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安倍、慰安婦像に激怒。韓国から大使ら引き上げ、スワップ協議も中止で、弱体政府を追い込む

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 新年早々、いかにも安倍ウヨ政権らしい外交問題が発生した。(@@)

 昨年12月31日、韓国の市民団体が、釜山市の日本総領事館の前に慰安婦問題を象徴する「少女像」が、市民団体によって設置。日本政府がこの撤去を求めて、駐韓大使と釜山総領事の帰国やスワップ協議中止などの対抗措置を打ち出したことから、日韓関係がまたドロドロした状態に陥りつつある。(~_~;)

<ちなみに、大使と総領事を一度に帰国させるのは、かなり異例の強い措置だとのこと。関係が悪い国同士であれば、国交断絶や宣戦布告への第一歩の行為に当たるという。(-_-)>

 まあ、そもそも15年12月に、安倍首相と朴大統領が(米国の指示によって)ドタバタと玉虫色の日韓合意を結んだことに最大の要因があると思うのだが・・・。

 その韓国の朴大統領は、例のお友達厚遇事件で休眠状態に。政府は大きな判断が必要なことは行なえない状況にあるため、少女像設置などにも対応できず。市民団体はそのことも意識した上で、強引に設置に踏み切ったと見られている。^^;

 他方、日本政府の方も、韓国政府が容易に動けないのがわかっていて、強固な措置をとったようなところもあって。どちらも朴政権の弱体化につけ込んで(&どさくさに紛れて?)、このような行為に及んだような感じもある。(>_<)

* * * * *

 韓国の釜山市にある日本領事館の近くに、28日、いったん少女像が仮設置されたのだが。その時は警察などの指導がはいり、撤去されたとのこと。
 しかし、世論の反発が激しかった上、稲田防衛大臣の靖国参拝への反感も手伝って、政府はもはや動けず。31日に改めて少女像が正式に設置され、除幕式が行なわれたという。(・・)

 日本政府は、おそらく早くから外務省レベルで撤去を求めていたようなのだが。ついに5日に、杉ヤマ外務次官(外務省TOP)が、最後の通告をしていたとのこと。

『訪米中の杉山晋輔外務次官は5日、ワシントンで韓国外交省の林聖男(イムソンナム)第1次官と会談し、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦問題を象徴する「少女像」が設置された問題で、「慰安婦問題での日韓合意に反する」として像の即時撤去を強く求めた。撤去しない場合は何らかの対抗措置を打ち出すことも示唆』。(朝日新聞17年1月6日)

『会談で、杉山氏は日韓両政府が2015年12月、慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的」に解決することで合意したことを踏まえ、少女像の設置は「合意の大切な基礎を一方的に崩すことを意味している」と批判した。
 これに対し、林氏は「合意を着実に履行していく立場に変わりはなく、杉山氏の申し入れは中央政府の責任者に確実に伝達する」と述べるにとどめた。(読売新聞17年1月6日)』

* * * * *

 しかし、韓国政府から何の回答や動きもなかったことから、6日に4つの対抗措置を発表するに至った。(・o・)

『日本政府は、新たに設置された少女の像について、慰安婦問題の解決を確認した日韓合意を崩すことになるとして、撤去を求めてきたが、韓国側は事実上、黙認してきた。

 そのため、日本政府は、駐韓国大使や総領事の一時帰国や、日韓通貨スワップ協議の中断、さらに、日韓ハイレベル経済協議の延期など、4項目の対抗措置をとることを明らかにした。
対抗措置については、すでに韓国側に通告している。

 また、菅官房長官の会見に先立ち、安倍首相は、アメリカのバイデン副大統領と電話で会談し、バイデン副大統領が「日韓合意の着実な履行を強く期待する」と述べたのに対し、安倍首相は、「逆行することは建設的ではない」とあらためて理解を求めた。(FNN17年1月6日)』

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 上の記事にもあったように、安倍首相は、この件について、事前にバイデン大統領と電話で話したとのこと。<どうやら、状況悪化を心配した米国側が、日本と韓国に電話をかけたようだ。>

 何故、ここで米国が出て来るかと言えば、今回のトラブルのもとになっている日韓合意というのは、ある意味で米国の主導(or指示?)で結ばれたようなものだからだ。(*_*;

 米国が、実質的に核ミサイルを手にした北朝鮮に(中国やロシアも?)対抗するためには、日米韓の同盟関係強化が重要だとして、2015年内に日韓両国が関係改善することを要請。
 安倍首相は、もともと慰安婦問題を認めていないのであるが、自分の代でこの問題を消滅させたい(解決ではない)と考えていたことから、お得意のまやかし戦法で、どちらにとっても都合よく受け止められる玉虫色の合意を結んだのである。<しかも、この合意は文書化されていない。^^;>

* * * * *

 この15年12月28日に、日本の岸田外務大臣と韓国の尹外交部長官が共同会見で発表した日韓合意(外務省発表)は、*1にアップしておくが・・・。

 岸田外務大臣は「慰安婦問題は多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,日本政府は責任を痛感している」「安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて心からおわびと反省の気持ちを表明する」などと述べ、元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し,これに日本政府の予算で資金を一括で拠出することを発表。<実際、16年夏に10億円を拠出した。>

 そして、尹外交部長官は「日本政府が表明した措置が着実に実施されるとの前提で,日本政府と共に,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と。 

 また韓国政府は以前から、民間の団体が像を作ったり、設置したりすることを強制的にやめさせることはは、表現の自由の見地からできないと主張していたのだが。この会見で「日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し,公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し,韓国政府としても,可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて,適切に解決されるよう努力する」との意向を表明したのである。(・・)

* * * * *

 mewは、この15年末にドタバタと結ばれた合意を見て、ちょっと怒っているところがあった。(@@)
 
 以前から、安倍晋三氏らを含む超保守派は、慰安婦の存在自体を認めず、河野談話も否定。安倍氏は超保守仲間と共に、首相になる直前の12年11月、米国の新聞に慰安婦の存在を否定する広告を出していたほど。<稲田朋美氏、下村博文氏、櫻井よし子氏などと一緒にね。^^;>
 
 そして、民主党や社民党などが慰安婦問題について何か韓国の謝罪要求に理解を示す発言をしたり、国のお金で支援金を出すことについて提案したりしたら、さも「売国奴」であるかのようにネトウヨと共に大批判を展開していたのであるが。

 その安倍首相が、(天敵の北朝鮮や中国対策で米国の協力を得たいがために)「日本政府は責任を痛感している」とか「日本国の内閣総理大臣として改めて心からおわびと反省の気持ちを表明する」とか言って、10億円も出すというのは、今まで言ってたことと全く違うことをやるわけで。
 超保守派に対しても、ある意味で裏切り行為になるし。mewのようなアンチ保守から見れば、「とんでもなく姑息(=その場しのぎ&ヒキョ~なやつ」になるからだ。(-"-)

 ただ、当然にして、安倍首相の周辺でも、「何であんな合意を結んで、10億も出すのか」「慰安婦問題を認めて、謝罪する気なのか」などと批判や疑問の声が飛んでいたのだが。実のところ、安倍首相自身は、全く謝罪の言葉はクチにしていないのである。^^;

 安倍首相は、15年12月末に、この合意を結んだ際に、朴大統領と電話で話したのだが。その時に謝罪の言葉は一切クチにしていないし。
 昨年秋に、元慰安婦を支援するために作られた財団が、首相のおわびの手紙と共に支援金を分配したいと要請したのに対して、「われわれは毛頭考えていない」と否定していて。韓国政府や国民の多くは、安倍首相には本当に反省や謝罪を行なう気はないと認識しているようだ。(>_<)

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 しかし、日本にしてみれば、ちゃんと10億出したのに、ソウルの日本大使館前の少女像も撤去されていない上に、新たに釜山の総領事館の前(?)にまで少女像を設置させるとは何事かということになるわけで。
 安倍首相&仲間たちは、かなりご立腹になったようで、今回の厳しい対抗措置に及んだという。(*_*; <安倍サイドの意見は産経の記事に任せよう。>

『安倍晋三政権が激怒した-。韓国・釜山の日本総領事館前に昨年末、慰安婦像が設置された問題について、菅義偉官房長官は6日の記者会見で、長嶺安政・駐韓日本大使らの一時帰国や、日韓通貨交換(スワップ)協定再開の協議中断などの対抗措置を発表した。「大使召還」といえば歴史的に、両国関係が戦争寸前にまで至ったことを意味する。日韓合意を一方的に破るような韓国側の暴挙に対し、日本政府として強烈な抗議の意思を示した。

 「日韓両政府が責任を持って実施していくことが引き続き重要だ。これに逆行することは建設的でない」

 安倍首相は6日、バイデン米副大統領と電話会談し、慰安婦問題に関する日韓合意について、こう語った。事実上、日韓合意を仲立ちした米国の副大統領と語り合うことで、日米で韓国に圧力をかけたともいえる。

