衛、治安の面は強化する傾向にある。)

 もう少し具体的に言えば・・・たとえば、国の事業や行政組織や社会政策のサービスを
縮減したり民間に移行したり、公務員を削減したりすることによって、国の行政&諸費用を
スリム化して財政負担を減らし、市場経済を活性化させることを目指す。(ただし、その分、
福祉などの社会政策的なサービスは減り、国民の自己負担、自己責任の範囲が増える。)
 また、企業などに対し、国による監視や干渉、規制をできるだけ減らして、もっと自由に
営業活動(投資、金融含む)をできるようにしたり、法人税や関税を下げることによって
経済的な負担も減らし、競争力をつけるようにするなどの政策がとられることになる。
 ただし、国の経済や政治の安定のためには、国内外に対する防衛、治安が重要なので、
軍備や警察などは人員、費用をかけることになる国が多いようだ。

 ここまで見ても、小泉首相の「改革なくして前進なし」「官から民へ。民にできること
は民に」「もっと小さな政府を」というスローガンが、この思想に基づくことがわかる。

 この思想&政策には、1・経済が活性化し、国際的な経済競争に対応しやすい 2・国家
の財政負担が減らせる分、国家の体制も強化もできる、3・市場原理により国民も多様で質の
よい物やサービスが受けやすい、などのメリットがある。

 しかしその反面、問題点として、下記のようなことが指摘されている。
1・国民の経済格差が広がりやすく、社会政策も縮減されるため、経済的弱者(貧困層)や
生活的弱者(高齢者、障害者、傷病者など)に酷になる。<いわゆる弱肉強食、勝ち組・負け
組、弱者切捨ての社会になりやすい。>その結果、経済(お金)に高い価値観を持つ社会に
なりやすく、社会的モラルが荒廃したり、犯罪の増加で治安が悪化したり、自殺者が増加した
りしやすいと言われる。
2・効率化を追求する安全性や災害対策がおろそかになりがちになりやすい。
3・防衛力のための軍事強化や、治安維持のための施策に傾き、それが国の財政を圧迫したり、
却って国民の生活を圧迫する危険性がある。 などなど

 そして、過去の歴史を振り返ったり、新自由主義思想による政治、経済が進んでいる
アメリカなどの現状を見ると(日本ももう弊害が出始めている感がある)、果たして日本が
この思想にそって諸政策を進めて行くことが、日本の国や国民にとって好ましいことなのか
どうかは、ビミョ~なところがあるように思う。

                           <つづく> THANKS
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by mew-run7 | 2005-10-07 08:36 | 新自由主義&小さな政府 | Comments(17)