 それほど、韓国側の対応は醜悪至極だ。
 日韓合意を無視するように、韓国の市民団体は昨年12月末、釜山の日本領事館前に新たな慰安婦像を設置した。完全な国際法違反だ。これ以外にも、日韓合意後、最低15体の像を新設したという調査もある。

 菅氏も6日午前の記者会見で「一昨年の日韓合意では、慰安婦問題は『最終的かつ不可逆的解決』を確認した」「(慰安婦像の設置は)日韓関係に好ましくない影響を与える。領事機関の威厳などを侵害する。極めて遺憾だ」と怒りを込めて、言い切った。

 韓国側の理不尽極まる対応を受け、日本政府は今回、(1)長嶺・駐韓日本大使と森本康敬・在釜山日本総領事の一時帰国(2)日韓スワップ協定再開の協議中断(3)在釜山日本総領事館が参加する交流事業の参加見合わせ(4)日韓ハイレベル経済協議の中断-の4項目を発表した。かつてないほど厳しい対応といえる。

 この背景について、官邸周辺は「安倍政権の『もう許さない』という断固とした意思表示だ」といい、続けた。

 「日本側は『元慰安婦の支援財団への10億円拠出』など、日韓合意をすべて履行した。ボールは完全に韓国側にある。ところが、釜山の日本総領事館前の慰安婦像設置を黙認した。官邸としては『日本をナメるな』という思いだろう。安倍首相は合意時に、朴槿恵(パク・クネ)大統領に対して『慰安婦像の新設は合意違反だ』と通告している。これは日韓合意の間に入った米国も認識している」

 別の政府関係者も続けた。「安倍官邸は日韓合意後、『今後は対症療法でいく』『ハッキリと動く』という認識で一致している。今回打ち出した対抗措置は、その路線に乗ったものだ。日本は過去の経験から『韓国にいくら譲っても、ゴールポストを動かされるだけだ』と見切っている。『世界各国の首脳は、日本の対応を理解している』との自信もある。朴大統領の後は『反日左翼政権』が誕生する可能性が高い。それも見据えた対応だ」(後略)(産経新聞17年1月7日)』

* * * * *

 駐韓大使らは9日に帰国し、10日に安倍首相らに状況報告を行なったのであるが。韓国政府が簡単に動けない中、問題は、振り上げた拳をどのようにおろすかということだ。^^;

 超保守派の学者(藤岡信勝氏)が「日韓合意自体が問題だった。もはや韓国とは絶交すべきで、関係を持つべきではない」とか言っていたらしいが。そうも行かないだろうし。
 安倍首相は確か12日には豪州などに豪遊じゃない外遊に出発するはずだったと思うのだけど。いったいどのようにコトをおさめるのか、ちょっと注目しているmewなのだった。(@@)
<一つ間違えると、新年早々から安倍外交がボロボロと崩れて行く可能性もあるしね。(期待込み)_(。。)_>

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by mew-run7 | 2017-01-11 00:13 | (再び)安倍政権について | Trackback(1)

高浜原発、運転停止の処分が+国連が慰安婦や日本の女性差別を次々勧告

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 原発について書きたいことが山ほどあれど。なかなか書けず、忸怩たる思いでいるのだけど・・・。
 その原発問題に関して、まず、嬉しかったニュースをひとつ。(^^♪

 昨日、大津地裁で福井県にある高浜原発3,4号機(関西電力)の運転を差し止める画期的な処分が出た。(**)

 しかも、多くの反原発派が「何故、福島の事故の原因も十分に究明されていないのに、次々と原発を再稼動するんだ」「新しい規制の基準が過酷事故に対して甘いのではないか」との疑問を呈している中、山本裁判長は、まさにそのような人々の疑問や不安に応えるような判断を行なっていたことが、mewにはと~っても印象深かった。(@@)

『関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)は安全性が確保されていないとして、滋賀県の住民29人が再稼働差し止めを求めた仮処分申請で、大津地裁は9日、関電に運転差し止めを命じる決定を出した。山本善彦裁判長は「過酷事故対策などに危惧すべき点があるのに、安全性の確保について関電は主張や証明を尽くしていない」と判断した。仮処分決定は直ちに効力が生じるため、関電は運転中の3号機を10日に停止させる。

 高浜3、4号機の差し止め決定は昨年4月の福井地裁に続き2件目。運転中の原発を止める仮処分決定は初めて。
 関電は決定を不服とし、異議と執行停止を申し立てる。3号機は10日午前10時から出力を落とす作業を始め、同日午後8時に停止する予定。

 山本裁判長は決定で「東京電力福島第1原発事故の原因究明は道半ばだ」と指摘。事故を踏まえた新規制基準の過酷事故対策について、「関電の主張や証明の程度では、新規制基準や(原子力規制委員会が審査で与えた)設置変更許可が、直ちに公共の安寧の基礎になると考えることをためらわざるを得ない」と述べた。(時事通信16年3月9日)』

『大津地裁は9日、関西電力高浜3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた。
 稼働中の原発の停止を命じた初の司法判断。地裁は仮処分決定の中で、関電が再稼働の根拠に据えた原子力規制委員会の新規制基準が、東京電力福島第1原発事故の教訓を十分に反映していないと指摘し、不信感をあらわにした。

 決定は、新規制基準の策定の契機となった福島原発事故について、「原因究明は道半ばの状況だ」と指摘。電力会社だけでなく、原因究明が不十分な中で策定された新基準を「世界最高水準」(田中俊一委員長)と誇る規制委の姿勢にも「非常に不安を覚える」と厳しい目を向けた。
 特に、想定外とされていた津波などが福島第1原発事故の甚大な被害を引き起こしたことを踏まえ、「過ちに真摯(しんし)に向き合うならば、十二分の余裕を持つことを念頭に置き、見落としがあっても致命的な事態に陥らない思想で基準を策定すべきだ」と強調した。

 非常用電源の確保など過酷事故対策や、地震想定に用いる断層の評価、使用済み燃料プールの耐震性や事故時の冷却方法など、規制委が審査で「基準を満たす」と判断した具体的内容にも踏み込み、「裁判所に対し(安全だとする)十分な資料が提供されていない」と軒並み疑問符を付けた(同上)』。 

* * * * *

 福島第一原発の事故に関して、先月末、当時の東京電力の経営陣3人が強制起訴されるに至ったのだが。<この件は現在、資料収集中なので、いずれ記事をアップしたい。>
 この経営陣の裁判で、最も大きな争点になりそうなことのひとつは、「本当に大津波が想定されていなかったのか、本当に大津波に対して必要な措置が予めとれなかったのか」ということだ。(・・)

 100億歩譲って、仮に福島第一原発の事故の前は、そのような大津波の発生やそれに基づく事故の発生を予見するのは困難だったとしても、いまや電力会社はもちろん周辺住民も、全国の国民もその可能性、危険性は十分に予見し得るわけで。
 まあ、だからこそ、mewや反原発派の人たちは、もう再稼動はしない方がいいと主張しているのだが。<古い原発はさらなり。3号機のように異常を示している原発もしかり。>

 しかし、国は既に40年を超えた高浜1,2号機を動かそうとしている上、菅官房長官は3,4号機も予定通り再稼動する方針を変える気はない様子。(-_-;)

『大津地裁の仮処分決定に関し、菅義偉官房長官は9日の記者会見で「高浜3、4号機は原子力規制委員会が世界最高水準と言われる新規制基準に適合すると判断したものだ。その判断を尊重して再稼働を進める政府の方針に変わりはない」と述べた。
 その上で「あくまでも仮の処分で、当事者である関西電力が今後の対応を決めると思う。国としても注視していきたい」とも語った。(毎日新聞16年3月9日)』

 それでも今回のように、一般国民の疑問や不安に理解を示す司法判断がなされたことは、脱原発を目指して活動している人たち、とりわけ、これから裁判を起こそうとしている人たちにとって、明るい材料になるのではないかと思うmewなのだった。"^_^" 

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 話は変わって・・・。これは『慰安婦の日韓合意はまやかし。安倍は強制連行の軍関与認めず、国会では謝罪せず』に

 7日、国連の女性差別撤廃委員会が、慰安婦に関する日韓合意は不十分だったとして、日本政府に元慰安婦の意見を配慮するように勧告した。(・・)
<尚、委員会には各国の女性差別撤廃条約の履行状況を監視するのが役割で、勧告に法的拘束力はない。>

『国連の女性差別撤廃委員会は7日、ジュネーブで2月16日に開かれた対日審査会合に関する「最終見解」を公表した。旧日本軍の従軍慰安婦問題について、日本政府の取り組みはなお不十分と指摘。昨年末の日韓合意を実行に移す際には元慰安婦の意見に十分配慮するよう日本政府に勧告した。

 委員会は2009年の前回会合で、元慰安婦らへの賠償や加害者の訴追などを含む慰安婦問題の「持続的な解決」を探る努力をするよう日本政府に勧告。7日の最終見解は日本がこうした過去の勧告を依然として実行していないとして「遺憾の意」を示した。

 昨年末の日韓合意については「元慰安婦らを中心としたアプローチを完全には取っていない」と指摘、元慰安婦らの「真実、正義、償いを求める権利」を保証し、彼女らの立場に寄り添った解決を目指すよう求めた。
 また元慰安婦らを傷つけることになるとして、指導的立場にある人物や公人が慰安婦問題の責任を軽くしようとする発言をやめるよう要求。学校教科書で慰安婦問題を適切に取り上げ、子どもたちに歴史的事実を客観的に示すことも求めた。(共同通信16年3月7日)』

『国連女子差別撤廃委員会は7日、対日審査の最終見解を発表し、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的」な解決を確認した昨年12月の日韓合意は「被害者中心の対応」が徹底されていないとして遺憾の意を表明した。
 合意の履行に当たっては「被害者の立場を十分考慮」し、補償などに取り組むよう促した。

 2月16日にジュネーブの国連欧州本部で行われた対日審査では、杉山晋輔外務審議官が日韓合意について説明。誠実な実行に向けた両国政府の努力に国際社会の理解を求めていた。最終見解は、日韓合意を含め、解決に向けた日本の取り組みに留意するとも指摘した。
 また、日本の指導者や当局者が慰安婦問題の責任に関し、「(元慰安婦の)名誉を傷つける発言を控えるよう」要請。元慰安婦に対する公式謝罪を含めた「十分で効果的な償い」を行う必要性を訴え、日本に厳しい姿勢を見せた。

 「アジア女性基金」による元慰安婦らへの償い事業に関しては、日本政府は委員会とのこれまでのやりとりで、対象外となった中国や東ティモールに広げる考えはないと回答。最終見解はこれに関し「国際人権法に基づく義務に取り組んでいない」と批判した。
 さらに、「(日本政府は)慰安婦問題への教科書の言及を削除した」と問題視し、歴史的事実を客観的に生徒らに提示するよう要求。委員会は事前に、教科書に慰安婦問題の記述を復活させる考えをただしたが、日本政府は「国定教科書制度を採用していない」として答える立場にないと応じていた。
 最終見解はまた、深刻な人権侵害に対する日本政府の「公式で明確な責任の認識」を確認することなく亡くなった元慰安婦がいることにも遺憾の意を示した。(時事通信16年3月7日)』

* * * * * 

 しかし、菅官房長官や岸田外務大臣は、国連委員会の見解に納得せず、反発を示している。^^;

『菅義偉官房長官は8日の記者会見で、国連の女性差別撤廃委員会が最終見解で慰安婦問題に対する日本政府の取り組みが不十分と指摘したことについて「(昨年末の)日韓合意を批判するなど政府の説明を十分踏まえていない。極めて遺憾で受け入れられない」と批判した。
 政府は7日、ジュネーブ国連代表部を通じて同委に口頭で遺憾の意を申し入れ、抗議した。

 菅氏は「日韓外相間で合意し、両首脳が確認したものだ。潘基文(バン・キムン)国連事務総長らも歓迎しており、国際社会の受け止めと大きくかけ離れている」と反論。合意について「両政府が誠実に実行に移すことが極めて大事だ」と改めて強調した。外務省幹部も見解について「指摘は的外れだ」と不満を漏らす。

 同委では2月に対日審査会合があり、日本からは外務省の杉山晋輔外務審議官が出席。日韓合意を説明した上で、元慰安婦の強制連行は「確認できなかった」と主張した。
 菅氏は、同委が杉山氏の説明を受けて、慰安婦について「性奴隷」の用語を使わず、「慰安婦」の表現に統一した点を指摘し、「事実関係や政府の取り組みはしっかり説明できた」と強調した。(毎日新聞16年3月8日)』

『岸田文雄外相は8日午前の記者会見で、慰安婦問題に対する日本政府の取り組みが不十分と指摘した国連の女性差別撤廃委員会の最終見解について「政府の説明内容を十分踏まえておらず遺憾だ」と述べた。政府は7日、同委側に「指摘は受け入れられない」と申し入れた。岸田氏は会見で、最終見解に関し「国際社会の受け止めとかけ離れており、批判は当たらない」と反論した。(同上)』

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 安倍首相は、慰安婦に関する日韓合意を行なうことで、米国や国際社会からの理解も得たいと考えていたのであるが。その目論見はうまく行かなかった様子。(-"-)

 安倍首相らは、韓国の日本大使館前にある慰安婦像を撤去しない限りは、慰安婦に対する支援金10億円は拠出しないと繰り返し主張しているのであるが。

『自民党の稲田朋美政調会長は25日の記者会見で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した日韓合意から28日で2カ月を迎えることに関し、在ソウル日本大使館前の慰安婦像ついて「撤去していただくことが前提だ」と述べ、元慰安婦支援のための10億円拠出には撤去が不可欠との認識を示した。
 また「法的には解決済みであることや、虚偽の事実など、今まで日本が主張してきたことについては、今後も反論していくことに変わりない」と重ねて強調した。(産経新聞16年2月25日)』

 もし韓国内で、この国連の見解に関するニュースが広がった場合、元慰安婦や支援団体は、日本側に早く10億円の支援金を出すように求める可能性も出てくるかも知れず。その場合、日本がどう対応するのか、難しい判断を迫られそうだ。_(。。)_

* * * * *

 また、同委員会は、日本の皇室典範で女性に皇位継承を認めないことに関しても見直しを求める予定だったのだが。日本側の要請により削除されたという。<慰安婦問題の勧告に加えて、このことを知ったら、日本の超保守政治家や識者は、ますます委員会への反発を強めることだろう。(~_~;)>

『菅官房長官は9日午前の記者会見で、国連女子差別撤廃委員会の報告書最終案に皇室典範の見直しを求める内容が含まれていた問題について、「我が方から記述を削除するよう強く要請した」と述べ、在ジュネーブ日本政府代表部を通じた反論で記述が削除された経緯を明らかにした。

 菅氏は「我が国の皇位継承の在り方が、女子に対する差別を目的としていないことは明らかだ。委員会が皇室典範を取り上げることは全く適当ではないと説明し、結果として削除された」と述べた。また、最終案の作成経緯について、「今回の審査過程では(皇室典範は)一切取り上げられていなかった。手続き上の問題もあった」と委員会側の対応を問題視した。(読売新聞16年3月9日)』 

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~
 
 実は、この国連の委員会は、日本政府に対して、元慰安婦のことだけではなく、夫婦同姓やマタハラなど様々なことも勧告していたとのこと。(・・)

『女性差別撤廃条約の実施状況を審査する国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)は7日、日本政府に対する勧告を含む「最終見解」を公表した。昨年成立した「女性活躍推進法」など、前回2009年の勧告以降の取り組みを評価する一方、夫婦同姓や再婚禁止期間など民法の規定について改正を求め、「過去の勧告が十分に実行されていない」と厳しく指摘した。

 勧告は14ページ、57項目。
 昨年12月に最高裁が「合憲」とした「夫婦同姓」については、「実際には女性に夫の姓を強制している」と指摘し、改正を求めた。
 6カ月の「再婚禁止期間」について、最高裁が「100日を超える部分」を違憲とした判断についても、「女性に対してだけ、特定の期間の再婚を禁じている」として、なお改善を求めた。

 また妊娠・出産に関わるハラスメント(マタハラ)を含む雇用差別や職場でのセクハラを禁じ、防止する法的措置を整えるよう求めた。国会議員や企業の管理職など、指導的な地位を占める女性を20年までに30%以上にすることも求めた。

 一方、「女性活躍推進法」のほか、待遇改善に向けた14年の「パートタイム労働法」の改正など、前回勧告以降の法的な枠組みの整備は、肯定的な評価を受けた。(朝日新聞16年3月8日)』

* * * * *

 慰安婦や皇位継承の話は横に置くとして・・・。日本は先進国ぶっているくせに、国際社会からはまだまだ女性差別が多い国だと思われているわけで。
 次世代の女性には、理不尽な思いをさせないようにしたいな~と願っているmewなのだった。(@@) 
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by mew-run7 | 2016-03-10 03:12 | (再び)安倍政権について | Trackback(1)

水木しげるが「地獄」だと表した戦場、慰安婦の実態。妖怪と共に戦争の悲惨さも描き続ける

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 今日から12月だ~~~。(@@)

 今年もあと1ヶ月、実生活では「あっ(・o・)」という間もないうちに、過ぎてしまったような感じがある。
 でも、政治の世界では、「あちゃ~~~っ」と叫ぶ間(ま)があった。集団的自衛権の行使を含む安保法制が成立した時にね。(>_<)

 また年末にでも、今年を振り返ってみたいと思うけど。2015年は、戦後の日本にとって最悪の年になってしまった。(-"-)
 戦後70年間守り続けて来た「憲法9条の平和主義」が安倍政権によって破壊されたからである。(-"-)

* * * * *

 そして日本の平和主義が壊された年の暮れ、昨日11月30日に、漫画家の水木しげるさん(93)が他界した。
 11日に自宅で転倒し、頭部打撲による硬膜下血腫で緊急手術をすることに。一時は回復したものの、30日未明に容体が悪化。多臓器不全で亡くなったという。

 このニュースを知って、知人が「また平和主義の人が亡くなっちゃったな~」「何だかここに来て、平和を強く唱えている大事な人たちが次々と亡くなっているような気がするよ。本当に残念だ」などとぼやいていたのだが。mewも、同じ気持ちだ。
<毎日新聞も、30日の記事に『今春、出征前に書き残した手記が見つかったことが報道された。最後まで世に問うたのは“戦争”だった。戦後70年の節目に、また一人、戦争の実相を伝える貴重な語り部が旅立ってしまった』と書いていたです。*1>

 水木さんには他に類を見ない発想豊かな漫画、アニメで楽しませてもらったこと、そして、自らの体験談をもとに戦争の恐ろしさを訴えて来たことに、心から敬意と感謝をあらわしたいと。そして哀悼の意を表したいと思う。(・・)

* * * * *

 mewは、「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメで育った世代で。友人と妖怪図鑑をチェックしていたのは懐かしい思い出だし。(ウルトラ・シリーズの怪獣図鑑もチェックしていたけど。^^;)主題歌をきく度に、おばけは、朝は寝床でグーグーして、学校も試験もなくて、楽しくていいな~って、マジで思ったりとかね。^^;
 今もちょうど、某保険会社のテレビCMで目玉の親父の話を扱っているのを見ても、ゲゲゲのアニメやそのキャラクターが、いかに多くの世代に愛されているかがわかる。

 水木さんはその後も、妖怪に関する漫画や文章を多数書き、長年の漫画と妖怪文化への功績が称えられ、1991年に紫綬褒章、2003年に旭日小綬章を受章。2007年、『のんのんばあとオレ』によりフランス・アングレーム国際漫画祭で日本人初の最優秀作品賞などを受賞。
 また幼少期を過ごした鳥取県境港市に愛着があり、「町おこし」振興策のため、93年には「水木しげるロード」、03年には「水木しげる記念館」を作ることに協力し、そのことでも評価されている。
 さらに、10年には、妻の布枝さんが書いた『ゲゲゲの女房』がNHKの朝ドラとして放映され、(向井理が水木さんを演じたこともあってか、注目され)それまで水木さんの妖怪アニメに関心のなかった女性層などにも、その存在が知られることにった。(++)

* * * * *

 また、水木さんは、大阪で働きながら夜間中学に通い、漫画を学んでいた21歳の時に、陸軍に徴兵され、ニューギニア方面に出征することに、ほぼすべての仲間が命を失って行く中、何とか生き延びたものの、戦傷で左腕を失うことになったのだが。その時の悲惨な体験をもとに「総員玉砕せよ!」「娘に語るお父さんの戦記」などの作品を残し、『総員玉砕せよ!』は、アングレーム国際漫画祭遺産賞、米アイズナー賞最優秀アジア作品賞をそれぞれ受賞している。(・・)

 07年8月には、NHKスペシャルの終戦記念日関連特番で、『総員玉砕せよ!』を原作としたドラマ『鬼太郎が見た玉砕 水木しげるの戦争』が放送された。 

 さらに14年8月には、NHKの戦争体験を証言する番組のインタビュー「漫画で伝え続ける戦争体験」(ズンゲン支隊)に応じて、戦地での状況を生々しく語っている。
<詳しい内容は、関連サイトに載っているので、そちらをご覧ください。http://cgi2.nhk.or.jp/shogenarchives/shogen/movie.cgi?das_id=D0001130006_00000 >

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『【生き延びてはならなかった最前線部隊 ~ニューブリテン島 ズンゲン支隊~】

 出来事の背景 写真まんが「ゲゲゲの鬼太郎」の作者で知られる水木しげるさんは、太平洋戦争中、南太平洋のニューブリテン島で、苛酷な戦争を体験した。
 水木さんが所属していたのは歩兵229連隊。制海権を失っていたために、ニューブリテン島には、新たな補充兵が来ることなく、いつまでも初年兵あつかいで、ひんぱんに暴力的な制裁を受けながら、陣地構築の日々を送っていたという。昭和19年になるとこの部隊のうち水木さんを含む2個中隊およそ400人は、この島の東端にあった日本軍の拠点「ラバウル」を防衛するため、ラバウルの西にあるオーストラリア軍の支配地域に近い前線のズンゲンに送られることになった。

 水木さんは、19年の春、ズンゲンよりさらに先にある「バイエン地区」に10数人の分遣隊の一員として派遣された。しかし、水木さんが歩哨に立っていたある夜、オーストラリア軍に率いられた現地のゲリラに襲われ、水木さんを除く分遣隊は全滅してしまう。水木さんは、一人でバイエンを脱出し、何日もかけて本隊に戻った。しかし、戻った時に、たった一人生き残ったことをなじられてしまう。
 さらに、その後、マラリアに罹患し、療養中に空襲にあい、左手に大けがを負った。野戦病院で切断手術を受け、左手を失ってしまったが、九死に一生を得た。そして、昭和21年3月に故郷に復員することができた。(NHK「証言」のサイトより)』

 水木さんは、初年兵として上官に毎日、殴られて、ろくな食事も与えられないまま、陣地構築のためにひたすら穴を掘っていたとのこと。
 その後、ラバウルの西のズンゲンなる地域に送られるのだが。前線にいた10人の仲間が全滅することに。たまたま歩哨として、離れたところにいた水木さんは攻撃を免れて、一命をとりとめるのだが。命からがら5日かけて部隊に戻ったところ、上官から「一人生き残ったから死ね」と命じられたという。(-"-)

<当時の日本軍には、「よくぞ、一人生き残って帰って来た」という感覚はなくて。「何でひとり、おめおめと帰って来た。何で最後まで戦って、玉砕しなかった」「日本兵として恥だし、士気が下がるので、自決せよ」という感覚、考え方になってしまうのだろう。(-_-;)>

 水木さんは出兵中を振り返り、「思い出とか、苦しいっていうのはね、1日じゃなくて全部そうです。全部。軍隊の中で1日でも楽(らく)っていう事はない。2年間なら2年間地獄です。深呼吸なんか出来ない。それはその期間はないです。毎日毎日が同じです」と語っている。
 戦争は地獄なのだ。(**)

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~  

 水木さんは、さらに慰安婦に関して、自らの目撃談を記し、慰安婦も地獄だとあらわしていたとのこと。ちょっと長いけど、リテラの記事全文をここにアップしたいと思う。

『追悼! 水木しげるが描いていたラバウルの戦争体験と慰安婦…「80人の兵隊を相手に…あれはやっぱり地獄だ」 リテラ 2015.11.30

 『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる漫画家・水木しげるが、今朝、多臓器不全のため都内の病院で亡くなった。93歳だった。
 1922(大正11)年生まれの水木は、1942年、20歳の秋、兵庫・西宮で徴兵検査を受け、近眼のため乙種合格となった。今年5月に、水木が出征前に記した手記が発見され、文芸誌「新潮」(新潮社)に掲載、話題になったことは記憶に新しい。手記は断片的ではあるが、哲学・芸術に想いをめぐらせた思索的なものだった。そして、その後戦地を目前としての死生観が記されていた。

〈毎日五萬も十萬も戦死する時代だ。芸術が何んだ哲学が何んだ。今は考へる事すらゆるされない時代だ。
 画家だらうと哲学者だらうと文学者だらうと労働者だらうと、土色一色にぬられて死場へ送られる時代だ。
 人を一塊の土くれにする時代だ。
 こんなところで自己にとどまるのは死よりつらい。だから、一切を捨てゝ時代になつてしまふ事だ。
 暴力だ権力だ。そして死んでしまふ事だ。
 それが一番安心の出来る生き方だ。〉(「新潮」15年8月号より)

 翌年1943年4月、水木のもとに、臨時の招集令状が届く。補充兵となり、激戦地ラバウル(ニューブリテン島)へ出征。爆撃によって左手を失った。戦後、漫画家となった水木は、自らの戦争体験を元にした作品を多数発表してきた。なかでももっとも有名なのが、自伝的戦記マンガ『総員玉砕せよ!』だろう。水木が「90%は戦地で自分が見聞きしたこと」であり「最も愛着が深い作品」だという同作は、こんな場面から始まる──。

 ニューブリテン島のココポという船着場で、日本軍の兵士たちが「ピー屋」、つまり慰安所の前で長蛇の列をなしている。「一人三十秒だぞ」と言う兵士。対し、慰安所の女性は「皆さんもう五時ですからおしまいですよ」と言う。兵士たちは「そんなこというなよ御国のためだ」「もう少し営業しろい」と食い下がるが、慰安婦はため息をつきながら「もう体がもたないわ……」。しかし、兵士は懇願する。
「ねえちゃんあと七十人くらいだがまんしてけれ」
 同作は、最終盤に兵士たちが敵隊に突入し、全員が玉砕するのだが、最後の数ページはひとつのセリフもなく、倒れ重なる死体のカットが繰り返されるだけ。死体はやがて白骨となり、まるでゴミかなにかのように積もっていく。その静寂のなかで幕を降ろす。
(下につづく)

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 圧倒的な不条理。そこには、昨今の戦争をモチーフにした小説や映画、漫画、アニメに見られるような、ヒロイズムや勇猛果敢さ、あるいは“民族の誇り”なるものは、いっさいない。
 2006年、水木は毎日新聞の取材を受けた際、「復員後、戦争を賛美するような戦記物漫画に反発を覚えたことがあると聞きました」と尋ねた記者に対して、このように答えている(8月16日付大阪朝刊)。
「戦争に行っていない人が描いている、と思った。戦争は映画みたいに都合良くいかない。それからずっとたって、『コミック昭和史』や『総員玉砕せよ!』を描いたのは、戦争を体験した漫画家として、残さなければならない仕事だと思ったからだ。心ならずも亡くなった人たちの無念。敗戦は滅亡だった。食に困らず、豊かさを味わえる現代は天国のようだ。戦争をすべきでない」
 
一方、同年の読売新聞でのインタビューでは、「今の日本の現状をどのように見られますか」と聞かれ、こう語っている(06年4月30日付朝刊)。
「これでいいんじゃないですか。締め付けめいたことや忠告めいたことを言ってもダメですよ。自然のままでいい。方向を決めても大したことはない。戦争中は聖なる目的で命がけでばく進したけど、このざまです。あんなに努力して、金をかけ、命まで投げ出して負け、幸せにはなれなかった。あれほどばかばかしいことはない。みな口には出さないけれど、戦争のばかばかしさは今も日本国民に染みついていますよ」

 ところが、2015年、安倍政権下の日本を見ていると、どうにも、この国はまたしても戦争へ向かっているような気がしてならない。それは、為政者が「未来志向」の名の下、戦争の“負の遺産”を消し去ろうとしていて、しかも、人々の心の中にまでその空気が広がりつつあるからだ。たとえば先日も、自民党で歴史認識問題に取り組む「国際情報検討委員会」の原田義昭委員長が、「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている」と発言した。いま、安倍政権は明らかに歴史の修正に舵を切っている。

 しかし、水木が『総員玉砕せよ!』で描いているような場面は、決してフィクションではない。慰安婦は事実存在しただけでなく、彼女たちが強いられた行為は、まさに非道としかいいようのないものだった。水木は別のコミックエッセイで、ココポでの慰安婦をより詳細に描いている。『カランコロン漂泊記 ゲゲゲの先生大いに語る』(小学館)に収められている、8ページの短いマンガ。タイトルは「従軍慰安婦」だ。

 年老いた水木が、書斎で戦争中、ココポでの出来事を回想する。水木青年は、上等兵に「お前も行ってこい」と言われる。以下、水木のモノローグ。

〈というようなことでピー屋の前に行ったがなんとゾロゾロと大勢並んでいる。
 日本のピー屋の前には百人くらい、ナワピー(沖縄出身)は九十人くらい、朝鮮ピーは八十人くらいだった。
 これを一人の女性で処理するのだ。
 僕はその長い行列をみて一体いつ、できるのだろうと思った。
 一人三十分とみてもとても今日中にできるとは思われない、軽く一週間くらい、かかるはずだ。
 しかし兵隊はこの世の最期だろうと思ってはなれない、しかし……
 いくらねばっても無駄なことだ。
 僕は列から離れることにした。
 そして朝鮮ピーの家を観察したのだ。
 ちょうどそのとき朝鮮ピーはトイレがしたくなったのだろう、小屋から出てきた。〉

 朝鮮人慰安婦が便所で用を足すところを見て、水木は「はァ」と目を見開く。そして、頭を抱える。以下、再びモノローグ。
〈とてもこの世の事とは思えなかった。
 第一これから八十くらいの兵隊をさばかねばならぬ。
 兵隊は精力ゼツリンだから大変なことだ。
 それはまさに“地獄の場所”だった。〉
 場面はかわって、現代。書斎の椅子で目をつむる老いた水木は、〈兵隊だって地獄に行くわけだが、それ以上に地獄ではないか〉と物思いにふけている。

〈よく従軍慰安婦のバイショウのことが新聞に出たりしているが、あれは体験のない人にはわからないだろうが……
 やはり“地獄”だったと思う。
 だからバイショウは、すべきだろうナ。
 ……といつも思っている。〉

 水木しげるは、決して「平和」や「護憲」を大声で叫ぶようなタイプではなかった。だが、多くの子どもたちからも愛される国民的作家であった一方で、こうした戦場の悲惨な現実を、もくもくと漫画で表現してきた作家でもあった。
 水木はこの夏の安保法制の強行を見て、何を思ったのだろう。広がる歴史修正のイヤな空気を吸いながら、どう感じていたのだろう。もっともっと生きて、その記憶と思いを伝えてほしかった。その死を惜しみつつ、掌を合わせたい。(宮島みつや)』
 
* * * * *

 戦争体験者、特に実際に兵士として戦場を体験した人たちが、高齢になって、どんどん少なくなって行く中、このように積極的、具体的に戦場の悲惨さを伝えてくれる人がいなくなるのは、本当に残念だし。
 その分、私たちが何らかの形で、その体験談を伝えて行くように努めなければと、そして安倍政権が9条の平和主義を破壊した部分を何とか修復したいと改めて思ったmewなのだった。(@@)
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by mew-run7 | 2015-12-01 04:49 | 平和、戦争、自衛隊 | Trackback(1)

安倍、朴と初の首脳会談も、共同会見、昼食会もなし。慰安婦問題もビミョー

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 日中韓首脳会談のため韓国を訪問中の安倍首相は、2日、韓国の朴槿恵大統領とソウルの青瓦台(大統領府)で初めて2人きりの首脳会談を行なった。(@@)

<12年末に安倍二次政権が発足してからは、14年3月、日韓関係の改善を望むオバマ大統領が間にはいる形で、日米韓の首脳会談を行なったことが1回あるだけ。^^;>

 安倍首相は、就任以来、米国からしつこく日韓、日中関係を修復するようにとの要請(指示)を受けているし。党内の親韓、親中派の議員や経済団体からも、いい加減に中韓との関係を改善させるようにとの声が強まっているる感じがある。(~_~;)

 また実際のところ、北朝鮮がアブナイ動きを強めている中、北朝鮮に対応するためには、米国と韓国との連携が重要になるし。
 安倍氏らの天敵・中国がアジア征服(?)を目指して、こちらも南シナ海進出などのアブナイ動きが目立つようになっている中、韓国が中国に取り込まれるのを防ぐ必要があるわけで。<そのために安保法制も整備したのだし。>
 安倍首相も、特に今回は日韓関係の修復を第一に考えて、訪韓したのではないかと思われる。(・・)

<ちなみに、mewはよく、安倍首相らの超保守派の中には、中朝韓の国や民族を嫌悪、敵視している人が少なくないと書くのだけど・・・。
 安倍氏に関して言えば、mewの見る限り、中国や北朝鮮をかなり強く敵視しているものの(中国に軍事的、経済的に勝つために国政を行なっていると言っても過言ではないほど?)、韓国のことは慰安婦の強制連行+αの歴史認識の問題を除いては、さほど悪くは思っていないようにも思われる。(妻・昭恵さんは韓国の歌手や料理が大好きで、日韓交流のイベントに積極的に出席して夫人&婦人外交を行なっているしね。(・・))>

 ただ、前回も書いたように、安倍首相、朴大統領とも超保守系の支持者が多いため、関係改善のためにあまり妥協や譲歩をすると、支持者から反発をくらって、支持率が低下するおそれが大きいのが困りもので。今回の3国の会談にも、日韓首脳会談にも、その影響があらわれているように見えた。(-_-;)

* * * * *
 
『慰安婦、解決の道筋見えず=日韓首脳3年半ぶり会談

 【ソウル時事】安倍晋三首相は2日、韓国の朴槿恵大統領とソウルの青瓦台(大統領府)で初めて会談した。
 日韓首脳の会談は2012年5月以来、3年半ぶり。両首脳は最大の懸案である、いわゆる従軍慰安婦問題について、「早期妥結」に向け交渉を加速させることで合意した。ただ、双方の立場には隔たりが大きく、解決への道筋は見えていない。

 約1時間40分に及んだ会談で、朴大統領は慰安婦問題について「両国関係改善の最も大きな障害だ」と述べ、早期解決を要求。首相は「未来志向の関係を築いていくため、将来の世代の障害にならないようにすることが重要だ」と同意した。両首脳は、今年が国交正常化50年に当たることを踏まえ、外務省局長級で進めている協議を加速させることで一致した。

 朴政権は、慰安婦問題を解決したと見なすための具体的な条件を明示しているわけではない。ただ、韓国の元慰安婦支援団体は日本政府が法的責任を認めるよう主張しており、要求水準をこれより下げるのは困難とみられる。これに対し日本政府は、法的問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決した」との立場だ。

 これに関し、日本政府関係者は2日、「人道的見地に立った対応は法的問題とは別だ」と指摘した。ただ、日本側は仮に法的問題を棚上げして政府間で合意しても、韓国政府が国内の批判にさらされればほごにしかねないと警戒しており、踏み込んだ解決案は提示できていないのが実情だ。

 両国間には他にも、韓国人元徴用工の賠償請求権問題や、産経新聞前ソウル支局長への懲役求刑、韓国による日本産水産物の輸入規制などの懸案が山積している。これらに関し、首相は会談で日本の立場を主張し、韓国側の善処を求めた。

 一方、首相は中国が南シナ海で人工島を造成している問題に言及。米軍の艦艇派遣を「直ちに支持した」と説明した上で、「開かれた自由で平和な海を守るため、米韓と連携していきたい」と述べ、米国の同盟国として日本と足並みをそろえるよう促した。(時事通信15年11月2日)』

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『共同会見なし、昼食会もなし 慰安婦、産経前ソウル支局長問題…懸案山積、記者質問を回避か 不満表明との見方も

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三首相は首脳会談後、共同記者会見を行わなかった。日韓両国の関係改善を内外にアピールする機会にもなり得たが、朴大統領は結局、リスクを冒すのを避けた。懸案が山積する両国関係の危うさが逆に浮かび上がる形となった。(坂本一之、ソウル 藤本欣也)

 国家元首である韓国の大統領には警備上の問題などから、記者団の取材にしばしば応じる慣例はない。大統領単独の記者会見もまれで、年初に1回、大統領府で開かれるぐらいだ。

 特に朴大統領の場合は、歴代大統領に比べても会見の数が少ない。2013年の政権発足以降、国内メディアのインタビューにも応じていない。朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領を父親に持ち、毀誉褒貶(きよほうへん)にさらされてきただけに、「メディアへの不信感があるようだ」(報道関係者)。

 ただ、外国の指導者が韓国を訪問した際には、共同記者会見が行われるケースがある。最近では、今年5月にブルガリアの大統領、7月にホンジュラスの大統領、10月にドイツの大統領が訪韓した際に共同記者会見が開かれている。国家元首ではない首相の場合でも行われている。

   
■    ■

 今回、安倍首相は公式訪問ではなかったものの、朴大統領が安倍首相との共同記者会見を決断すれば、内外に「日韓関係新時代」を打ち出すことはできた。日韓の関係修復を求めていた米国に対しても、朴大統領自身の成果としてアピールできたが、見送った。

 背景には、慰安婦問題などをめぐって首脳会談の調整が難航した経緯がある。韓国紙、朝鮮日報は10月29日付の紙面で、「水面下の調整で成果がなければ、大統領府は、安倍首相との昼食会や共同記者会見を行わないという形で不満を表すことを検討するだろう」との見方を報じている。

 また、共同記者会見を行えば、慰安婦問題のほかにも、朴大統領への名誉毀損(きそん)で在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の問題や、南シナ海での中国の人工島建設問題などで、日本の記者から質問を受ける可能性もあった。

 朴大統領が安倍首相との共同記者会見や昼食会を行わなかったことについて、「初の首脳会談の成果がない中で必要以上に友好ムードを醸し出し、国内世論を刺激するのを避けた」(外交筋)との見方もある。

   
■    ■

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は2日夕の記者会見で、共同記者会見がなかった理由について「承知していない」と説明。その上で、「共同会見するという決まりも何もない」と述べ、安倍首相と朴大統領が並んで会見することが規則になっているわけではないことを強調した。

 しかし首相周辺は、共同記者会見を見送ったことに「深い意味はない」と述べるにとどめ、歯切れが悪い。首脳会談が開かれれば、成果を自らの言葉で自国民や世界に発信するのが外交では通例だからだ。

 政府高官は「日本から共同会見を止めようと提案した事実はない」と明言。韓国側からの提案であったことを示唆する。

 また、日本の外務省幹部は「慰安婦問題は韓国の内政問題となっている」と指摘する。記者会見での発言が国内世論をあおることになることを警戒する韓国政府に、日本が配慮した姿勢が透けてみえる。

 日本政府にとっても慰安婦問題がさらにこじれれば、議長国として開く来年の日中韓首脳会談の開催が危ぶまれることになる。両政府ともに不測のトラブルを回避したい思いは共通だ。

 外交筋は「もともと成果を求める会談ではない」と述べ、“無難な”日韓首脳対話のスタートに腐心した舞台裏を思わせた。産経新聞15年11月2日)』

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『<日韓首脳会談>与党、外交進展アピール

 安倍晋三首相が2日、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と初の首脳会談を行ったことで、与党は来夏の参院選に向け、アジア外交の進展をアピールする考えだ。ただ、保守色が強まる自民党内で中韓両国への強い姿勢を求める動きも消えておらず、党内保守派への目配りも必要となりそうだ。【中島和哉、田所柳子】

 ◇保守派、歴史問題で反発も

 「安倍政権の東アジア外交にとって大きな前進だ」。自民党のベテラン議員は胸をなで下ろした。公明党の山口那津男代表も東京都内の会合で「まずは会って胸襟を開き、一つ一つ解決に結びつけていく営みが重要だ」と評価した。冷却化していた東アジア外交の前進は、与党にとって参院選への弾みだ。9月に成立した安全保障関連法の審議では、野党が「安全保障の要は外交努力だが、中国や韓国など(との対話)が抜け落ちている」(社民党幹部)と反発。自民党内でも「近隣外交を無視して安全保障は成り立たない」(閣僚経験者)との批判がくすぶっていたためだ。

 特に日韓の最大の懸案である慰安婦問題の「早期妥結」で一致したことで歩み寄りへの期待は強く、別の閣僚経験者は「個別事案にこだわって正当化する試みは、もうやめなければならない」と日中韓それぞれに前向きな議論を求めた。

 ただ、自民党内には慰安婦や歴史認識問題で、中韓との歩み寄りに抵抗感を持つ議員も少なくない。今年6月に報道機関への圧力発言が飛び出した若手勉強会「文化芸術懇話会」の参加議員は、慰安婦問題に関し「強制連行があったという事実はないと認識してもらわなければならない」と語った。首相に近い稲田朋美政調会長は1日のフジテレビ番組で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に中国の「南京大虐殺」資料が登録されたことに関連し、「日本が不快感を表明するためにも拠出金問題を提示するのは意味がある」と語った。対中関係では南京事件問題がくすぶり続けそうだ。

 党内のリベラル派議員には「未来志向とは和解の道であり、対立の道ではない」と保守派をけん制する声があるが、大きな流れにはなっていない。政府が演出した「雪解けムード」も、中韓両国の今後の発信によっては、不満が噴出する可能性も残る。野党からは2日、「侵略戦争と植民地支配への反省を土台に据えることが大事だ」(共産党の山下芳生書記局長)など、今後のアジア外交に注文を付ける声が出た。(毎日新聞15年11月2日)』

~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

 安倍首相は2日夜、BSフジのプライムNEWSに出演。慰安婦問題の解決に意欲を示したという。^_^;

『会談後、安倍首相は、いわゆる「従軍慰安婦」問題については、「国交正常化50年の年であるということを念頭に置きながら、できるだけ早期の妥結を目指してですね、交渉を加速させていこうということで、一致をいたしました」と述べた。
いわゆる「慰安婦」問題は、1965年の日韓の請求権協定によって、完全かつ最終的に解決済みというのが政府のスタンス。』

『安倍首相は、「おそらく多くの日本の方々は、ゴールポストが動いているという実感を持っておられるんだろうと思いますね。ですから、大切なことはですね、お互いに合意をすれば、そのあとはもう、この問題はもう、再び提議をしないということだろうと思います」、「政権が変わるたびに、提議をされているということがないようにしなければならないと、いずれにしてもですね。それは合意、妥結ということは、そういうことだろうと思ってます」と述べた。
 今回、妥結という形で、いわゆる「慰安婦」問題にけりをつける決意を見せた安倍首相。』(FNN15年11月2日)』

* * * * *

 とはいえ、日本と韓国、とりわけ安倍首相と朴大統領、そして彼らの周辺の人たちの間では、「早期の妥結」の内容に関するイメージ、認識の差異がかなり大きいと思われ・・・。
 やはり日韓の関係を改善して、東アジアが平和で安定した状態を維持するには、まずは安倍政権を早く終わらせることが近道になるのではないかと思うmewなのだった。(@@)

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by mew-run7 | 2015-11-04 13:43 | (再び)安倍政権について | Trackback

NHK会長が、慰安婦問題で韓国批判。恣意的人事で、NHKが安倍カラーに染まる危険


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【*1、*2などの関連記事は、記事の最後にあるMoreの部分にあります。】


 昨年10月に『安倍がNHK支配を強める仰天人事~超保守派の会長、委員で、安倍カラー推進か』という記事をアップしたのだが。

<実は、近いうちに新会長人事の件も含めて、その続きとなる「安倍さまのNHK」(仮題?)という記事をアップしようと思って、昨年末からチョコマカと関連する記事を集めていたのだけど。(まとめる時間がとれず、まだ書きかけなのら。)何とその記事がアップされる前に、新会長がトンデモ発言をしちゃったです。(~_~;)

 安倍陣営のNHKへの影響力行使が進んでいると言われる中、25日に、NHKの新会長に就任した籾井勝人氏が、記者会見で慰安婦問題や領土問題について言及したことから、波紋を呼んでいる。(@@)

<籾井氏の慰安婦に関する発言は、昨年、維新の橋下代表が言っていた内容とほぼ同じかも。^^;>
 
 安倍首相&超保守仲間たちは、かねてよりNHKは左寄りだと批判。<松本前会長も、原発や領土、安保軍事になどに関して(現政権の方針と合わず)偏っていると批判を受けて、退任。>
 新たな経営委員や新会長は、安倍陣営の意向(思想?)に沿う人が選ばれたと言われている。
<関連記事・
 そのような経緯もあるので、尚更に、今回の籾井会長の発言は、国内外から疑問や批判にさらされるおそれがあるに。(~_~;)

* * * * *

『25日、NHKの新しい会長に就任した籾井勝人会長が記者会見し、不偏不党や公平をうたった放送法の順守に努めるとともに、国際放送の充実に取り組む考えを示しました。(中略)

 記者会見で、籾井会長は「私がまず第一に挙げているのは放送法の順守で、放送法に沿った経営をやっていくことが、われわれに課された重大な任務だ。職員一同が放送法をもう一度身近に考えるよう徹底していきたい」と述べ、不偏不党や公平をうたった放送法の順守に努める考えを示しました。
 また、籾井会長は「国際放送の充実など、さまざまな課題をしっかり実行に移していきたい」と述べました。(NHK14年1月25日)』

『私の任務はボルトやナットを締め直すこと。放送法を順守しながらいろいろな課題に取り組んでいく。(朝日新聞14年1月25日)』

* * * * *

『NHK新会長の籾井(もみい)勝人(かつと)氏は25日の就任会見で、従軍慰安婦について「戦争をしているどこの国にもあった」と述べた上で、日本に補償を求める韓国を疑問視した。従軍慰安婦問題を取り上げた過去のNHK番組に関連し、この問題に関する見解を問われ答えた。尖閣諸島・竹島など領土問題については、国際放送で「明確に日本の立場を主張するのは当然。政府が右ということを左というわけにはいかない」と話した。

 放送法はNHKを含めた放送事業者に「政治的公平性」を義務づけている。NHKの会長がこのような発言をするのは極めて異例。

 籾井氏は従軍慰安婦問題について「今のモラルでは悪いんですよ」としつつ、「戦争をしているどこの国にもあった」としてフランス、ドイツの名を挙げた。「なぜオランダにまだ飾り窓があるんですか」とも述べた。飾り窓はオランダなどにある売春街を指す。
 さらに「会長の職はさておき」とした上で、韓国についても「日本だけが強制連行したみたいなことを言っているから話がややこしい。お金をよこせ、補償しろと言っている。しかしすべて日韓条約で解決している。なぜ蒸し返されるんですか。おかしいでしょう」と述べた。その後、記者から会長会見の場であることを指摘されると、発言を「全部取り消します」と話した。(朝日新聞14年1月25日)』

* * * * *

『25日就任したNHKの籾井勝人新会長は東京都渋谷区の放送センターで記者会見し、課題の一つとして国際放送の充実を挙げた。籾井会長は沖縄県・尖閣諸島や島根県・竹島を例示して「領土問題について、明確に日本の立場を主張することは当然」と語った。
 また、2025年の運用開始を目指してきた新放送センターへの建て替えについては、「直下型地震が来ても放送を中断するわけにはいかない」と強調した上で、20年の東京五輪に合わせるため前倒しする考えを示した。

 籾井会長は「不偏不党」をうたった放送法について「放送法があるがゆえに(政権との)距離が保てる」と意義を強調したが、国際放送に関しては「政府が右と言ってるものを左と言うわけにはいかない」などと述べた。(時事通信14年1月25日) 

* * * * *

『NHK会長としての一歩を踏み出す晴れ舞台となるはずだった就任会見で、籾井勝人(もみい・かつと)氏は窮地に立たされた。自らの不用意な発言が進退問題にも発展しかねない状況だ。

 従軍慰安婦問題について記者から質問され、籾井氏は「コメントは控えていいですか」と言いながら「戦時中はどこの国にもあった」と口を滑らせ、韓国の姿勢などについて持論をまくしたてた。

 籾井氏は昨年12月にNHK経営委員会から会長に選出されたばかり。経営委員側からは「外交問題に発展しかねない。選んだ側の責任も問われる。国際放送の役割についても事前に十分説明したのに、正しく理解していない」と失望の声がもれた。発言の真意をただし、今後の対応を検討するため、浜田健一郎委員長は週明けにも籾井氏と面会する予定だ。28日には経営委もあり、各委員から直接追及されるのは必至だ。さらに来年度予算の国会審議も間近に控え、議員の質問攻めにあって同じ過ちを繰り返すことも懸念される。

 NHK内部からは会長の資質を疑問視する声が出始めている。公共放送トップとしての自覚と説明責任が問われている。(毎日新聞14年1月25日)』

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 まず、それこそ最も不偏不党であるべきNHKの会長が、就任会見という公の場において(仮に記者から質問を受けたとしても)、深刻な外交問題に発展しつつある歴史認識に関して、持論を述べること自体、決して妥当なことだとは言えないだろう。(~_~;)  
 
 では、逆に、何故、記者はわざわざ慰安婦問題について、新会長に質問したのか。(・・)
 それは、かつて安倍首相らが、NHKの慰安婦に関するドキュメンタリー番組を修正させたことがあるからにほかならない。(-"-)
 それを前提にして、安倍陣営の息がかかっていると言われる籾井氏が、どのような見解を示すのか確かめてみたかったのではないかと察する。^^;

<安倍氏ら超保守派は慰安婦の強制連行を否定。01年1月、NHK教育TVが「ETV2001 問われる戦時性暴力」という番組を制作した際に、番組内容の一部(旧日本軍の性暴力被害者の証言や判決)に問題があると指摘して、放映直前にカットさせたことがあるのよね。(~_~;)関連記事・『NHK番組改変判決で、安倍の関与を認定~』>

* * * * *

 籾井勝人氏(70)は、福岡出身、九州大(経)卒。三井物産に入社し、主にに鉄鋼畑を歩んだ後、米国三井物産社長、本社副社長を務めた後、日本ユニシス社長に就任。退任後は、相談役、特別顧問を務めていた。
 
 週刊文春には、九州経済界の人脈によって選ばれたという記事が出ていたのだが。<麻生&安倍の財界ルート?)安倍首相の盟友である甘利経済再生担当大臣と旧知の仲であるとのこと。^^;
 後述するように、そこに安倍首相のサポーターであるJR東海の葛西会長なども絡んで、籾井氏が選ばれることになったのだろう。(~_~;)

『NHKの次期会長人事は、先の臨時国会で同意を得た新任の経営委員4人が安倍晋三首相に近い人選だったことから、政権との距離が注目された。首相官邸は経営委員会の選考過程を静観する姿勢を通したが、水面下では甘利明経済財政担当相らが、松本正之会長(69)の後任に選ばれた、日本ユニシス特別顧問の籾井勝人(もみい・かつと)氏(70)の擁立に関わっていたことが明らかになった。

 政府関係者によると、籾井氏と甘利氏は故・竹下登元首相が発足させた政治家と財界人の交流会を通じて旧知の間柄。「だから今回名前が挙がり、就任をお願いした」と明かす。政府は表向き「(次期会長は)経営委員会で議論し、決定する」(菅義偉官房長官)と建前論を繰り返しつつ、NHKとのパイプの確保に動いていたことになる。経営委員の一人、石原進JR九州会長も官邸サイドの意向を踏まえ、同じ福岡県出身の籾井氏を推したとされる。

 松本氏を巡っては今年春ごろから、「放送内容が偏向している」と財界などに交代論が浮上。政府は10月、経営委員5人の国会同意人事案を衆参両院に提出したが、このうち新任4人は首相とつながりがある人物。会長決定には委員12人中9人以上の賛成が必要なことから、関係者は「松本氏の再任を阻止する政権のシグナル」と受け止めた。松本氏は今月5日の記者会見で今期限りでの退任を突然表明した。

 自民党の「領土に関する特命委員会」(額賀福志郎委員長)が18日、政府の主張をNHKの国際放送で戦略的に発信することを盛り込んだ要望書を首相に提出するなど、政権のNHKへの風当たりは強い。菅氏は20日の記者会見で「公共放送の使命をしっかり踏まえ、国民から『なるほどな』と思われるようなNHKになってほしい」と述べ、報道姿勢を巡って経済界や自民党に不満が根強い現体制を暗に批判した。

 NHK内からも籾井氏のトップ就任で政権寄りの姿勢が強まることを危ぶむ声が出ている。ある職員は「政権の意向を感じる人事だ。新会長は経営だけではなく、ジャーナリズムや文化の価値を尊重してくれるのか今後が心配だ」と話した。

 ◇受信料見直し明言

 籾井氏は選出後の記者会見で、インターネットサービス強化のため、受信料制度の見直しが必要との認識を示した。

 籾井氏は、テレビに限定した現行の受信料制度について「とっくに変えていなければいけない」と明言。放送と同時に番組をネットに配信するサービスを前提に「いい番組を作るには誰かにお金を払ってもらわなければいけない。場合によっては、国民全員に払ってもらいたい」と述べ、受信料の義務化も含め検討する考えを示した。(毎日新聞13年12月21日)』

* * * * *

 果たして、安倍首相&超保守仲間がこの籾井氏の発言をきいて「よしよし」とほくそ笑んでいるのか。それとも、ここまで言うとは思っておらず、「まいったな~」と困惑しているのかはわからないのだけど・・・。

 籾井氏が、このような発言を行なったのは、松本前会長が実質的に更迭されたのを見て、自分は安倍陣営の期待に応えたいという思いが強かったからではないかと察する。^^;

 安倍首相らは、今年にはいって、松本正之NHK会長を交代させることを考え、その準備を進めていた。^^;

 松本氏は、元JR東海副社長。安倍首相とも懇意のJR東海・葛西会長の弟分で、葛西氏らの意向によって、11年1月にNHK会長に就任。NHKの経営改革などで手腕を発揮しており、局内や経営委員からの評判も悪くなかったとのこと。それゆえ、本人も3年の任期が近づくにつれ、2期めも続投する意欲を示していたようなのだ。(・・)

 ところが、安倍氏らの超保守派(政財界や識者など)から、松本会長下のNHKは原発や領土問題などに関する放送の仕方が偏っているとの批判が出ており、会長を交代させるべきだという意見が出ていたのである。
<原発で言えば、NHKが福島原発事故の問題をドキュメンタリーで取り上げたり、脱原発の活動をニュースで大きく扱ったりするこが、国民の脱原発ムードを助長すると原発推進派の政財界から批判されており、葛西会長は「言うことをきかなくなった」とお怒りだったとか。^^;>

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 安倍首相や菅官房長官は、昨年夏に、葛西会長や同じくお仲間の古森元NHK会長らと何回か会っており(会食とかゴルフとか)、その時に松本会長の交代に関しても協議をしたのではないかと見られている。(-_-;)

 そして、NHKの会長は、経営委員会のメンバーの推薦、投票によって選ばれるのだが。昨年10月には、安倍内閣は、その経営委員会に、百田尚樹氏など安倍首相と関わりや思想の近い4人を新委員として送り込み、会長人事のイニシアチブを握ったのである。(-"-)

<ちなみに「永遠のゼロ」の著者である百田尚樹氏が、自分のツイッターに「東京都知事選は舛添か細川だと言われている。もう絶句するしかない。どちらが知事になっても、ひどい」、「「私は関西在住だが、舛添にも細川にも、東京都の知事にはなってほしくないと思っている。もし私が東京都民だったなら、 田母神俊雄氏に投票する」と記していたとのこと。
 不偏不党であるべきNHKの経営委員が、このような意見を表明するのは問題ではないかと、疑問や批判の声が出ているようだ。(NHKに苦情電話も来ているらしい。)(~_~;)>
  
* * * * *

 松本会長は、そのような動きや批判を受けて、昨年10月には、まるで反省文のような書面を作成していたという。(ノ_-。) 

『NHK会長、続投に意欲か 「偏向報道」打ち消しに躍起

 来年1月に任期が切れるNHKの松本正之会長(69)が、政財界からの「NHKは偏向している」といった批判の打ち消しに躍起になっている。今夏には松本氏の指示で、原発問題や領土問題で公平・公正を守るNHKの報道姿勢を明文化した対外資料を初めて作成。松本氏の動きについて事実上の「続投意欲の表明」との観測も広がっている。

 「放送の公平・公正について」と題したA4判の資料では、「(公平・公正を)原則として、個々の番組でとる努力」の必要性を強調。原発問題について「特定の立場に立つようなことはあってはならない」、尖閣諸島(沖縄県石垣市)、竹島(島根県隠岐の島町)問題については「日本の領土であるとの立場を明確にし、機会あるごとに日本の立場を発信」するとしている。

 松本氏はこの資料を幹部に配って徹底を呼びかけ、会長任命権を持つ経営委員会や、政府関係者への説明にも活用しているという。(13年10月14日)』

 しかし、安倍首相らにはその努力(?)を認めてもらえなかったようで。昨年12月に、自ら1期で会長職を退くと発表。
 そして、間もなく、籾井氏が新会長の有力候補として、アチコチで報じられるようになって。経営委員会では、JR九州の石原会長の推薦を受ける形でNHKの会長に選出されたのだった。(@@)

* * * * *

 まあ、もしかしたら籾井氏という人自身、安倍氏らと思想が近い&どこかイッチャった系超保守の部分があるのかも知れないけど。
 上述したような経緯もあったためか、籾井氏は、新会長に決まってから、安倍氏らの意向を忖度しつつ発言するように努めていたような感じがある。

 籾井氏は、週刊文春の取材に対して、安倍首相が偏向報道を懸念していることについて問われ、
こんな風に答えていたとか。

「それはNHKに限らず、テレビの報道は皆おかしいですよ。例えば、『反対!』っていう人ばかり映して、『住民が反対している』と。じゃあ何人デモに来ていたか、というのを言わない。僕は言うべきだと思っている。賛成と反対があるならイーブンにやりなさい。安倍さんが言っているのはそういうことですよ。何も、左がかっているから右にしろと言っているわけではないと僕は理解しています」(週刊文春13年12月26日号)

 また「中国が安倍さんのことを右傾化していると言っていたけど、何を言っているのかと。それで言うと中国なんかはもっと右じゃないか。そのへんのことを日本のメディアはもっと考えてもらわないと困る」(同上)とも語っていたという。(~_~;)

* * * * *

 籾井氏が、NHK国際放送で「尖閣諸島や竹島などの領土問題を主張するのは当然」だと語ったのも、安倍陣営の意向を受けてのことだ。(・・)

 NHKは、国民の受信料によって成り立っている公共放送であるのだが。国際放送の方は、日本政府として海外に向けて広報や情報提供を行なう意図もあって、政府の予算がはいっている。
 そして、安倍陣営は、以前からこの国際放送の活用に目をつけていて。前政権時の06年11月には、当時は総務大臣だった菅義偉氏が、NHKの会長を呼び,北朝鮮による日本人拉致問題をNHKの短波ラジオの国際放送で「特に留意」して放送するようにという「放送命令」を出したため、果たして政府がどこまで放送内容に介入していいのか、問題視されたことがあった。(-_-;)

 安倍自民党は今政権でも、NHKの国際放送を領土問題に関する情報発信や世論形成などに活用すべきだと提言。安倍首相も、期待を示しているという。^^;

『安倍晋三首相は18日、日本の領土や主権に関するNHKの国際放送のあり方について「もうちょっとみんなが興味を持つようになってくれるといい」と注文を付けた。官邸で自民党「領土に関する特命委員会」の額賀福志郎委員長から情報発信強化を求めた提言を受け取った際に語った。

 提言は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張する中国や、竹島(島根県隠岐の島町)を不法占拠する韓国に対抗し、政府による情報発信を単なる「広報」から戦略的な「世論戦」に強化するよう求めた。その中に「NHK国際放送などの発信強化」も盛り込んだ。

 国連公用語を用いた広報ビデオなどの充実による国際世論の形成や、教科書で歴史的経緯や関係国の主張の誤りを積極的に指摘していくことも提起しており、首相は額賀氏に「教育や対外活動を重視しなければいけない」と述べた。(産経新聞13年12月18日)』

 でも、もし籾井会長が今後も安倍陣営の意向を汲んで&自分の思想も反映させる形で、NHKの運営を続けた場合、番組制作のスタッフにも有形無形の影響力や圧力が及ぶおそれは十分にあるし。そうなれば、国際放送にとどまらず、NHKの番組全体が、どんどん安倍カラーに染まって行く危険性もあるわけで・・・。
 改めて「日本が、そしてみなさまのNHKがアブナイ!」と叫びたいような気持ちになっているmewなのだった。(@@)

                       THANKS

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by mew-run7 | 2014-01-26 08:19 | (再び)安倍政権について | Trackback(3) | Comments(5)